賠償措置額の特例額について

1. 原賠法の施行令においては、原子炉の運転等の種類に応じ法定措置額より低額の賠償措置額が定められているが、これについても法定措置額の引き上げに伴い、国際水準、民間保険引受能力等を勘案して相応の引き上げを行うことが適当と考えられる。
  
2.現行特例額の規定の仕方
 特例額を設定する原子炉の運転等の行為は、
@法定措置額の引上げ率とのバランス
A国際水準(我が国と類似の特例額制度を採用しているドイツの立法例や改正ウィーン条約等の要請(注))
B原子炉の運転等の規模比較
 等を勘案して3段階の賠償措置額に分けているところ。(別紙参照)
 これらの区分については、必ずしも厳密な規模等の比較検討の結果によるものではないものの、一方で被害者の保護と原子力事業の健全な発達という法目的にも照らしつつ、法制度としての簡潔性への配慮の必要性をも勘案して(原子炉の運転等の種類によってより詳細な区分を設けることは制度の運用をいたずらに複雑にするおそれがあること)、3区分としているものである。

 なお、法定措置額よりも低額であっても、原子力事業者の無限責任や政府の援助の規定は変わるものではなく、被害者保護に当たって遺漏無きように措置されていることは当然である。

 (注)改正ウィーン条約においても、低額の賠償措置を認めているが、500万SDR(約9億円)を下回ってはならないとされている。
【第X条パラ2】

  
3.現行特例額の仕組み
 本業(原子炉の運転、加工、再処理、使用等)については、当該行為の有する特性を勘案し、付随行為(核燃料物質等の運搬、貯蔵又は廃棄)については、これをサイト内のものとサイト外のものとに分けた上で、
 1)サイト内の付随行為については、本業と一体として考える趣旨から本業と同額を、
 2)サイト外の付随行為については、本業との一体性が弱いことから行為の対象たる核燃料物質等が有する特性等を勘案した額を、
 それぞれ賠償措置額としている。