基盤技術推進専門部会(第28回)議事要旨(案)
1.日 時 平成10年7月29日(水)15:00〜17:00
2.場 所 通産省別館9階 第939会議室
3.出席者
(原子力委員) | 藤家委員長代理、木元委員
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(専門委員 ) | 澤岡部会長、井澤委員、猪股委員、岩田委員、岡田委員近藤委員、斉藤委員、佐々木委員、霜田委員、武部委員、永井委員、中村委員、藤田委員、星委員、森委員
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(事 務 局) | 山下原子力局研究技術課長 |
4.議 題
(1)原子力基盤技術開発に係わる研究課題の事前及び中間評価について
(2)その他
4.配布資料
資料第28−1号 「原子力委員会専門委員の変更について」
資料第28−2号 「原子力委員会基盤技術推進専門部会専門委員名簿」
資料第28−3号 「基盤技術推進専門部会(第27回)議事要旨(案)」
資料第28−4号 「研究評価ワーキンググループの設置について」
資料第28−5号 「研究評価実施状況報告」
資料第28−6号 「事前及び中間評価課題一覧」
資料第28−7号 「原子力基盤技術開発に関わる研究課題の事前、及び中間評価の総合所見」
- 6.議事概要
(1)新委員紹介
事務局より資料第28−1号、及び同28−2号に基づき、新委員として中村委員の紹介が行われた。
(2)議事録確認
事務局より資料第28−3号に基づき、前回(第27回)議事要旨(案)の説明があり承認された。
(3)原子力基盤技術開発に係わる研究課題の事前及び中間評価について
- 1)
- 澤岡部会長より、評価実施までの経緯等補足説明があった。
- 2)
- 事務局から、資料第28−6号、同28−7号に関し、今回の評価をとりまとめるにあたって以下のような処置を執ったことが説明された。
-
- 評価の基準が前もって明確にされなかったため、当初、分野により評価結果の表現が不統一になってしまった。
- 実施要領には、本部会としての結果を取りまとめることが定められており、統一的にABCの3段階評価に焼き直す処置を、主査の了解を得て行った。
- 事務局が考えるABCの意味は、A:計画どおり実施すべき課題、B:計画を一部修正の上実施すべき課題、C:計画を見直す必要があり、実施に移さないと言う選択もありうる課題。
- 3)
- 事務局から資料第28−5号に基づき、各分野の評価対象課題数や作業スケジュールなど評価の実施状況について説明があった。
- 4)
- 各研究評価ワーキンググループ主査から評価結果についての報告があった。概略以下のとおり。
- (放射線生物影響分野)
- 環境影響分野の評価委員が手薄であった。次回までに何とかしたい。
- ABCのランク付けは、主査が一任を取り付けた上で判断した。重複した内容のテーマがありそれらを相対評価した。ランニングコストが大きい課題は相対的に評価が低かった。Cは落とせという意味ではないが、記載に間違いや、学問上の問題点がヒアリングの席で指摘された。
- 個別に実施される先端的基盤研究のほうがクロスオーバー研究より評価結果が厳しく見える。これは、クロスオーバー研究の場合では、連携している研究機関の中に実績ある専門家が必ず含まれている。一方、先端的基盤研究では、重要なテーマにも係わらず研究機関としての実績が乏しいため、研究遂行上の不安感が評価に現れたのではないか。
- (ビーム利用分野)
- ビーム利用分野における評価は計画自体の完成度で判断したものであり、研究内容の優劣を示したものではない。
- Aは計画どおり実施すべき、Bは計画を一部修正の上実施すべき、Cはやや検討の余地があるという意味であり、BとCに大きな違いはない。
- 委員からのコメントが多いものがCとなっている傾向がある。
- 特定の課題について、採用すべきでないとの意見は出ていない。
- (ソフト系科学技術分野)
- ABCの三段階評価ではあるが、Cの課題はない。前向きの提言をするという姿勢で評価をしており、提言が多い課題をBとした。
- 提出された計画書、参考資料、各機関での評価結果等の情報が十分でない。
- 事前計画の段階でクロスオーバー研究推進委員会がどのように係わっているのかが明らかでない。
- 推進側での議論がわからないので、プロジェクトの連携体制については深くコメントが出来なかった。3課題をバランス良く進めてほしいと言うしかない。
- (計算科学技術分野)
- 計算科学分野全体で見て最先端を行くものをA、計算科学分野で現在競争的な状況にある課題を取り上げたものをB、重要な分野であるが研究者層が薄く連携が不十分なものをCとした。
- Cとされた課題は計画を見直し、関連機関の支援を受けた上で強化すべき課題と考える。3年後の中間評価を厳しくやりたい。
- (原子力用材料技術分野)
- ABCは、全委員からのチェックシート、所見報告を吟味して主査が付けた。
- 材料研究では、材料の特性評価が必要で、そのための基礎的な研究が含まれている。このような研究が工学的にどのようなインパクトを与えるかと言うことが重要だが、その点で疑問を感じるものがあった。
- 評価Cとなった課題は、クロスオーバー研究の連携体制の中での位置づけがヒアリングで明確にされなかったことが評価を下げた理由だ。
- 5)主査の報告に対し質疑応答があった。そこでの議論は概略は以下のとおり。
- 事前評価が予算要求前に実施できたことは大変意義があった。
- 予算決定の過程の透明性が増し国民に理解されやすくなった点は評価できる。
- 相対評価に意味があるのか疑問。分野ごとのウエイト付けをどうするか。
- 予算内容に立ち入った評価をすべきと考えるが、それには資料が不十分。
- 被評価者の意見をフィードバックする手順が踏めるよう改善を望む。
- もっと十分なヒアリング時間とディスカッションの時間が必要だ。
- 予算配分はABCだけで議論するのではなく、総合所見をよく活用してほしい。
- 評価の結果がどのように利用されるか明確な形で知らせてほしい。公募で提案された課題が全部採用されると言うのではおかしい。公募して評価した以上不採用の課題が出てしかるべきである。
- 将来的には、課題の採否についても評価ワーキンググループが独立性と権限をもってやっていけるようにするべきだ。
- 6)これらの意見・要望を受けて、澤岡部会長及び事務局から以下のコメントあった。
- 今回は時間も十分ない中、概算要求の前に評価を行うということを初めて試み、各方面に大変迷惑をかけた。いろいろ問題点がある。本日の議論を参考に、次回の部会には改善案を提案したい。
- 研究費は、総額で対前年度同額を越えることはないと考えられ上限がある。Cとされた課題のなかからは、予算計上しないものが当然いくつか出てくる。
- 7)評価結果の取り扱いに関し、澤岡部会長から以下の問題が提起された。
- 先端的基盤技術の課題について、研究機関の事情に基づく優先順位と科学技術庁における評価との結果が一致しない場合、研究機関の都合を加味して、CをBに変えるなどの処置をとることは可能だろうか。
- 8)前述の問題提起に対し、部会では以下のような合意が得られた。
- 評価ワーキンググループで下された評価は覆すべきではない。
- 課題の採択に当たっては、総合所見の内容をよく検討した上で判断すべき。
- 具体的には、分野ごとの事情の相違により、ある分野ではCが採択されて別の分野ではBが落ちるといったことはあっても良い
- (4)次回部会では、クロスオーバー研究の活動報告、平成9年度終了課題の事後評価の結果報告などが予定されており、日程については、事務局が調整して決める旨了承された。