国際熱核融合実験炉(ITER)計画の推進について

平成10年12月4日
原子力委員会

 

1.当委員会は、本年12月1日、核融合会議座長より、今後の我が国のITER計画への取り組みに関する検討結果の報告を受けた。
 当委員会としては、我が国における核融合研究開発の重要性、その中でのITERの位置付け、ITER計画に係る国際パ−トナ−の動向等を総合的に勘案すると、今回の核融合会議の検討結果は適切なものであると判断する。

2.将来におけるITERの実現のためには、今後、三極によるITER工学設計活動の継続により、科学技術的に十分意義のあるITERを極力低コストで実現できる見通しを得ることがまず何よりも重要である。また、工学設計活動と並行して、これに続くITERの建設について、我が国として具体的な判断ができるよう、その要件の明確化等について三極間で積極的に協議するなど、必要な環境整備に向けた努力を傾注することが不可欠である。

3.当委員会としては、今回の核融合会議からの報告を踏まえ、改めて長期的視点に立ち、核融合エネルギ−の実用化に向けて、我が国及び世界の英知を結集し、着実に研究開発を進めていくべきであると考える。このため、我が国としては、ITER計画の推進等において、今後とも積極的、かつ主体的に取り組むことが重要であり、関係者に対しても、このような認識に立ち、一層の努力を払っていくことを求めたい。