資料(懇)8-3

中間とりまとめに向けての主要な論点

 本資料は、高レベル放射性廃棄物処分懇談会での審議、昨年10月
に実施した各委員への調査および「特別会合中間報告」をもとに
各委員から寄せられたコメントをまとめたものである。


第一部 総論
T.なぜ、今、議論するのか(p1〜2)
1.高レベル放射性廃棄物に関する論議の現状(p1)
   (特段のコメント無し)

2.議論をする必要性(p1〜2)
項目1.現世代の後世代に対する責任と世代間で分担すべき事項について(p2)

(特別会合中間報告 p2)
 現世代が発生させた廃棄物について現世代のうちにその処分に関する制度を確立することにより、後世代に負担を残さないことは我々の責務である。原子力発電により社会生活を維持している現世代が廃棄物処分について先送りするならば、そのツケは後世代に残されることになる。我々は今できることについて早期に着手しなければならない。

(特別会合中間報告 p17)
 高レベル放射性廃棄物地層処分の長期性に関連して、社会経済的状況の変化に応じて柔軟に対応できるようにしておくことが重要である。
 そのためには、現世代が全て今の時点で決定してしまうのではなく、後世代が、その世代における諸条件の下で、一定の決定をする余地を残しておくような枠組みを設けておくことが重要である。

@世代間の公平・公正に関して中間報告では「後世代に負担を残さないことは我々の責務である」という大原則が明示されている。ところが、後で「このため、…高レベル放射性廃棄物処分には、…世代間のコスト調整という問題が含まれている」との指摘が行われており、矛盾していないか。

A現世代があくまでも責任を全面的に担い、現在の科学的知見では最善と思われる処分を行い、その費用をきちんと負担すべきであり、それ以上のことを後世代が決定・修正する部分については後世代に委ねるということが原則であり、コスト調整問題を重視しなくても良いのではないか。

B後世代への負担について中間報告では、「現世代が発生させた廃棄物について現世代のうちにその処分に関する制度を確立する」とあるが、現時点でそれを固めてしまって良いのかという問題が残る。将来の技術開発の可能性に対応できるという柔軟性は残しておくべきではないか。どこまでを現世代が責任を持つのかを考える必要がある。


項目2.同一世代内での処分場立地地域とそれ以外の地域の関係について(p2)

(特別会合中間報告 p2)
 処分を行うにあたり、処分場立地地域住民と原子力発電によって電力供給を受けている電力消費地域の住民との間の「公平」を確保することも必要である。電力消費地域の住民が、一方的にその利益を享受することがあってはならず、また、処分場立地地域住民に一方的に処分に伴って生じるかもしれない消費地域とは異なる負担を押しつけることがあってはならない。

(負担の内容)
@-1「コスト」と「負担」の表現があるが、いずれにしても「経済的」というニュアンスが強いように読み取れる。「社会的」コストないし負担および「心理的」コストないし負担(例えば、不安、心配、恐れなど)が考慮されているかどうか、はっきりしない。
@-2「消費地域とは異なる負担」とは内容が明確ではない。

A立地地域以外の地域にとって「ゴミ処分場が近くに設けられない」という「不利益を免れる」ことが真実であるとすれば、それを「利益を享受」と表現するのは不自然ではないか。

B原子力発電所立地の際の「地域協力金」や「迷惑料」は「社会的」あるいは「心理的」負担に対する「代償」の性格を持っていると理解しているが、処分場の場合はどうなのか。

(特別会合中間報告 p2)
 処分場立地地域と電力消費地域との連携を図って、両者が共生していくという考え方が必要である。

(立地地域と消費地域の関係)
@中間報告では「立地地域と電力消費地域…が共生していく…」とあるが、「両者が負担を公平に分け合う」のではないか。

A-1「処分場立地地域の住民と電力消費地域の住民との間の公平の確保」が主たる課題と指摘しているが、電力消費地域への立地をアプリオリに排除してよいのだろうか。
A-2「立地地域」と「電力消費地域」との対比に関する表現が散見されるが、対比されるべきは処分場立地地域とそれ以外の地域ではないか(立地地域=過疎地域という表現はおかしい)。

B「電力消費地域の住民」には企業も含まれるのであろうが、触れなくてよいのか。

U.高レベル放射性廃棄物処分とは(p3〜4)
1.高レベル放射性廃棄物地層処分のプロセスと特徴(p3)
項目1.廃棄物自体の危険性と安全性の記述(p3)

@-1廃棄物自体の時間経過による放射能レベルの具体的な安全性・危険性はどれぐらいなのか。人間の身体が許容できる範囲と関連付けて述べた方がよいのではないか。
@-2非専門家に理解してもらうためには、時間の経過による放射能レベルの変化を身近な「50年後」から記述することが必要。50年後、100年後、500年後、1000年後。

2.高レベル放射性廃棄物地層処分の現状(p3〜4)
 (特段のコメント無し)

第二部 各論
第一章 処分の社会的受容性について(p5、7〜10)

項目1.全般

@社会的受容には長期に地下に置いておいても大丈夫だということを、住民に納得してもらうことが最重要課題。そのためには@技術開発A情報公開などが必要の順となる。

A透明性確保と情報公開、教育・学習が社会的受容性とどう関わるかについて議論されていないのではないか。

1.広汎に議論を行うために(p5)
(特段のコメント無し)

2.透明性確保と情報公開(p7)
項目1.透明性確保(p7)

@処分地の選定過程、選定根拠、実施主体の活動、操業内容等については、第三者によるチェックも透明性確保のために重要であるが、国による積極的な関与が信頼性確保のためにより重要ではないか。

項目2.情報について(p8〜9)

@信頼に値する具体的な情報自体が不足しており、情報公開以前の問題として、情報自体をどう整備するかの議論こそが、なされるべきである。

A情報伝達の手段の中に「マスメディアの活用」として「広く一般の人々に情報を周知するには公平正確な報道が最も効果的であると考えられるので、新聞、テレビ、雑誌等を通じてそれぞれの特性を活かした情報提供を行う必要がある。」という内容の項を追加する。

項目3.情報公開について(p7)

@「可能な限り公開する」との表現が随所に見られるが、原子力情報が官庁や企業に独占的に保有、管理されている状況の下では情報の受け手としては常に疑心がある。

A廃棄物処分事業においては核物質防護・私的財産権の保護の名の下に情報が不開示とならないよう議論する必要がある。またこれに関連し、出せない情報は何かをきちんと整理しておくべきである。

B情報公開はとりわけ環境アセスメント制度が機能しなければ画餅となる惧れがある。アセス(又は環境アセス法案)との関連についての言及がないので補充する必要がある。

C現在の情報公開法要綱案では、行政機関に集まってきた情報が対象となるだけである(その中で開示、非開示の判断がされる)。

D情報公開制度は国民の知る権利を実質的に保障するものである。国民が国の原子力政策に参加し、その意見を反映させることは原子力基本法第2条の要求するところである。この点で、情報の送り手と受け手が上下関係にあることを看過し、住民参加による政策形成という視点に乏しい。

E情報公開の中に「誤情報に対する迅速かつ適切な修正情報を提供する。」という内容の項を追加する。

F「客観的な情報の提供」として「提供する情報が信頼されるには客観的な内容が求められる。このため、情報提供にあたっては、プラス面だけでなくマイナス面にも言及し、バランスの取れた内容とする必要がある」という内容の項を追加する。

Gどのように情報を公開するかについての項を追加。

3.教育・学習(p10)
(特段のコメント無し)


第二章 処分の技術と制度について(p5〜6)

項目1.全般

@「地層処分への不安を少なくし信頼を得ていく」ことと「事業資金の確保」「制度と体制の整備」の関連を説明する必要がある。
1.処分技術への理解と信頼を得るために(p5)
項目1.深地層の研究施設の実現(p5)
@幅広い訪問者に深地層処分の科学的根拠を学ぶ機会を提供する場である。

A処分が魅力的な事業として受け入れられるようになるには、技術的な安全性が示されることが重要であり、そのためには地下研究施設を早期に完成するべきである。

B-1わが国では純粋な研究施設の立地でさえ地域の協力を得がたいのが実情であり、各国に比しても研究開発が進んでいない。
B-2研究施設が最終処分につながるのではないかという不安は、処分実施の体制作りが遅れていることから生じるものである。従って、早急に実施主体、資金の確保等について具体化することが必要である。
項目2.広く社会で議論すべき要件の検討(p6)
(特別会合中間報告 p6)
 安心感の確保のために、処分場の閉鎖終了前後の管理のあり方を検討することが必要である。
 その際、長期にわたり主坑を埋め戻さずに維持しておく場合には、技術的な観点からは地下深部の地質環境に擾乱を招くことも考えられ、かつ、主坑の構造を強化しておく必要があるため、建設・維持・管理のコストが増加するという問題がある。一方で、万一の事故の際の廃棄物の回収等の対応が容易であるという点で周辺住民の「安心感」が増大する。このように、安全と安心感とのバランスを考慮して検討することが必要である。
@-1原子力関係者が、高レベル放射性廃棄物処分の「安全」ということの内容を、具体的かつ明瞭に説明することが前提と考える。安全基準の観点からも、我々は「安全とはこういうこと」であることを明確にしておかなければ、際限のない話になる。
@-2高レベル放射性廃棄物が安全に処分されるということと、国民にとっての安心という考え方が混在しており、明確になっていない。これらの考え方の違いを明確にすべきである。

A充分な技術的な調査・検討がなされて安全性が保証されること、及び経済的なリスク・ベネフィットの比較衡量や経済的フィージビリティを周到に考慮して決定すべきであり、何でも社会がこれらと無関係に決められるように受け取られかねない。

B実施主体側からの技術的、経済的見地からだけではなく、住民の側に立って社会的、心理的見地から検討することが必要である。


2.事業資金(p5)
(特別会合中間報告 p5)
(2)事業資金の確保
@処分事業を行っていく裏付けとなる資金が十分に確保されることが必要である。
A高レベル放射性廃棄物の発生に責任を有する電気事業者が、処分に必要な資金の確保に早期に着手する。
項目1.事業資金全般(p5)
@資金の使用項目(適用事業)を概括的に定める必要がある。もし予備調査に資金が出ないとすれば、その手当てをどうするかの問題もある。

A電事連と電力各社は処分事業に金がかかることとその資金は電力料金に加算するのか、電力会社の経営努力で捻出するのか、その他の方法があるのか、実情を国民に周知し、その意見を反映させる方策を早急につくるべきである。

B事業資金の問題について電事連、総合エネ調原子力部会と当懇談会との意見交換および調整をする必要がある。

項目2.資金確保制度の確立

@資金確保は早期に行うべきと考えるが、電気事業者が処分に必要な資金を確保するためには、まず、制度の確立が必要となる。したがって、制度の早期確立に向けて、国、電気事業者等がそれぞれの役割を果たすことが重要であると考える。

A電気事業者として費用を積み立てるためには、費用として電気料金の原価に算入され、非課税扱いとなることが必要である。このためには、まず、国が算定費用の合理性を確認し制度としての確立を図ることが必要である。

B-1引当金や基金などの資金確保方策の例示が必要。
B-2SHPが「中間とりまとめ」で示した選択肢のうち基金制度の方向を打ち出すべき。積立金・引当金は電気事業者の経営状態に左右されやすい。処分費用は現世代の電力消費者が負担するという倫理原則に基づいており、電気事業者の経営問題ではない。

項目3.資金確保の早期着手と費用算定の考え方
@国民全体の公平な負担を前提に、最優先課題として、電力料金に基金、引当金を含めて徴収するなど早急に資金を確保することを提案、明記してはどうか。一刻でも早くしないと、後の世代にツケを残さないという最も大切な点が実行不可能になる。

A-1ある程度の範囲の事業資金および継続監視の費用が必要なことは、廃棄物が現在ある以上自明のことである。
A-2これまで、資金の手当てを具体的にしていなかったことの非を認めるとともに、原子力発電の恩恵を受けてきた人たちに少しでも公平に負担してもらう特別措置をして、今年中でも仮手続であろうとも具体的に徴収すべきであると、明記してはどうか。


B-1「合理的費用の見積り」は作業を進めればよいが、それを待っていたのでは資金確保の早期開始は到底望めない。何らかの形で積立てを開始する工夫が大切。基金制度ができればそれに移行し、「合理的な費用」に漸次近づけるという考え方への意識転換が必要。
B-2資金の公平な徴収方法や使途については、法律上の手順を含めて具体的に国民の意見に従ってということであると思う。技術的なことやサイトが決まらなければ、というように資金の徴収が具体的な計算基礎ができてからであっては遅すぎるのではないか。
B-3不確実な部分はどの時点でも必ず出てくることであり、それを理由に資金確保制度を遅らせてはならない。

C不確実な部分が決まらなければ資金確保制度ができないようであれば納得できない。資金確保制度がスタートしない限り、国民の同意は得られず、また、不安感はぬぐえない。


3.実施主体(p6)
特別会合中間報告 p6)
a.信頼性のある実施主体の設立
 @処分を着実に実施することのできる実施主体を設立することが必要である。
 A実施主体は長期安定性、柔軟性、効率性を備えていることが必要である。
 B実施主体は、処分事業を行うにあたり、確実に事業を推進する責任と安全に処分施設を管理する責任を負う。
@実施主体の組織は既存の形式に拘らず新しい形態を考えてもよいのではないか。

A超長期のモニタリングや管理を行う必要があるとすれば、現在の国民国家体制や地方自治組織も抜本的に変化することが十分に考えられるので、柔軟な事業主体を考えることが必要であろう。

BスウェーデンのSKB並みの予算と実力を備えるよう、体制を急いで整備するべき。また、国民が信頼できる公的関与(チェック機構)のシステムを早急に構築すべき。

C-1処分事業については、経済性、効率性等を考慮して運営されるべきであるが、何よりも重視すべきは信頼性であり、それには非営利性、公共性が表面に出る法人で、かつ、国の積極的な関与が必要であると思う。
C-2信頼性については、処分事業の進め方への信頼と、実施主体そのものへの信頼性の両面が重要である。
C-3実施主体は、第一に社会的に信頼されることが必要であり、そのためには、国の実施主体への積極的な関与、参加が必要である。

D国や地方自治体、そして電力会社等が参加する第三セクター方式が最も望ましいように思われる。

E特殊法人か認可法人。国は最も権威があるが機動性に乏しい。民間企業では地方自治体および地方議会に対する協力要請が困難。

F発生者責任と事業の効率性の観点から、電気事業者が主体の組織であることがあくまで基本。超長期の事業であること等から、組織の硬直化の惧れ等のある特殊法人、認可法人は適当でなく、法律により指定される民間組織(指定法人)が良い。

G国の役割は大局的観点からの関与(スケジュール、目標からの逸脱の防止、国民の健康と安全の防護等)であるべきで、事業への直接介入は望ましくない。

H実施主体のあり方として、国の直轄、特殊法人、認可法人、指定法人、純株式会社のどの方式を採用するのか、この懇談会で最終的結論まで出すこととするかどうか疑問。


4.諸制度の整備(p6、7)

項目1.実施主体のあり方(p6)
項目1.法制度の整備(p6、7)
(特別会合中間報告 p7)
a.制度の明確化
 処分を行う過程や体制等を明確化することが必要である。今後どのように処分事業が進んでいくかが明確化されていることにより、将来的な不安を少なくすることができるからである。このため、処分を行う過程や体制等を法律に規定する等の考え方もある。
@実施主体の設立までに、実施主体、立地選定プロセス、費用確保等を包括的に含んだ法制度を確立しておくことが重要である。

A特別法の制定は不可欠であり、実施主体、資金確保方策、処分地の選定と確認等を盛り込むべきである。

B特別法の制定を他の諸原則と共に「はじめに」でもっと力強く(事業の手順、スケジュールも対地域の観点を入れながら明確に)打ち出すこと。

項目2.損害賠償制度(p6)
(特別会合中間報告 p6)
c.損害賠償制度の確立
 @危険責任に基いた損害賠償責任とその履行について明確にしておく必要がある。
 A埋設事業の終了により実施主体が存続しなくなったような場合であっても事故に対する賠償責任を負う主体を明確にしておくことが重要である。
@損害賠償責任の性質として、通常の過失責任とするのか、結果責任(無過失責任)とするのか、検討する必要がある。事業の性質上、過失の立証は極めて困難になると考えられ、社会的受容性の観点からも検討は必要。

Aこれまでの原子力開発とは根本的に異なる事業であるから現行の原子力損害賠償2法とは別建ての立法措置が望ましい。


5.長期性への対応(p17)
項目1.実施主体解散後の対応(p17)
@超長期の問題について国民の信頼を得るためには、国による担保を前面に出すことが必要である。

A処分後も高レベル放射性廃棄物が超長期に亘って存在することに対する国民の不安を解消するためにも、実施主体が解散された場合には、国が一切の権利義務を承継することとするのが適切であると思われる。

B国による事業承継、処分場閉鎖後の用地の国有化等、国の長期的な責任を明確にしておくことが、立地に際しても必要である。

C国の裁量権を解散の歯止めとしておき、解散後に何らかの問題が生じた場合には、国の責任において善処することを明示する。


第三章 立地地域との共生について(p11〜13)

1.基本的考え方(p11)
項目1.立地地域とそれ以外の地域の関係(p11)

@立地地域以外の人々が、処分問題を自分たちとも関係のある問題と考えることが重要であるが、そのためには、消費地と処分地の関連がまず説明され、両地の人々に理解され、そうした理解に基づいて交流することが必要である。

A「地域社会」と共生するのは「処分場」ではないか。又は、「処分場事業者(実施主体)」と「地域社会住民」。

2.立地地域との共生に向けた取組(p12〜13)
項目1.共生に向けた取組(p12〜13)
@地域の特性に応じた柔軟な共生方策であるべきであり、処分場の施設の活用に拘るべきではない。

A-1地層処分事業そのものが、多大な雇用効果や産業誘致効果や研究開発効果を立地地域に及ぼすとは考えられないのではないか。地域との共生、特に処分場の建設と関連した産業の育成への過大な期待や役割が述べられているのではないか。
A-2処分場施設を利用した産業の育成、先端技術・先端知識の集積、処分場施設の多目的利用の可能性など、現実的な可能性があるのだろうか。

B処分場を複数地点とするならば、処分地に本拠をおくことは可能か。

C「共生」の推進主体について触れなくてもよいか。すなわち、国あるいは事業主体、あるいは両者が分担か。

D国は、既存の地域振興策を有効に活用するだけではなく、抜本的な共生のフレームワークを整備すべきである。また、国が共生方策の整備を検討することを明確に打ち出すべきである。

E実施主体に地域との共生を図る中心としての責務を求めるのであれば、共生費用も含めた論議がなされるべき。

F-1共生基金、交付金制度など法律または国として枠組みを定めるべきであり、実施主体のみに要求すべきではない。
F-2「共生」のための原資としての国の交付金、助成金、事業主体からの財政的支援等について記述する必要はないか。
F-3地方自治体が最も関心を持っているであろう地域振興のための代表的な「原資」についてはほとんど何も言及されていない。


項目3.立地地域の主体性(p13)
@処分候補地選定前の情報開示で「共生方策の案とともに提示する」とあるが「共生方策策定における立地地域の主体性」と矛盾しないか。

A地域振興についても、内発的なボトムアップ的なサイトの地元でのイニシアティブや選択を重視して、それを国や地方自治体や電力会社等が支援し推進していく方向を重視すべき。


第四章 処分地選定プロセス(p14〜19)

1.基本的考え方と検討課題(p14〜16)
項目1.国、実施主体、電気事業者の役割と責任(p16)
(特別会合中間報告 p16)
a.国の役割
 国は、処分が安全かつ適切に行われることに対して責任を負い、法制度等の整備や立地の円滑化を図る措置を講じる等、処分の円滑な推進のために必要な施策を策定する。
b.実施主体の役割
 実施主体は、処分事業を実際に行う主体として、処分を安全かつ着実に実施する処分事業を行うにあたって実施主体は、確実に事業を推進する責任と安全に処分施設を管理する責任を負う。
c.電気事業者の役割
 電気事業者は、廃棄物の発生に責任を有する者として、処分に必要な資金の確保を行い、また、立地について有する経験を活かして実施主体と一体となって立地活動を行う。

@-1サイトの選定が処分事業の成否を決定づけると考えるため、処分場の立地活動においては、国および電気事業者が積極的に実施主体をバックアップする必要があると考える。
@-2立地においても、実施主体の活動を国、電力で積極的に支援する必要がある。

A処分地の決定にあたっては、国会が承認するなどの国としてのオーソライズが不可欠である。

B公募・申入れの両方式で受け入れる地点がなければ、もっと積極的に国が調整を行わなければ、選定はできない。国が選定に積極的役割を果たすべき。

項目2.住民意見への対応(p15〜16)
@住民参加による政策形成という視点に乏しく、国民(住民または地元住民)が処分事業に参加するという視点からのアプローチがなければ、処分事業が住民投票条例による住民投票からの影響を避けることが難しい。
@-2住民投票による反対への対応が触れられていないが、これでよいのか。

A国民及び立地地域住民の意見や判断をいかに決定過程に反映させるのかの具体的方策が重要。特別会合で検討した効力感への言及や活用しようという内容が見られないのはなぜか。


全般についての意見
(とりまとめの進め方)
@-1処分懇談会としては、処分事業の実際の流れに沿いながら、具体的措置を明確に提言すべき。
@-2主要な課題や問題については懇談会でもっと突っ込んだ検討・論議を行った上で、具体的に必要である、重要であると指摘・判断した点について、対応・選択の方向や手段、懇談会としての判断、政策提言等がある程度提示される必要がある。

A特に、事業資金の確保、実施主体の設立、深地層研究施設の実現の3つについては懇談会での検討を深めた上で、その結果を中間とりまとめに取り入れるべきである。

(わかりやすさについて)
@-1この中間とりまとめが国民の方々に意見を求めることを目的とするのであれば、国民の立場に立ち、理解が困難な点等においては専門家のみでなく一般の人に対してもわかるような説明や注釈を加えることなどが必要であると考える。
@-2文章が平易であるかないかの以前に、事情に詳しくない読者への説明が必要である。
@-3なるべく平易な言葉でより具体的な文章で書かれることが必要。透明性という言葉の一つの意味は、誰でも読めるし、誰にでもできるだけわかりやすいということ。
@-4文章中では抽象的で総括的な表現を避けて、なるべく具体的に、例示、箇条書き、図式なども使い、わかりやすく書いてはどうか。

(その他)
@主として従来型発想の延長線上にあるように思われ、発想の転換や新しい発想に乏しいように感じられる。部分的には公募方式や立地地域の主体性の尊重などの言及はなされているが、全体としてトップダウン的アプローチに重点を置いており、ボトムアップ的アプローチを重視してそれに転換していく発想は乏しいように思える。

A懇談会のとりまとめについて今後、全国的に国民の意見を求めるとした点は原子力基本法上、画期的だと思う。

B「在来化石エネルギーの廃棄物(SOX、NOX、そしてCO2に伴う地球気候変動)への対応が後手後手になったという前車の轍をふまないように、原子力については問題を先取りしているのである。」という点を、総論のなかにはっきり入れる。

C原子力発電のエネルギーを使いはじめて以来、現在まで、日本の中で直接、間接に電力を使って豊かな生活を暮らしてきた一人として、責任を持たなければならないことを、国民が理解することから出発すべきである。

D国民の理解と協力を得ることはその通り重要であるが、その前に現実に存在する廃棄物について、他国に対して日本人の一人として責任を持って処理しなければいけないことをはっきり自覚してほしい、ということは明記できないか。