資料原試第4−4号
平成14年3月22日
クロスオーバー研究推進WG

クロスオーバー研究の今後の在り方について

1.クロスオーバー研究の概要
 原子力基盤技術総合的研究(以下、クロスオーバー研究と略す)は、原子力委員会により昭和62年6月に改訂された第7次原子力開発利用長期計画(以下、原子力長計と略す)において原子力開発利用の基本目標の一つに創造的・革新的科学技術の育成が掲げられ、その一環として基盤技術開発の重点的推進が挙げられたことを受けて、平成元年度より実施(4領域5課題)されてきた。その後、平成6年度より第2期(6領域10課題)、平成11年度より第3期(5領域8課題)と変遷を重ね、現在は第3期クロスオーバー研究の3年目に当たる。
 研究領域および研究課題については、原子力委員会に設置された基盤技術推進専門部会(以下、基盤部会と略す)の提案により選定されてきた。第1期の研究領域・課題の設定は、昭和62年6月策定の原子力長計に、推進すべき基盤技術分野として、「原子力材料」「原子力用人工知能」「原子力用レーザー」「放射線リスク評価・低減化」の4つの領域が挙げられたことを受けて選定された。第2期では、基盤部会の答申を受けて、既存の4領域に加え、「放射線ビーム利用先端計測・分析」「原子力用計算科学」「知的活動支援」の3領域が加わった(但し、「知的活動支援」は「原子力用人工知能」と統合)。第3期では、基盤部会に下部組織として設けられたクロスオーバー研究推進会議により、「放射線生物影響」「ビーム利用」「原子力用材料」「ソフト系科学技術」「計算科学技術」の5領域が推進すべき分野として取り上げられている(参考資料1)。

2.クロスオーバー研究を取り巻く環境
2-1.原子力長計
 平成12年11月に改訂された第9次原子力長計では、それまでの第8次原子力長計(平成6年6月改訂)で重点的に研究開発を行うべき基盤技術分野として具体的に明記されていた「放射線生物影響」「ビーム利用」「原子力用材料技術」「ソフト系科学技術」「計算科学技術」の5分野に関する記述が削除され、替わって国が行うべき研究として、基礎・基盤研究の必要性が記載された。また、それらの研究の実施においては、競争的資金の活用の考慮、研究者の独創性の重視、適切な評価の実施の必要性が指摘されるに至った。

2-2. 第2期科学技術基本計画
 平成13年3月に閣議決定された第2期科学技術基本計画においては、重点分野に積極的、戦略的に投資を行い、研究開発の推進を図らねばならないとされ、具体的には、ライフサイエンス分野、情報通信分野、環境分野及びナノテクノロジー・材料分野の4分野に対して特に重点を置くこととされた。  

2-3.予算および研究評価
クロスオーバー研究実施機関のうち、国研および独法(放医研を除く)については(項)原子力試験研究費より、原研、理研、放医研、(財)環境研についてはそれぞれの機関の予算により支出されている。このうち、(項)原子力試験研究費では多くの個別研究も実施されており、国研および独法(放医研を除く)におけるクロスオーバー研究のサブテーマは他の個別研究と同じ基準で予算配分が行われている。
第3期の中間評価では、クロスオーバー研究における全てのサブテーマに対し、他の個別研究と同じ評価基準に基づく評価が実施された。
 
2-4.研究機関
産学官連携を掲げてスタートしたクロスオーバー研究であるが、現行は、国研、独法および旧科技庁関連の特殊法人である原研、理研及び(財)環境研により実施されている。

3.今後の在り方について
 クロスオーバー研究推進WG(平成13年12月25日開催)において、クロスオーバー研究の現状を踏まえて、制度の在り方自体を含めたクロスオーバー研究の将来について議論した。主な内容は以下のとおりである。

(1)領域及び課題について

(2)予算について

(3)評価について

(4)招へい・派遣について

(5)クロスオーバー性に関して

(6)まとめ
 第4期クロスオーバー研究については、クロスオーバー研究体制の強化・制度の改善を行い、現行のクロスオーバー研究をさらに発展させて推進するのが望ましいと考える。そのため、クロスオーバー研究体制の強化においては、産学官連携の強化、研究グループリーダーの(@)強力なリーダーシップ、(A)責任体制の明確化、(B)裁量権の強化が重要であるとともに、グループリーダーが国民に対する情報発信を積極的に行う必要がある。また、制度の改善については、クロスオーバー研究独自の評価基準の策定及びその評価結果の予算への反映が必要である。 
 一方、第4期クロスオーバー研究領域の設定においては、現行の長計のもとに基礎・基盤研究に取り組む必要があるとともに、科学技術基本計画の重点4分野を視野に入れたトップダウンの研究領域の選定が必要である。


参考資料1

クロスオーバー研究と原子力開発利用長期計画との関係