資料(懇)10-1


第9回高レベル放射性廃棄物処分懇談会 議事要旨(案)



1.日 時 平成9年5月29日(木)15:45-17:50

2.場 所 科学技術庁第1、2会議室

3.出席者
  (原子力委員)伊原原子力委員長代理、藤家委員、依田委員
  (専 門 委員)近藤座長、森嶌委員、荒木委員、粟屋委員、石橋委員、茅委員、
         木元委員、佐和委員、塩野委員、下邨委員、深海委員、松田委員、
         南委員
         小西委員、田中委員(原子力バックエンド対策専門部会)
  (説 明 員)坪谷 動力炉・核燃料開発事業団プロジェクト参事
  (科学技術庁)加藤 原子力局長
         有本 廃棄物政策課長
  (通商産業省)伊沢 資源エネルギー庁原子力産業課長

4.議題
(1)「高レベル放射性廃棄物処分に向けての基本的考え方について(案)」について
(2)その他

5.配布資料
  資料(懇)9−1 第8回高レベル放射性廃棄物処分懇談会 議事要旨(案)
  資料(懇)9−2 高レベル放射性廃棄物処分に向けての基本的考え方について(案)
  資料(懇)9−3 高レベル放射性廃棄物処分に向けての基本的考え方について
          −付属資料−(案)

  参照資料
  原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画(平成6年6月24日、原子力委員会)
  高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発等の今後の進め方について
        (平成9年4月15日、原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会)
  高レベル放射性廃棄物処分事業に関する検討 中間とりまとめ
                     (平成7年度、高レベル事業推進準備会)
  資料(懇)7−5 SHP中間とりまとめにおける実施主体・資金確保策

6.審議の概要
(1)冒頭、近藤座長から、須賀龍郎原子力発電関係団体協議会会長が石川嘉延氏に替わり本懇談会の委員となった旨紹介された。

(2)事務局から資料(懇)9-1にもとづき前回議事要旨(案)の説明があり、承認された。

(3)海外視察の結果について欧州班(5月13日〜5月21日、訪問先:スウェーデン、スイス、フランス)団長の近藤座長及び北米班(5月8日〜5月15日、訪問先:カナダ、米国)団長の森嶌委員からそれぞれ団長所感が述べられ、後日、詳細な報告書を取りまとめる旨発言があった。

(4)森嶌委員から、資料(懇)9-1にもとづき、座長からの要請により前回処分懇談会の後2つの特別会合の合同会合を開催し、事業資金や実施主体など第二部第二章に記述されている内容を中心に議論し、今までの処分懇談会、特別会合での議論及び各委員から寄せられた意見を踏まえて報告書案を起草した旨説明があった。その上で、本日は特に第二部第二章「処分の技術と制度について」について議論いただきたいこと、第二部第四章の「処分地選定プロセス」及び「さいごに」については今後議論を深めて頂きたい旨要請があった。引き続き、事務局より資料(懇)9-1にもとづき第二部第二章について報告書案の説明があった。

(5)引き続き審議が行われ、各委員から出された主な意見は以下の通り。

(研究開発について)
1)研究開発の費用については、廃棄物の発生者責任の考え方から事業資金で負担することが適当ではないかとの意見について、伊原委員長代理から、現在は一般的な研究開発として進めており国の予算で賄っている。処分地が決まってから後その現場の調査など直接事業にかかわるものについては事業資金で負担するとの整理が適当との説明があった。
2)深地層の科学的研究施設がそのまま処分場になるのではないかという地域住民の不安や懸念の解消という表現は、研究機関が進めるプロジェクトの場合は適当だが、実施主体が行う処分場建設前の現場の調査についてはこの表現は当たらない。

(技術的要件について)
3)今まで人類が経験したことのないような長期的な問題について、処分場閉鎖後のモニタリングなどは技術的には安全であっても社会的な安心のために必要であると単純に整理してしまうと一般には理解されにくいのではないか。

(事業資金について)
4)廃炉についてはすでに資金が積み立てられており、非課税措置も受けている。高レベル放射性廃棄物処分についても早急に積立を開始し、非課税措置の適用を行うべきである。

(実施主体について)
5)原子力発電所の立地に際しては事業者は民間であるが、実際には国による地域振興など国と民間が協力しながら進めている。この観点からすれば実施主体は民間主体として、立地は官民が協力して進めていくという考え方で良いのではないか。
6)現実問題として処分場の立地を進める場合には、民間だけで行うことは困難であり地元の理解を得るうえで国も前面に出ることが必須。
7)これらの意見の趣旨について、すでに、この報告書案の中に盛り込まれている。
8)処分事業を進めるうえで、実施主体の設立や事業活動の根拠となる法的な裏付けが必要。
9)民間を主体とした事業という場合、株式会社だけでなく公益法人など幅広い形態がありうる。
10)国が直接事業を行わないとの表現は、国家行政組織法第3条及び第8条の機関では事業を行わないという趣旨である。懇談会としては、実施主体の形態をこれ以上細かく議論することは不要で、実施主体のもつべき要件を決めておくことが重要である。
11)長期性など処分事業の特性という観点から実施主体のあり方を考えることも必要。

(発生者責任について)
12)一般廃棄物、産業廃棄物では発生者にその処分の責任を負わせることが世界的な流れであることから、この問題についても電気事業者が主体となって処分に取り組むことが適当。
13)電気事業は公益事業であり原子力という特殊性もあり、一般の廃棄物における発生者責任の考え方だけで取り組むことは適当でない。
14)発生者責任といった場合に処分全体に責任を負うのか、単に費用負担をすることなのか整理が必要。

(世代間の公平について)
15)世代間の公平といった場合に経済的な負担を次世代に残さないという点だけで受け取られかねない。
16)30年にわたる原子力発電の廃棄物について何もしないということは問題。処分場を作り処分することは最低限の責任。開発したエネルギー技術を利用することにより、化石燃料を次の世代に資源として保障するという通世代保障の原則ということも考えるべき。

(その他)
17)処分地の選定プロセスを検討する際に環境アセスメントなどとの整合性を図る必要がある。
18)処分場はどこかに作らなければならないということを、もっと前面に打ち出して国民の理解を得ることが必要ではないか。

(6)近藤座長から
・本日の議論を踏まえて、「処分地選定プロセス」と「さいごに」の章を中心に特別会合で案をまとめていただきたい。
・懇談会は、あと2回程度審議したうえで意見を取りまとめ公表して国民の意見を聞きたい。国民に広く議論をしていただくという観点から、本日議論が集約してきたのを受けてさらに懇談会での審議を深め大筋が見えたところで意見を取りまとめ、国民に提示することが重要である。
旨提案され、了承された。

(7)次回(第10回)懇談会は、6月18日(水)16:00-18:00の予定。
                                         以上