平成10年5月14日
5月17日〜19日に予定されている第2回特別作業グループ(SWG)会合において、ITER所長からコスト低減化オプションの検討状況を聴取した上で、タスク#1「現行の計画目標を守りながら、技術目標と技術裕度を切り下げて、低コストの設計オプションを設定するための技術ガイドライン」に関する実質的な議論が行われることとなる。 技術ガイドラインとして議論される項目は、別表に示す項目になると考えられるところ、係る項目に関する我が国の基本的考え方(案)を別表に示す。
なお、第2回SWG会合から、タスク#2として、上記の技術ガイドラインの根拠となるより広い設計概念の情報を与え、核融合エネルギー開発の路線に与えるインパクトに関する議論も開始されるところ、我が国は、
項 目 | 検討すべき技術項目 | 我が国の基本的考え方(案) | 備 考(第3段階基本計画) |
計 画 目 標 |
核融合エネルギーの科学的 及び技術的実現可能性の実 証 |
DEMOへの展望 ・1ステップでの実現 |
第3段階の研究開発の中核を担う装置と して、トカマク型の実験炉を開発する。 これらの研究開発により、第4段階以降の 研究開発に十分な見通しを得ることを目 標とする。 |
プラズマ性能 |
制御された点火 燃焼時間 定常運転 |
Q〜10−20 (Palfa/Ptot〜70% - 80%) 今後のプラズマ物理の進展が裕度を生む (Q〜∞;HH〜1.2程度までの閉じ込め改善を見込む、 或いは t〜5τE程度は可) プラズマ特性及び壁特性の時間スケール、並びに工学試験で必 要な時間スケールをカバーすること; プラズマ特性時間:He蓄積〜10τE 壁特性飽和時間 :〜数100秒 工学試験必要時間:固体ブランケット試験に1000秒以上 (必ずしも誘導である必要はない) 非誘導電流駆動方式による定常運転を目指す プラント内循環電力の低減を見通せる運転領域の選択 (高βp、高自発電流率、低プラズマ電流) |
自己点火条件(Qが20程度)を達成するこ とを目指す。 定常炉心プラズマへの見通しを得るため に必要と考えられる長パルス運転(1000秒 程度以上)の実現を目指す。 |
工学性能及び試験 |
核融合炉に不可欠な技術の 実証 炉工学機器の試験 |
超伝導磁石技術、遠隔保守技術等の実証 高熱負荷機器の試験、 固体ブランケット試験; 中性子負荷(平均):0.5MW/m2以上 中性子フルエンス:0.3MWa/m2以上 |
原型炉の開発に必要な炉工学技術の基礎 の形成を主要な目標。 実験炉の開発に必要な主要構成機器の大 型化・高性能化を図るとともに、実験炉に よる試験等を含めた研究開発を進める。 |