資料第137-6号

 

ITER関係会合の結果について

平成12年8月21日
科学技術庁原子力局
核 融 合 開 発 室

Ⅰ.ITER非公式政府間協議第2回会合(EX-2)の結果について

1.日 時   平成12年6月28日(水)~29日(木)

2.場 所   モスクワ

3.出席者

 日本 :小中科学技術庁長官官房審議官(日本メンバー代表)
中村科学技術庁原子力局核融合開発室長
岡外務省総合外交政策局国際科学協力室長
小山文部省研究機関課国際プロジェクト官
本島文部省核融合科学研究所研究総主幹
岸本日本原子力研究所理事
 他 専門家
 EU :フィンチ欧州委員会第12総局環境保全局長(EUメンバー代表)
バランダス欧州核融合開発協定運営委員会(EFDA)議長
 他 専門家
 露  :ベリコフ クルチャトフ研究所長(露メンバー代表)
ソコロフ原子力省原子力科学技術研究開発局長
コルツアビアン原子力省原子力科学技術研究開発局次長
 他 専門家
 ITER :エマールITER所長他

4.結果概要
 (1)中間報告書
 ITER共同実施協定に盛り込まれうる事項のリスト、及び2001年7月(現在の工学設計活動終了)以降に必要な共同技術活動の内容などを取りまとめた、中間報告書を取りまとめた。
 ITER共同実施協定に盛り込まれうる事項
・ プロジェクトの組織構成
・ ITER実施主体の設立、運営機構
・ コスト分担のスキーム
・ 人員
・ 調達
・ 知的所有権
・ サイト支援
・ 廃止措置のスキーム
・ 第三国の参加、脱退
 など
 2001年7月以降に必要な共同活動
 公式政府間協議においては、正式に提案されたサイトに固有のサイト適合設計、安全解析、コストなどの技術的情報が必要になることから、このための活動(Co-ordenated Technical Activities)を行う。各極及び一定資格を有する第三国が協力して実施するとともに、調整委員会を設け活動の調整を行う。

 (2)スケジュール
EX-3 : 10月5~6日、ソレント(伊)

 (3)その他
 EUより、ITERカナダ(ITERの誘致を働きかけているカナダの民間団体)からのサイト誘致の意図に関する提案を受け取り、専門家が検討した結果、興味深い内容である旨の評価が出ている旨報告があった。

 

Ⅱ.ITER会合の結果について

1.日 時   平成12年6月29日(木)~30日(金)

2.場 所   モスクワ

3.出席者

 日本 :小中科学技術庁長官官房審議官(日本メンバー代表)
吉川日本原子力研究所顧問(共同議長、運営諮問委員会議長)
中村科学技術庁原子力局核融合開発室長
岡外務省総合外交政策局国際科学協力室長
岸本日本原子力研究所理事
藤原核融合科学研究所所長(技術諮問委員会議長)
 他 専門家
 EU :ラオッテイ元欧州委員会第12総局長(EUメンバー代表) フィンチ欧州委員会第12総局環境保全局長
バランダス欧州核融合開発協定運営委員会(EFDA)議長
 他 専門家
 露  :ベリコフ クルチャトフ研究所長(露メンバー代表)
ソコロフ原子力省原子力科学技術研究開発局長
コルツアビアン原子力省原子力科学技術研究開発局次長
 他 専門家
 ITER :エマールITER所長他

4.結果概要
 (1)運営諮問委員会
 ITER所長が取りまとめた1999年共通基金の執行状況を含む所長報告書について、運営諮問委員会のコメントを踏まえた上で了承した。2001年共通基金予算については、暫定的に2000年と同レベルとするが、2000年末に改めて見直しを行うこととした。
 今後、EDA終了に伴う資産処理の考え方を取りまとめることとした。

 (2)技術諮問委員会
 ITER所長が取りまとめた技術活動の進展状況について、技術諮問委員会の報告を踏まえ、概要設計報告書を最終設計報告書ドラフト(本年末に所長により取りまとめられる予定)作成の基礎とすることが了承された。
 今後、最終設計報告書ドラフトをレビューすることとした。
 最終報告書(来年7月に終了する工学設計活動の最後に取りまとめられる報告書)に盛り込まれるコスト評価については、技術諮問委員会とは別に、各極のホーム・チーム及び産業界を含むアドホック・グループでレビューすることとした。

 (3)スケジュール
 EUの提案に沿い、ITER計画に対する産業界の関心を喚起するため、産業界による会議(過去に米国サンディエゴ及び東京で開催)を本年11月にカナダのトロントで開催するよう産業界に働きかけることとなった。
 次回ITER会合については、EUのホストにより来年2月又は3月にトロントで開催することとした。

 (4)その他
 EUより、ITER計画に対する一般の人々の理解を向上させるため、「ITER」の名称はそのままとしつつ、将来はITERの(各頭文字の)説明を再検討すべきであるとの主張があった。