議事概要:
(1)省庁再編と事務局変更について、事務局より参考資料3に基づき、中央省庁再編後の原子力行政体制、新しい原子力委員会のメンバー紹介及び事務局変更について説明があった。
(2)第139回核融合会議議事要旨(案)について確認がなされ、承認された。なお議事要旨に関連し、以下の進捗確認があった。
- JT-60の改修計画に関する部分について、「平成14年度の概算要求に反映できるように検討することとあるが、検討会の現状はどうか」との質問があり、事務局より「JT-60の改修計画については、原研が技術的な観点から大学の先生方を交えて技術検討会を開くことで調整中と聞いている。そこで検討されることが重要と考えている。」との回答があった。
- 前回の核融合会議で承認された「ITER計画の進捗について」に関し、ITER計画懇談会での審議の模様について報告して欲しいとの要求があり、井上座長より、「議題2.その他」で報告する旨回答があった。
(3) ITER最終設計報告書(案)について、下村副所長より資料第140-2号に基づき説明があり、以下の質疑応答があった。
- コスト評価は加熱装置のフレキシビリティー分を含むのか、また電力コストや人件費は国によって幅があるのではとの質問があり、初期建設費には加熱73MW分のみが含まれていることと、電力については参考資料2のp.59に記載されている単価の考え方を、人件費については日本とヨーロッパの中間の値を用いている旨回答があった。
- 真空容器の磁性材、第一壁のベリリウム、ダイバータ材料、ブランケット交換について質問があり、磁性材はトロイダルコイル下に用いて磁場の強弱の補正に使用すること、第一壁にはトリチウムインベントリィを低減するために当面はベリリウムを使用するが、将来、銅合金やフェライト鋼等の使用も考慮していること、ダイバータ材料にはプラズマが直接接するところはCFC(カーボンファイバーコンポジット)を使い、その他の部分にはタングステン合金を想定していること、また試験も兼ねて初期の水素放電時からブランケット試験体を装着する旨回答があった。
- TACからのコメント内容について質問があり、TACでは建設に向けて十分な設計ができたと評価され、定常化にはELMの熱フラックスを小さくするなど、引き続きプラズマの研究が必要であり、工学的には17MAの運転が重要で、局所的な強度も含めて設計に注意を要するとされている旨回答があった。
- コストについて単位IUAと総額について質問があり、1IUAは1989年のUS$1,000相当なので、1kIUAは物価上昇を含め概ね1.5億円に相当すること、また、土地代等のサイト整備費以外の初期建設費の全てを含んでいる旨回答があった。
- 組み立て時の耐震設計とメーカーの責任範囲について質問があり、製作時、運搬時はメーカーの責任になるが、現地での組み立て時はITER組織の責任になるという仮定で設計及びコスト評価がなされている旨回答があった。
- 18分割真空容器を工場で9分割に接合する必要性について質問があり、技術的には信頼性が向上しコスト面で有利であるが、運送時の問題も含めて検討する旨回答があった。
- 安全担当コンタクトパーソンとの会合に関して日本での検討の現状について質問があり、安全性はサイト固有の問題であり、昨年10月の会合には、日、EU、カナダ各極の原子力安全担当部局の担当者が参加し、それぞれの検討状況を報告した。日本では原子炉安全技術顧問による議論があり、安全確保の基本的な考え方が取りまとめられている旨回答があった。
- 狭いスペースでの組み立ての最適化について質問があり、組み立てプロセスは複雑であるが、最適化は重要であり、詳しく検討している旨回答があった。
- 本日の資料はどこまで公開可能かという質問があり、技術資料の公開は各極が決めることであるが、本日配布の最終設計報告書要約版はドラフト段階だが安全解析や廃止処置の記述を含めて完成度を高め、各極の利用に供されること、最終設計報告書は各極レビューの結果を踏まえ最終版を作成し7月のITER理事会で承認されて公開になることなどの回答があった。
(4) ITER最終設計報告書の国内評価について、事務局より資料第140-3号に基づき説明があり、質疑なく承認された。
(5) ITER理事会の結果について、中村核融合開発室長より資料第140-4号に基づき報告があり、以下の質疑応答があった。
- ITER国際産業界会議について質問があり、ITERの建設に関連した各極の産業界の会合で、今回が3回目である。日本からは、原産会議及びメーカー3社が参加して情報交換を行った旨回答があった。
- 最近のEU検討状況について質問があり、第6次フレームワークプログラムのドラフトが発表されたが、これらの資料はEU委員会のホームページから直接入手できる旨回答があった。
- 超伝導トロイダルコイル試験をEDA終了後も継続することは重要である旨指摘があり、米国撤退後の日米協力によるCSモデルコイル試験と同様に、2国間協定の枠組等を使って継続することが検討されている旨回答があった。
(6) 井上座長より、前回のITER計画懇談会での核融合会議のまとめの報告について説明があり、以下の質疑応答があった。
- 核融合研究者が「一枚岩」であることの確認がITER計画懇談会のチャージであったのではないかという質問があり、吉川座長からは「一枚岩」である必要はなく、また「一枚岩」というのはあり得ないと言われている旨、回答があった。
- 次回ITER計画懇談会の予定について質問があり、事務局よりなるべく早く開催できるよう調整中である旨回答があった。