- 3.出席者
(原子力委員) | 藤家委員長代理、遠藤委員
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(専門委員) | 澤岡部会長、井澤委員、猪股委員、岡田委員、北村委員、吉良委員、斉藤委員、佐々木委員、霜田委員、武部委員、中村委員、藤田委員、星委員、森委員
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(事務局) | 山下原子力局研究技術課長 |
- 4.議題
- (1)原子力基盤技術開発に係る研究課題の事後評価結果報告について
(2)評価の実施方法改善について
(3)第3期クロスオーバー研究の推進体制について
(4)原子力研究開発のレビューについて
(5)その他
- 5.配布資料
資料第29-1号 | 「原子力委員会専門委員の変更について」
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資料第29-2号 | 「原子力委員会基盤技術推進専門部会専門委員名簿」
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資料第29-3号 | 「基盤技術推進専門部会(第28回)議事要旨(案)」
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資料第29-4号 | 「原子力基盤技術開発研究課題の事後評価」
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資料第29-5号 | 「研究評価の実施方法改善(案)」
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資料第29-6号 | 「平成11年度原子力基盤技術開発関係予算」
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資料第29-7号 | 「クロスオーバー研究推進会議の設置(案)」
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資料第29-8号 | 「第3期クロスオーバー研究の推進体制(案)」
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資料第29-9号 | 「原子力研究開発のレビューについて」 |
- 6.議事概要
(1)新委員紹介
- 事務局より資料第29-1号、及び同29-2号に基づき、新委員として北村委員の紹介が行われた。
- (2)議事録確認
- 事務局より資料第29-3号に基づき前回(第28回)議事要旨(案)の説明があり、承認された。
- (3)原子力基盤技術開発に係る研究課題の事後評価結果報告について
- 事務局より資料第29-4号に基づき、9年度終了課題の事後評価の実施状況について報告があった。これに続いて、各研究評価ワーキンググループの主査より資料第29-5号に基づき、評価結果について報告があった。ただし、近藤委員(ソフト系科学技術分野評価ワーキンググループ主査)、及び岩田委員(計算科学技術分野評価ワーキンググループ主査)は欠席のため、事務局がコメントを代読した。
全体的なコメントとして、8~10年もの長期にわたる研究において、それなりの成果は得られているものの、研究期間中に人の移動などがあり、研究の対象が十分に絞られていないケースが見られ、中間評価をしっかりとやっておくべきであったとの指摘があった。また、一般に、目標・目的が前広に設定されすぎており、実行計画と得られた成果のギャップが大きい課題が目立つとの指摘があった。
- (4)評価の実施方法改善について
- 事務局より資料第29-5号に基づき、評価の実施方法改善(案)が提案された。概要は以下の通りである。
前回の本部会において、10年度に実施した事前・中間評価の結果が報告されたところ、その実施方法等については、一定の評価を得たものの、いくつかの問題点が指摘された。
これを受けて事務局として、以下のような改善案を提案する。
①統一的な評価基準としてABCの3段階評価とする。ただし、Aは計画どおり実施すべき課題、Bは計画に一部修正が必要だが、実施が望ましい課題、Cは計画に再検討を要する課題、としたうえ、評価をどのような観点で行うかは、各分野の事情に合わせて、各評価ワーキンググループが決めることとする。
②評価ワーキンググループが予算内容についても提言できるように、年次計画や積算等も資料に含める。
③研究機関での評価結果(自己評価)の様式を統一する。
- この提案に関連して、以下のような議論があった。
- 評価ワーキンググループに提出された自己評価の結果は、資料として役に立たたないものが多い。とくに内部評価の場合、信頼性には問題がある。
- 将来は、評価結果を数値化して示すほうがよい。被評価者も納得できる。
- 理研では、自己評価として外部評価を実施してきたが、評価ワーキンググループでの外部評価と二重評価になって負担が大きい。「評価の大綱的指針」でも過大な負担にならないようにとの指摘がある。
- 評価する立場からは、相対的に評価する以上、自己評価として内部評価と外部評価が混在していると不統一で判断しにくい。フォーマットだけでなく評価のやり方も統一すべきだ。
- 事後評価の結果はどのように生かされるのか。後継の課題はすでに開始されている。
- 基盤技術の課題は、挑戦的なテーマが提案されているはず。それを勇気づけるような記述が評価の所見には見られない。
- リスクの大きい挑戦的な課題は、そのことを計画にきちんと述べるべきだ。
- チャレンジングな精神を持続させるためには、中間評価が重要である。従来から、3年目ではなく2年目に中間評価をすべきと主張している。
- これらに対し、部会長・原子力委員等から以下のような見解が示された。
- 自己評価として外部評価をやるかどうかは各機関の判断に任せる。内部評価の信頼性には問題があるのは確かだが、評価ワーキンググループでの外部評価を機関にフィードバックすることで内部評価の質も向上すると考える。後継の課題については、中間評価の際に事後評価結果を資料として用いる。中間評価でもその結果によっては課題の打ち切りもある。また、事後評価を通じて個々の研究機関固有の問題等が明らかになれば、今後の評価においても考慮することになる。
- チャレンジングな中にも難易度があるはずだから、そのことを提案時に十分主張するような指導すべきとの提案があったと認識している。評価結果の定量的表示については、それを盛り込んだ改善案をなるべく早く提案するようにしたい。
- 研究はすべてチャレンジングなものあるはず。クロスオーバー研究では、困難な課題への挑戦を勇気づけるという視点でこれまで評価をしてきた。評価の基準もそういう立場から発想してほしい。
- (5)第3期クロスオーバー研究の推進体制について
- 事務局より資料第29-6号、同29-7号、及び同29-8号に基づき、第3期クロスオーバー研究の推進体制について説明があり了承された。概要は以下の通りである。
クロスオーバー研究では、11年度からの第3期移行に際し、これまで研究参加機関によって自主的に運営されてきたクロスオーバー研究推進委員会を廃止し、新たに本部会の下部組織として、研究の方針や分担の検討をするとともに研究交流の促進を図ることを目的とするクロスオーバー研究推進会議を設置する。
また、これまで7つの研究技術領域に対応して交流委員会が、10の研究課題に対応して分科会が、それぞれ設置されていたものを、第3期の8つの研究課題に対応した交流委員会に整理統合する。
改革を行う理由は、①第3期に移行するに当たって、これまで交流体制を分担して支えてきた核燃料サイクル開発機構が参加しないこととなり、従来通りの交流体制では交流促進費が不足する。②10年度から、本部会の下部組織として研究評価ワーキンググループが設置され、研究評価体制が整えられたことに対応して、これと同列に、研究を推進調整する機関があってしかるべき、の2点である。
なお、各交流委員会はクロスオーバー研究参加機関によって自主的に運営される組織であるが、そこで開催される研究会等はオープンなもので、外部の研究者も参加できることになっている。
- (6)原子力研究開発のレビューについて
- 事務局より、資料第29-9号に基づき、原子力開発利用長期計画の予備的検討に関する調査ついて報告があった。概要は以下の通りである。
現行の長期計画は平成6年に策定されてからすでに5年を経過、改訂の時期を迎えている。そこで、現行の長期計画の実施状況をレビューし、今後の動向・論点を整理するために、有識者から意見を聴取する作業を複数の委員会を設置して実施している。このうち、基本問題検討小委員会は、全体を総括する検討の場で、現行長期計画の進展状況の情報収集や整理、変遷についての整理・評価などが実施されている。また、個別の課題については、高速炉先進リサイクル、国際協力についての委員会が設けられレビュー作業が行われている。
また本部会と関わりあるものとして、人に密着した原子力、先端技術の研究開発についての委員会が設けられており、原研・理研・放医研の協力の下に作業している。結果は本部会に報告して意見を伺う。
これに対して原子力委員等から以下の意見があげられた。
- 原子力は、科学技術としてだけでなく社会性・国際性の高い問題である。昨今の国際情勢のもと、原爆反対・原子力平和利用を基本としてきた日本の社会的・国際的な場での主体性が問われていると認識している。現在、このような観点から、原子力の研究開発利用に関する検討を原子力委員会で行っている。これまで、原子力といえば即ちエネルギーと捉えられがちだが、医学利用、食品科学、環境科学における放射線利用、基盤技術における、ミクロからマクロにいたる研究開発など、原子力は多岐にわたっている。新しい長期計画でこれらを21世紀の科学技術として提言する上で、専門家による議論だけでなく、受け手の視点に立った対応が不可欠である。この作業は、2001年の行政改革に間に合うよう、今後1年半で行わなければならない。
- 原子力や放射線については、現状では国民に正く理解されていないようだ。特に、出版物などを通じ、国民に対し間違った恐怖心をあおるような風潮があるは困ったものだ。特に放射線の人体影響については、その研究を、省庁の枠を越え科学技術的な見地から努力してほしい。
- 同感である。これまでは規制と開発を分けてやってきた。今後は原子力委員会と原子力安全委員会とが協力してやっていく必要がある。ぜひそういった議論を進めていきたい。協力をお願いする。
- (7)その他
- 次回部会については、事務局で調整して決める旨了承された。