資料第7−1号


高速増殖炉懇談会(第6回)議事要旨



1.日 時 : 平成9年6月20日(金) 14:00〜16:40

2.場 所 : 科学技術庁 第1、2会議室 (2階)

3.出席者
   (原子力委員)
     伊原委員長代理、田畑委員、藤家委員
   (専門委員)
     西澤座長、秋元委員、内山委員、大宅委員、岡本委員、河野委員、
     小林委員、近藤委員、鷲見委員、住田委員、松浦委員、吉岡委員
   (招へい者)
     斎藤伸三 日本原子力研究所理事
   (科学技術庁)
     加藤原子力局長、木村動力炉開発課長
   (通商産業省)
     谷口資源エネルギー庁審議官、三代原子力発電課長

4.議 題

(1)各界からの意見聴取及び議論
    (FBRの安全性等)
(2)その他

5.配布資料

資料第6−1号 高速増殖炉懇談会(第5回)議事要旨
資料第6−2号 高速増殖炉(FBR)の安全性
                      [斎藤伸三 日本原子力研究所理事]
資料第6−3号 高速増殖炉(FBR)の技術的見通し − ナトリウム技術 −
                        [動力炉・核燃料開発事業団]

参考資料
[科学技術庁]
○『いっしょに考えよう「FBR」のこと』(科学技術庁)『あなたの疑問にお答えします−FBRに関する国の考え方−』(科学技術庁)に関する吉岡委員のコメントへの回答(その2)
[科学技術庁]
○仏国首相の所信表明演説(スーパーフェニックス関連)について
[原子力委員会]
○核燃料サイクルの推進について

6.概 要

(1) 西澤座長より開会宣言の後、事務局より配布資料の確認が行われた。

(2) 事務局より、スーパーフェニックスに関する事実関係について説明があった。主な質疑等は以下の通り。

<主な質疑等>
○ 反対派、賛成派共に大きな関心を呼んでいる。スーパーフェニックスを放棄するということはどういう意味か。政治の形の中の決定であり、また政治が変化すれば状況も変ることもあり得るということか。「もんじゅ」の再開と関係深く、非常に大きな関心を呼んだ。(小林委員)
○ 今日の安全に関する2つの報告の後、この件に絡んで、これからどのような審議や材料が欲しいかを述べたい。(河野委員)
○ 政策がふらつく国もある。原子力発電他を止めて、他国から電力を輸入した国もある。国情を考えて判断すべきものと考える。(西澤座長)
○ 「放棄」の意味は判らない。スーパーフェニックスは仏国の資本だけでなく、パートナー国(伊、独)と協議をどう進めるかはこれからの問題。引き続き情報収集を進める。(事務局)

(3) 伊原原子力委員長代理より、核燃料サイクルの推進についての原子力委員長談話の背景について説明があった。

○ 2月に閣議で「当面の核燃料サイクルの推進について」が閣議了解されたが、3月の動燃東海のアスファルト固化施設火災爆発事故で状況が変ったため、電気事業者及び地元から、改めてリサイクル政策を確認して欲しいという要請があった。
○ 近岡原子力委員長から、スーパーフェニックスに関する動きも合わせて議論して結論出してほしいとのご要望があった。しかし、「2月の閣議了解で、今後の高速増殖炉のあり方については、高速増殖炉懇談会で幅広く検討をお願いしている。従って、FBR懇談会の議論を先取りするのは適当ではない。」と申し上げ、近岡委員長も了解された。したがって、原子力委員長談話ではスーパーフェニックスの問題については言及していない。
○ 「我が国のエネルギー構造の脆弱さ、地球環境問題への対応の必要性等を踏まえれば、核燃料サイクルの重要性はいささかも変るものではない。」と談話で確認している。従って、2月の閣議了解で示された諸問題について、従来通り諸般の施策の推進を図っていく決意表明をした。

(4) 議題(1)について、資料第6−2号に基づき斎藤伸三日本原子力研究所理事より、高速増殖炉(FBR)の安全性について講演があった。主な講演内容と質疑等は以下の通り。

<主な講演内容>
○ 原子炉の安全確保の考え方とは、「いかなる状態にあっても公衆の安全を確保するために、原子炉内にある放射性物質を周辺環境へ異常に漏えいさせないこと」。具体的には、「適切な立地条件」、「多重防護の設計」、「平常時の放射性物質放出量の低減」等がある。多重防護の設計では、いかなる場合においても事故に発展する場合には、「止める」、「冷やす」、「閉じ込める」が3原則。
○ 高速炉の安全上の特長は、熱伝達特性が良いナトリウムを冷却材として使用しており、崩壊熱を自然循環で除去できる。また、システム圧が低いので、配管破断が起きても冷却材流出が緩やかであり、炉心はナトリウム中に保たれるよう設計対応で可能であるため軽水炉の非常用炉心冷却系のような系統は不要である。さらに、反応度事故を考慮する必要がない。
○ FBRの設計・安全評価上考慮すべき主なものは、「原子炉の制御性」、「ナトリウム漏えい、燃焼及び蒸気発生器でのナトリウムと水との反応」、「正のボイド反応度」、「耐震性」、「高温構造設計」、「臨界量以上の燃料量」、「プルトニウム毒性」の7項目。
○ 高速炉の安全評価は、「高速増殖炉の安全性の評価の考え方」の他、軽水炉で使っている指針等を準用している。設計の妥当性を評価するため、種々の異常過渡評価或いは事故解析、「事故」よりさらに発生頻度は低いが結果が重大であると想定される事象の解析、仮想事故解析を行なっている。
○ FBRは、ナトリウムを冷却材として使用する、プルトニウム・ウラン混合酸化物燃料を使用する、高速中性子による反応を主体とする、などの軽水炉にない特徴がある。しかし、安全性確保の考え方は、基本的には軽水炉と同じであり、特徴に対応した設計を行うことにより、軽水炉と同等の安全性が確保されている。
<質疑等>
○ 安全上の問題を教科書的に良く整理されている。この問題は20数年来、賛成、反対両派で議論されている。理想として懇談会は推進側と批判側の裁判形式で進めた方が良く、我々が陪審員としてそれぞれの意見を聞くという形式の方が良い。次回そうして欲しい。いくつか質問がある。  
・ FBRの安全研究は、どのような規模と形態で実施されているか。斎藤氏はヘリウム冷却の原子炉の専門家で必ずしもFBRの専門家ではないと思うが、実際どのような組織でやられているのかお聞きしたい。  
・ FBRでは非常用炉心冷却系のような系統が不要と述べているが、反対論者から議論が出るところだ。大地震でギロチン破断とガードベッセルの破損が同時に起きた場合、本当に非常用炉心冷却系(ECCS)が不要と言い切れるか。FBRでは、ベーテ・タイト事故と呼ばれる暴走事故が恐れられているが、反応度事故を考慮する必要がないと言い切って良いのか。  
・ 安全審査書の事故の想定は恣意的な仮定がなされていると考える。根拠なしに規模を設定している気がする。そうした恣意性を減らすうえで、確率論的リスク評価はそれなりに意味がある。確率論的安全評価により事故想定の妥当性を検証できないか。「もんじゅ」の確率論的安全評価を何故やらないのか。地震によるシビアアクシデントが起こる確率は、内部機器の故障より大きいと米国では示されている。「もんじゅ」の耐震性を考える場合も確率論的安全評価を実施し、それを公開し、推進・反対両派でシンポジウムを実施すべきではないか。  
・ 以上2点について答えてほしい。(吉岡委員)
○ 斎藤氏の専門について、まず招聘した事務局から一言あるべきではないか。ご自身で言って頂いても、他の人が答えても良いが。(近藤委員)
○ 斎藤氏は昭和41年原研に入り東海研究所動力炉開発部高速増殖炉設計室で高速実験炉の仕事をし、48年までFBRの仕事に携わっている。十分にFBRの専門家と言える。(松浦委員)
○ 吉岡氏の言われた2点とは何か。(斎藤理事)
○ 1つは、ECCSが不要と断定できるのかということと、反応度事故全般を否定するような表現は違うのではないかと言う点。2つ目は、確率論的安全評価を加味した、より総合的な評価を実施しないと客観性が確保されないと言うこと。特に、地震の確率論的安全評価をやらないのかと言うこと。(吉岡委員)
○ 軽水炉の非常用炉心冷却系のような系統が不要とは、軽水炉の蓄圧注入系、高圧注入系、低圧注入系といった系統がFBRでは必要ないということ。勿論、それに代わるものとしてガードベッセル、2次系補助冷却系等で対応できるということを述べた。反応度事故については、FBRでは異常過渡・事故の範疇では考える必要がないということ。ここでいう反応度事故とベーテ・タイト事故はまったく違うもの。確率論的評価については、事故、事象の想定をする際に確率的な評価を実施している。レベル2の確率論的安全評価は安全審査段階では持ち込んでいない。決定論的な評価の方が、今の技術では事象を適切に包絡できると考える。(斎藤理事)
○ 軽水炉は高圧系即ち高エネルギー流体を冷却材として用いており、どこに穴があいてもボイルオフして炉心から冷却材が無くなってしまうので緊急に水を入れる必要がある。高速炉は穴があいても漏れるだけで、穴の大きさで漏えい量が決まる。しかも、ガードベッセルとの挟隙で定まる量以上漏れない。ガードベッセルが壊れたらということは、軽水炉の非常用炉心冷却系が壊れたらと同じこと。普通に考えれば、動的機器である非常用炉心冷却系の方が信頼性が低く、静的機器であるガードベッセルの方がはるかに信頼性が高い。ガードベッセルが壊れることを想定すべきかは、トータルの発生頻度論(リスク論)で考えるべき。およそ常識的に考えると、非常用炉心冷却系の要不要は、炉心を冷やす能力がどの位の想定事象に対して担保されるかが大切で、特定の機器があるないということは科学的には意味がない。(近藤委員)
○ 直感的にはガードベッセルよりも軽水炉のECCS(非常用炉心冷却系)の方が不安という気がするのは確か。また、経済性の問題等から何重にも安全設備を設けることができないのは判るが、ガードベッセル1つで大丈夫か。また、他の論点としてFBRでは制御棒だけで他の制御法がなくても大丈夫か。多層防護をどこまでやれば十分安全か判らない。(吉岡委員)
○ 軽水炉とFBRで安全設備の厚さは同じ。軽水炉は瞬時に水が無くなるので水を入れる必要があり、そのため非常炉心冷却系が一つのディフェンスライン。FBRも冷却系(崩壊熱除去系)とガードベッセルにより同じレベルにある。ディフェンスラインの設計思想としては全く同じである。その辺りが誤解されているように思う。 事故想定が恣意的に選ばれていると言われるが、結構長い議論があって選んでいる。ポンプ3台或いは非常用冷却系が全部止まることを想定するような議論は確率論の世界になる。配管の破損口の大きさの想定も、軽水炉とFBRでは冷却材の違いにより配管の破損モードが異なる。確率の基準により破損口の大きさを想定している。全てのシナリオについて確率論で評価するのは賛成だが、現状では参考としている。それは、事象の想定に際しては、確率論的安全評価が背景にあるからである。最近、確率論的安全評価を参考資料として公開する方向になってきている。動燃でも確率論的安全評価の研究を実施し、成果を公表しているので参考にしてもらいたい。確率論的安全評価で地震の寄与が大きくなるのは確か。安全上問題になるものを1つ1つ潰していくと地震が残ってくる。逆に言えば、地震の寄与しかない程リスクが小さくなったとも言える。地震は原子力発電所だけの問題ではなく、全ての産業施設も同じ。原子力だけ地震のリスクを下げても仕方ないという面がある。(近藤委員)
○ 斎藤理事は、1次系の事故を想定した話をされた。ナトリウム漏えい防止、燃焼の防止、腐食の防止、材料の問題等説明されたが、実際には2次系で漏えいが起こり、火災、腐食、ライナーの損傷が生じた。2次系の事故について、どのように考えているか。(小林委員)
○ 「もんじゅ」の2次系冷却材漏えい事故の話は既に何度かなされていると聞き、1次系の話をした。2次系のナトリウム漏れについては、事故のカテゴリーで評価しており、「もんじゅ」の事故はそれを逸脱したものではない。しかし、地元の方々に多大な迷惑をお掛けした。これは、運転員の処置が拙かったと考える。FBRは運転経験が僅少で、対応・信頼性については軽水炉に追いついていないところがあった。対処の方策については、原子力安全委員会で詳細に検討されているところ。(斎藤理事)
○ 会の運営について提言したい。フランスの政策決定によりいろいろ触発され、科学技術庁に追加資料の提出を求めたいことがあり、その議論を行いたい。会の運営は予定通り行かない。仏政府の決定は国内のマスコミの議論展開に影響を与えるのは明らか。追加的に会議日程を設定して、議論をして欲しい。仏首相の演説の中で、「民主主義のルールに基づかなければいけない」というのは当たり前。しかし、「経費が掛かり過ぎる」、「安全性・技術的ブレークスルーが不確かだ」という議論は、仏国の関係業界等から反論が出てくるはず。どの程度の財政負担なのでギブアップしたのか、どの点で不確かなのか、それはやはりコストの話なのか。言葉があるだけで、我々には判らない。仏国でどんな議論しているかを公平に伝えて欲しい。基本的には西澤座長の言う通り、やることを決めるのは日本の話であるが、仏国で実際に政治決定したのであり、その辺のいきさつ、背景を公平に伝えてもらうことが必要。(河野委員)
○ 私も事務局にコスト問題のデータを出すように要望しているところ。整理した上で、ご説明することを予定している。会の運営については、おっしゃる線で進めているつもり。時間の制約に関しては、概ね議論が尽きるまで時間を使ったつもり。なお一層注意する。(西澤座長)
○ 河野さんの提案には賛成。安全性に戻って質問したい。(吉岡委員)
○ 次のナトリウムの話も伺っておいた方が、後の議論に対して態度が決め易い。その分の時間を残して欲しい。(西澤座長)
○ 耐震に関しては、どのような試験を実施したのか。次に、「事故」と「事象」の言葉の使い分けが整理されていない。炉心損傷事故の評価でTNT火薬125kgで炉容器が破損しないとのことだが、どのような実験で確かめたのか。仮想事故の想定で、希ガス、ヨウ素、Puを想定しているが、セシウム、ルテニウム等他の元素による被ばく線量評価はどうか。フィルターで閉じ込められるという仮定がなされているが、東海の事故では目詰まりを起こした。フィルターでのトラップが良く効くというのは本当か、その根拠は何か。(吉岡委員)
○ 耐震の実証試験は、「もんじゅ」はコンポーネント毎にやったと聞いている。安全審査の中では、運転時の異常な過渡変化、事故をまとめて、総称で「事象」と呼んでいる。つまり、事故も事象に含まれる。「高速増殖炉の安全評価の考え方」に書いてある通りの用語を用いた。(斎藤理事)
○ 「事故より更に発生頻度は低いが結果が重大であると想定される事象」は、この表現が1つの定義である。「事故」と「事象」を切り離して議論しても意味がない。(近藤委員)
○ それは判るが、判る人は多くないと思う。(吉岡委員)
○ その点は十分に説明してご理解頂くしかない。(近藤委員)
○ TNT火薬については、「常陽」の時から炉容器のモデルに実際に火薬を詰めて実験を重ねてきている。また、その結果で計算コードを検証している。フィルターの件は、一般的に詰まっても除去率があると思う。(斎藤理事)
○ 耐震の実証に関しては、配管、炉容器、主循環ポンプ等は実際にセミスケールで振動実験を実施している。制御棒駆動機構に関しては、実寸大で振動試験を実施しており、 S2地震でも制御棒が挿入されることを確認した。TNTの話は、「もんじゅ」炉容器の1/15スケールで火薬を詰めて爆発させ、その結果と解析が合うことを評価した。 エアロゾルに関しては、最大量を想定して目詰まりしないという性能を確認している。被ばく評価の対象核種に関しては、指針に基づいてクリティカルになる核種について評価している。セシウム等他の核種についても参考評価しており、これらがクリティカルになることはない。(相澤副本部長)

(5) 議題(1)について、資料第6−3号に基づき動燃事業団相澤動力炉開発推進本部副本部長より、高速増殖炉(FBR)の技術的見通し−ナトリウム技術−について説明があった。主な質疑等は以下の通り。

<主な質疑等>
○ 「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故では温度計さや管が破損した。「常陽」の場合、実規模のモックアップで確かめたが、「もんじゅ」に関しては、実規模の試験も行わず、想定もしていなかったと言われている。突起物をナトリウムの流れの中に置くことに対して、どのようにリスクを想定して試験を行ったのか。(吉岡委員)
○ 「もんじゅ」の温度計のさや管の試験は実施していない。汎用的な技術であると甘く考えていたことが反省点である。勿論、詳細にチェックすれば試験を実施しなくても設計できたと考えている。今回の場合、メーカーの設計段階で十分な配慮がなされず、しかも動燃も審査の段階で問題点を摘出できなかった。2次系の温度計については、全て交換する予定であり、交換する温度計に関しては試験で確認する手順をとる。(相澤副本部長)
○ 今回の事故は上等ではないところで起きた。心配していなかったところで起こった。その辺は、これからの大きな課題である。(西澤座長)
○ メーカの技術水準に問題があったのではないか。1次系と2次系でメーカが違っていた。2次系のメーカが安易な設計を行ったのではないか。これまで、メーカの責任は出てきていない。メーカの技術的な力量を問題にすべきと考える。(小林委員)
○ 技術レベルではなく、技術管理の問題。橋の設計に関して、今はコンピュータで詳細に計算でき、材料の均質性も上がったので安全係数を切り詰め、その分、文化的(デザイン)な面に向けている。これは、コンピュータを使う人がどこまで勉強して使うかということ。注意の喚起が企業に対しては行われていると思う。技術管理をやらないと、優秀な人がいても見逃すことが起こる。実務不足であり、これからの教育問題にフィードバックしなければならない。どこの会社がけしからん、ということをやるかどうかは判断つかない。再度やったら、メーカの名前を出せと言うつもり。(西澤座長)
○ 動燃の現場ではメーカの技術に不信の念を持っていた、というような話も聞いた。メーカの名前を挙げよとかメーカの責任を追及せよとは言わない。チェック体制とともに考えてほしい。(小林委員)
○ 全般に、「失敗してもいい」という感覚がある。それが、事故が頻発する原因だと思う。教育の中で実務経験が乏しくなってきている。紙で勉強するので、実際のものを掴んでいない。教育方針を変えていかなければならないと考えている。(西澤座長)

(6) 次回以降の予定等についての委員からの要望及び事務局からの説明が下記のとおりあり、閉会した。

○ 安全性等に関するご意見を教えて頂き、それに対する吉岡委員からの批判的な立場からのご意見、ご質問があり興味深く拝聴した。これまで吉岡委員からの批判的な立場からのご意見、ご質問に対し、一応の回答がなされてきたと思う。今後は反対派の方の意見を出して頂いて、それに対する質問にどう答えられるのかをこの場でやって頂きたい。(住田委員)
○ 隠し事はせずに全て明らかにしてご理解を頂きながら進めてきた。予定の変更もあり得るとしてやってきた。動燃で事故が頻発し、休会しようと言う声も出されたが、「休会するくらいなら始めからやらなかった」と答え、続けてきた。結果的にうまく議論して頂いたと思っている。いつも批判的な意見を出して頂く委員にも感謝している。ただ、批判的な意見は技術的に噛み合うように整理して出して頂きたい。最後は、やってみないと判らない問題だとは思っている。(西澤座長)
○ 今までの議論のレベルよりも一段上の議論をし、推進側と反対側を問わず大方の知識人が納得できる論理構築をこの懇談会ではすべきだと思っている。また、私はいたずらに批判しているのではなく、レベルの高い原子力政策の転換の選択ができるよう協力しようとしているつもりだ。委員の人選も事務局も推進派に有利で、反対派の方は正当化に利用されるとして出てきていない。しかし、より多くのレベルの高い反対論の話を直接聞く機会を設けるという点では住田委員に賛成。私は、今までの多くの質問に対して納得のいく回答を得られたとは思っていない。(吉岡委員)
○ 納得できないところは書類で出して頂きたい。私の周りにも、仏国がFBRをやめるのだから、日本もやめるのかという人がいる。仏国がやめた理由を納得できればやめると思う。(スーパーフェニックス放棄の件は)参考に留めればよく、主体性を持って判断すべき。むしろ、海外でやらなくなった時こそ、文明に対して貢献できる。私は水力主義者であり、FBRに固執する気はないが。(西澤座長)
○ 議論の中で、事務局が答えるべきところがあった。 斎藤理事は、FBRの安全設計を実施され、もんじゅの安全審査にも携われてきた。動燃でない方の中で、FBRの一流の専門家である。 批判的な方については、ご推薦頂いた方に何回か打診したが、政府の審議会で発言したくないと断られた。さらに努力したい。 FBRの安全研究に関しては、年次計画を作って実施している。動燃中心だが、他の関係機関も関与している。報告会等は公開で実施しており、ご関心があれば聴講して頂きたい。 日程の作成については努力している。予定に拘らずに臨機応変にというご希望は判るが、皆さんお忙しい方ばかりで難しい状況がある。 スーパーフェニックスは実証炉であり、トラブル続きで運転時間が短く経済的に成り立たなかったと理解している。見通しについても経済性中心である。安全性については、トラブルはあったものの克服してきている。もう少し客観的な情報が入り次第、先生方やマスコミの方に配布したい。(事務局)
○ 次回(第7回)は7月30日(水)14時、第8回は8月27日(水)14時、第9回を9月30日(火)14時から開催することとしたい。さらに柔軟なスケジュールが組めるか検討したい。(事務局)
○ 前回ご連絡した「もんじゅ」等の視察に関しては、何人かの委員の方に行って頂けることになっている。そういう機会を通じて意見交換をさせて頂きたい。(事務局)