資料第122ー11号

第26回IEA核融合調整委員会(FPCC)会合の結果について

平成9年2月   
核融合開発室   



1.開催   :  平成9年1月29日(於、パリ)

2.出席者  :  グリーガー議長(独)、ロバーツ副議長(米)、その他FPCC
           加盟国からの出席者及びロシア、IAEAからの出席者
           我が方から、飯吉核融合科学研究所長、鹿園日本原子力研究所理事
           田中科技庁核融合開発室長、北尾文部省国際プロジェクト官等出席
3.議事概要

(1)各実施協定の活動について
  実施協定に基づく以下の活動に関し、各執行委員会から報告が行われた。
    1)TEXTORによるプラズマ壁面相互作用   (加、EU、日、スイス、トルコ、米)
    2)核融合材料              (加、EU、原研、スイス、米、露)
    3)トカマクプラズマ物理         (EU、米)
    4)三大トカマク装置           (EU、原研、米)
    5)逆磁場ピンチ             (EU、日、米)
    6)核融合の環境・安全・経済性研究    (加、EU、原研、米、露)
    7)ステラレーター            (豪、EU、日、米、露)
    8)核融合炉工学             (加、EU、原研、米、露)
    9)核融合超伝導磁石(休止状態)
  この内、特に注目された点は以下のとおり。
    ・TEXTOR及び核融合の環境・安全・経済性研究協力に関し5年間の延長が承認
     された

    ・ITER計画の展開との関わりもあり、殆どの分野において新規協力課題の提案は
     なされなかった。かかる状況下、参加国からの関心が高く示された新規課題の提案
     は、文部省核融合科学研究所の大型ヘリカル施設を中心とした国際実験協力であり、
     同提案の今後の具体化に対し高い期待が示された。

    ・国際中性子照射装置(IFMIF)協力に関しては、2年間の概念設計活動終了の報告
     が行われ、執行委員会から次段階(工学設計レベル)活動開始の提案がなされたも
     のの、夲協力に関しては核融合開発全体との関連の中で進め方を論議されるべきで
     あること、各国とも評価の過程であることなどから、現在の協力レベルに留め、概
     念設計活動レビューを進めることが適当である旨了解された。

    ・核融合材料開発等において高速炉による中性子照射の重要性が指摘され、フェニッ
     クス炉及び常陽による利用の可能性に関し、今後検討を進めることとされた。

    ・遠隔実験参加に関しては、各国から強い関心が示された後、引き続き協力遂行上の
     課題の洗い出し等を進めることとされた。

    ・IEA及びIAEAの核融合関連協力活動については、今後一層連携を密にしてい
     くこととされた。また、夲協力の枠組みにおける活動に関しては、現在参加してい
     ない諸国に対しても積極的に情報を提供していく重要性が指摘された。

(2)その他
    ○ITER計画の各極の取り組みに関し情報交換が行われ
     米・・5月までに詳細設計評価を終了
     露・・3月に詳細設計評価を行い、EDA以降の進め方に関する方向性が出る予定
     EU・昨年12月に核融合研究評価委員会報告が提出され、現在次期核融合計画を
        策定中
     との報告があった。

    ○次回会合は、平成10年1月28日に開催することとされた。