資料第130―7号

ITER建設に向けたこれまでの国際的な議論について

平成10年11月13日
核融合開発室

1.特別作業グループにおける検討

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94年7月以降、特別レビューグループ(SRG)及びコンタクトパーソン によって行われてきた予備的な作業を踏まえて、95年12月の第9回ITER理事会において、特別作業グループ(SWG)が設立され、以下の内容に関するシナリオの作成が開始された。

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ITERの利益と負担について
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許認可や解体を含めたITERの立地について
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ITER建設運転事業体の態様、法的枠組み
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第三国の参加

 ○
SWGは、96年7月の第10回ITER理事会に以下の内容の報告書を提 出し、承認された。

(SWG報告書の概要)

 ①利益とコスト
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先進的核融合関連(コア)部分の均等分担の考え方にたてば、ホスト極の負担は建設費の47.5%~70%。
 ②サイト選定と立地
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サイト選定の準備は、建設準備協議において行われる。
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ホスト極は、幅広い支援を提供する。
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ホスト極の法令は、全ての許認可に適用されるものであり、明確に規定されていなければならない。
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非ホスト極は、研究者、技術者を派遣し、文化的社会的インフラ整備を支援する。
 ③事業体の機構、法的枠組み
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ITER事業体と極内実施機関が必要。
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ITER事業体は国際法またはホスト極の国内法によって設立。

 ④参加、加盟(第三国の参加)
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第三国の参加については、様々な形態での参加が可能。

2.建設等準備協議(Exploration)における検討

 ○
SWGの報告がまとめられたことを受け、ITERの建設等に係る協力内容、 条件及びサイト選定方法等に関する非公式な協議を行うことを目的として、建設等準備協議が設置された。96年7月~98年2月まで6回の会合を開催した。

 ○
96年12月の第2回建設等準備協議では、97年末又は98年初めまでに、
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国際協定の枠組み
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立地の提案
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参加とコスト分担の考え方
 について協議を進め、その後建設協議を経て建設活動を開始することを合意。

 ○
しかしながら、97年4月、第3回建設等準備協議において、どの極も建設 に向けてのコミットができない状況が確認され、EDAを3年間延長する方向となったことから、その後建設に関する具体的な検討は行われていない。

 

 

(参考)

SWGで指摘された建設の判断のために明らかにすべき事項

 

○利益・コストの分担

○サイト選定方法

○ホスト極及び非ホスト極の要件

○ホスト極及び非ホスト極による便益(免税措置等)

○規制の枠組み

○運転終了(運転停止、解体、廃棄物処分等)

○調達(物品、用役の調達、締約極による貢献手段等)

○ITER事業体への人材の供給(派遣、雇用等)

○ITER事業体の設立(国際法、国内法)

○その他の法的事項(知的所有権、損害賠償等)

○第三国の参加、加盟