第136回核融合会議 資料第136-4号

JT−60改修計画に関する国内の研究者の御意見について

日本原子力研究所

 第135回核融合会議において、JT-60改修計画に関する国内の研究者の意見を聞くことを核融合会議から提案されたことを踏まえ、JT-60改修計画に関する意見交換会を以下のように実施した。
1.日時  平成12年4月24日(月)
2.場所  日本原子力研究所那珂研究所
3.出席者 大学、国立研究機関、産業界等から 62名  原研職員  約70名
 質議応答の主なものを以下に示す。

Q:本計画の第3段階基本計画の中での位置付けは何か。
A:第3段階基本計画の付属文書に補完的・先進的研究開発に関する記載があり、改修計画の目的はこれに該当する。
  
Q:ITERの設計は完了していないのでは。また、「我が国は、定常性に重点を置く」とはっきり言う論拠を示して欲しい。
A:定常性をより指向したITERの概要設計については、日本は国内レビュー(ITER技術部会、核融合会議)の結果これを受け入れることとしている。また、第3段階基本計画の付属文書に原型炉は定常発電の実証とうたわれている。
  
Q:ITERの建設着手が難しい場合はどうするのか。ITERが実現しなかった時に、日本に核燃焼研究マシンがなくて良いのか。
A:仮にITERが実現しなかった場合においても我が国の核融合研究開発が将来のエネルギー源を目指す以上、たとえ時期が遅くなっても次期中核装置としてITERと同様な実験炉の建設は必要になる。
  
Q:ITERを支援する補完・先進研究の国際的分担は。
A:JETはDT核燃焼による高いQ値でのITERへの貢献を重視しており、これに対し日本は定常化研究で貢献できると考える。
  
Q:普遍性のある学術的成果を期待できるか。
A:燃焼プラズマ固有の事項を除いて、特にトカマク定常化に関して多くの成果を期待でき、それぞれが科学的な意義を持っている。
  
Q:フェライト鋼など、ITERに向けた工学R&Dの面を盛り込むように。
A:フェライト鋼のプラズマ適合性試験など炉工学研究への貢献を積極的に取り入れることを考えている。

以上