第３７回IFRC会合の結果について

資料第１３２−１０号

第３７回IFRC会合の結果について

井上信幸　　

日　時	平成１１年６月９日，１０日
場　所	ウイーンIAEA本部
出席者	Brazil: I.C. Nascimento, Canada: D.P. Jackson, China: X-W. Deng, EC: E. Cannobio（IFRC議長）, S. Clement Lorenzo, France: J. Pamela, Germany: M. Kaufmann, India: (absent), Italy: F. De Marco, Japan: N. Inoue, Russia: V.P. Smirnov, UK: K.C. Robinson, USA: (absent) IAEA: S. Machi, D. Sood, T. Dolan, U. Schneider, T. Kelleher, P. Oblozinsky

１．Opening（Dr. Machi） 国連傘下の組織の財政はIAEAを含めて逼迫．９月に決まる予算はゼロノミナルグロース（インフレにより実質削減）．いくつかの主要国から圧力をかけられている．日，米，加はゼロノミナルグロースを主張，フランス等はゼロリアルグロースを主張している．効率よいプログラム編成が必要である． 核融合はIAEAの重要領域．中国，印度，韓国等は核融合の重要性を認めているが，多くの国（特に開発途上国）が核融合の近未来のベネフィットとIAEAでの核融合研究の必要性に疑問を持つ． 事務局長がBriggs氏からMohamed ElBaradei氏に変わった．
２．Nuclear Fusion 予約購読数が年に5%低下．寄贈を止めるとともに，web publishingで補う計画．
３．IAEA Plasma Physics & Fusion Activities 横浜の会議はよく組織化されていたとの評判． Fusion Energy Conferenceのプロシーディングの原稿がメールで送られてきたが，問題が多い．外注で解決をはかり，本年９月にCD-ROM出版を目指す． 政治家等外部への説明のため，IAEAで核融合技術のスピンオフに関するデータベースを確立して，インターネットに載せる計画．Culham Lab.でも同様のことを行っており，IAEAでどのようなものを出すべきか，IFRCで検討する．
４．ITER (Dr. Canobbio) 現状報告と建設に向かっての手続きとスケジュールについて説明． "thermonuclear"と"reactor"を避けるために，名称ITERの変更があり得る．"amplifier"の案もあるが，publicには説明しにくい． アジアの国が参加を望んでいるが，参入や離脱手続きを含む新しいフレームワークが必要であろう．
５．IEA Activities (Mr. Nakamura) 現行の活動に関して報告．気候変動とエネルギー問題に関する閣僚会議の引用文を配布．委員から気候変動議論に結びつけるのは有効でないとの意見が出た． 委員からIAEAとの協力を促進することが望まれるとの意見が出た．
６．Status of fusion research in various countries 各国の状況について各委員が説明．一部記載． カナダ政府は核融合のサポートを中止した． ロシアでは原子力局が核融合をサポート． EUのパーリアメントが翌週の選挙で決まる．ITERに関してはパーリアメントのポジティブサポートが必要． 中国の核融合予算はこれからの５年間に従来の２〜３倍増加の見込み．
７．The 18th IAEA Fusion Energy Conference, Italy, 2000 Sorrent市で2000年10月4日（水）から10日（火）まで開催． 横浜と同じく，Artsimovich-Kadomtsev Memorial Sessionを開く．候補者として，ElBaradei事務局長，Dr. C.Rubbia，Dr. M. Yoshikawa, Dr. E. Velikhovをあげ，それぞれの可能性について担当委員が調べてIAEAに報告．Chairmanの候補者はDr. Fasella． 横浜と同様，サマリーセッションを設ける． プログラム委員会の構成を次の通りとする．ヨーロッパ（ウクライナ等の東ヨーロッパを含む）６，日本５，米国４，ロシア３，ラテンアメリカ１，中国１，印度１，韓国１，ITER １，IAEA ２．（順番では議長は日本）トピックスのリストに関してはIFRCで検討．前回はheatingのセッションは殆どがheatingでなくconfinementであった．
８．The 19th IAEA Fusion Energy Conference, France, 2002 Lyon市で2002年10月19日から19日まで開催．フランス政府が受諾． レーザーメガジュール施設等を見学予定．
９．The 20th IAEA Fusion Energy Conference, 2004 ポルトガルと米国が開催に関心．他に可能性があれば，次回IFRCまでに提案．
１０．Year 2000 IAEA Program Plan IFRCのほか，RCM-Research Coordinated Meeting，CS-Consultant Service，TCM-Technical Committee Meeting，AGM-Advisory Group Meetingの開催場所と時期について検討した．
１１．IAEA Programme Plan for 2001-2002 TCM "Transport barriers, experiment and theory"を2001年に日本で開催の要請があった．
１２．Support for IAEA fusion research activities IAEAで作成中のMajor Programme on Nuclear Applicationsに関するProgramme Performance Assessment System(PPAS)レビューパネルのレポート原案では核融合のプライオリティーは低く，IAEAのfusion activitiesは技術会合と核データ・原子分子データ会合に制限すべきであると述べられている． 原案には事実誤認があるので，Canobbio議長が反論を述べた手紙を事務局長に送る． 以上