資料第1−1号

高速増殖炉懇談会の設置について


平成9年1月31日
原子力委員会決定



1.目的

 原子力政策円卓会議における議論等を踏まえ、「もんじゅ」の扱いを含めた 将来の高速増殖炉開発の在り方について幅広い審議を行い、国民各界各層の意 見を政策に的確に反映させるため、高速増殖炉懇談会(以下、「懇談会」という。)を設置する。


2.審議事項

 (1)「もんじゅ」の扱いを含めた将来の高速増殖炉開発の在り方について

 (2)その他


3.構成員

別紙のとおりとする。


4.その他

(1) 懇談会は、必要に応じ、懇談会構成員以外の者からの意見も聞くものとする。

(2) その他、懇談会に関し必要な事項は、座長が懇談会に諮って定める。



(別紙)

高速増殖炉懇談会構成員


  秋元 勇巳   三菱マテリアル(株)取締役社長


  植草  益   東京大学経済学部教授


  内山 洋司  (財)電力中央研究所経済社会研究所上席研究員


  大宅 映子   ジャーナリスト


  岡本 行夫   外交評論家


  木村尚三郎   東京大学名誉教授


  河野 光雄   内外情報研究会会長


  小林  巌   フリージャーナリスト


  近藤 駿介   東京大学工学部教授


  住田 裕子   弁護士


  鷲見 禎彦   関西電力(株)取締役副社長


  竹内佐和子   長銀総合研究所主任研究員


  中野不二男   ノンフィクション作家


  西澤 潤一   東北大学名誉教授(前総長)


  松浦祥次郎   日本原子力研究所副理事長


  吉岡  斉   九州大学大学院比較社会文化研究科教授



当面の核燃料サイクルの具体的な施策について



平成9年1月31日
原子力委員会決定



 当委員会は、昨年10月に決定した「今後の原子力政策の展開にあたって」に基づき、通商産業大臣の諮問機関である総合エネルギー調査会の検討結果も勘案し、当面の核燃料サイクルの具体的な施策について審議を行った。
 その結果、エネルギー・セキュリティーの確保と地球環境問題への対応の観点から、原子力発電は今後とも有力なエネルギー源であり、安全の確保と平和利用の堅持の大前提の下に、着実に開発利用を進めることが引き続き必要であること、また、我が国のおかれている資源的な制約や環境保護の観点から、原子力発電を長期に安定的に進めていく上で、核燃料サイクルを円滑に展開していくことが不可欠であることを改めて確認し、以下の通り当委員会の考え方を示す。
 なお、当委員会は、今後とも核燃料サイクルの着実な展開に向けて、その進捗状況と状況の変化を的確に把握し、必要に応じ適切な場において評価・検討を行い、これらの結果については、平成6年に策定した「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」の見直しをも視野に入れ、適切に政策に反映していく。


(1)軽水炉でのプルトニウム利用(プルサーマル)

 再処理によって回収されるプルトニウムは、ウラン資源の節約と有効利用の観点から核燃料として利用するが、その際、国際的な協調の下、計画の透明性を確保し、余剰のプルトニウムを持たないとの基本的な方針を堅持する。
 とりわけ、プルサーマルは、安全性、経済性の観点及び海外や「ふげん」での利用実績から、現時点で最も確実なプルトニウムの利用方法であり、原子力発電所を有する全ての電気事業者が共通の課題として取り組み、プルトニウムの回収見通しから、2010年頃までには全電気事業者が実施する必要がある。
 具体的には、まず、海外再処理で回収されたプルトニウムを用いて2000年までには3〜4基程度で開始し、その後、国内外でのプルトニウムの回収状況や個々の電気事業者の準備状況等に応じて2010年頃までに十数基程度にまで拡大することが適当である。
 このため、国における基本的な方針の下、まず、電気事業者は全事業者に係わるプルサーマル計画を速やかに公表することが必要である。これを踏まえ、早急に、国及び電気事業者は、所要の準備等を促進するとともに、情報の公開や対話の一層の促進等地元をはじめとした更なる国民的な合意形成に向け、特段の努力を傾注していくことが重要である。
さらに国はプルサーマルの具体化等を勘案しつつ、東海再処理工場等を活用して、使用済混合酸化物(MOX)燃料再処理技術の開発を推進する。


(2)使用済燃料の管理

 我が国は、発生する全ての使用済燃料を再処理することを基本としており、この観点から、六ヶ所再処理工場の建設を着実に推進する必要がある。
 この再処理を行うとの基本の上に立って、使用済燃料は再処理されるまでの間、エネルギー資源として適切に貯蔵することが重要である。このため、いくつかの原子力発電所においては、当面の対策として、その貯蔵能力の増強を地元の理解を得つつ早急に実施する必要がある。
 さらに、今後の使用済燃料の貯蔵量の増加を見通して、長期的な使用済燃料の管理に係わる具体的対応を図っていくことが必要であり、従来からの発電所敷地内での貯蔵に加えて、2010年頃を目途に発電所敷地外における貯蔵も可能となるような所要の環境整備について早期に結論を得るべく、関係省庁と事業者からなる具体的な検討の場を早急に設ける必要がある。


(3)バックエンド対策

 高レベル放射性廃棄物の処分については、原子力バックエンド対策専門部会の報告書が近くまとまる予定であり、その結論をも踏まえて研究開発を推進するとともに、高レベル放射性廃棄物処分懇談会での社会的・経済的側面を含めた幅広い議論を通じて、処分の円滑な実施へ向けた処分対策の全体像をできる限り速やかに明らかにするべく、一層の努力を傾注する。
 また、原子力施設の廃止措置に関して速やかに所要の制度整備を進めることが重要であり、発生する放射性廃棄物の処分方策について、原子力バックエンド対策専門部会において検討を開始する。


(4)高速増殖炉の開発

 長期的観点から実施している高速増殖炉の開発については、別に定めるとおり、高速増殖炉懇談会を設置し、「もんじゅ」の扱いを含めた将来の高速増殖炉開発の在り方について、幅広く検討を行う。



当面の核燃料サイクルの推進について


平成9年2月4日 
閣 議 了 解 


 我が国エネルギー供給上の原子力発電の重要性にかんがみ、核燃料サイクルについては、安全性の確保及び平和利用を大前提に、原子力施設立地地域の住民を始めとする国民の理解を得つつ、我が国において確立することが重要である。このため、現在青森県六ケ所村において施設の建設が進められている再処理事業の着実な推進を図るとともに、当面、以下の施策の実施により、核燃料サイクルを推進することとする。


1.軽水炉でのプルトニウム利用(プルサーマル)

 海外再処理による我が国のプルトニウムの回収が進んでいること、今後の六ケ所再処理施設の稼働後国内のプルトニウム利用が本格化すること等を踏まえれば、ウラン資源の有効利用となり、現時点で最も確実なプルトニウムの利用方法であるプルサーマルについては、これを早急に開始することが必要である。
 このため、現在準備を進めている一部電気事業者からプルサーマルを開始し、原子力発電を行っている全ての電気事業者が順次実施することが適当であり、核不拡散に係る適切な措置を講じるとともに、その安全性や意義に関する情報を提供することによって、プルサーマルの実施に対する国民の理解を得るよう努める。


2.使用済燃料の管理

 使用済燃料は、プルトニウム等の有用資源を含むこと等から、再処理するまでの間適切に貯蔵管理することが必要である。このため、今後長期的に使用済燃料の貯蔵量が増大するとの見通しを踏まえ、従来からの発電所内での貯蔵に加え、発電所外の施設における貯蔵についても検討を進める。


3.バックエンド対策

 再処理に伴って発生する高レベル放射性廃棄物の処分について、研究開発を推進するとともに、処分の円滑な実施に向けて処分対策の全体像を明らかにする。
 また、今後見込まれる原子力発電施設の廃止措置が適切に行われるよう、所要の制度整備を進める。


4.高速増殖炉の開発

 高速増殖原型炉「もんじゅ」の扱いを含めた将来の高速増殖炉開発の在り方については、原子力委員会に新たに設置された「高速増殖炉懇談会」において幅広く検討する。