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│資料(懇)4−2−4│
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原子力政策円卓会議における議論の論点(抜粋)
−高レベル放射性廃棄物〜バックエンド対策−
- 平成8年10月
- 原子力政策円卓会議
原子力政策円卓会議における議論の論点
- 情報公開、政策決定過程への国民参加
- (1)情報公開〜情報公開、広報、報道機関の役割
- (2)政策決定過程への国民参加
- エネルギーと原子力
- (1)世界のエネルギー需給見通し
- (2)省エネルギー〜ライフスタイル、社会・経済構造とエネルギー需給
- (3)新エネルギー
- (4)エネルギー源選択の考え方
- エネルギー源選択の考え方
- 原子力エネルギー
- (5)その他
- 核燃料サイクル
- (1)核燃料サイクルと再処理
- (2)使用済燃料管理
- (3)プルトニウムの軽水炉利用
- (4)高速増殖炉
- (5)高レベル放射性廃棄物〜バックエンド対策
- 原子力の安全確保と防災
- (1)原子力の安全確保
- (2)防災問題
- (3)その他
- 原子力の立地地域との交流・連携
- 円卓会議の意義及び運営
- その他
(注)
- 本資料は、これまでの原子力政策円卓会議における議論を主な論点毎に分類したものです。
- 各項目における発言内容は、毎回公表している議事概要(議事を簡潔にとりまとめたもの)を基にしております。
なお、議事概要については、毎回、出席者の方にご確認いただいた上で公表しておりますが、第5回出席者の吉村清氏より議事録のみでよいとの意見が表明され、また、同じく第5回出席者のアイリーン・美緒子・スミス氏からは、<自由討議>のとりまとめ方については認められないとの意見が表明されました。
- 会議の正確な発言内容等については、別途公表されている議事録をご参照ください。
(5)高レベル放射性廃棄物〜バックエンド対策
<第1回・招へい者の意見発表>
- 高レベル放射性廃棄物の処分は最も大きな課題。計画の進展や処分技術の内容が外からもわかるように進めることが肝要。
- バックエンド対策については国民全体で考えるべき課題であり、国が真剣に取り組み、早急に将来見通しを示すべき。
<第2回・招へい者の意見発表>
- 放射性廃棄物の処理処分について真剣に検討し、将来計画を早急に提示し、実行すべき。
- 原子力とつきあっていくことを考えた際に気になるのは、高レベル放射性廃棄物の処理の目安や将来見通し、リサイクルに関する国の考え方や将来見通し、廃炉の見通し等である。
- 放射性廃棄物を人間環境から隔離して処分する考えもあるが、責任の持てる時間範囲を限定して、時限がくる度に改めて管理し直すという考えも議論してはどうか。
<第2回・原子力委員の総括的見解>
- 廃棄物処理処分、防災対策については安全を最優先にし、責任をもって対処する。
<第3回・招へい者の意見発表>
- バックエンド、使用済燃料の問題については、国が前面に出て真剣に考えて、方向付けをはっきりさせることが必要である。
- 放射性廃棄物も未利用エネルギー資源として考えることができるかもしれない。
- 国のバックエンド対策がはっきりしない限り、これからの立地地域と国との間の信頼関係は難しくなると考える。
<第3回・自由討論>
- バックエンド対策は、四半世紀を経過しても不明確であるが、原子力エネルギーを等しく享受している国民全体、とりわけ大量消費地の問題として、考えるべきであり、国の責任における真剣な取り組みが必要。
(原子力委員意見)
- バックエンド対策については、「この問題が解決しない限り、原子力の未来はない」と関係者一同、肝に銘じ真剣に取り組んでいる。
<第4回・招へい者の意見発表>
- 放射性廃棄物のうち、高レベル、長寿命のTRU核種のような長期に残る廃棄物について、それを消滅させるための研究に積極的に取り組むべき。
- 次の世代にツケを残さないためにオメガ計画を積極的に推進すべき。
<第4回・自由討論>
- 軽水炉自体は高い安全の実績を収めている。原子力で一番問題なのは、廃棄物処理。技術的な問題はともかく、社会的な問題は答えが出ない。これが大問題。
(原子力委員意見)
- 高レベルの廃棄物対策は、現在、地層処分に関する研究開発が進められているが、この技術が確立しないと、原子力は完成したといえない。
- 消滅処理による廃棄物の環境の負荷の低減、群分離による廃棄物の有効利用が長期的な基礎研究として重要。銅の精錬は、硫黄、砒素等が出るため、過去は問題となっていたが、今では、それを回収し有効利用している。
- 一般産業で発生するゴミは、最初から捨てていたが、だんだんと問題となって集めるようになっている。原子力は、最初のスタートから、廃棄物の処分をきちんとしないといけないとしてやってきた。
- 原子力は、凝縮されたエネルギーであるため、廃棄物はその逆に100万分の1から10万分の1になる。それを閉じこめるのは十分可能。
<第5回・自由討論>
- 「リスクとベネフィット」を受ける側が異なるという問題について、原子力の分野の中で特にその差が大きいのは、「今の世代と次の世代間」という観点、つまり「高レベル放射性廃棄物」問題、そして、「日本と全く利益を受けていない輸送ルートの国々との関係」の観点からである。
- 廃棄物の問題は、その解決なくして原子力の未来はないと考えており、委員会としても、長計でうたっている他、高レベル廃棄物準備会等で着々と取り組んでいるが、長期的な問題でもある。また、それを考える際には、世代内の負担の公平に加え、世代間の公平を十分確保できるようにというのが、OECDなどでも確認されている共通見解。さらに、高レベル放射性廃棄物の地層処分については、技術的には十分出来るということが国際的な専門家の一致した意見であるが、社会的に受け入れられるのが難しく、今後、それをどうするかが課題。ただし、再処理により発生する高レベル放射性廃棄物の対策も大変な問題であるが、ワンススルーによる使用済燃料の直接処分はより大変な問題である。
- 廃棄物問題は長期的な問題と言うが、今の問題でもある。現実に現在も原子力発電所は稼働し、毎日広島の死の灰の120倍という膨大な量の放射性物質を作り出している。それをどうするかを解決せずに進めてきて、さらに増やそうとしていることは問題。また、電気のベネフィットを享受している消費者は、自分だけよければいいというのでなく、そうした現実をもっと自覚すべき。
- 原子力発電から生み出される放射性物質の量は膨大との話があったが、確かに発電した分、放射能のキュリー数は増えるが、体積的には非常に少ないのが現実。だから安全に隔離できると考えている。
- 広島の原爆の120倍という話があったが、放射性物質には、一秒の間に減衰するものなど多くの種類があり、その値は、刻々と変わるものであるから、そうした比較は、非科学的である。
- 高レベル廃棄物の地層処分について、国際的に安全は確認されているというが、科学技術庁でこの点を研究していたある専門家は、100年はたたないと学問的に見て安全は確認できないといっている。この点については発言を撤回してもらいたい。
- 地層処分について、100年立たないと安全性確認できないという説は、安全性の許容限度の幅の問題が関係すると推察するが、実際の意見を直接聞いていないので、宿題としたい。
<第7回・基調発言>
- 高レベル放射性廃棄物の一時貯蔵については、その安全性及び最終処分地が決まっていないことに対する懸念、不安が依然として続いている。再処理、プルトニウム利用を基本とする我が国の原子力政策が先行き不透明であり、青森県への放射性廃棄物や使用済燃料の搬入だけが進められていくのではないかという懸念がある。
- 国の原子力政策には、例えば高レベル放射性廃棄物の最終処分等、基本的方向は明文化されているものの、未だ全体像が明らかになっていない部分もあり、今後原子燃料サイクル事業の本格化を控えて、このような状態であることは疑問。
- 青森県は、立地協力要請を受諾する直前に、高レベル放射性廃棄物の最終的な処分については、国が責任を負うとの確認をいただいているところであるが、昨年9月の原子力委員会による取り組みの具体化までの11年間目に見えるものはなかった。したがって、今世紀中に高レベル放射性廃棄物の最終処分地を決定するよう国に願う。
- 放射性廃棄物の問題は国民的課題。高レベル放射性廃棄物については特に安全性に留意することが必要。また処分の実施主体をできるだけ早急に設立するべき。地下研究施設の建設は是非進めて行くべき。
- (地下研究施設の建設に)併せて安全から安心に向けた研究開発成果を広く公開するよう、より一層努力するべき。
- 廃棄物問題は、原子力長期計画が実態に即していなく、国民の不信感をもたらしている。
- 廃棄物問題について全体的にどうアプローチするかがないままに、「青森県には最終処分しない」などと「確約」しているのはおかしい。その場しのぎの口約束で事を進めてはダメ。
<第7回・他の招へい者の所感>
- 一般廃棄物については、経済的に許容していけるのかという視点から、国民のコンセンサスを作りながら、法律を2つ作ってきた。この考え方が原子力の中でも利用されていくと国民の同意も得ていけるのではないか、また、国民の選択する判断力も培われてくるのではないか。
<第7回・自由討論>
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│・基調発言において、廃棄物政策について長計通りにいかないのではという指摘が│
│ あり、原子力委員より、現在専門部会、懇談会等で検討を進めているとの説明が│
│ なされた。 │
│・これに関連して、原子力委員会の考え方は楽観的であるとの意見が出された。 │
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(議事の概要)
- 廃棄物政策について、長計通りいかないのでは、との指摘もあったが、現在、原子力バックエンド対策専門部会、高レベル廃棄物処分懇談会を設けて、技術だけでなく、広く社会及び国際社会の問題として取り上げようと精力的に検討を進めているところ。
- 廃棄物などの非常に大きな問題に対し、原子力委員会の考え方は楽観的であり、これでは国民の不安への答えになっていない。
- 再処理しようと、直接処分しようと高レベル廃棄物の処分は必要であり、その実現のために最大限の努力をしたい。
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│・放射性廃棄物の処分に関して、安全性、コストについて国民に充分説明するとと│
│ もに、研究を進めデータを蓄積するべき。また、一般廃棄物との量の比較など質│
│ の違うものとの比較は国民の理解を得られないという指摘がなされた。 │
│・これに関連して、今後研究を進め、コストについても確実な試算をしていきたい│
│ との意見が出された。 │
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(議事の概要)
- 核廃棄物は発電量に比例するので、エネルギー不足をあおって、エネルギーを消費する政策を続けていくことは不安。核廃棄物の処分は安全か、または安全に管理できるかの情報を十分に出してほしい。そうすれば一般国民も、発電施設を、今後限りなく増やすかどうかを考えることが出来る。
- 高レベル放射性廃棄物の処分コストは、1kWhあたり数銭から10銭程度との試算が示されている。まず、この考え方の根拠を国民に知らせてほしい。また、これは処分コストだけしか含まれておらず、それ以外に入ってくるべき処理、貯蔵、中、低レベル放射性廃棄物等の費用は見えてこない。放射性廃棄物処理・処分コストの全体を国民に分かりやすく情報公開すべき。
- 核廃棄物のPRに関して「一般廃棄物に比べて1年に1000本しか出ない」等の表現が見られるが、全く質の違うものを比較に出すのはかえって不信感を招き、これでは国民の理解を得られない。
- スウェーデンでは、20年前から高レベル廃棄物の地層処分の研究所を作ってデータ蓄積をしている。日本は、そうした実証データが少ない。今後、国民が判断できるよう、そうした研究を進めていくべき。
- 放射性廃棄物の処分コストは、電気料金に入るが、CO2の処理はカウントされない。そうした面で、放射性廃棄物処理コストは環境保全コストともいえる。
- 放射性廃棄物処分のコストについては、不確定要素が多く、現在は、概算で試算している段階で、kWhあたり数銭程度と過大なインパクトを与えるものでないと、いうことが言える程度。今後、詰めていくとともに、スウェーデンの研究所みたいなものを作り、より確実な試算をしていきたいと考えている。
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│・廃棄物の問題は、我々の世代の責任としてまじめに考える必要があるが、原子力│
│ の推進とは別に議論するべきであるとの意見が出された。 │
│・一方、これに関連し、原子力の推進の是非に関わらず廃棄物の問題は難しい問題│
│ であり、原子力の推進と別に議論する、しないの問題ではないとの意見が出され│
│ た。 │
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(議事の概要)
- 現在、廃棄物はあるので、これについては我々の世代の責任として、きちんとまじめに考えていくべきであるが、産業の利害とは独立して、つまり原子力の推進とは別に議論するべき。スウェーデンのように一応将来は原子力を廃棄するとなっている国では議論がしやすい。
- スウェーデンや米国でもまだ使用済燃料処分のめどは立っていない。この問題は原子力をやるやらないに関わらず難しい問題であり、原子力をやめれば、廃棄物問題が議論しやすくなるという言い方をするのはおかしい。
- 原子力をやめれば、廃棄物問題が議論しやすくなるというのは、原子力の推進とは独立に、廃棄物問題を議論しなければいけないという趣旨だ。
<第8回・一般公募・原子力モニター参加者からの意見>
- ガンの発生メカニズムの解明や治療法の確立、放射能の消滅技術の確立は、原子力技術の社会的評価を全く違ったものとする。こうした技術が今後どのくらい進歩するかという技術予測は、現在の原子力政策を立案する時にも大きく影響するものであり原子力委員会の見解を聞きたい。
- 高レベル放射性廃棄物の処理処分のように現在の決定が未来の社会に影響を及ぼす問題は、一部の人間だけにより決定されるのではなく、未来の人間がどう考えるであろうかということも考慮に入れ、国民が決定を行うべき。
<第8回・基調発言>
- 再処理施設、核燃料加工施設や廃炉解体等により発生する放射性廃棄物の処理処分に関する技術基準や制度といった将来計画を早急に決定し、実行すべき。
<第8回・他の招へい者の所感>
- 使用済燃料は貴重な物質の宝庫であり、研究をすべき。オメガ計画はその実現をはかるべきである。
<第8回・自由討論>
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│高レベル廃棄物については、貴重な成分が入っており、それを有効利用できる可能│
│性があるため、将来的には、群分離、消滅処理の研究を進めることが重要との意見│
│が出された。 │
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(議事の概要)
- 放射能消滅技術の将来予測について、高レベル放射性廃棄物の処理については、現在は地層処分の研究開発を進めているが、将来的な基礎的な研究としては、群分離、消滅処理の研究も重要。過去、産業革命時代はコールタールを捨てていたがその後貴重な資源として利用されるようになったとか、銅の精錬でも昔は垂れ流していた硫黄、砒素等を現在では分離し利用しているなどの例もある。また、排煙に電子ビームを使って、NOX、SOXを肥料に転換することが可能にもなっている。高レベル廃棄物にも貴重な成分元素が入っており、長い目で見るとそれを有効に使える可能性がある。
<第9回・自由討論>
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│・六ケ所核燃料サイクル施設における廃棄物の将来計画が不明確であるという意見│
│ について、事務局より将来計画に関する事実関係が説明された。 │
│・また、説明のあった事実関係について、地元でもよく説明し、青森の住民に安心│
│ 感を与えるようにしてもらいたいとの意見があった。 │
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(議事の概要)
- いつもエネルギーの必要性は認識しているが、なぜ青森だけなのか、将来どれだけのものが運ばれるのかがわからない。原子力発電を始めたときから、使用済燃料が出ることがわかっていたのに、未だに海外返還廃棄物の貯蔵施設や低レベル廃棄物等の将来計画が不明確。
- 青森について、将来どういう廃棄物がくるのかの全貌が見えないことについて、答えがほしい。
- 高レベル放射性廃棄物については、将来にわたって青森県に高レベル放射性廃棄物があるということではないことを約束している。
- この地域に、六ヶ所村にどれだけの量の廃棄物が集められるのかをはっきりしてほしい。
- 低レベル放射性廃棄物については、最終的には300万本のドラムをお願いしたいが、現在許可を得ているのが20万本相当であり、全体像を明らかにしながら現在の施設建設は20万本として進めている。高レベル放射性廃棄物の一時貯蔵については、最終的に三千数百本の返還があるが、現在の施設は1440本である。
- 英国ではスワッピングの話があるが、海外に再処理を委託している中、低レベル放射性廃棄物についても青森に帰ってくるのか。
- スワッピングについては、英国において、一つの可能性として検討している。最初に六ヶ所村にお願いした中に、海外からの全体の廃棄物の返還をお願いするという全体としての位置づけがあるが、どの程度の量をどういう施設でお願いするかの具体化には至っていない。
- 廃棄物量の低減化も進んでおり、ここで廃棄物の明確な量を求めるのは無理。
- 自分の問題提起に対しては、私に答えるのではなく、青森で説明するなど、青森の住民に安心感を与えるような努力をしてほしい。
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│・バックエンド対策について、世代間の公平として我々が責任を持ってやるべきな│
│ のかも含め、きちんとその方法について議論をするべきという意見が出された。│
│・また、廃棄物については、世代責任の問題があり、きちんと対応するべきである│
│ が、研究は産業界の利害と独立した機関でするべきとの意見がでた。 │
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(議事の概要)
- エネルギーを使った後の負の遺産を世代間の公平として我々が責任を持ってやるべきなのかについてきちんと議論をするべき。高レベル廃棄物の最終処分については、地層処分という方向がでているが、これは我々の代にきちんと始末しようという焦りがあるのではないか。経済性、安全性、国民合意の方向についてこれから議論をしても遅くないのではないか。
- 廃棄物については、世代責任の問題が厳然とあり、放置していていいとは思わない。しかし、研究は産業界の利害と独立した機関でするべき。現在、動燃が研究開発をしているが、廃棄物を発生させている事業者であり、簡単に処分できるという方向になりかねず、適当ではない。
<第10回・一般公募・原子力モニター参加者からの意見>
- 高レベル放射性廃棄物の処分に関しては、我が国において処分予定地を選定することは困難と考えられるため、地球外への処分の研究、他国へのお願い、IAEAによる世界共同処分地の決定などについて進めることを提案する。
<第10回・自由討論>
- 原子力だけにエネルギー政策を偏らせていることが間違っている。様々なことを考えていくべきではないか。原子力発電は必ず廃棄物が発生し、それをどこかに持っていって捨てなければいけないものであるということを考えるべき。間違った方向に向かって英知や経済力を使うのではなく、本来あるべき方向に使ってほしい。
- 解決できないものをどんどん作って、それを押しつけられるのでは、押しつけられる地域は納得できない。
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│高レベル放射性廃棄物の処分に関しては地球外の処分、他国へのお願いも考えては│
│どうかという意見に関連して、 │
│・廃棄物の処分は自国ですることが基本であり、自国でできないから他国にお願い│
│ するのは国際的な問題になりかねない。 │
│・宇宙での処分は、打ち上げのリスクを考えるとどの国の人にも賛成してもらえな│
│ い。 │
│との見解が示された。 │
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(議事の概要)
- 外国に廃棄物の処分を依頼する提案については、世界的に自国において処分することが原則となっており、各国での永久処分の技術の確立が必要。
- 地球外での処分については、打ち上げのリスクがあり、どの国の人にも賛成してもらえないと考える。
- IAEAにおいて、共同処分に関する話し合いをすることについては、長期的には意味があると考える。
- 廃棄物問題は重要であり、原子力では当初からきちんと処理することでスタートしている。放射能を含むなど質的には異なるものの、量の観点からは、産業廃棄物と比べて高レベル放射性廃棄物は100万分の1、低レベル放射性廃棄物も5万分の1であり、処理はしやすい。廃棄物は、貴重な成分を含んでおり、消滅処理、群分離などの技術開発により利用が可能となる。
- 海外では、放射性廃棄物の受け入れをビジネスとして検討していた国もある。ただ、自国でできないことを他国にというのは、対外的に通りにくい話で、話は進んでいないと理解している。
- 「国外に廃棄物をもって行ったら」という意見も聞くが、お金を渡せば受け入れてくれるだろうという安易な考えが見られる。国際摩擦の原因となったり、日本人のわがままと言われかねない。
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│原発からの廃棄物は国が責任を持って処分方法を確立するべき。30年近く努力は│
│してきても、イメージすら示されていないし、どのくらい努力しているかも示され│
│ないとの意見に関連し、原子力委員長より、 │
│・国としても全力を挙げて対応する。 │
│・努力している姿勢についても、もっと明確にご理解いただくような努力も必要。│
│との意見が表明された。 │
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(議事の概要)
- 廃棄物は出した本人が自己責任をもつべきとの意見があったが、放射性廃棄物については立地自治体に責任があるわけではない。そもそも、立地の際には、国が責任を持って間もなく処分方法は提示できるとのことで福井県や福島県は設置に協力した。しかし、立地から30年近く経つが、未だイメージすら見えてこない。そこに国に対する住民の不信もある。
- 放射性廃棄物対策が、今すぐできるとは思っていない。しかし、30年近く努力されてきてイメージすら国民に出すことができないし、また、言葉では努力していると言うが、どれだけ努力しているかについても見えない。
- 科学技術庁予算の大半を放射性廃棄物対策にあててもいいのではないか。放射性廃棄物処理処分まで含めて原子力が完成するとのことだが、つまり原子力は未完の技術ということである。放射性廃棄物の処理処分を最優先の課題とすべき。
- 放射性廃棄物対策については、予算編成その他において科学技術庁、また通産省を含めて全力を挙げる所存。
- 放射性廃棄物処理処分問題について努力の中身が見えないとの意見があったが、この点のPAが不足していると認識している。再処理工場の建設状況や高レベル放射性廃棄物処理処分の検討状況、それに対して努力している姿勢をもっと明確にご理解いただけるような努力が必要。
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│高レベル放射性廃棄物の地層処分は、技術的に確立しておらずそのようなものを │
│青森県に押しつけるのは問題との意見に関連して、原子力委員より、 │
│・高レベル放射性廃棄物の永久処分として、専門家の間では地層処分が国際的に合│
│ 意が得られている。 │
│・青森県に貯蔵している返還廃棄物は永久に置かれるものではない。 │
│との意見が出された。 │
│また原子力委員長より、既に使用済燃料が存在することも踏まえ、全力を挙げてや│
│らなければならないとの見解が表明された。 │
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(議事の概要)
- ウェストファーレン州の廃棄物処理に関する会議によれば、高レベル放射性廃棄物の地層処分は技術的に確立していない。これが原子力から撤退する最大の根拠になっている。六ケ所村には実際に全ての放射性廃棄物が運ばれる。これは命の問題であり、お金がもらえればいいというものではない。外国に廃棄物を押しつけるのはいけないと言いながら、日本の中で青森に押しつけるのはいいのか。
- 核燃料サイクル施設の建設により広い道路ができ、高レベル放射性廃棄物が運ばれて通った。関連施設で働く人々のためのマンション、バーなどが作られた。しかし村民はそのようなものができることを望んだわけではない。これでは地域振興とは言えないし、村民もそう思っていない。現に村民投票とまではいかないが、高レベル放射性廃棄物搬入に対して自主的な投票をしたところ91パーセントもの村民が反対としている。
- 返還高レベル放射性廃棄物は永久に青森に置かれるということではないという前提で、引き受けていただいている。
- 高レベル放射性廃棄物の永久処分方法として、専門家の間では地層処分が国際的に合意が得られている。
- 国が(返還廃棄物を永久には置かないと言うことを)回答していると言うが、曖昧でとても信用できない。
- 高レベル放射性廃棄物の地層処分は、現実に既に使用済燃料が存在することからも、技術的安全を確保しつつ、是非とも全力を挙げてやらなければならない。
<第11回・自由討論>
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│高レベル廃棄物問題について、国際協力が理解増進に寄与している欧米の例になら│
│い、アジア地域でも日本が中心となった国際協力プロジェクトを考えてはどうかと│
│の提案がされた。 │
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(議事の概要)
- 高レベル廃棄物問題について、欧米では地下研究施設を国際的に活用するなどの国際協力が社会的理解の増進に寄与しており、アジア地域においても日本が中心となり、国際協力プロジェクトを進めることも考えていいのではないか。
「高レベル放射性廃棄物処理懇談会(第4回)議事次第」へ