資料第128ー3号 

 

核融合会議開発戦略検討分科会の設置について(案)

 

 

平成10年6月12日

核 融 合 会 議

 

1.目的及び設置

  核融合エネルギーの実現に向けての総合的な開発戦略を検討していくため、 当会議の下に開発戦略検討分科会(以下、分科会という。)を設置する。

 

2.調査審議事項

 (1) 核融合エネルギーの技術的実現性

 (2) 核融合炉開発を長期間に亘って支えることになる各種分野の基礎研究、人材育成、大学や産業界の役割・連携体制等の基盤形成

 (3)核融合炉の開発戦略

 に関する事項について調査審議する。

 

3.検討期間

  検討期間は1年とし、本検討の結果を取りまとめた報告書が核融合会議にお いて承認された時点をもって廃止されるものとする。

 

4.構成員(案)

 (1) 分科会に、核融合会議が指名する主査を置く。

 (2) 分科会の構成員は別添のとおり。

 (3) 分科会の審議に必要な場合には、主査の判断により、検討事項に関連する  分野の学識経験者等を参加させることができる。

 

5.その他

 (1) 主査は、分科会の審議状況を適宜核融合会議に報告を行うものとする。

 (2) 分科会の庶務は、科学技術庁原子力局研究技術課核融合開発室が行う。

 (3) その他、分科会に関し必要な事項は、主査が分科会に諮って定める。

 


(参考)

 

ITER計画懇談会「懇談会における論点の整理と今後の検討課題について」において指摘された6つの検討課題(抜粋)

 

 

(1) エネルギーの長期に亘る需給調査
  特定産業分野や特定の価値観に基づく生活様式などに偏ることなく、可能な 状況をできるだけ広く設定し、それぞれについて需要を調査し、一方でそれぞ れについて供給の可能性を提示する。

(2) 代替エネルギーのフィージビリティスタディ
  代替エネルギーについての見通しを一歩深め、研究投資、産業振興など可能 な政策を想定して、単なる予想でない政策オプションを提示する。

(3) 核融合エネルギーの技術的実現性
  安全で確実な供給源としての核融合エネルギーの実現可能性を、我が国が持 つ潜在技術力、経営能力、産業構造の特性等から整理する。これを幅広く産業 界の積極的参画を得て行なう。

(4) 計画の拡がりあるいは裾野としての基礎研究
  仮にITERの設置国に我が国がなったとき、ITER計画さらにはそれ以 降の核融合炉開発を長期間に亘って支えることになるであろう先進炉方式や材 料開発などの各種分野の基礎研究や教育、人材養成についての、大学や産業界 の役割、これらとの連携体制がどのようになることが求められるかなど、核融 合エネルギーの実現に向けての総合的な設計図を作成する。

(5) 研究の資源配分
  基礎研究において公共的費用を必要とする分野は極めて多い。これに対し最 終的配分を決定するのは政策決定に他ならないが、その配分の原則についての 理念を構築する。とくに、前線拡大型研究と、人類存続型研究とのトレードオ フが重要である。それらは決して背反ではないが、両者の基本的関係を明らか にしつつ、後者の重要性が増す現代に適応する配分理念を創出する。

(6) 国際関係
  国際協力の責任分担に関しては、そのプロジェクトの態様により、様々な選 択肢がありうるが、それを実際のプロジェクトについての基本的な指針の確立 を目指す。これについては、OECD・CSTP(経済協力開発機構・科学技 術政策委員会)のメガサイエンスフォーラムにおける議論も参考になるであろ う。

 

 

 


(別添)

 

開発戦略検討分科会の構成員(案)

 

 

主査 井上 信幸   核融合会議座長

    阿部 勝憲   東北大学工学部教授

    岡野 邦彦   電力中央研究所狛江研究所上席研究員

    小川 雄一   東京大学工学部助教授

    金木 雄司   日本原子力産業会議開発部長

    菊池 満    日本原子力研究所炉心プラズマ解析室長

    小林 重忠   (社)日本電機工業会核融合関係現幹事

             (東芝エネルギー事業本部先端エネルギー開発部担当部長)

    田中 知    東京大学工学部教授

    藤原 正巳   核融合科学研究所研究総主幹

    松田 慎三郎 日本原子力研究所核融合工学部長

    宮  健三   計画推進小委員会主査

 

 

以 上 11名