第125回核融合会議 議事要旨(案)
1.日 時 平成9年9月2日(火) 15:00〜17:00
2.場 所 科学技術庁第1、2会議室
3.出席者
(原子力委員)
田畑委員、藤家委員、依田委員
(専門委員)
宮島委員(座長)、飯吉委員、石野委員、井上委員、鹿園委員、
関口委員、玉野委員、田村委員、苫米地委員、中井委員、宮本委員、
宮委員、森委員、吉川委員(14名)
(事務局)
坪井核融合開発室長
4.議 題
(1)第35回IAEA/IFRC会合について
(2)第18回日米核融合調整委員会の結果について
(3)ITER計画に係る最近の国際的な話し合いの状況等について
(4)平成10年度核融合研究開発関係予算概算要求について
(5)ITER工学R&Dの現状について
(6)原研における炉心プラズマ基礎研究の最近の成果について
(7)その他
5.配付資料
資料第125-1号 第124回核融合会議議事要旨(案)
資料第125-2号 第35回IAEA/IFRC会議
資料第125-3号 第18回日米核融合調整委員会の結果について
資料第125-4号 ITER計画に係る最近の国際的な話し合いの状況について
資料第125-5号 平成10年度核融合研究開発関係予算概算要求について
資料第125-5-2号 日本原子力研究所平成10年度核融合関係予算概算要求について
資料第125-5-3号 KrFレーザーによる核融合の研究
資料第125-6号 ITER工学R&Dの現状
資料第125-7号 原研における炉心プラズマ基礎研究の最近の成果
参考資料 核融合会議構成員名簿(平成9年9月現在)
6.議事要旨
- 1.
- 冒頭、新たに委員に就任した宮本日本電機工業会原子力政策委員会委員長及
び雨宮文部省学術国際局長の紹介があった。
- 2.
- 事務局より前回議事要旨(案)の説明があり、一部字句修正(関口委員の出
席されたIAEA国際核融合研究評議会の開催日を6月16、17日から6月16日に修正)の上、了承された。
- 3.
- 関口委員より6月16日にウィーンで行われたIAEA国際核融合研究評議
会(IFRC会議)の結果について報告があった。
- 4.
- 事務局より第18回日米核融合調整委員会の結果について報告があった。
- 5.
- 事務局よりITER計画に係る最近の国際的な話し合いの状況等について報
告があり、以下のような発言等があった。
- ○
- 工学設計活動の3年間延長については、今までの活動を単に延長して技術的な作業を続けるということではなく、建設にうまくつなげるという観点から3年間を有効に活用すべきであるとともに、ITERが難しい立場にあることを認識して一種の危機管理の観点から検討を行うべきではないか。
- ○
- 今後の進め方において明るい方向に展開していけるよう知恵を出す必要がある。
- ○
- ITER計画の取り組みについては、進める場合もやめる場合も日本が主導権を持ってやるべきである。
- ○
- 米国内ではエネルギー問題が緊急な問題ではないとの議論があるが、これが世界的な議論にならないよう注視していくとともに、今後対応を検討していくことが重要である。
- 6.
- 平成10年度核融合研究開発関係予算概算要求について、まず事務局より平
成10年度の日本の核融合概算要求全体額について報告があり、その後、文部省より大学等の核融合概算要求について、電子技術総合研究所より平成10年度新規要求課題である「KrFレーザーによる核融合の研究」について説明があり、以下のような発言等があった。
- ○
- KrFレーザーに関しては、リアクタードライバーとしての可能性があり、現在のSuper-ASHURAを高出力、高速点火することに主眼をおいた研究開発は非常に的確である。今後研究進めていくに当たっては、他の技術との比較検討を十分に行って欲しい。
- 7.
- 日本原子力研究所太田核融合工学部長よりITER工学R&Dの現状につい
て説明があり、以下のような質疑応答があった。
- (説明概要)
- ○
- ITER工学R&Dは、工学設計の成立性を最大限に高め、確信を持って建設段階に移行するための技術を確立することを目的としており、これまでの活動は、国際協力による効率的な作業分担に基づいて概ね順調に進展しており、各極は総じて共通の目的に向かって心を一つにして作業を進めている。
- ○
- 各極は、ITER工学R&Dの中でも特に主要な7つの技術開発タスクとして、1)中心ソレノイドモデルコイル開発、2)トロイダル磁場モデルコイル開発、3)真空容器セクター開発、4)ブランケット・モジュール開発、5)ダイバータ・カセット開発、6)ブランケット・モジュール遠隔保守開発、7)ダイバータ遠隔保守開発を、7大工学R&Dとして実施している。
- ○
- 今後の活動としては、製作した機器を組み合わせたシステム試験の実施し、また運転領域限界確認試験等よる技術的な信頼性の向上を目指した研究開発を進めていく予定である。
- (質疑応答)
- ○
- 工学R&Dを国際協力で行っている現状において、国際間の輸送などを見ると単独のほうがスムーズにいくのではないか。また、コストの面で高くなるのではないか。
- ○
- 運搬費等はかかるものの、各極の得意分野を分担することにより全体のコストは安くなるというようにプラスの面が多い。
- ○
- 国際協力で研究開発を行うことは良い面と悪い面があるが、国際協力でなければ出来ないこともあり、有効に効率よく実施して欲しい。
- 8.
- 日本原子力研究所安積炉心プラズマ研究部長より原研における炉心プラズマ
基礎研究の最近の成果について説明があり、以下のような質疑応答があった。
- (説明概要)
- ○
- 日本原子力研究所では、JT−60を用いた閉じ込め性能の向上とトカマク定常化を目指した実験研究を行うとともに、1)JFT−2Mによる先進的な実験研究、2)理論・計算機シミュレーション研究、3)炉心プラズマ診断技術の研究開発 等の基礎的な研究を行い、ITER/EDAのための物理R&Dを進めるとともに、原研で実施している定常トカマク炉(SSTR)の基礎の確立等を行っている。
- ○
- JFT−2Mでは、中規模装置の機動性を生かして、ディスラプション制御の研究、ITERの標準運転方式であるHモード物理の研究、ダイバータ物理の研究、コンパクトトロイド入射実験計画、先進材料プラズマ試験計画といった研究開発を実施している。
- ○
- 理論・計算機シミュレーション研究においては、JT−60等で観測される物理現象の理解に努め、ITERをはじめとした将来の核融合炉での理論的課題についての研究を進めている。また、学際的な研究協力を積極的に進めるとともに、実験解析やシミュレーションの分野における共同研究を国際的な規模で実施している。
- ○
- 今後の計画としては、他の学問分野との連携を深めつつ、大学をはじめとする国内、国外研究機関、大学との研究協力を積極的に進め、炉心プラズマ研究の一層の展開を図っていく予定である。
- (質疑応答)
- ○
- VDE(プラズマの垂直移動現象)の解析をどのように行っているのか。
- ○
- 流体モデルによるシミュレーション解析を進めるとともに、JT−60を始めとする実験で解析の妥当性の検証を行っている。
次回会合の日程は、今後調整することとされた。