資料第127−2号

最近の国際的な話し合いの状況等について

平成10年5月14日
事 務 局

 ITER第6回建設等準備協議及び第13回理事会が、平成10年2月18、19日、サンディエゴ(米国)で開催された。

1.今次会合において表明された各極の状況等
 (1) 日本
 98年度予算案の状況、ITER計画懇談会の審議状況を紹介しつつ、技術目標と開発リスクとコストのバランスをとりつつ、ITER計画の費用を最小化することの重要性について言及した。また、均等貢献の原則に基づき各極がそれぞれの役割を果たすことが重要である旨主張。

 (2) 米国
 99年度予算案に関し、2月に大統領予算教書が議会に提出された旨紹介がなされるとともに、その内容について説明がなされた。また、ITERのコスト低減のため、幅広い検討を行う必要がある旨意見が出された。

 (3) EU
 EUの第5次研究開発フレームワークプログラム(1998〜2003年)について、2月の研究相理事会においてユーラトムとしての承認が得られた旨紹介がなされた。今後、EUとしての承認を得る必要があるとのこと。

 (4) ロシア
 延長のための関連文書に仮署名(イニシャル)をすることが予算を確保する上で極めて重要である旨の発言が行われた。

2.第6回建設等準備協議の結果について
 (1) EDA協定の3年間の延長
 工学設計活動(EDA)協定を3年間単純延長すること及びサイト対応設計活動等の延長期間に行う作業内容等について確認した。
 (2) サイト特性の提供
 延長期間中に行うサイト対応設計活動に資するサイト特性の提供について、我が国から、具体的場所を特定するものではないが、日本としての代表的サイト特性を提供することについて検討している旨表明した。
 また、EUから、イタリア、カナダについてサイト特性の提供を検討しており、イタリアについては、南イタリアとサルジニア島を検討している旨の表明があった。

3.第13回理事会の結果について
 (1) 最終設計報告書
 最終設計報告書(FDR)が共同中央チーム(JCT)から提出(報告)され、各極からは優れた研究成果がとりまとめられたとの高い評価がなされた。今後、各極内においてレビューを行い、レビュー結果を次回理事会までに報告することとなった。

 (2) コスト低減を図るための検討
  
 特別作業グループ(SWG)を設置することに合意し、現行協定の計画目標の範囲内で詳細な技術目標の変更の可能性を探り、ITERのコスト低減を図るための検討等が行われることとなった。

4.EDA協定の3年間の延長に係る仮署名
 本年7月以降の工学設計活動期間(3年間)においてサイト対応設計活動等 を行うことについて合意に達し、理事会終了後、各極代表者により延長関連文書に仮署名(イニシャル)が行われた。我が国は今村科学技術庁官房審議官がイニシャルを行った。
5.今後の予定
 第14回理事会を7月中旬にオーストリア(ウィーン)で開催する予定。

以 上