資料第11−1号


高速増殖炉懇談会(第10回)議事要旨



1.日 時 :平成9年9月30日(火) 14:00〜16:20

2.場 所 :科学技術庁 第1、2会議室 (2階)

3.出席者
   (原子力委員)
     伊原委員長代理、藤家委員、依田委員
   (専門委員)
     西澤座長、秋元委員、植草委員、内山委員、大宅委員、岡本委員、
     河野委員、小林委員、近藤委員、鷲見委員、住田委員、中野委員、
     松浦委員、吉岡委員
   (科学技術庁)
     加藤原子力局長、森口動力炉開発課長
   (通商産業省)
     谷口資源エネルギー庁審議官、三代原子力発電課長

4.議 題
(1)報告書案の検討

5.配布資料
   資料第10−1号 高速増殖炉懇談会(第9回)議事要旨
   資料第10−2号 高速増殖炉研究開発の在り方(案) [事務局]

  (参考資料)
  ○ 21世紀の日本のエネルギー問題を考える(電気評論‘97 8月号掲載)
                                   [秋元委員]
  ○ 報告書案に対する意見 [近藤委員]

6.概 要
(1) 西澤座長より開会宣言と今回の議題の説明がなされた。その後、事務局より配布資料の確認が行われた。

(2) 資料第10−2号に基づき、高速増殖炉研究開発の在り方(案)について説明がなされた。主な質疑等は以下の通り。

<主な質疑等>
○ 報告書案に全面的に反対している。そのため、少数意見の案を用意した。本文の多数意見がこれからの審議で変更されることも有り得るので、この案通りに少数意見を入れろという訳ではない。変更された内容に沿って、少数意見も変更する。
・多数意見と少数意見では枠組み自体が異なり、枠組みの議論から始めると第1回目からのプロセスを再演しなければならないので、基本的不一致については少数意見で書いたということを前提に、それ以外で疑問に思うことをOHPにまとめたので説明したい。(吉岡委員)
○ OHPを準備するのに時間が掛かるので、時間の節約のため原案の審議をページ毎にやっていくようにしたい。(西澤座長)
○ 報告書に「動燃の対応が不適切」とあるが、「不適切」とは組織の管理責任者が言う言葉で、第三者としては「不法、不正な情報操作」となる。「不適切」とは、動燃や科学技術庁が言う表現であって、我々はもう少し違う表現を使った方が良い。
・また、「エネルギー全般、安全性の専門家」とあるが、エネルギー全般の専門家は呼ばれておらず、エネルギー政策の関係者が呼ばれたと理解している。太陽エネルギー、石油、天然ガスの専門家は呼ばれていない。安全性の専門家についても安全工学の専門家は呼ばれていない。ここは、「エネルギー政策関係者および原子力の安全性の専門家」と修正すべき。(吉岡委員)
○ 今、一つ一つの言葉を審議することが良いのか。この文章は未だこなれていないと思う。多数の意見を入れようとした科学技術庁の努力は分かるが、入れたために論旨が分からなくなっているところもある。報告書全体のトーン、取り上げ方から議論してはどうか。一つ一つの言葉については、座長一任でも良いと思う。(秋元委員)
○ それで良いと思うが、座長一任はしない。(吉岡委員)
○ 前回の骨子案で「再開を妥当とする」という文言について地元では、オーバーだがワッとなった。知事にも会ったが不快感を持たれ、県会の論議にもなった。民主党の県支部の発会式での活動計画の中に、「もんじゅ」再開反対という言葉もあった。原発反対各団体は強い反対であった。しかし、知事も説明していたが、「骨子案は最終的なものではなく、反対の意見もある。地元についての意見もある。」という見解である。
・これまでの審議の中で、地元の意見、地元の理解を第一に取り上げて発言してきた。早急な再開には賛成し難い。前回の内容等問題があると思っているが、総論反対ではない。自分の意見が大体書かれ、ちりばめてあれば座長に判断を任せるという立場である。今後の課題に「地元と国民の理解」が入れてある。「再開を妥当とする」という表現から「望まれます」という動詞を使っている。最終的には再開をしなければ研究開発を進めるということはできず、将来の再開を意味するとは思うが、言葉としてはトーンダウンし、それなりに評価できる。「再開」という言葉は、今地元で論議しているところであり、使わないということが私の意見であったが、そのようになっている。新たに設けた言葉として、「地元との十分な話し合い、理解」がある。各所に「柔軟な対応」、「計画の見直し修正」という表現があり、私の意見に沿うものになっている。
・ライフスタイルについて報告書案に書かれていない。近藤委員の資料で「ライフスタイルの追求の重要性をいささかも否定するものではない」と書いてある。これは、子々孫々にかかわる問題でありエネルギー問題とは言いながら文明論であり、科学技術庁、原子力委員会は得意とするところではないが、近藤委員の意見に賛成。
・「今、安全総点検の実施の最終段階で」と進行形で書いてあるが、いち早くその内容を取り入れるべきだと思う。
・「開発中止」、「開発を既定方針に沿って継続する」のいずれをも採らず、ということに賛成である。関西電力の地元で「原子力発電もその選択の一つです」という分かり易いCMがあり、それに共通しているように思う。原子力発電技術の有力なオプションと成り得るという点をどこかで追記して頂きたい。
・総点検以後、具体的に再開の論議が行われると思うが、地元の十分な理解が必要であり、それ抜きに子々孫々に至る問題を早急に決めることには相当抵抗がある。
・私の意見の扱いについて、皆さんの意見で修正されれば座長に一任したい。(小林委員)
○ 懇談会での議論や資料で勉強させて頂き、「もんじゅ」は必要なものと感じるに至っている者としては、いきなりこの報告書を見せられて、「なるほど」と思える得心をいだかせるような内容、トーン、緻密さのものではない気がする。一言で言えば、科学技術庁の啓蒙用のパンフレットである。これだけ偉い方が議論して、この程度のものか、という気がする。各種の審議会や懇談会の報告書で、これほど上目遣いに自信無げに謝罪しながらの報告書は見たことがない。科技庁と動燃が謝るのは良いが、懇談会としては謝罪するような罪悪感はない。今まで、世間に謝りつづけてきたトーンそのままで書かれているが、もう少し文章のトーンとしても毅然と書くべき。
・内容の立て方について、私ども素人を本当に納得させられるものか。問題点の列挙も無い、読者が何によって高速増殖炉の問題点を知るのか。イギリスでは経済性、ドイツでは安全性、アメリカにおいては核不拡散、ロシアでは財政的な事情で中断し、それに対して、我が国は進めるべきと一刀両断に片づけている。そして、エネルギーが足らなくなるので、高速増殖炉しかないとだけしか説明していない。もう少し国民のレベルは高いのではないかと思う。一体、今までここで聞かせて頂いた専門レベルのご意見のグレードはどこにいってしまったのかという気がする。近藤委員の「報告書案に対する意見」という資料の質と報告書案の質を比べると一目瞭然である。少なくとも、近藤委員が書かれたように、良心的な悩んだ跡が出てこない報告書は国民に対して説得力がないだろう。(岡本委員)
○ 座長として大変申し訳ないと思っている。だた、誤解があるのは、これで最後までやることを決めている訳ではない。やってみなければ分からない。今予想できる危険がある場合は止める必要があるが、やる必要があることはやらなければいけない。(西澤座長)
○ 岡本委員の意見に120%賛成。これを送られた時、「ですます」調の文章にコメントを書く気がしなかった。それ以上に、近藤委員の資料を見てほっとしたが、こちらに替えた方が良いのではないか。もっと正直に言うと、科学技術庁が事務局を担当する時、一体何をすべきか、もっと主張するよう言った。各界の意見を聞き、その集約としてこのような意見は出てきたのだが、たぶん最初から同じようなことを書くつもりではなかったのかと勘ぐりたくなる内容である。審議過程、論点というものは殆ど出てこない。報告書として、私たちの意見はどのように吸収されたのか、がどこにも見えてこない文章になっている。これをこの委員会の報告書として出すことには納得できない。
・ 近藤委員の資料に、いくつか付け加えればむしろこちらの方が良いと思う。必要ならば、付け加えるべき点を言う。高速増殖炉の開発は急ぐ必要はないということを強く言った。長計の見直しもすべきと言った。再開するにしてもいったい何を研究開発するのかが不明確だと思う。順次、動燃の組織がしっかりしたものになって、研究開発が着実に進むという見通しがたち、前へ進んでいくという着実な前進の方法を取るべきと言ってきたが、そのようなことが殆ど書いてない。軽水炉、プルサーマル、高速増殖炉へというのは一つの方向として見えているが、実用化になるまでは、まだ相当長い先のことだと思う。その中で再開という時、研究の範囲は不明確なまま使われている。急がず、ゆっくりやるという体制とはどういうことかということを明確にして、文章の中に入れて頂きたい。(植草委員)
○ 「もんじゅ」は、作らなければ良かったということか。必要がないものを何故始めたのか。(西澤座長)
○ 長計で言っている通りの時期では進まないということを言っている。(植草委員)
○ 無理をして早くするということは絶対にあってはいけない思う。しかし、始めたものに対して、どうして今になってやめなければいけないのか。(西澤座長)
○ 実証炉から実用炉まで行くのに事実上困難であろうということを言った。それは、まず用地も確保されていないという状況で、あと10年後にその段階まで進むということはできるはずがないということを言っている。(植草委員)
○ どうすれば良いのか分からない。その頃から、土地の手配をしていたらおかしなことになる。やってみてうまく行かなければ止める。場合によっては、軽水炉まで止めなければいけないと思っている。そういうことを決めるためには、なるべく早く検討して、技術的な難点がどういうものかを確認する必要がある。(西澤座長)
○ その必要性はある。そういうプロセスが殆ど書いていない。(植草委員)
○ 実証炉、実用炉については、従来の長計の路線ではない形で書いてある。「もんじゅ」の研究開発の考え方、或いは研究開発の意義についても従来の長計の路線はないという形で書いてある。(事務局)
○ 我々は、長計のプログラムに組んであることの呪縛から拘束されない。
・ 権威のある先人が書いた長計が、今になってみれば、あのペース、プログラムではいくはずがない。いかせるべきかということについても分からない。つまり、そのような呪縛から離れて、もう少しフリーに専門家も考えてはどうかということを言いたい。
・先程、岡本委員と植草委員が批評されたが、「ですます」調は文章に組み込まれてもいっこうに構わない。問題は中身である。近藤委員の節が入るのも賛成だが、一番の問題は最後の方で、「もんじゅ」をどのように起き上がらせ、それにどのような役割を与え、その後どのように続くのかということである。かなり幅があるように書いてあるが、それが現実だと思う。
・部分改良の余地はあるが、全体としてはそれほど悪い作品ではない。結論のところに、設計については柔軟に考えましょうというように呪縛からなるべく脱しようという意志が出ている。それが反対であるなら意見の対立である。(河野委員)
○ この報告書がこのまま出るならば、少数意見を付けようと思っていた。科学技術庁の苦労も分かるが、今、高速炉の実験を何故進めなければならないのか、その必然性がこの報告書では見えてこない。例として、結論に「将来の非化石エネルギー源の一つのオプションとしての有力な選択肢」と書かれているが、これではまだ何故今やらなければならないのか分からない。将来の保険の一つとしてやるのならあくせく開発する必要はないという結論になる。もっと掘り下げる必要がある。現に電力の3割は軽水炉の恩恵を受けており、このエネルギーを形として実用化できるものとして、システムとして完成させなければいけない。
・軽水炉のシステムを突き詰めていくところに高速炉があるのであって、軽水炉と切り離された別のものであって、将来あってもなくてもいいようなオプションの選択肢ではない。軽水炉の不完全なシステムを補完する存在であるからこそ、高速炉をやらなければいけないと言ってきた。高速炉の便利な特性は記述されているが、この特性を軽水炉システムの中で一つのシステムとして活かすような開発を行わないと、軽水炉システムでは早晩来世紀を支えるだけのエネルギーとならないから、それに対して必要な開発を実施したいということ。
・まだ相変わらず資源論で、ウランが足りなくなるからやりましょうと言っているが、それ以前に、まだ不完全な軽水炉システムの中で生きており、将来のリサイクル社会を考えれば倫理上許されないことである。あらゆる産業がリサイクル社会に向けて動き出している時に原子力もそれに対して努力しなければいけない。そのための唯一の切り札は高速炉だと思っている。そのために必要な技術を開発することは、決して遅れてよい話ではない。いくら規模が小さくてもやることはやっていかないと、将来に軽水炉のシステムも完成しない。この点については、次回までに補足意見或いは少数意見で書きたい。
・資源論だけでは高速炉の意義は不十分である。資源はインベントリ、市場原理で動くものであり、原子力のシステムを完成していくための重要な欠かせない要素として高速炉をやる必要がある。今何をやらなければならないかを詰めて、必要なものをまずやっていくという態度が必要。高速炉を何故やっていくかという理論付けを構成してやって欲しい。(秋元委員)
○ 高速増殖炉で軽水炉の使用済燃料を再び使うということで完全性が高まる。それが達成されないうちに軽水炉だけでスタートしたということは、使用済燃料が膨大に増加する。そのような放射性の燃料をどこかに置いておくという前提でものを考えているのが今の状態である。放射性の使用済燃料は少ない方が良く、もし高速増殖炉は活用できればその方が良い。軽水炉の技術をより良くしようと思えば、使用済燃料を活用するという線になるのは当たり前ではないか。ウランが安いうちは保管しておき、高くなってきたら燃やすという論議なら分かる。(西澤座長)
○ 実用でやらなければいけないことと開発でやらなければいけないことは次元が違う。今、使用済燃料を高速炉に入れて実用的に燃やすということを言っているのではない。それを開発するには10年、20年、30年と時間が必要である。使用済燃料はこれ以上技術的にも解決する方法がないということで、止まってしまうものなのか。これについては、可能性があるから開発をして将来もっと完成した技術にすることができる。その切り札が高速炉である。そのための研究開発を今やらなければ行けない。今すぐ実用化を図れと言っているのではない。(秋元委員)
○ あくまでもテストしてみて、うまくいくならやりましょうということ。今回のようにせっかく始めたのに、もう一回どうするか議論しなければならなくなるというのは論理的ではない。「もんじゅ」自体の本質的なところにあるトラブルで止めるということなら分かるがそうではない。やってみなければ分からない点がある。試験だけはやってみようと言うこと。これによりエネルギーが出るかもしれないが、あくまでも試験の結果である。全部高速増殖炉にしようという結論にはなっていない。場合によっては軽水炉だって見直すこともあり得る可能性を秘めていると思う。ただ、試験だけは早くやってみなければだめだというのが私の論点。秋元委員の考えと違わない。(西澤座長)
○ 私もそれを言っている。しかし、その必然性がこの報告書の中に反映されていない。今まで議論されたエッセンスがこの報告書では読めない。文言の中では入っているが、基本的な精神のところで反映されておらず、高速炉は選択肢の一つであると言うように上目使いになっていると思う。高速炉開発を始めたときは、そのような考えで始めた訳ではない。全体の総合的なシステムとして考えていた。今時点で100%昔からやってきたことをやるということではだめである。その中で、今本当に必要な開発を進めていくべき。全体のスケジュールについては考える必要があるが、今何をやらなければならないか、何故やらなければいけないかの説明が分かり難い。報告書案に全面反対という訳ではないが、1〜2枚の補足意見を付けたい。(秋元委員)
○ 研究炉としてもう一回立ち上げさせて、色々使ってみようと、そこから先は色々な需要がある。呪縛から身を解きましょうと言ったのは、そこから先の進め方について、長計に書いてある通り行かなくても一向にかまわないということ。今「もんじゅ」をなるべく早い時期に手続きを踏んで立ち上げさせて、色々な研究に入ってもらうことが必要というのは秋元委員の言った通り。(河野委員)
○ その通り。何故始めるかということについての説明が不十分だと思う。(秋元委員)
○ 資源論は難しい。評価は、今の時点で決断できないこともある。今のエネルギー需要の増加は、化石燃料に依存している。その体質は世界で変わらない。そのような状態が続く限り、将来の世の中の破綻が目に見えている。そのオプションとしては、再生可能エネルギーと原子力しかない。確実なオプションを技術としてつかまなくてはいけない。それが原子力開発技術の基本にあると思う。将来の不確実性は当然理解するが、色々な意見がある。その中で、原子力技術開発は脱化石燃料を図る大事なオプションであることは間違いない。これは世界の中でも合意されている。原子力と再生可能エネルギーを今後の代替エネルギーとして研究開発していく必要がある。資源論については、世界もこの懇談会でも認識している。経済性の観点から見れば、高速増殖炉の実用化は遠のいている。ではどうすれば良いのかが議論のポイントである。「もんじゅ」は研究炉として進め、再び5年毎にこの様な懇談会を開催すべきである。国民の前にオープンにすべきである。
・吉岡委員の少数意見はナンセンスで納得がいかない。これなら全員の少数意見を載せるべきである。(内山委員)
○ 研究開発はやるべきである。いざという時に使えるようにしておくべきである。しかし、 高速増殖炉しかないというのは言い過ぎである。色々なオプションとして高速増殖炉がトップにあるのは間違いない。(西澤座長)
○ この懇談会で代替案について議論されたことを記録として報告書に残したい。また、議論の背景となる高速炉の技術的な特性の記述が報告書にあればと思い、資料を作成した。(近藤委員の配布資料を説明)
・高速増殖炉をどうすべきかが分かるように報告書にまとめるべきである。高速増殖炉は原子力の一つのオプションである。その前にまず、原子力が必要かどうか議論したのであるから、それも入れるべきである。安全性、経済性などの観点から高速増殖炉はやるべきと議論したのだからそのようにまとめるべきである。特に、安全性や国民の合意形成にも十分配慮する必要がある。また、再生可能エネルギーや省エネを排除するものではない、とすべきである。
・やめるべきという意見、急ぐ必要はないがやるべきという意見も出たが、大多数は勇気を持って開発を行うべきであり、そのための研究は進めるべきであるということだった。報告書もこのように踏み込むべきである。
・安全性、経済性、核不拡散性、市場性に関して高速増殖炉の特性をもっと報告書に入れるべきである。1章設けて書いてもよいのではないか。安全性が確保されるというのは、おおよそのコンセンサスではないか。経済性についてはまだ開発段階の経済性を議論すべきではないと思う。問題は将来の経済性である。これについても技術的な紹介があったが、確かではない。燃料サイクルについても、同様のプロセスを踏むべきである。核不拡散については、大量なプルトニウムが含まれているから、新燃料の取り扱い施設の保障措置については再処理施設同様に格段の配慮が必要である。高速増殖炉は廃棄物を少なくするため、この技術開発をしっかりすれば市場性も出てくる。プラントの信頼性についてはまだ確かなことは言えない。ナトリウム技術に対する不安を解消することが必要である。この様な技術評価を報告書の中に盛り込むべきである。(近藤委員)
○ 近藤委員に賛成する。報告書案は第2章と第3章が中心であるが、この部分は近藤メモの枠組みにもとづいて全面的に見直す必要がある。啓蒙的なパンフレットであってはならない。私の総合評価の立場は、具体的な評価結果はともかく、枠組み的には近藤委員に近い。この方向で全面的に書き直すべきである。そうすれば私の私の少数意見もぐっと短くできる。私が多数意見を作文してもよい。(吉岡委員)
○ 岡本委員と同じ意見である。苦しみに満ちた選択という部分が見えない。仕方がないと考えている人々に納得してもらう必要がある。「おかゆ」のように黙って飲み込めば良いというものではなく、「歯に引っかかる位」でないとだめである。それが抜けていて高速増殖炉が必要だと言っても説得力がない。(大宅委員)
○ 唯一のオプションが高速増殖炉と言っているのではなく、軽水炉システムの究極のゴールが高速炉であるということ。軽水炉とは別のオプションというのではない。近藤委員の章建ての方が良い。この方が懇談会の議論に沿っている。(秋山委員)
○ 早く高速増殖炉の研究開発を進めるべきと言っている。内山委員の言われた5年毎集まって検討するということは、良いアイデアだと思う。(西澤座長)
○ 骨子はこの案で良いと思う。さらに、近藤委員の言われた議論の過程を加えるのも必要だと思う。高速増殖炉の開発目標はちゃんと掲げるべきである。開発する人にやる気がおきない。「ですます」調についてはガンガン書くのもいいが、平易な文章の方が良いと思う。(鷲見委員)
○ 「高速増殖炉は一つの有力なオプション」という表現で良いと思う。今は、他の新エネルギーにもお金をかけるべきである。高速増殖炉が唯一の選択肢というのではダメである。吉岡委員の言う「「もんじゅ」を研究炉に」には賛成である。即刻実用化という短絡的論理には賛成できない。資源の枯渇はそうかも知れないが、こればかりではなく、放射性廃棄物の問題も全面に出すべきである。国民合意をめざすのであれば、まずは社会生活におけるエネルギーの必要性と、それにともなう資源枯渇の問題、そして高速増殖炉をターゲットとする原子力のシステムによって生まれる電力エネルギー、またそれがもたらす放射性廃棄物の問題といった、メリット、デメリットの両面をどんどん出し、選択肢をアピールしたうえでなければならない。(中野委員)
○ 大宅委員の言うように苦渋の選択をもっと出して欲しい。複数の選択の中の一つであるということである。文章の使い方について格調が落ちて権威がないかも知れないが、カタカナや専門用語のない易しい文章が良い。ある程度格調も落とさずに。(住田委員)
○ 上から下へ説教するような論調ではダメである。技術論だけで選択されるのであれば決まっている。社会との接点を無視してはダメである。だからこの様な状況になっているのである。(河野委員)
○ 前回骨子案が議論され、それに基づき報告書案が出来てきた。前回、骨子案には賛成だが説明不足であるという意見を述べた。こういう報告書において、これまで行われてきた多くの議論を全て報告書に盛り込むと、読み通し難いものになる。この本文の中には議論のポイントはかなり含まれていると思うので、ポイントはこのままにしておき、幾つかの重要な論点のみプラスの意見、マイナスの意見を、ある種の弁証法的な方法でも良いが、添付する形で文書量にこだわらずきちんと説明すべきであると考える。
・この委員会できちんと技術論を議論されたかどうかは疑問である。この懇談会は原子力委員会の懇談会であるので、報告書に原子力委員会の役割についての要望・意見を盛り込むことが妥当である。
・高速炉がオプションであるかの議論について、高速炉は将来的に見てもオプションの一つであると考える。軽水炉の後、現状のタイプの高速炉しか無いのではなく、技術屋として考えるといくつかのオプションが考えられる。今までの技術の発展、知見の蓄積等を踏まえて、一番完成に近いオプションは現状の高速炉であると考えられる。その点を、報告書の中でも明確にした方がよい。(松浦委員)
○ 「ですます」調をおかしいと発言したのは、文章の平易さに関することである。例えば報告書中に、「立地地元住民の方々には、これまで高速増殖炉研究開発に格別の理解を持って、立地に協力していただいたにもかかわらず、「もんじゅ」事故をはじめとした動燃の事故、不祥事より、その信頼を裏切ることとなりました。」とあるが、このようなことを懇談会が書くべきなのか、疑問がある。要するに、全体をどういった視点で書いているか、良識のある国民から見てこの懇談会の中立性に対して疑義が差し挟まれないように客観的な書き方にしていただきたい。高速増殖炉に対する批判を書いた上で、それに対する反論を分かり易い言葉で書いて頂きたい。
・吉岡委員の少数意見の扱いについて、多数意見に対する反論を書くのは一定の限度内で認められるべきルールであると考えられる。しかし、それは、多数意見に対する論理性の反論であって、多数意見の信頼性そのものを批判する、疑念を差し挟む、例えば「懇談会のメンバー構成は、国民世論を正確に代表するものではなく」、「従ってこの報告書は権威あるものではなく、ひとつの参考意見に過ぎません。」という表現は少数意見の本来の法を越えている。少数意見に他の委員の意見全体のクレデビリティを疑わせるような意見の表明の仕方が許されるのであれば、それぞれの委員全員が自分の意見を個々に併記すればよい。その点を十分にお考え頂きたい。(岡本委員)
○ 岡本委員の多数意見の信頼性を疑わせる表現は削除せよ、との指摘については、同意する。私の意見の最後の数行と最初の数行はいらないと思っている。分かり易い文章、説得力が問題となっているが、説得力があるということは絶対に必要である。この委員会だけが高速増殖炉の基本政策について何か言うことができ、それを担う委員会は他に存在しない。よって、この委員会の判断は非常に大きな政策的な意味を持つ。意味を持つからには責任がある。責任とは真実に対する責任であり、国民に対する責任でもある。責任を果たすということは、分かり易いことでは必ずしも無く、論理的、実証的に欠陥が少ないことであると考える。もちろん、科学的に分かり易い文章と、一般に対して分かり易い文章は大きく異なる。科学的に分かり易いという意味では、分かり易いということに賛成であるが、普通の人にさっと納得させるような説得力を持たせるためには、場合によっては科学性を犠牲にすることがある。きちっとした文章としてまとめることしかない。それが説得力の基本であるが、残念ながらこの報告書案はそれを満たしていない。私に案を作れと言われれば作ってもよい。報告書案は、次回までに新たに作成し直すしかないと考える。(吉岡委員)
○ 少数意見の扱いに関して、座長は極めて異例の扱いとして報告書案中に提示されていると考えられる。吉岡委員は失礼なところは削った上で少数意見として残したいとの発言であると考えられるが、しかしこの様な扱いは珍しいケースである。吉岡委員の少数意見に対して反論したいことは山ほどあるが、その反論は封じられている。極めて一方的な意見である。多様な意見があり歴史的に見て正しいこともあるので、少数意見を載せてはいけないと言っているのではないが、こういう形で扱うことに対しては大きな違和感がある。もっとコンパクトに論旨をまとめて、多数意見に対して異なるところを書けばよい。評価が間違っているとか、委員の構成がどうであるとかは、よけいな話である。(河野委員)
○ その点に関して河野委員の意見に同感である。少数意見は本文の中で、場合によってはコメントとして注記で入れるのがよい。本文の中で種々の意見が出たことを集約してまとめる方向がよいと思う。(内山委員)
○ 近藤委員から提案された報告書の枠組みの中であれば、自ずと個々の論点に関する異論列挙という形で納めることができる。しかし、そうでない場合には、枠組みが違うことをはっきりさせなければならない。簡潔にするよう努力はするが、基本的な論理のプロセスをやり直す必要があり、一定の分量は必要になる。他の少数意見はどうなのかというと、もちろんこういうものが出ている以上、それについての反論も意見として載せることは自由である。ところでこの報告書に私だけの少数意見が載ることは信じがたい。こういう多様な意見が対立している高速増殖炉問題で、私だけが少数意見を書くことはあり得ないことであるので、多様な意見を併記すれば良く、みなさんがここが違うという点を書き、多数の意見が一致した点を本文に書けばよい。全面的な反対という形での少数意見が併記されたケースは、脳死臨調の最終答申にある。そこでは本文の中に1節を割いて、梅原猛氏1人が参与の協力を得て少数意見を書いた。分量としては多数意見の約2/3であった。意見が鋭く対立する問題に関しては十分にあり得ることである。相互批判の機会を保障するという観点から、全面的な反対を併記することは良いと考える。(吉岡委員)
○ 脳死問題は宗教の問題がベースとなるため、例にならない。(西澤座長)
○ 宗教の問題ではあまりなかったというのが私の認識である。内容を見てみると、宗教の問題はあまりなく、主として科学の問題であった。(吉岡委員)
○ 報告書をまとめるにあたって、具体的な手順に入る必要がある。もし近藤委員の枠組みで構成するなら少数意見を添付するという形を採らなくても済むと吉岡委員もおっしゃっている。近藤委員の報告書案に対する意見は、これまでの議論が反映されおり、かつ必要な論点は網羅されていると考える。よって、合意が得られるならば、近藤委員の意見を枠組みにして報告書案を書き直し、それをベースに質疑、意見聴取をしてまとめることを提案する。(秋元委員)
○ 今までの審議会の経験では、これほど重要な審議会では委員から起草委員を選び、報告書を書いたものである。ファックスが無かった頃は主要メンバーに案を持ち回り、意見を聞き調整した。なるべく平易にと言うことで苦労したこともある。この懇談会ではファックスで案が届き、今日までにということで意見を求められる。この懇談会は次回までに報告書案をまとめるという制約がある。先ほどは、制約を重々知った上で近藤委員の意見と差し替えるという暴論を言ったが、近藤委員の意見に近い人も多いと認識している。次回までにまとめるということになると、座長に任せる以外ないと思う。皆でそれぞれの意見を出してもまとまらない。全体の会議の論調とこの報告書案は異なるという意見を表明した上で、時間的制約があるので、近藤委員の意見をよしとして、座長に任せる以外、時間がないと判断する。(植草委員)
○ 座長ペーパーと言う形で報告書案を出すと、反論が出れば座長が傷付くこともあるし、扱いが難しくなることもある。起草委員会と言うことで植草委員に任せて、何人かのジャーナリストをつけてやれば、座長の責任にならずによい。しかし、もはや時間がないので植草委員の提案でよいと思う。(河野委員)
○ 早くまとめなければならないというのが、私の結論である。これまでの議論で、少数意見はあるもののあらすじとしては意見がまとまったと考える。各委員により原案を練ってもらうという前提で、同意がいただければ私の責任で次回までに報告書案を作り、事前に1〜2回送りたい。(西澤座長)
○ このような懇談会で座長一任は非常によくない方法である。(吉岡委員)
○ 案の作り方を一任ということで、内容について一任を求めているのではない。(植草委員)
○ 今日出された意見に基づいて、座長が新たに報告書案を作ること一点については同意できるが、それについて10月9日に徹底的に議論をするという前提にしていただきたい。その内容に合わせた少数意見をなるべく短めに付けるという方法でやりたい。(吉岡委員)
○ 次の会議の前に2度くらい原案を委員に送付し、目を通して頂く。それについて意見を出して頂いた上で、その意向を踏まえて修正をし、次回以降の会合で認めて欲しい。(西澤座長)
○ 認めて欲しいと言われても、内容について一致できるかどうかについては疑問である。内容については文書の往復のみによって座長の自由裁量で案を決定するべきではなく、議論をしっかりやるべきである。よって、10月9日に出た案を認めて欲しいと言うことには納得できない。(吉岡委員)
○ そのような主旨で言ったのではない。(西澤座長)
○ 報告書の用語について、今まで高速増殖炉という名称を用いてきた。高速炉は色々なタイプがあり、高速増殖炉はその中のプルトニウムを増やす炉である。今までの議論の中では、プルトニウムを増やすことを高速炉開発の必然的な理由とする委員が必ずしも多くなかったと理解している。むしろ、これからの高速炉の位置づけの議論をしていると認識している。配布した座談会資料に私の高速炉の考え方が記されている。ここには、私の意見だけでなく、他の人の傾聴すべき意見も出ている。一般の誤解や、核拡散に関する海外の誤解を避けるためにも、高速増殖炉ではなく高速炉、高速中性子炉としてまとめるべき。(秋元委員)
○ 増殖という字をはずすことは学会の通念に反するものでないか。(西澤座長)
○ 数年前にFBRからB、つまり増殖を抜いて「FR‘91」という国際会議を催したことがある。それがマジョリティオピニオンかとなると議論の余地はある。本来増殖こそエネルギー問題の観点からは意味がある。その他にも中野委員の指摘した、環境問題、廃棄物軽減の観点からも、増殖をしなくしても高速中性子を活用して、高次プルトニウム等を燃焼し、高レベル廃棄物の量を減ずる機能はある。秋元委員の指摘の様に、高速炉を将来多様な用途に使うのであれば、「高速炉」の開発ということも考えられるが、後で困ることのないようによく考えて決めることが必要。(近藤委員)
○ 結論の原案を作る際にそのような注釈を入れるべきか。増殖が入ると核拡散防止条約に違反するのか。(西澤座長)
○ 全く関係ない。(近藤委員)
○ 違反はしていないが、神経は逆撫でするかも知れない。(秋元委員)
○ 近藤委員から提案された報告書案が文章としてよいと思う。一点、不足している部分がある。国民の多くは懇談会に対して、「もんじゅ」がどうなるのかということに関心が高い。それに対して、委員からはあまり意見が出されていない。逃げたいという気持ちも理解できるし、そこには苦渋もある。しかし、辛くても意見を求めるべきである。この懇談会の後、「もんじゅ」が運転再開するにしても、どんな形で再開するかについても、意見があるはずである。この懇談会で出た意見の内容を率直に国民に知らせるべきではないか。(内山委員)
○ 近藤委員の意見を骨子にするとしても、「はじめに」等は残ると思われるので指摘する。「同年10月には原子力円卓会議モデレータより高速増殖炉懇談会設置の提案があった」とあるが、福井県知事から提案があって、モデレータが受けとめた結果、懇談会が設置されたと認識している。その事実を入れるべきである。
・「先導者がいなくなった今、我が国の独自性を発揮し、世界に貢献していくことの意義は大きいと考えます。」とあるが、現場の研究者は先導者がいなくなったとは考えていない。フランスにはノウハウがあり、英国、アメリカ、ロシアにもある。国際協力の下に研究開発を行うべきであり、先導者がいなくなったとは認識していない。(鷲見委員)
○ 報告書案にはまだ色々と見落としがあると思うが、フィードバックの回数を増やすことによって改善したい。(西澤座長)
○ 報告書の中身について議論されているようなので、ここで内容的なことをOHPを使って説明したい。
・まず、少数意見は「付記」という扱いになっているが、単に「少数意見」とした方が良い。また「ナトリウム漏洩事故」ではなく、「ナトリウム漏洩火災事故」である。「非化石エネルギー」という概念を使うからには定義が必要。プルサーマルに関する記述は削除すべき。「フェニックス」について「継続すると見られています。」とあるが、根拠があるのか。第3章は全体として、FBRシステムの利点ばかりを挙げている。「さまざまの欠点もあるが、されどやってみるだけの価値はある」といういわゆる「イエス・バット論法」の方が良い。「世界がやらないからやる」というのは無意味。これと「世界に遅れないためにやる」を使い分ければ、どんなプロジェクトも正当化される。国際的な核軍縮・核不拡散の観点から、次の文章を追加する。「また日本の高速増殖炉開発が国際的な核軍縮や核不拡散体制の整備・強化に悪影響を与えないような配慮が必要です。」一連の事故は、「動燃の体質の問題」ではなく、「動燃をはじめとする原子力開発体制のシステム的な弱点と体質の問題」である。最後に、「国民世論の動向を正確に反映した研究開発方針の決定が望まれます」といった表現にしたい。(吉岡委員)
○ 参考にさせて頂きたい。(西澤座長)
○ 近藤委員の文章の扱いであるが、長文であるのでそのまま入れては全体のバランス上難しい。タイトルもダブっているところもあり、良く解釈してちりばめてもらいたい。安全性の技術論は、改めて近藤委員に書いてもらい添付してはどうか。全体のバランスを考えて欲しい。
・前回、報告書の骨子案が出た時に、地元福井県の方々から手紙、はがき、電話、ファックス等で数多くの意見を頂き往生したが、賛成より反対の声の方が多い。その中で短歌あったので紹介したい。「サイクルは物の道義にかなうれど不安の声をいかにとぞ聞く」、「放射線目にはさやかに見えねども漏りいずるものありやなしとは」この報告書は合格点だと思う。天下の悪文は司法関係の判決と起訴状であり、骨子を書くにも苦労する。役所の人に書いてもらったものとしてはこんなところだと思う。
・ 一般への理解ということでは、地元には「もんじゅ」のメカニズムを良く知っている方もいる。技術評論もできる人もいる。高速増殖炉の略語も英語でどのように言うかで見極めがつく。その他、高速増殖炉とは何だという方もいる。まったく感心のない方もいる。しかし、県民全体の8割以上の方が危ないものだという認識を思っている。反対運動はなかなか衰えない。それなりの理論を持っているので、説得力がある時もある。その他、地元には色々あり、発言するのには複雑で微妙なところがある。(小林委員)
○ どのようにまとめるかは座長に任せるが、近藤委員の資料を骨子として使うのであれば1つ注文がある。高速炉の特性を5つ問題に分けたが、市場性の中身は殆ど燃料サイクルとの整合性という話であるので、燃料サイクルとの整合性という形でまとめた方がより分かる易くなるのではないか。高速炉は再処理があってはじめて成立する。そこまで行って、市場性、経済性が一つのポイントになる。(秋元委員)
○ 近藤委員の案をベースに改めて書き直してはどうかと思っている。中身についてはあまり違っていないと思っている。表現を見直さなければいけない。
・色々な問題が混在している。色々な矛盾を感じることが多いが、このようなエネルギー問題に対して甚だ痛烈に文筆をもって筆誅を加えている方がいるが、エアコンのついた部屋で原稿を書いている。変だと思う。コンセンサスとして国民に分かるようにしないといけない。最近まで大学にいた立場で言うと、大学の教授になってある専門を選んだらその分野の将来に対して責任を持つ義務があると。逃げずに、はっきり物を言って頂き国民にコンセンサスを持たせるように努力して頂きたい。(西澤座長)
○ 今までの議論を踏まえて次回まとめたい。「ですます」調は今のままでいく。多数意見の基本ラインは有力な選択肢の一つであると言う点をベースにする。その中で、「もんじゅ」を含め研究開発は進めるべきであろうということ。実証炉以降の進め方等についても基本的には報告書案通りで、特に議論がないと認識している。最大のポイントは第3章の論点であり、この点については、近藤委員のペーパーを参考にしながら国民に分かり易いとの観点でまとめる。必要なものは別添で。議論の経過についても分かるようにしたい。少数意見については、必要に応じて載せるということであり、今回の議論を踏まえた上で吉岡委員の方で修正して頂く。他の委員の方も必要と思われる方は少数意見として載せることにしたい。(事務局)
○ 必要と思われる方は少数意見を座長に出して束ねるいうことは座長の見識に関ると思う。少数意見の記載については座長の価値論議でその取捨選択をお任せした方が良い。(近藤委員)
○ 基本的に座長が多数ある少数意見を、ある程度集約することには同意する。ただし、それについて少数意見を述べたものは異議を唱えて、議論する機会を与えて頂きたい。(吉岡委員)
○ 場合によってはある程度取捨選択をさせて頂くかもしれない。基本的にはその方向で行きたい。(西澤座長)

(3) 事務局より次回の予定について説明があり閉会した。

○ 次回は、10月9日(木)の午後2時から開催することとしたい。(事務局)