資料(懇)6−1

高レベル放射性廃棄物処分懇談会(第5回)議事要旨(案)



1.日 時    平成8年12月4日(水)15:00-17:00

2.場 所 科学技術庁第1,2会議室(科学技術庁2階)

3.出席者
 (原子力委員)伊原原子力委員長代理、田畑委員、藤家委員、依田委員
 (専門委員 )近藤座長、荒木委員、粟屋委員、石橋委員、川上委員、木元委員、
        熊谷委員、小林委員、近藤(俊)委員、鈴木委員、竹本委員、
        下邨委員、深海委員、松田委員、南委員、森嶌委員
 (説 明 員)隅谷東京大学名誉教授
 (科学技術庁)岡崎原子力局長、興官房審議官、有本廃棄物政策課長
 (通商産業省)伊沢資源エネルギー庁原子力産業課長

4.議 題
(1)隅谷 三喜男氏による講演と意見交換 (2)その他

5.配布資料
  資料(懇)5-1 高レベル放射性廃棄物処分懇談会(第4回)議事要旨(案)
  資料(懇)5-2 成田空港問題関連資料
  資料(懇)5-3 高レベル放射性廃棄物処分懇談会 特別会合の設置について(案)
  資料(懇)4-3 高レベル放射性廃棄物処分懇談会(第4回)資料
        (今後の審議の進め方について)
  参考(懇)5-1 高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発等の今後の進め方について案
  参考(懇)5-2 資料
        −高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発等の今後の進め方について−
  参考(懇)5-3 原子力バックエンド対策専門部会報告書案に関する意見募集について

  参照資料
  高レベル放射性廃棄物処分への取組について  (平成7年9月12日、原子力委員会決定)
  高レベル放射性廃棄物処分懇談会の設置について(平成7年9月12日、原子力委員会決定)
  原子力バックエンド対策専門部会の設置について(平成7年9月12日、原子力委員会決定)
  高レベル放射性廃棄物処分事業に関する検討「中間とりまとめ(平成7年度)」〔基礎的検討〕
                      (平成8年5月、高レベル事業推進準備会)
  原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画  (平成6年6月24日、原子力委員会)

6.議事概要

(1)冒頭、近藤座長から、下邨昭三 高レベル事業推進準備会会長(12月2日に就任)が林政義
   氏に替わり本懇談会の委員となった旨紹介された。

(2)事務局より資料(懇)5-1 に基づき、前回議事要旨(案)の説明があり、承認された。

(3)熊谷委員(原子力バックエンド対策専門部会長)及び事務局から、11月28日に公表され意見
  募集中の原子力バックエンド対策専門部会報告書案について説明が行なわれた。
   これに対し、今回の報告書は方向性とプロセスを明らかにした上で国民及び専門家に意見を
  求めるとの姿勢が明確であること、科学技術の問題と政策や制度の問題とを明確に切り分けて
  まとめ、また内容も分かり易くすることに努めており、今までの原子力委員会専門部会報告書
  とは大分取組み姿勢が変わってきたとの印象を受ける旨の発言があった。

(4)隅谷三喜男東京大学名誉教授(元成田空港問題円卓会議運営委員会委員長)により、資料(懇)
   5-2 に基づき、成田空港問題関連の講演がなされた。その概要は以下のとおり。

  1)空港用地の収用を決定する過程で、形式的には土地収用法という民主的な手続きを規定した
    法律に基づき公的な事業認定が行なわれたが、農民を中心とした反対が大きく問題が深刻
    化、長期化した。
  2)事態打開のために隅谷調査団が成田空港問題シンポジウムの主催者として発足し(平成3
    年6月)、対立する双方から調停を依嘱された。当局側の謝罪と強制収用の撤回を契機に、
    農民側は話し合い路線に転換。
  3)シンポジウム(平成3年11月〜平成5年5月)の中で、過去の経緯についての検証が行な
    われ、農民の姿勢が変わり、当局を信頼するようになった。そして、自分たちも地球環境
    に対する加害者であり、将来の農業はどうあるべきかということを考えるべきとの観点か
    ら実験村構想を提案するまでに至った。当局側による収用裁決申請の取下げ(平成5年5
    月)を受けてシンポジウムは終結され、その後は地域の問題として成田空港問題円卓会議
    (平成5年9月〜平成6年10月)で話し合うこととなった。
  4)円卓会議において、運輸省は空港と地域との共生に関する基本的考え方を提起(平成6年
    2月)。農民側は、地域再建論「児孫のために自由を律す」を提出(平成6年7月)。
  5)このような経緯を経て、成田空港問題の解決へ向けた環境が整えられていった。
  6)戦後、土地収用法など民主的な手続制度はできたが、地域住民に言わせるだけ言わせて結
    果的には考慮しないという官の態度(官の民主主義)に農民は怒ったのである。社会的公
    正と理念、中に立つ人々の信頼性と誠意、法の体系と視野の広さなどが大切。

(5)引き続き隅谷教授と出席者の間で行なわれた主な質疑応答は以下のとおり。

  1)立地に関する折衝に政府と民間のいずれが主体となるべきかとの質問に対し、問題は政府
    か民間かではなく、住民に相談もなく公共性を盾に法律の適用をすること等社会的公正の
    理念を欠くことにあると回答された。
  2)マスコミとの関係についての質問に対し、当時農民もマスコミを全面的には信用しなかっ
    た、調査団は農民及び当局と直接話をした、マスコミには時間をかけて説明し正しい理解
    と認識をもってもらうことができたと回答された。なお、シンポジウムも円卓会議もすべ
    て公開であった。
  3)トップダウンではなくボトムアップでなければならないのかとの質問に対し、ボトムをす
    べて受け入れればよいのではなく、両者に対してものを言える調停者が間に入り、住民が
    調停者の下した結論を信頼し承認していくことから両者の信頼関係が始まったと回答された。
  4)住民投票についてどう考えるかとの質問に対し、沖縄も巻町も同じだが、住民の間に議会
    の機能に対する不信感がでてきた結果ではないかと回答された。
  5)成田問題の隅谷調査団は、飛行場建設をやめることも含めて考えていたのかとの質問に対
    し、そのとおりである、また政府側が形成する委員会の場合は、住民側はどうしてもその委
    員会が当局側に立つのではないかという懸念をもつと回答された。
     なお、このような委員会の委員といえども、情報を公開して誠心誠意対話をしていけば
    立場の異なる人々からも信頼が得られるとの意見もあった。
  6)地域に協力金を出す等地域振興の問題はなかったのかとの質問があり、そのような措置は
    当初から進められていた、円卓会議とは別の場で扱われたと回答された。また、運輸省が
    窓口とはなるが、内閣全体として相当の予算がでていると回答された。

(6)近藤座長から隅谷教授に対し謝意を述べるとともに、高レベル放射性廃棄物処分問題につい
   て今後も適宜ご意見を頂きたい旨依頼があった

(7)近藤座長及び事務局から、第4回懇談会で設置が了承された「社会的受容性に関する特別会
   合」及び「サイト選定プロセス・立地地域への対応に関する特別会合」に関し、資料(懇)
   5-3 に基づき、日程、検討事項及び構成員について説明があり、了承された。また、森嶌座
   長代理に両特別会合の主査が依嘱され、了承された。
    森嶌座長代理から、両会合とも今後月に2回程度集中的に開催し、適宜進捗状況を懇談会
   に報告し意見を聞きながら5〜6回程度で論点を整理し、来年3月頃には懇談会に報告した
   い旨発言があった。

(8)次回を1月28日(火)15:00-17:00に開催することとし、閉会した。