資料第137-5号

 

国立機関原子力試験研究(核融合分野)の研究評価結果について

 

平成12年 8月21日
原子力委員会核融合会議
計画推進小委員会

 

 平成12年6月7日に開催された計画推進小委員会において3件の研究課題について、ヒアリングを実施した。ヒアリングは別添1の研究評価実施要領に基づき行った。

 出席委員は、宮主査、三間委員、菊池委員である。
 なお、ヒアリングにあたり専門家として、関村直人先生(東大)、實川資朗先生(原研)、安藤俊就先生(原研)、佐藤隆先生(核融合研)、植田憲一先生(電気通信大)、小川雅生先生(東工大)に御参加いただき、御意見、御助言を頂いた。

 評価の概要は別添2の通り。

 

 


別添1

国立機関原子力試験研究(核融合分野)研究評価実施要領

平 成 1 2 年 6 月 7 日
原  子  力  委  員  会
核融合会議計画推進小委員会

1. 研究評価の基本的な考え方
 研究評価は、基本的には研究開発の一層効果的な推進を行うために行うものである。研究の推進の方向としては、原子力委員会が策定した「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」(平成6年6月原子力委員会)、「第三段階核融合研究開発基本計画」(平成4年6月原子力委員会)に沿って行われるべきものであり、研究評価も常に評価結果が核融合研究開発の推進にフィードバックされるよう努める。

2. 評価の実施方法について
 (1) 評価対象
 本実施要領で対象とするのは、国立機関原子力試験研究の核融合分野の研究課題全てとする。これら研究課題は、それぞれの研究機関において、その研究機関の評価の考え方に沿って評価を受けることになるが、計画推進小委員会においては核融合研究開発の推進の方向性を含んだ視点で評価を実施するものとする。

 (2) 評価体制
 研究評価は、第三段階核融合研究開発基本計画に基づく研究開発を効率的に推進するために核融合会議に設置された計画推進小委員会において実施することとする。
 評価に際しては、必要に応じて、評価対象となる研究課題が含まれる技術領域及びこれに関連する分野に精通している等十分な評価能力を有し、かつ、公正な立場で評価を実施できる外部専門家(評価実施主体にも被評価主体にも属さない専門家)を評価者として加える。

 (3) 評価の時期
 研究評価は、原則として事前・事後の各時期に行うものとする。また、中間評価は、当該研究課題の研究期間・内容・性格等も考慮しつつ、必要に応じて実施する。

  ①事前評価
 事前評価は、研究開発の方向性・目的・目標等の決定、着手すべき課題の決定、研究資金等の研究開発資源の配分の決定、期待される成果・波及効果の予測、研究開発計画・研究開発手法の妥当性の判断等を行うために実施する。
事前評価については、次年度予算の概算要求を行う時期を勘案し、原則として当該研究課題を開始する前年度の4~6月に行う。
  ②中間評価
 中間評価は、研究開発の進捗状況の把握、研究開発の目的・目標の見直し、研究開発の進め方の見直し(継続、変更、中止等の決定)、研究資金等の研究開発資源の再配分の決定等を行うために実施する。
 中間評価については、原則として、5年以上の期間に亘り研究を実施するものを対象とし研究開始後3年度目の4月~6月に行う。
  ③事後評価
 事後評価は、研究開発の達成度、成功・不成功の原因の把握・分析、研究計画の妥当性のレビュー、研究開発成果の波及効果の把握・普及、新たな研究課題の検討への反映等を行うために実施する。
事後評価については、原則として該当する研究開発が終了する年度の翌年度の10月~12月に行う。
  ④定期的な研究進捗状況の把握
 各研究課題について的確な中間評価、事後評価を実施するためには、毎事業年度の研究の進捗状況等を常に把握し、必要に応じレビューを加えることが出来ることが必要である。このため、被評価者は事業年度毎の事業報告書を作成する等、評価者が評価しやすいようにすることが重要である。

 (4)評価の判断材料
 評価の判断材料としては、研究計画、研究成果等を記載した書類と被評価者からのヒアリング等の両方を用いる。また、この書類については、均一性を保つためにも統一された様式で行う。

 (5)評価手続き
 計画推進小委員会では、研究実施者(被評価者)が作成した自己評価結果、研究実施者が所属する研究機関が実施した評価結果、研究実施者からの意見聴取、 毎事業年度の研究進捗状況報告書等に基づき評価を実施する。各研究課題毎に、各委員の評価結果を参考にして、主査が、計画推進小委員会としての評価結果をとりまとめ、核融合会議に報告する。

 (6)評価の統一基準
  ①ABCの3段階評価とする。
  ②ABCは次のような意味を表す。
A:計画通り実施すべき課題
B:計画に一部修正が必要だが実施が望ましい課題
C:計画に再検討を要する課題

 (7)評価結果の公開
 研究開発の実態について国民によく知ってもらい、その理解を得るとともに、評価の透明性・公正さを確保するため、機密の保持が必要な場合を除き、個人情報、知的財産権等に配慮しつつ、核融合会議に報告し、インターネット等において一般に公開する。

 (8)評価結果の活用
 評価結果は研究開発資源の重点的・効率的配分、研究開発計画の見直し等に適切に反映し、研究活動の一層の活性化を図る。

 (9) 留意すべき事項
 評価に際しては、評価の客観性を保つとともに評価者と被評価者の間で十分なコミュニケーションを図ることが重要である。
 研究開発の評価を行うに際には、評価者・被評価者双方において、一連の評価業務に係る作業が必要となるが、評価は研究開発活動の効率化・活性化を図り、より優れた成果を上げていくためのものであり、評価に伴うこれらの作業負担が過重なものとなり、かえって研究開発活動に支障が生ずるようなことにならないよう、十分な注意を払う必要がある。
 また、評価結果の公開とは別に、国民の研究開発に対する理解を深めるため研究成果の積極的な公表を被評価者は進める必要がある。