原子力試験研究費について

1.研究費の概要
 各府省の所管する試験研究機関等の実施する原子力利用に関する試験研究については、昭和32年度以降科学技術庁に一括計上し、必要に応じて各省の予算に移し替えている。中央省庁等改革に伴い、平成13年度以降は、文部科学省設置法第4条第67号に基づき、文部科学省に一括計上し、必要に応じ、各府省の予算に移し替えることとしている。
 原子力委員会は、関係行政機関の原子力利用に関する経費の見積り及び配分計画に関することを所掌する立場から、研究課題の評価を実施している。
 平成13年度においては、8府省32機関(うち独法16機関)において、129課題の研究を実施することとし、2,405百万円を計上している。

2.課題の選定について
 研究課題については、毎年公募の上、原子力委員会において評価。評価の基準については、原子力委員会基盤技術専門部会等が評価基準を策定していた。
 研究期間は原則として5年以内であり、新規課題の予算要求前に事前評価、開始3年目に中間評価、終了後に事後評価を実施している。

3.研究分野の設定
 原子力基盤技術開発に関わる研究分野として、基盤技術推進専門部会において定められた重点技術領域の課題を単独の研究機関で行う「先端的基盤技術研究」(1課題3〜7年:20百万円前後/年)と、複数の研究機関で行う「総合的研究(クロスオーバー研究)」(1課題5年:20百万円前後/年)が設定されている。
 クロスオーバー研究は、特に複数の研究機関のポテンシャルを有機的に結集して取り組む必要がある課題について、研究機関間の積極的な研究交流のもとに研究開発を推進する制度である。平成元年度に発足し、日本原子力研究所、理化学研究所、放射線医学総合研究所及びその他の国立試験研究機関を中心に、現在第3期の研究を実施中(1期5年間)。

 具体的な研究分野は以下のとおり。

(1)先端的基盤研究

@ 物質・材料基盤技術
 原子炉等の安全に寄与する新材料の開発や物質・材料等の分析・計測技術の高度化を図るための基盤的技術(各種ビームの先端的利用等)の開発に関する研究
レーザー等による環境浄化の方法なども含むが、RIや放射線の単なる利用・応用は除く。
A 知的基盤技術
 原子力施設の運転・保守等の安全性の向上に資する知能システム技術及び計算科学技術の原子力分野への応用に関する研究
B 防災・安全基盤技術
 原子力防災に資する耐震・防災技術及び放射性廃棄物の地層処分等、バックエンド対策に資する先端的技術の開発に関する研究
C 生体・環境影響基盤技術
 放射線による突然変異の検出・解析、環境中の核種移行など、生体・環境への影響を解明するための先端的技術の開発に関する研究
 放射線による品種改良、食品等の保存、滅菌、新たな診断・治療法、環境モニタリングなどに関する研究も含むが、RIや放射線の単なる利用・応用は除く。

(2)総合的研究(クロスオーバー研究)
 個々の研究機関単独では速やかに成果を得ることが困難な多岐にわ   たる技術開発要素からなる研究


(参考1)

原子力試験研究費のこれまでの経緯

昭和31年2月 「科学技術庁設置要項」閣議決定
(各省所管試験研究機関の原子力利用に関する経費等は、科学技術庁に一括計上し、必要に応じて各省の予算に移し替えることを明記)
昭和62年9月 原子力委員会に基盤技術推進専門部会(基盤部会)を設置
昭和63年7月 基盤部会「原子力基盤技術の推進について」決定
(この中で研究評価を基盤部会で実施することを明記)
平成元年度 原子力基盤クロスオーバー研究開始
平成3年10月 基盤部会「原子力基盤技術開発の研究評価について」決定
(評価基準、評価の進め方、評価フォーマット等の策定)
平成9年8月 「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法のあり方についての大綱的指針」内閣総理大臣決定
平成10年3月 基盤部会「基盤技術推進専門部会における原子力基盤技術開発に関する研究評価の進め方について」「原子力基盤クロスオーバー研究の展開について」決定
平成11年3月 基盤技術推進専門部会「クロスオーバー研究推進会議の設置について」決定
平成11年5月 放射線利用推進専門部会「放射線利用推進専門部会における国立機関原子力試験研究費の評価について」決定
平成12年4月 核融合会議計画推進小委員会「国立機関原子力試験研究研究評価実施要領」決定
平成12年5月 原子力バックエンド対策専門部会「国立機関原子力研究費の研究評価の進め方について」決定 (参考2)


(参考2)

原子力試験研究費の配分方針

 原子力試験研究費については、原子力委員会は所掌事務(原子力委員会及び原子力安全委員会設置法第2条第3項)に基づき、配分の基本方針を決定する。研究費の予算措置は、文部科学省設置法第4条第67号に基づき、文部科学省に一括計上し、必要に応じ各府省の予算に移し替えることとする。

 

(参考)
原子力委員会及び原子力安全委員会設置法
第2条 原子力委員会(以下この章において「委員会」という。)は、次の各号に掲げる事項について企画し、審議し、及び決定する。
三 関係行政機関の原子力利用に関する経費の見積り及び配分計画に関すること。

文部科学省設置法
第4条第67号 原子力に関する関係行政機関の試験及び研究に関わる経費その他これに類する経費の配分に関すること。

科学技術庁設置要項(昭和31年2月閣議決定)
 各省所管試験研究機関の原子力利用に関する経費及び原子力利用に関する試験研究補助金等に関する予算は、昭和32年度以降においては、科学技術庁に一括計上し、必要に応じて各省の予算に移替えるものとする。