┌────────┐
│資料(懇)4−3│
└────────┘
高レベル放射性廃棄物処分懇談会(第4回)資料
(今後の審議の進め方について)
- サイト選定プロセス
- 実施主体
- 事業資金
- 立地地域への対応
- 社会的受容性に係る方策
- その他
┌──────────────┐
│1.サイト選定プロセス │
└──────────────┘
- 意見
(1)基本的考え方
- 高レベル処分においては、立地問題が事業の成否に関わる最重要課題であるが、サイトの選定には大きな困難が伴うものと予想される。従って従来にない地域振興方策や選定プロセスを検討するとともに、国、民間が総力を挙げて取り組まなければ問題は解決できない。
- 国民の不安を解消し、理解を得つつ立地を進めるためには、サイト選定プロセスの段階を明確に示し、なし崩し的に立地が進められるといった印象を払拭する必要がある。
- 立地条件の良い場所を選ぶのは本質的なことであろう。問題として重要なのは、その対象となる場所に居住する人々の合意が得られるかということになる。
- 高レベル廃棄物の処分に対して、まず国民の理解が必要。これには原子力発電の必要性の認識が必要になる。我が国のエネルギー問題をより明確な形で、人々が理解するように努力する必要がある。
- 地域振興施策は選定プロセスの中で必要であろうが、これで住民を説き伏せるという形は絶対に避けるべき。
- 最も重要かつ成否の鍵となる課題と認識。
- 候補地の選定に際しては、できるだけ、客観的要素の積み上げを基礎とするものとするが、その際、地域住民の意見を聞くことが必須の要件である。
- 選定過程のどの段階で、情報を広く公開し、住民の意見をきくこととするか、その範囲をどうするかについては、日本における過去の公共施設(とりわけ、地域住民に直接利益をもたらさない施設)立地の経験について調査を重ねる必要がある。
- 現在制定の準備が進められている情報公開法との関連についても、留意する必要がある。
(2)プロセスの明確化
- 情報公開の観点からは、実施主体が候補地を探す(申し入れ方式)だけでなく、予め処分計画(地域振興策を含む)を国民に開示した上で、候補地を公募する方式も考えられる。
- 公募方式を基本に、申し入れ方式を併用が妥当。
- サイトの処分コンセプトを作り、検討会にかけ、候補サイトの選定に入る。処分コンセプトには技術基準のほかに、メリット、デメリットも併記し、メリットとしては、設備は実施主体が建設するが、倉庫料に相当する額が幾らか、地域振興策も含める。
- 自治体からの立候補を求めるが、応募がない場合には、国が自治体に予備的調査を求める。
- サイト選定にあたっては、立地のための最低条件(岩盤、断層の有無等)を明示した上で、まず自治体からの立候補を募ってはどうか。
- 立候補がない場合には、立地可能な地点を全てリストアップした上で、環境面・経済面を考慮して最適な地点をオープンな場で議論し、国会等でも議論すべきではないか。
- 国や電力会社等がまず立地点を選定し、アナウンスして受入れを求める"decide-announce-accept"といった従来の方式を抜本的に変えることはできないか。迷惑施設だから手厚い地域振興方策を手段として、何とか受け入れてもらおうという発想・態度も変えてみてはどうか。
- 上記トップダウン型の上からの押しつけ方式ではなく、基本的には、サイトとしての適正条件等を明確化した上で、アナウンスメントを行い、地元側が自ら進んでサイトを申し出るボトムアップ型、すなわちそれぞれの地点で自らが討議し、決定が行われる方式"announce-discuss-decide型"は可能か。
- サイトについて自分達が決定して受け入れるということが、何より不可欠。自由な意思を尊重し、ある程度競争メカニズムを導入していくことを、究極的には目指すべき。
- サイト選定に、改めて立候補(名乗り上げる)する方法も考えていいのではないか。最初から「困難」、「無理」の意識で選定プロセスを検討するのではなく、この際、はっきりとサイト立地の条件と、そのための優遇措置(法制度の整備を含め)を提示し、立候補を呼びかける声を上げてみていいように思う。
- サイト選定の手順としては、
- 科学的、技術的観点に立った立地条件の明確化。
- 適性の高いと思われる幾つかの場所における調査と予想との一致の検証。
- 地方自治体を通しての候補地の選定。その際、実施主体、事業計画等が明確になっていることが必要。曖昧さは不信感の基。
- 処分予定地の決定について、第三者機関において社会的、技術的条件の審査を受ける等、国民の理解を得るための方策を検討する必要がある。
(3)プロセスの制度化
- 高レベル事業推進準備会「中間とりまとめ(平成7年度)」は、地元の「了承を得た上で」、実施主体が処分予定地を決定し、国が「その選定結果を確認する」こととしており、地元の了承がなければ立地手続きは一切、先に進まない仕組みである。高レベル廃棄物については処分問題を先送りする訳にいかないのであるから地元の了承を前提とする方法では問題の解決にならない。
- 高レベル廃棄物は国策中の国策であるから処分予定地は内閣または内閣総理大臣が決定し、国会がこれを承認するという基本方針とし、この手続きは法律をもって制度化すべきである。我が国では国権の最高機関は国会であり、国民の代表者で構成される国会こそが処分場の最終の決定者に相応しい。また上記の法律の中には内閣または内閣総理大臣の決定に対する地元自治体等の異議申立権を認め、この異議申立は国会が上記手続きの中で審議、判断すべきである。
- 地方自治体の首長は選挙によって公選されるために、政治的要素が入り、政策の継続性、一体性について必ずしも一律ではない。
- 更に近時、原子力発電所の建設や米軍基地の問題等で出てきている条例制定との関係では、首長は条例に拘束されるからこの点でも首長の同意を立地の条件とすることには問題がある。
- 選定プロセスを法制上、予め明確にしておくことが望ましい。
- 高レベル処分には国の関与が不可欠(特に、法制、サイト選定、超長期の責任)。
基本的事項(1.サイト選定プロセス、2.実施主体、3.事業資金、4.立地地域への対応、5.地域振興に係る方策、6.その他)を盛り込んだ特別法の制定が望ましい。
- 議論の進め方
- 地元に受け入れられる条件の検討。
- 選定プロセスの検討(予定地選定、国による確認、公告縦覧、サイト特性調査、第三者機関審査等)。
- 候補地が客観的にみても複数あり得るときには、複数あることを前提としたうえで、住民の意見聴取を含めた選定作業をすすめることが望ましい。
- 小委員会を設けてたたき台を作る。専門家だけでなく素人を入れる。
- 考えられるサイト選定のプロセスを整理してはどうか。
┌──────────────┐
│2.実施主体 │
└──────────────┘
- 意見
(1)実施主体が持つべき性格
- 処分事業を円滑に進めるためには、実施主体の形態も重要な要件である。
- 処分事業については、経済性、効率性等を考慮して運営されるべきであるが、何よりも重視すべきは信頼性であり、それには非営利性、公共性が表面に出る法人で、かつ、国も関与する法人によって運営されることが望ましい。
- 超長期のモニタリングや管理を行う必要性があるとすれば、現在の国民国家体制や地方自治組織も抜本的に変化することが十分に考えられるので、柔軟な事業主体を考えることが必要であろう。
- 実施主体は、実行に当たって責任をもって行うべき。企業に下請けに出し、詳細は下請けに依存するような事は絶対にあってはならない。これはもし問題が生じた場合の対処の速さに大きく関係する。
- 特殊法人か認可法人。国は最も権威があるが機動性に乏しい。民間企業では地方自治体及び地方議会に対する協力要請が困難。
(2)国、事業者の関与の在り方
- 長い期間に及ぶことであり、最終的責任は国が持つべき。従って、国営でないまでも特殊法人その他、国の関与する組織が運営に当たるべきである。その組織は既存の形式に拘らず新しい形態を考えても良いのではないか。企業と国の連携も考えられる。
- 高レベル廃棄物処分の事業は法律をもって国の責任と明言すべきである。
- 国による責任の明確化のため、事業への国の参加が不可欠。
- 形態としては、民間発意で国も参加する特別認可法人が望ましい。
- 電力供給事業は民間会社が行っているとはいえ、国のエネルギー政策に沿って進められてきたものである。特に原子力政策はその意味合いが強いため、高レベル放射性廃棄物の処分においては、他の産業廃棄物とは異なり、国が責任を負うべきもの。
- 長期にわたる事業であるため、ある時点で実施主体の民営化も考えられるが、事業が軌道に乗るまでは、国の積極的な関与が必要ではないか。
- 発生者責任と事業の効率性の観点から、電気事業者が主体の組織であることがあくまで基本。問題は国民の信頼感、安心感を担保するため、国、動燃事業団との関係をどうするかであるが、超長期の事業であること等から、組織の硬直化の恐れ等がある特殊法人、認可法人は適当ではなく、法律により指定される民間組織(指定法人)が良い。国の役割は大局的観点からの関与(スケジュール、目標からの逸脱の防止、国民の健康と安全の防護等)であるべきで、事業への直接介入は望ましくない。
- スウェーデンではSSI(国立放射線防護研究所)とSKI(スウェーデン原子力発電検査局)という公的なチェック機関の厳重な管理のもとに、SKB(原子燃料・廃棄物管理会社)が廃棄物管理と啓蒙活動を行っている。日本の実施主体は高レベル事業推進準備会ができたばかりで、資料収集の段階のような気がする。SKB並みの予算と実力を備えるよう、体制を急いで整えるべき。また、国民が信頼できる公的関与(チェック機構)のシステムを早急に構築すべき。
- 何らかの形で政府の参加が不可欠であろうが、政府の失敗が顕著であるので、中央政府や地方自治体、そして電力会社等が参加する第三セクター方式が最も望ましいように思われる。
- 実施主体が国の機関か否かは別としても、実施主体自体またはその設立自体が国民合意の対象となるか、またはそれに関連する重要な問題であると考える。
- 国が主体になるのが望ましいと思うが、現に高レベル事業推進準備会が設立、機能しているわけで、実施目的を確実に意識し、それぞれの特質を誠実に発揮することを前提に、高レベル事業推進準備会を母体とする、国、公企業、私企業の三者による第三セクター的な形態がいい。
- 議論の進め方
- 実施主体の在り方として、国の直轄にするか、特殊法人、認可法人、指定法人、純株式会社にするかという、法形式的な問題を最初に論ずることは適切でない。また、以上のうちのどの方式を採用するかの最終的結論まで、この懇談会で出すこととするかどうかも疑問である。
- むしろ、この懇談会としては、廃棄物処分事業における国、電気事業者、動燃の役割分担を明確にすること、これら三者、さらには関係地方公共団体と、当該実施主体の関係をどのようなものとするか。
- 組織の重要な構成要素となる職員のリクルートの在り方等の組織形態を決める前提要件について、十分な議論をすることが重要である。
- 高レベル事業推進準備会「中間取りまとめ(平成7年度)」は、考えられる選択肢とそれぞれのメリット、デメリットを検討しており、概ね妥当。これを基にどの選択肢に絞り込むかを議論すべきと考える。
- 高レベル事業推進準備会「中間とりまとめ(平成7年度)」では、それぞれの形態を想定したケーススタディを行っているが、より具体的に組織のあり方・規模、形態を描いてみてはどうか。
- 実施主体が営利でも良いのか非営利なのかは重要なので当懇談会として考え方をまとめておくべき。
- 事業形態に応じた経営効率性と社会的信頼性の検討。
- 議論は、電力、国、第三者で構成する小委員会(10人以内)でまず下ごしらえをする。
┌──────────────┐
│3.事業資金 │
└──────────────┘
- 意見
(1)資金負担の原則
- 事業資金については、引当金、基金等何らかの形で電気料金により確保することになると考えられるが、世代間の負担の公平の観点から、出来る限り早期に資金確保を開始すべきである。
- 現世代での行為が次世代以降の負担とならないように、周到に時間を先取りして、現在の電力料金に上乗せすることが不可欠。
- 現在の電気料金には処理費用までは手当てされているが、最終処分の費用は乗せられていない。受益者による負担が原則であることから、必要な資金は早期に電気料金に反映させるべきである。
- 当初の事業がスタートするまでの研究開発等を含む資金については、かなりの部分を国が負担することが必要であろうが、この事業が第三セクターとして運営されていく資金については、基本的には原子力発電による受益者が電力料金として負担すべきであろう。
- 事業資金は廃棄物発生者が負担することとするのが、公平である。租税を導入する根拠は乏しい。ただ、サイト地域への財政的援助に関しては、別途、租税によって負担することが許されるかどうか、検討の余地がある。
- 多くの部分を税金として電気代に含むのが妥当と思う。将来に亘って原子力発電は必要であろうから、この40年分のみならず将来に関する見通しを含め考えるべきである。
- 引当金方式がいいか、外部基金方式がいいかは、軽々に結論は出せない。しかし、電気事業者が、適切な時期に、処分費用を原子力発電に必要な経費として、電気料金に反映するのが妥当と考える。
- 反原発ムードの中で、どのような形にしろ事業資金を確保するには国民(消費者)の合意を得なければならない。そのための「PAをどうするか」などの検討が必要。
(2)資金確保方策と資金規模
- 資金確保策としては基金または引当金が望ましい。非課税措置が必要。
- 引当金でも良いが困難ならば基金として、透明性の高い存在にする。租税は反対、分担が不公平になる。
- スウェーデンでは、廃棄物処理のための基金で、地層研究所の建設、中間貯蔵施設の建設および運営管理、人件費もまかなっている。日本ではまだこのシステムはない。
- お金がなければ啓発活動も、専門性を持った事業計画、高レベル廃棄物対策も行えない。
日本でも国に頼りすぎない生産者責任という廃棄物処理哲学(一般廃棄物では、この考え方が日本でも政策の中に生まれている)を政策として方向づけることが大切である。
- 放射性廃棄物処分費用のみならず、原子力発電所の建設費や解体費用等を含めたコスト問題がある。こうしたコストの観点から、原子力発電の持続可能性についても、明らかにする必要があるのではないか。
- スウェーデンでは原子力発電を始めた時以来、電力会社は発電量に応じて1kWhあたり2オーレを廃棄物処理のための基金として積み立てている。
- 議論の進め方
- 必要になる資金の根拠の検討。各種資金確保方策の比較検討。
- 事業資金の規模は、条件により変わってくるだろうが、最低限必要とされる資金を明らかにできないか。
- 小委員会で検討。
┌──────────────┐
│4.立地地域への対応 │
└──────────────┘
- 意見
(1)基本的考え方
- 原子力発電所に係る地域振興方策と十分に調整する必要はあるが、処分事業が長期に亘るものであることから、電源三法にとらわれることなく、閉鎖後を含めた事業の各段階にあわせた地域振興方策を検討すべき。
- 段階的な方策が必要。調査段階(予備調査、サイト特性調査)及び建設・操業段階について方策の大枠を示すこと。
- 地域振興モデルプランの検討は必要であるが、推進側が一方的に提示すべきものではなく、地域側の主体性が重要なので、適当な段階−例えば処分予定地の決定時期の前後−に地域側との協議機関を設けて、具体化を進めることが大切。
- 長期的で面的な広がりを持った地域振興方策が必要。
- 迷惑料ではなく、国策推進メリットの地元還元の視点が必要。
- 予め地域振興策をオープンにすべき。
- 地元のニーズに沿う自由な使途が望ましい。
- 従来、原子力発電については電源三法交付金制度により地域振興を図っている。だが、現行の交付金制度には疑問の声が多く上がっている。さらに拡充すべきとする考え方もあるが、施設の誘致によって地元の雇用機会は増えているが、技術者が数年で交代してしまうことが原因で定住人口が増えないと聞く。
- 実施主体が民間であれ、特殊法人であれ、本体は現地に置くこと、就業者の定住を促進すること、長期にわたる事業となるため次代の就業者を育成するため地元に研究・教育機関を設置することが必要ではないか。
- ”迷惑施設”として従来の発電所がその立地にあたって電源三法等による地域振興方策を実施してきたように、処分サイトを引き受ける地域にはもっと手厚い地域振興方策をという発想自体、再検討が必要。具体的には、処分施設の受け入れによって、どれだけの地域振興効果があるのかを明確化していくことである。
- 「迷惑施設だからお金を出す」という、従来の日本の考えを一掃することを提案したい。高レベル廃棄物は管理を行えば安全であるとの認識が国民の間に見られるスウェーデンでは迷惑施設という考えはしていない。
- 先端技術の集約地で、世界中の学者が研究に訪れ、世界各地から見学に来る。その人達のためのホテル、文化施設、交通の整備をすることは事業体にとって必要という考え方である。スウェーデンの場合、約60億クローネが投資される。年間、海外から4000人の学者がオスカーシャムを訪れている。
- 地域振興策のアイデアを募ることも重要であるが、サイト地域の地域振興方策の論拠について、詰めた議論をしておく必要がある。これは地域振興策が、単なる公共施設の整備に終わらないことのためにも必要である。
- 地域振興についても、内発的なボトムアップ的なサイトの地元でのイニシアティブや選択を重視して、それを国や地方自治体や電力会社等が支援し推進していく方向を重視すべき。そのためのリーダーや人材やアイディア等についての育成・整備や情報提供等についての支援や側面援助は不可欠。サイトの地元と大消費地の人々との交流や連帯こそが、地域振興方策の必須かつ有効な前提条件となるのではなかろうか。
- 過疎地域に対してではなく電力の最大の消費地、例えば大都市圏においてサイトを選定・立地する場合についても検討してみてはどうか。
- サイト及び周辺地域にとって、それが地域の望む豊かさ・暮らし易さを満たすものであれば、条件や優遇制度の整備が、まず問われなければならない。
(2)具体的方策
- どの様な場所に設定されるかによって違うと思う。しかし長期に亘って事業を行い、またその後の監視をするだけでなく、次の世代のエネルギー問題を検討するのに中心的役割を果たす研究及び技術開発機関をここに設けてはどうか、その場合、それなりの都市計画が必要になろう。
- 次世代エネルギー問題研究センター、放射線物理学に関する研究センター、理工系大学。
- 人口増加、雇用増大、地上空間の新しい利用方法が見えてくるものが良い(産業の少ない地域においては、若年人口の増加、知的集団の移住が望ましい)。
例として、
- ・新エネルギーに関する研究所の設置:
- エネルギーと環境の問題等の総合的研究機関を設置することにより、海外に門戸を開いた関連の研究機関、大学、大学院の設置や、特別の科学技術教育校(中、高、専門学校等)の設置が期待される。
- ・「科学ワールド」の建設:
- 全国規模の科学テーマパークを建設し、宿泊設備、美術館、娯楽施設(演劇、音楽、スポーツ等)を併設。特徴のある催しもの等の企画。
- ・修学旅行用の特別施設の建設(未来に関する科学技術、芸術等の体験等)
- 文化活動のための施設(劇場、美術館等)、専門学校の設立、教育機関の整備、等。
- 観光とかレジャーで全国各地から人がくるような振興策。
- 交通機関の整備、医療機関の充実。
- エネルギー消費を極端に制限した場合とエネルギーが十分に供給される場合の2つのモデル都市を計画し、それぞれにおける生活スタイル、社会環境について可能性を追求する。
- 議論の進め方
- ステップ(予備調査、技術実証、操業、閉鎖、等)毎の対策の検討。
- ステップに応じたメニューの検討(指定寄附、立地交付金、閉鎖後基金等)。
- 考えられる地域振興策メニューとそれぞれの場合の地域の姿の整理。
- スウェーデンの担当者と会うと、国民の合意を取り付けた実績に勇気を与えられる。問題解決の糸口が見つかる。
- 小委員会で検討する。原子力関係者は半分以下で、過半数の委員はレジャー、観光、地域振興の専門家、実務者とする。
┌──────────────┐
│5.社会的受容性に係る方策 │
└──────────────┘
- 意見
(1)基本的な考え方
- 今後の原子力開発とは一応無関係に、既に、現時点で、廃棄物処分場を我が国に選定することが必要であることについての、適切な情報を国民に率直に提供することである。
- 言い換えれば、今後の我が国の原子力政策とは別に、我が国の何処かに、高レベル放射性廃棄物処分場を設置しなければならないという点について、国民に対する十分な情報の提供が先行していることが必要である。
- これがないと、立地場所以外の国民は、問題を他人事視するか、賛成、反対いずれにせよ、情緒的反応を示すこととになりかねない。
- 高レベル処分問題について、国民は殆ど知らないのが現状であり、まず、処分の必要性について国民的合意を得ることが必要であると考えられる。
- なぜ原子力発電が必要か。なぜ高レベル放射性廃棄物処理が必要か。に関して、一般の人々の理解を深める必要があり、これを十分議論する必要がある。この問題は将来のエネルギー問題に深く関係するので長期計画の議論とも深く関係する。
- 廃棄物処分の必要性や地層処分についての国民の理解が不十分であることから、PA活動に積極的に取り組むべきである。関係者の総力を上げたPAが不可欠。危機感をもったPAの積極的な再検討及びその見直しによる実行しかないと思う。
- 30%以上の電力が原子力発電で賄われているという現実を踏まえ、その安全性、更に万一事故が起きた時の対策までも含めて、これを国民に納得できる形で示す必要がある。
- 原子力発電に関連する諸問題についての国民の最大の関心は、安全性の確保であり、高レベル処分についても、その安全性に対する懸念が払拭されなければ、国民の合意を得ることは難しく、処分場の選定にも困難が予想される。
- 万が一、事故が発生した場合の対処方法や責任の所在の明確化等についても、明らかにされる必要がある。
- 技術的にも社会的にも、信頼される実施主体を設立し、責任の所在を明確にすることが大前提。
- 国民をお客様にせず、共に解決策を探る方向づけをすること。
- 原子力発電に関連する問題は、たまたまその立地対象となった地域の人々だけの問題として捉える傾向があるが、国民一人一人が自らのくらしの問題として考える必要があり、政府として考える必要があり、政府としても国民的課題として、国民に呼びかけることが必要である。
- すべての技術情報、政策措置を公開することにより、推進側は有利な情報しか公表しないという不信感を払拭すること。すべての情報が公開されて初めて国民的な議論が可能になる。
- 基本的立場として、国民生活に密接な関わりをもつ原子力発電に関連する問題の解決については、国民の理解と納得を得て進めることが大前提。
- そのためには、情報公開と国民の意見の聴取、および国民合意に基づく決定が必要。巻町の住民投票を見ても、もはや住民の意思は無視できないと考える。
- 全ての情報を公開して国民に考えさせること。原子力問題の難しさを訴えること。
- SKBやスウェーデンの啓発システムについて、日本では国民レベルで現地を訪ねた人は少ない。ぜひ委員会メンバーによるスウェーデン視察を提案する。机上の論理では現実に対応する対策は生まれない。
- また、政策スタッフも現地を訪ね、専門の立場で深く知見を得ることが日本の財産となる。
- 日本の原子力の論じ方は暗い。啓発のアプローチの仕方を再検討すべき。スウェーデンには、負のイメージはない。国民がきちんと理解しているので、原子力を理性で論じることができる。日本の論じ方は感情が全面に出ている。これは国民の情報不足に起因する。
- スウェーデンではサイトは先端技術が集約される場所(Komputens)、文化が生まれる(Kultur)場所、コミュニケーションが整備される(Kommunikation)、つまり交通、下水、環境などのインフラストラクチャーが整う場所という考え方が浸透している。これを3Kと呼び、マイナスイメージは強調されない。日本の3K(汚い、危険、きつい)とはKの持つ意味が全く違っている。
- 原子力政策全体特に高レベル処分問題の最大の障害は、現在原子力関係者を含め国民全体に広く抱かれている原子力発電に関するイメージないし感情であるように思われ、その根本的な変革を図り、原子力関係者自身の意識や感情の改革がなければ何事も進まないのではないか。
- サイト選定が、上からないし外からの押しつけではなく、地元の意志・イニシアティブで行われることが最大の方策。社会心理学的にいう効力感(efficacy)を満足させることが必要・有効。
- 国民ないし地元の人々の合意の形成を前提に推進することは非現実的であるとの認識の下に、もっと焦点・対象を絞った戦略的・戦術的な方策をとっていく必要性があろう。
- 一つには、全員が処分施設の受け入れに合意することなど現実的にはありえないことは明白。二つには、理解と合意を峻別しての認識・アプローチがなされなければならない。
- 情報を公開し周知徹底を図り、PR活動や認識・理解を高める活動を行ったとしても、当初から何が何でも反対という人々が存在し、全員合意はありえない。
- むしろ元々賛成/反対の意見を持ち、それを変えようとしない人々、どちらとも意見を決めていない、あるいは情報提供や教育や働きかけによって意見を変える可能性のある人々、各々のシェアを見極める。
- そして、広く全体として理解を求めていくだけではなく、この層の人々に積極的・重点的に働きかけていく具体的戦略・戦術が、きめ細かく構想・実施されて行くべき。
- 以前原子力発電に関して調査した結果では、アメリカは、絶対賛成と絶対反対が5%ずつ、90%が働きかけによって変わりうる人々、ドイツは、絶対賛成と絶対反対が30%ないし3分の1ずつ、残りの40%ないし3分の1が変わりうる人々と言われていた。
- 日本は、アメリカとドイツの中間にあり、10%ずつが絶対賛成・絶対反対であり、残りの80%が変わりうる人々ではないかという意見であった。これが処分施設についてはどうなのかの、慎重な検討・調査も必要。
(2)具体的な方策
- 処分場が思ったよりはるかに安全で、魅力的な事業であることを全国の人に知ってもらうこと。現地を見学してもらうだけでなく、ビデオも作り、駐車場や金庫業より、農業や工場、スーパーマーケットの誘致より儲かるし、清潔な事業であることを知ってもらう。
- 是非と名乗り出たくなるような魅力を全国に伝えること。
- 地下研究施設が完成すれば、受容性への寄与は大きい。
- 国民の信頼を得るには、理論で説得するのは無理。現場を見せることである。また、先進国であるスウェーデンの担当者を招いてのシンポジウムを開催するのはどうか。
- 報告書等の官庁用語を平易にするよう努めること。
- 国民の理解を促進するようなわかりやすく、且つ継続的な情報提供が求められ、形式的あるいは一方的な情報開示にならないよう留意が必要。
- 当懇談会でこのような議論がなされつつあることを、果たして国民(電気利用者)のうち何%が認識しているのか。
- 原子力関連では事故ばかりを取り上げるマスコミの報道姿勢にも問題があるかも知れないが、原子力委員会は情報公開の姿勢を徹底するとともに、様々なメディアを活用していくことが重要ではないか。
- 特にテレビの影響力は大きい。役所で作るビデオなどはどうしてもPR色が強く、観る側も不信感をもって観てしまう傾向がある。
- 学校教育の段階からの積み上げではすでに時期を失しているので、より積極的にマスメディアを通じての情報提供策を考える必要がある。
- 国民に対して単に安全であると言った説明がもはや通じない時代になっていると思う。社会的必要性とのバランスの上で判断する資料を示すことが望ましい。これに際しては、中学、高等学校における理科教育まで考える必要があるのではないか。
- 技術的安全性を社会に早期にアピールできるように、動燃事業団等がデータを整備することが必要。
(3)施設の閉鎖後の措置
- 地層処分については、閉鎖後に制度的管理に依存しないことが国際的な考え方となっているが、社会的受容性の観点から、管理を全く行わない方法が日本でも適当か否かについて、海外の動向も踏まえつつ、十分に検討する必要がある。
- 高レベル廃棄物の影響が超長期に及ぶことから、国民は不測の事態に対する不安を持っていると考えられる。従って、制度的管理の要否とは別に、閉鎖後は国が直接の責任を負うことを法的に担保することなども検討していく必要がある。
- 制度的担保による社会的安心感を獲得することが必要。
- 処分という名称および考え方を変えない限り、社会的受容を得ることは困難。ほぼ永久的に、モニタリングに基づく管理のシステムを組み込むという姿勢なり方策が不可欠。
- 閉鎖後管理は社会的にみて必要。閉鎖後の事業は、国による継承が望ましい。
- 議論の進め方
- 社会的不安の分析と制度的担保の在り方の検討。
- PAにおける関係機関の役割分担とツールの検討。
- 制度的担保方策の検討(閉鎖後管理(方法、期間)、国による継承の方法(国有地化等)、鉱区禁止区域の設定、等)。
- 海外での動向は説明があったが、再度このテーマに絞って整理してほしい。特にスウェーデンのプログラムについて、詳しい説明を聞き、参考にしてはどうか。
- スウェーデンのような地下研究施設(HRL)を日本にも一日も早く作るべきである。
- その投資をし、国民に現場を見せなければ、国民はいつまでもかたくなに反対しか言えない。国民は日本の場合、感情で理解をし、原子力を理性でとらえきれていない。
- 広告、宣伝の専門家、実務家を主体に、原子力立地の専門家と素人で小委員会を構成する。
┌──────────────┐
│6.その他 │
└──────────────┘
- 意見
- 法制度は国民の理解、国民合意を得るための手続き立法であるべきである。
- 参考資料は各国の資料がたくさんあるが、そのままでは一般市民の参考にはならない。私はカナダAECL作成の環境影響報告書がもっとも適当と思うので、その平易な要約を作成して広く頒布してはどうか。
- 処分のスケジュールは原子力開発利用長期計画に一応示されているが、完全ではない。閉鎖の手順がはっきりしない。
- 閉鎖の手順の問題は、放射能のモニタリング(監視)がどこから始まりどこで終わるのかの問題でもある。モニタリングに一般環境影響も含めれば、モニタリングは調整段階から始まることになる。その辺りの審議を望みたい。
-
(1)基本計画の策定:
- オープンに打ち出し、社会の理解を求めることが不可欠。
- 法律を制定した上で、国が基本計画を策定することとし、国会で議論することが望ましい。
(2)研究開発の促進:
- 動燃第2次レポートでの技術的成果を期待する。
- 研究の促進が望まれる。
- 地層処分については、関係省庁との調整も必要なのではないかと思われるが、そういった検討はどうなっているのか。関係省庁からヒアリングを行うなど、政府としての認識の共有化が図られる必要があるのではないか。
- 本懇談会の報告書はどの様な形でまとめ、取り扱いはどうなるのか。最終的には原子力委員会の諮問機関として原子力委員会に答申するが、これをもって国民合意とは言えない。素案段階で公開し、国民の意見を求めることが必要ではないか。
- 議論の進め方
-
(1)基本計画の策定:
- 基本計画策定手続きの検討(基本計画審議会の設置、等)。
- 代替オプションの検討(長期保管、等)。
(2)研究開発の促進:
- バックエンド専門部会に委ねる。
- 研究促進方策の検討(地下研、国際共同研究、等)。
- 当懇談会は、処分のあり方を議論する場なので、長期計画について議論するのは適切ではない。しかし、いろんなケースを考えることは、選択肢を示す意味で、必要ではないか。
- 高レベル処分の方策を推進するため、早い機会にスウェーデンを訪れることを提案する。
- 高レベル処分の特殊性を踏まえた国の役割の検討。
- 事業(特別法制定)と安全(炉規制法改正)に関する法的検討。
「高レベル放射性廃棄物処理懇談会(第4回)議事次第」へ