資料第17-2号

「ITER計画懇談会報告書(案)」
(平成13年4月3日 原子力委員会ITER計画懇談会)
に対する意見
(寄せられた意見をそのままタイプしたもの)

 





 


No.1

小嶋 洋子 (年齢 50歳)

(概要)

 日本へのイーター誘致が計画されていますが、イーターに関しては賛成派と反対派の両方の専門家または科学者を招いての説明会を開催して国民に知らせて戴きたいと思います。

(意見)

拝啓

 北海道の寒い冬が過ぎてようやく春を迎えています。ぽかぽかと暖かい春が来ても私たちの心は何処かいつまでも寒く感じます。その原因は、原子力委員会で苫東などの地域に、核施設・イーターを誘致する計画をしているからであります。

 イーターは燃料であるトリチウムの毒性、放射性廃棄物の処理、地震などによる大事故の可能性、環境への悪影響、野鳥の生育域の破壊、中性子問題など北海道の住民を不安にさせております。

 イーターの候補地にはラムサール条例に認定されているウトナイ湖や弁天沼があります。そして自然環境に恵まれており、野鳥の聖域であり、野生の植物が育ち、湿原にはホタルが生息しています。これらの自然を破壊して、核施設イーターを誘致した場合、イーターの放射性廃棄物39000トンを地下に保管し、100年後に12000トンの管理すべき危険な廃棄物が残るとの事です。イーターの超伝導コイルに使われるニオブに中性子があたるとニオブ94になるが、ニオブ94の半減期は約20000年といわれているので、人類にとり半永久的と思って良いことになります。

 私たち北海道の住民は大変不安で、賛成派と反対派の科学者を含めたイーターの説明会が全国各地でおこなわれていないのは許されないと思います。

 パブリックコメントの国民の意見を聞いて下さり、イーターの説明会を開催して下さい。国際問題でもありますので私達、国民の声を要望を宜しくお願い申し上げます。自然は生命であり、人の心を豊かにします。

敬具


No.2

林 正俊

 

(意見)

「21世紀の原子力委員会の発足に当たって」の中に、次の文章があります。

原子力委員会は、原子力に関するどんなことについてでも、国内外を問わず、「いつでも、どこでも、だれとでも」対話することを心がけていきます。

このことを実効あるものにする一つとして、原子力学会の春の年会、秋の分科会で原子力委員会関係者と学会参加者とが意見交換のできる場を常設して頂くようにお願いします。

先日の武蔵工大での委員長の特別講演は、評価したいのですが、予稿が白紙というのは上記文章とかけ離れていると感じました。

これは、貴委員会だけでなく、原子力学会の賛同も得られなければなりません。必要なら、原子力学会の企画委員会の了解を得る努力は厭わないことを申し添えます。

 


No.3

太田 充 (年齢 60歳)

(概要)

ITERの建設と日本への誘致に賛成。ITERの安全に関わるトリチウム、放射化した廃棄物の処分などについて、一般住民に分かりやすい情報を伝え、理解を得る努力が重要。

(意見)

ITER計画懇談会報告書(案)は、大局的な見地からITER計画について良くまとめられている。が、忌憚なく言わせてもらえば、文章が分かりずらい。一度目を通しただけでは、理解できなかった。

懇談会の結論である、「わが国がITER計画に主体的に参加するだけでなく、設置国になることの意義が大きい」に賛成。その根拠については、記載された、国際貢献や保険料の考え方に同意したため。

報告書では特に力説されてはいないが、他分野への波及効果も見逃せない。これまでの核融合開発では数多くの新技術が考案され、他分野でも広く活用されている。ITERほどの先駆的なビッグプロジェクトの建設では、これまで以上の効果が生じることが予測できる。

安全面では、トリチウムと放射化した廃棄物の問題が議論になる。「可愛い子供たちや孫たちを危険な目に会わせない、未来にツケを残さない」という、強い使命感を持った核反対派に、ITER誘致を理解してもらうことは、並大抵ではないかもしれない。が、反対派を含めて、一般住民に分かりやすい、正確な情報を伝え、理解を得る努力が重要である。一般住民は、放射線に関する知識を持ち合わせていないことからくる漠とした不安がある。これは、学校教育で、放射線に関する一般教育をしてこなかった文部科学省の責任でもある。

科学技術が、閉塞された社会に夢を与える好例になることを期待する。

 


No.4

ritsuko yamamoto

 

(意見)

私は現在、札幌に住んでいますが、ITERについては、6年前に熱核融合、超伝導、プラズマ、光核生成などいろいろな文献を読み、理解しようと努めました。ついでに申し上げますと、アメリカのレーザー核融合の記事なども新聞で読んだことがありますが、トカマク型の核融合研究はもはや、コストがかかりすぎるので、アメリカもロシアもヨーロッパも手を引きたがっているのが現状だと聞いて、日本も手を引くだろうと思っていたら、逆にどんどん研究を進めていたのでびっくり。 機械、スペースそのものが遂に巨大になってしまいましたね。合理的に考えたら、コンパクトにするべきで、巨大でなければ、閉じ込め・高温高密度が達成できないと言うのも、矛盾するのでは。しかも、今まで全くD-T燃焼など経験したこともない大きな実験炉を作って、研究の内容を検証することがたくさんありすぎるほどで、 その検証する内容を、私はかなり知っていますが、皆さんはご存知で承知の上で、ITERを作ろうとなさるつもりなんですよね。利便が良い場所だから、気候、地質学的に問題がないとか、そう言った理由はニの次にして、第一に、プラズマ゛を一定時間安定させることがどれほど難しいか(熱流動関連の異常事象、デスラプション、ITB,不純物が混入すると、プラズマ゛を閉じ込めることができないので、コンディショニングの課題など)。また、トリチウムを内外で管理する(トリチウム透過、プラズマ内の残留量の計算や、排ガスの問題、浮遊性放射化生成物による事故によるとありますが、ガス状の放射性核種というのは、窒素や酸素、水素など162種類以上もあって、雨が降ると、濃度が高くなるものもあるし、定常運転しても、排ガスは避けられないし、大気・海洋拡散、公衆被爆線量評価など)問題も、難しいのに、事故が一件でも、複数でも起きた場合、誰が、責任を持って、処理してくれるんでしょうか。私はまず、こう言った不安の要素を住民に知らせないで、安全ばかり強調する事は怠慢で、義務違反だと思うし、結局、作ってしまった後のこと、いろいろ想像しても、技術的に未熟なのだから、きっと現実に起こるだろうと世界中が思うだろうと・・予知してたと!!

だから言ったのに!!・・やめた方が無難だと思います。


No.5

小林 健一 (年齢 51歳)

(概要)

①国民にエネルギーに関する質への変革・安全への挑戦・投資の心意気を示せ。

(意見)

 ITERの国内誘致が議論されているが、私は次の観点から国内誘致を積極的に推進すべきであると考える。

①国民にエネルギーに関する質への変革を示す。

 日本の経済は、成長から安定への過渡期に入っている。日本の資源力の乏しさや後発国の新しい力を考えた場合に、日本が従来のような成長を示す可能性はもう無い。これからは消費の発展ではなく、質の発展を考えるときに来ている。

 エネルギー分野での質の発展は、核融合である。核融合は従来の消費のエネルギーではなく、太陽の営みそのものの”質のエネルギー”である。

②国民にエネルギーに関する安全への挑戦を示す。

 人類は化石燃料に長く依存し、その安易さ故に世界はいつまでもこれに依存する。しかし自然は「温暖化」という形で、警鐘を鳴らした。原子力は20世紀の経済を支えたエネルギーの中核であったが、核兵器という悲しい歴史と防ぎきれなかった事故という形で、役割を終えようとしている。核融合は、オーロラの輝きそのものの”安全のエネルギー”であり、原子力と比較しても安全性が格段は比較にならないほど高い。

③国民にエネルギーに関する投資の心意気を示す。

 日本の経済は長い低迷を迎えている。その最大の原因は、国民が痛みを恐れ、現状に甘んじ、投資の心を忘れていることである。日本の将来のために、将来のために投資することは、資源力の乏しい我が国の唯一の活性化であることを示す必要がある。

以上


No.6

大川 慶直 (年齢 57歳)

(概要)

 ITER懇談会の結言は一般国民の立場して妥当な考え方であります。また種々の意見に対し、一つずつ且つ一貫した答えをかかれていることに敬服いたします。

(意見)

 エネルギに関するご意見は言うまでもなく、全体として、非常に広範囲な意見集約が行われています。国を挙げて実施に向かっていただきたいと願っております。

 本計画の実施は、人的に質の高い人々と供に国際社会を受け入れ、内なる国際化を目指し、且つ、「日本国」を各国の研究開発社会に持ち帰って貰う絶好の機会としてとらえたいと思います。

 同時に、我が国の、システムエンジニアリングの質の高さを見せることが出来ると供に、その力の維持のためにも必要で重要な計画であると思います。

 また、本計画実施に絡めて、国際学校による教育参加、家庭交流など本当の意味での日本の国際化を進める大きな機会かと思います。

以 上


No.7

石川 進 (年齢 43歳)

(概要)

 企業の側から見た『イーター誘致』について

(意見)

 私は、拓銀、道銀に続いて、北海道で3番目に投資顧問業の登録をした石川経済研究所の所長をしています。

 現在、預貯金の利息はほとんど0で、貯金や保険の一部を株式投資に振り向けるよう営業活動をしています。道民は道外に比べると、地域がら、安全指向がとても強く、危険な投資は控える傾向があります。安全かつ高利回りの株と言ったら、一般的に電力株があげられていますが、当研究所では、電力株は推奨しません。なぜなら、電力の小売り自由化の問題だけでなく、原子力発電所の事故の危険性がとても高いからです。また、電力株ばかりでなく、原子力発電所の近くに主要な工場がある会社の株も避けます。

 このことを基準にして考えると、現在の原子力発電所より、数十倍の危険性があると言われているイーターが誘致されれば、いや誘致される可能性が僅かでもあれば、その地域に主要な工場を持つ会社の株は『売り』指示です。苫小牧東部にある工場もいやがると思います。

 株式投資家は危険な株は事前に売れば、損失が回避できますが、近くに住んでいる人はどうするのでしょうか。とてもお金の損得のレベルの問題ではないと思います。

 将来的に風力発電所の建設予定地として、苫前、えりも、苫小牧東部を考えていましたが、苫小牧東部は、とりあえず対象から外したいと思います。


No.8

今 明代 (年齢 43歳)

(概要)

 エネルギー資源の少ない日本は、世界のエネルギー問題を解決するための科学研究開発でリード役を果たすことが必要なので、ITERを日本に建設すべきだと考えます。

(意見)

 エネルギー問題と食糧問題は世界の将来にとって大変重要な問題になると言われています。そのどちらをも輸入に頼っている日本はただ自分の国のためばかりでなく世界の国々がそれらを安定して得られるように考えていくことが必要だと思います。

 ITERは科学技術で新しいエネルギー源を作るための実験施設ですから、日本にとっては、エネルギー問題の解決に貢献できることと科学技術の発展にも役立つというふたつの意義があると思います。

 そして、ITERは国際的共同実験施設ですから、その建設や研究実験でリード役を果たし、その分野で中心になることは経済的負担を考えても進めるべきことだと思います。経済大国の面ばかりが世界に評価されている日本ですが、国際的な科学研究の分野で中心となり世界をリードすることは、これからの日本にとって大きな価値があると思います。

 そのためにも、ITERを別の国に建設して研究者を派遣するのではなく、日本に建設して世界の研究者を集め、日本からその成果を世界に提供していくことが必要だと考えます。


No.9

加藤 敬 (年齢 51歳) 

(概要)

研究の場、国際協調的ニュアンスが強く、核融合エネルギー開発を進めるというトーンが低いと思います。強く核融合を進める旨を表現していただきたい。

(意見)

我が国として核融合を将来のエネルギー源としてきちんととらえ、そのためのITER建設としなければ、今でなく10年後、20年後としても、国外立地にしても何の支障もないのではないでしょうか。

また、核融合の優位性は先に行かないと分からないと言う形で進めると、中途半端な開発で終わってしまう恐れがあり、変えって次の開発に禍根を残すことになります。

日本は、京都議定書の推進に断固として立ち向かい、環境への負荷を低減し、ITERの建設、運転、廃止処置の経験を踏まえて、核融合のライフサイクルコストを見極め、将来に向けたエネルギ問題の解決に全力を尽くす旨の強い表現として頂きたい。

当然、今後長期に渡る開発の中で、方向性、スケジュール等の変更が発生するかもしれませんが、強く表現することで、科学者、技術者のインセンティブの向上、メーカの活力向上の一助にもなると思います。 

サイエンスの段階であれば、研究の場、国際協調と言った観点で進めて行くこでも良いでしょうが、次のエネルギを担うシステムの構築として実験炉進めるのですから、プラス面、マイナス面を認識し、上記展望に沿ったITER建設計画として開発を進める姿勢を強く懇願いたします。


No.10

溝口 忠憲 (年齢 54歳)

(概要)

本報告書に賛同致します。日本が主体的に将来のエネルギー開発を進めることによる国際社会への貢献は歴史的な意義があり、世界の頭脳流入をもたらすと期待できます。

(意見)

結論から申しますと、本報告書の主旨には賛成で、日本がITER誘致をすすめ、主体的に核融合エネルギー開発を行なう事により積極的に国際貢献して行くべきだと思います。

コメントとしまして、まず、要旨のなかで投資の観点から「ITER計画は保険料と見做すべきと受け止めている」と述べられていますが、保険の考え方は国の事情によって異なります。本文内に書かれている資源小国な我が国にとって、経済安全保障の観点からこの保険料は十分意味のあるものであることを要旨にも書き加えるのが適切と思います。即ち、「5投資の観点から」の段落の最後に「エネルギー資源の大半を外国に依存する我が国にとって、この保険料は、他国と異なり、経済安全保障の観点からも重要な意味合いをもつと考える。」を付け加えることを提案致します。

二番目のコメントとして、結言の中程に「文化、教育、言語等の面で他国と大きな違いがあることから」とありますが、今後ますます国際化進む時代にあって、自らを他国とは異なる特異な国でるとの発想は改めて行くべきだと考えます。少なくとも「大きな」を削除するか、書き改めてはどうでしょうか。一例として、「他国から多数の研究者、家族を受け入れることから、文化、教育、言語等の面で国際社会に適合した研究や生活環境を整備することが重要である。」自らを外国人とは異なると身構えることが我々の癖ですが、包容力を持って受け入れていける努力をすることが大切で、このような発想を変えていくことが必要だと思います。

最後になりますが、「日本社会の倫理性からの評価」は非常によく書けており感銘いたしました。


No.11

松下 昭武 (年齢 56歳)

(概要)

科学技術の研究開発と人類への貢献が一致する核融合の国際的な研究開発に、原子力の平和利用の実績を持つ日本が主体的に参加することの意義は大きい。

(意見)

科学技術の研究開発は、本来それだけでも人類の知的冒険という意義があり、推進すべきものである。但し、科学という中立的な価値は必ずしも人類に幸福をもたらさないのは核兵器の例を見てもあきらかである。しかし、核融合エネルギーの研究開発は、地球環境問題,人類のエネルギー問題に対する、重要な選択肢の一つとなりうるものである。このように科学技術の研究開発と人類への貢献が一致する核融合開発は推進すべきものと考えます。また、このような国際的な研究開発に、原子力の平和利用の実績をもつ日本が主体的に参加することの意義も大きいと考えます。


No.12

堀 浩二 (年齢 65歳)

(概要)

 日本は、自然エネルギーの研究・開発を推進し、世界に貢献すべきであり、核融合を含む原子力エネルギー開発は中止すべきである。核融合を「ベストミックス」に含めるには無理がある。

(意見)

 私は将来のエネルギーは全面的に自然エネルギーに頼るべきと考える。そこに至る過程で天然ガスによる「コジェネレーション」を利用し、最終的には太陽光-水素型エネルギー社会の構築に向けて全力を尽くすべきである。

 理由:自然エネルギーの利用…全世界での風力発電の発電容量は2000年半ばには1500万kWに達し(年成長率24%)、2020年までに、世界の電力需要の10%を賄うと予想される(12億1000万kW)。さらに、海上風力発電を入れれば北海沿岸で年間2兆kWを発電する潜在力がある。日本でも陸上に風力発電を設置すれば2030年には電力の10%(現在0.08%)をまかなえる計算になり、さらに海上設置を含めると日本の風力発電量は100万kWになり、日本の総発電量の20%を賄える計算である。

 一方、日本の全部の家庭や事業所に太陽光発電を設置すれば、総発電量の20%を賄えると推定されている。その他、地熱、波力などによる発電の研究を進めて実用化し、これらを合わせれば十分な電力が得られるだろう。当面はこれらの補助として分散型の天然ガスによる「コジェネレーションシステム」を加えるのがまさに「ベストミックス」と言えるのでないか。報告書には、自然エネルギーでは安定供給できないと述べられている。しかし、各種の自然エネルギーをミックスし全国的なコンピューター制御配電システムを作ることにより安定化がはかれるし、最終的に太陽・水素型エネルギー(水素の形でエネルギーを貯蔵できる…燃料電池)に移行することができるだろう。「人類への貢献」と言うならまさにこのような方向で研究開発を推し進めることだろう(安全なエネルギー開発に投資することこそ正しい「保険」といえる)。これからは「非核エネルギー」が世界の潮流である。


No.13

堀 浩二 (年齢 65歳)

(概要)

 日本は、ITER計画には、安全性の面から、経済性の面から見て参加すべきでない。核融合を含む原子力からのエネルギーを「ベストミックス」に含めるには無理がある。

(意見)

 私は将来のエネルギーの「ベストミックス」の中に安全性の問題から核融合発電(原発を含む)を含めるべきでないと考える。

理由:安全性の問題…ITERでは炉内や付属機器内に放射性物質の2.8kgのトリチウム(放射能は3000万キューリー)が存在する。その際、高温状態(1億度以上)にしたトリチウムを衝突させ、熱エネルギーを取り出すのだが、核融合反応で中性子も飛び出す。中性子12分で消滅するが、その速度は光の速さに匹敵し、事故により中性子が環境中に放出された場合、人間を含む動物の体内に入り体内のナトリウムをナトリウム24という放射性物質に変え、それから出される放射線が細胞に与える損傷ははかりしれない。トリチウムには致死効果、突然変異生、発ガン性がある。核融合炉1基当たり、トリチウム生産のために原発10基が必要であり、原発以上に危険である。

 20年間の想定される実験や終了後の解体で出る放射性廃棄物は3万9000トンに上がる(加速器や真空容器などの放射化物質=3万5000トン、放射性物質のトリチウム汚染物質が4000トン)。これらの放射性物質を「低レベル放射性廃棄物」に分類するのはきわめて安易である(「低レベル放射性廃棄物だから処分は容易」だという神話)。

 経済的問題…誘致国は建設費の半分を負担する。日本でITERをつくるとなると、用地確保などの経費を含めて建設に5000億円、運転に6000億円かかる。これには放射性廃棄物処分費や廃炉費用を含まれない。さらに、実験に成功しても、実証炉などの建設が必要でそれに費用もかかる。そのような費用を新エネルギー(自然エネルギー)研究・開発に振り向ける方がはるかに有効であり、その成果を世界の国々に分けることで十分に国際貢献ができるではないか(報告書ではITER建設が国際貢献であると言っている)。今、莫大な借金を背負っている国の予算を見通しのない(報告書でも正直に述べている)プロジェクトに投資するのはあまりにも無謀である。


No.14

吉田 篤 (年齢 24歳)

(概要)

 増え続ける人口に対して、地球上にある資源は限られている。大切な地球の資源ときれいな地球を未来に残す為、安全でクリーンなエネルギー開発に取組むべきだと考えます。

(意見)

 現在の地球の人口が約60億人、50年後には、100億人となる予想のようですが、現在地球上に残されている資源は、みなさんの生活が豊になるにつれて、使用量が増加しています。このままでは地球上の資源を全て使い化石燃料が無くなってしまうのではないでしょうか。そこで、核融合の力を利用して、クリーンで安全な、エネルギーを造り出す事の出来る、ITER(国際熱核融合実験炉)の研究・開発を、資源小国である日本が積極的に取組み役割を果たす事の意義は非常に大きい事ではないでしょうか。又単に経済的な貢献だけではなく、国際的なエネルギーの問題を解決する為、積極的に技術力の提供など、1つしかない我々の大切な地球の為、限りある資源を守る為、核融合エネルギー開発に積極的に取組むべきだと考えます。


No.15

山寺 正夫 (年齢 55歳)

(概要)

 日本誘致に賛成します。

(意見)

 世界におけるエネルギー問題、これに対する日本の貢献を考えると是非誘致すべきと考えます。日本が世界の中で、その価値を認められるのは科学技術による世界人類への貢献だけであると思うからです。


No.16

原島 和子 (年齢 46歳)

(概要)

 巨額な費用について。

(意見)

 日本は、苫小牧はITER誘致をとても急いでいるようですが、提唱したアメリカが、1998年巨費のかかる核融合炉の国際研究からおりてしまい、日・欧・ロでロシアが、大金を支払えるはずもなく、日本自体が、莫大な借金に、苦しんでいる今、巨額の血税を投入する、公共事業まがいのITER誘致は絶対反対です。


No.17

原島 和子 (年齢 46歳)

(概要)

 環境について

(意見)

 苫小牧東部地区は、ラムサール条約登録湿地である、ウトナイ湖。そして、オジロワシ、オオワシが越冬し、ガン達の中継地で優れた自然の、弁天沼がすぐ近くで、トリチウム、中性子線、放射性廃棄物処理等の危険は、住民、野生生物にも及ぶのです。未来に汚点を残すような事は、やめて欲しいのです。不安だらけの強引なITER誘致は、やめて下さい。


No.18

伊藤 晥史 (年齢 70歳)

(概要)

 半世紀も研究していつ実用化できるかわからぬものに多額の税金を投入する価値があるか核融合炉の誘致は巨大計画で時期尚早である。クリーンエネルギー開発にも努力すべきだ。

(意見)

 私は核融合について全くの門外漢である。このところ核融合実験炉誘致の記事が新聞によく出るようになり一国民として慎重に検討し後世に憂いを残さぬよう不安な点を列挙します。

 立地予備費1億円建設費5千億円はかかるという巨大計画あまりにお金がかかるのでアメリカは98年にこの計画から撤退した。国民の合意を得ずして何故計画を進めるのか。

 重水素と三重水素を融合させると高速中性子が大量にでる。この高速中性子は減速されないまま真空容器の壁を直撃し壁の放射線損傷は強烈なものとなる。この損傷をどうするのか処理方法は明らかではない。

 もんじゅ事故の滞りや原発の事故等あり得ぬことが起っている。国民の不安はぬぐえない。

 国内の施設の老朽化のためそれを利用している者は不自由不便をよぎなくされている。それを後まわしにして何故急ぐのか。

 大規模集中型ではなく太陽光発電、風力発電、燃料電池等の分散型電源にして地球環境を良好に保持する国民の意見を十分に聞く必要がある。

 低レベルと言えども放射能廃棄物に埋まった中に身動き出来なくなった図を想像してしまう。

 安全で豊かな地球を子々孫々に残すためにも慎重にも慎重に検討して頂きたい。

 一旦破壊された環境を復元するには驚異的な年月がかかる。賢明な原子力委員の方々の熟慮をお願いします。


No.19

小島 融三 (年齢 74歳)

(概要)

 核融合研究の重要性は理解できるが、技術的困難性や安全性の見地から、直ちにITERを発足させることは必ずしも同意しがたい。

(意見)

 報告書を見てまず意外に思ったのは、懇談会のメンバーの構成であった。約30名のうち、ITERの技術的問題を理解すると思われる方は失礼ながら極めて少数で、他の方はいわゆる社会的な有識者や、産業界の代表などである。従って報告の結論がこの計画を進めるべしとなるのは無理もない。

 核融合研究の重要性は理解でき、まさITERで行う実験のような過程を通って、核融合研究を進めるべきということは理解できるが、現在直ちに計画に着手すべきとの意見は、技術的困難性や安全性の見地からは必ずしも全面的には同意し難い。

 例えばITER実現のための技術的な重要問題のひとつと云われる、プラズマを取り巻くブランケットと称する部分の、耐放射線性や強度について、報告書では、4.(4)に、「材料開発を目指して中性子照射試験等の必要性が認識されている」とあるが、その通りで、このような基本的な問題を解決した後に計画を進めるべきではないだろうか。


No.20

名児耶 勲 (年齢 72歳)

(概要)

 日本は、環境に悪影響を与える危険性がある「ITER」の建設は誘致せず、再生可能な自然エネルギーの研究・開発を推進し地球環境の保全と人類の繁栄に貢献すべきである。

(意見)

 私が生活している厚真町は、苫小牧の東に隣接し、「苫東」の東部には厚真町の土地も入っております。町長は「ITER」について、「安全である事を前提に誘致に賛成する」と言っています。しかし、果して安全が保証されるのでしょうか。

 私は、講演会に参加する等、専門家の意見等も聞きましたが、燃料であるトリチウムの危険性、その管理・制御の困難性、その技術の複雑性などから各種のトラブルも予想される様であり、技術が未確立である事からどのようなトラブルが発生するか未知数の点も多い様であります。どう考えても安全であるとは到底言えないものであると思います。

 安全であるならば、東京都に建設しても何等差し支えが無い筈ですが、その様な発想は全く聞かれません。やはり危険性が多い為でしょう。東京都も苫小牧市も人間が生活しており、条件は全く同じです。「ITER」の建設は、日本では不適当であると思います。

 私は、国民の税金を「ITER」等に使用する事には反対です。自然エネルギーの研究・開発を、もっと積極的に推進すべきだと思います。そうすれば、地域の発展はもとより、多くの国民の利益となり、環境保全を願う世界の人々からも歓迎されるでしょう。


No.21

佐々木 崇 (年齢 51歳)

(概要)

 ITER工学設計活動に産業界の一員としてした経験から、ITERの日本建設は、産業界においても、グローバルな時代に対応する経験を与える場として、重要と考える。

(意見)

 ITER計画は建設に向けて、これまで概念設計工学設計(EDA)と進んで来ています。産業界の一員として、工学設計活動に参加した経験から、ITER計画について考える所を以下に述べます。

 EADにおいて、日本産業界も工学R&D、設計活動に参加する機会を得ましたが、国際協力の枠組の中で、日本原子力研究所殿の御指導の元に、海外の産業界や研究所とも一緒に検討を進めました。この中で、EU・ロシア・米国の一流の研究所やメーカと一緒に国際プロジェクトを進める貴重な経験を得る事ができました。

 一例ですが、ITERにおいて主要な機器である超電導コイルの開発は、国際分業で実施されたため、EU・ロシア・米国の産業界が設計品質保証に関しどのような考えをもち、かつどのようなレベルであるか、また彼らと一緒にまとめるにはどのような議論が必要かなど、海外の技術レベル・品質保証の取組方などに対する貴重な知見が得られました。

 日本産業界にも現在グローバル化の波が至るところに押し寄せてきており、グローバルな視点での対応は不可欠な状態です。ITER EDAの経験は単に核融合に限らずビジネス全般に活かす事が可能な知見を与えるものとなっております。

 ITER計画の科学技術的な重要性・エネルギー政策としての重要性に関してはITER計画懇談会でも十分に議論されており、言うまでもありませんが、更に日本に誘致されれば、その建設において得られる日本の国際的なリーダシップを含めた経験はこれからの日本産業界にとっても得難い経験にもなり、チャレンジしがいのある計画と確信しております。ITER計画への参加がこれからの日本を支えて行く若手技術者の育成にも役立つ事を期待する次第です。


No.22

眞山 尚子 (年齢 25歳)

(概要)

 未来への生命と、私とあなたのエネルギー ITER計画は何を意味するのか

(意見)

 ヨウ素131の半減期は約8日なのにチェルノブイリの被害は今でも深刻な状況にある。トリチウムの半減期は約12年、同じくニオブは約2万年。ITERを運転させたらトリチウムやニオブは長い年月、被害を及ぼし続けると考えるのは非科学的だと思いますか?

 地球誕生から生命発生以来脈々と受け継がれてきた生命。太陽系唯一の宝物と言い切れる程青く輝く地球は貴重な存在。過去・現在・未来、皆で生命を守り続けて来たから一人ひとりの生命も大事、この星全体の生命も大切なのです。地球は誰のものですか。

 勿論エネルギーや経済も大切です、でも従来の方法では長続きしないと、気付いたでしょう?皆が幸せに生きられる様に知恵を働かせて科学技術を使わなければいけないのです。物質もお金も有限、だからこそ大事に使い、上手に循環させる事で無限になるのです。

 50年も核融合実験炉の建設を伸ばし続けているのは、どんなに科学技術が進歩しても実現は無理という事ではないのか。太陽の中心温度の約10倍と言う超高温、秒速300キロの高速中性子によるストリーミング、プラズマ粒子によるディスラプション等解決のつかない状況で実験炉を造るのは、いかにも危険だ。炉などの問題もあるが、生命と引き換えに莫大なエネルギーに頼る姿勢は危険に思う。チェルノブイリの放射能を札幌でも確認した事実から、世界中どこからでも放射能はやって来ると言える。

 無益なITER計画を一刻も早く止めて省エネ・自然エネルギーを推奨する仕組みを作り、皆の原動力に成る再生可能エネルギーの普及に力を注ぐべきだ。どんな時にも大地には可能性があるという事を忘れてはいけない。

 言い訳は要らない、地球の生命のつながりを守る他に、大切なものなど無い。


No.23

野村 和雄 (年齢 62歳)

(概要)

 日本へのITER誘致が計画されていますが、ITERに関して、賛成派と反対派両方の科学者・専門家を招いて説明会を全国各地で開催して戴きたいと思います。

(意見)

 拝啓 北国の寒い冬が過ぎて、春を迎えています。暖かい春を心待ちしていたのに私の心は寒くなっています。何故なら原子力委員会で苫東などにITERを誘致する計画をしているからです。

 ITERは燃料であるトリチウムの毒性、放射性廃棄物の処理、地震などによる大事故の可能性、環境への悪影響、野鳥の生育域の破壊、中性子問題など北海道の住民を不安にしています。

 ITERの候補地にはラムサール条約に認定されているウトナイ湖があります。そこは自然環境に恵まれており、野鳥の聖域でありますし、野生の植物が育ち、湿原にはホタルが生息しています。そして、イーター予定地には弁天沼がありますが、弁天沼もウトナイ湖と同様に豊かな自然があります。この自然を破壊して、ITERを誘致した結果、ITERの放射性廃棄物39000トンを地下に保管し、100年後に12000トンの管理すべき危険な廃棄物が残ると聞いて驚いています。

 そして、ITERの超伝導コイルに使われるニオブに中性子があたるとニオブ94になるが、ニオブ94の半減期は20300年といわれているので、100年後、200年後、1000年後でも放射性物質が残ることになります。ですから、北海道の住民は大変不安です。

 私たちの不安に対して、賛成派と反対派の科学者を含めた「ITERの説明会」が全国各地、北海道各地で無いのがおかしいと思います。

 パブリックコメントで国民の意見を聞いてから、全国の各地で賛成派と反対派の科学者を含めた「ITERの説明会」を開催することを要望します。これを無視して、日本に誘致したとしても、その後にITER施設の地域で強烈な反対行動が連日行われると予想されます。そうなると国際問題に発展しますので、「ITER説明会」の開催を御願いします。


No.24

野村 清子 (年齢 61歳)

(概要)

 日本へのイーター誘致が計画されていますが、イーターに関して、賛成派と反対派両方の科学者・専門家を招いて説明会を全国で開催して戴きたいと思います。

(意見)

 広島・長崎・東海村で犠牲者が出たにもかかわらず、核施設であるイーターを日本に誘致する計画と聞きました。候補地は、北海道の苫東、青森県六ヶ所村、茨城県那珂町に誘致すると聞いて私たちは驚いています。

 昨年、科学技術庁は建設地の条件として、「イーター」から発生する放射性廃棄物の処理・処分が行われること」を明示しました。

 また、科学技術庁・原子力安全委員会は原発やITER施設の放射性廃棄物で飲料水缶、フライパン、水道管などの再利用を検討しているとの話を聞きました。放射性廃棄物でつくられた缶のビールやジュースを飲んだり、放射性廃棄物で作った水道管の水を飲むことに対して、私たちは不安な気持ちで一杯です。

 ITER施設で取り扱われるトリチウムや中性子などの危険性・安全対策などの十分な説明を私たち道民は聞いていません。ITER誘致の安全性に関して、国民に対する十分な説明がありません。

 文部科学省から「イーターの安全面・危険面」に関する全ての資料が北海道・青森県・茨城県の自治体に届いていないと聞きました。安全面・危険面に関する資料がないのに自治体がITER誘致するのも不可思議ですし、住民を無視する行政に対して国民は不信感を抱きます。

 イーターに対する賛成派と反対派の両方の専門家に来て戴いて「イーター説明会」をしておりませんので、イーターに関して知らない国民が多いです。ですから、パブリックコメントの国民の声を聞きたいとの主旨ですが、パブリックコメントの存在を知らない国民も多数おります。

 不況で国民が苦しんでいるのに、国民の税金を無駄な公共施設に投資することに疑問を感じます。速やかに「イーター説明会」を全国各地で開催して、国民の声を聞くことを要望致します。


No.25

川田 秀明 (年齢 39歳)

1.概要

10年以上前に、核融合装置(RF加熱装置)の建設および実験補助に携わった経験のあるものです。現在は、まったく異なる職種の自動車の電装関連の設計開発に携わっております。まとまった意見にならないのですが、「ITER計画懇談会報告書」をざっと読ましていただき感じたことを書かせていただきます。

2.核融合発電は市民権を持っているか?

一般的な人間(核融合を知らない人間)の立場からお話いたしますと、原子力発電というだけで、核分裂と核融合との差を十分理解している人は少ないと思います。つまり、一般的な人に理解されていないものに対して、財政が厳しい現在、巨額な投資を行えるのか?と思います。

遠い将来におけるエネルギーの枯渇を主張しても、どのようなものであるかを十分に理解できないものに対して、投資する事はできないと思います。その意味で、「核融合発電は、市民権を持てるべき努力をすべきである。」と思います。

3.実用核融合炉は、本当に実現するのか?

核融合の研究が始められた当初は、実用炉完成までにこれほどの時間、費用、人間を投資することは、考えられなかったと思います。実際に、研究に携わっている方々は、着実に進んでいると思われても、いまだに議論が実験炉であるのでは、実用炉は地球上に化石燃料がなくなるまでに本当に完成するの?という疑問を抱いてしまいます。先の報告書でも、「予想が困難」との言葉が、多く使われております。また、この先進めても、失敗する可能性もあることがストーリーとしてかかれております。多くの費用(われわれの税金です!!)が、研究者の自己満足で終わるのでしょうか?

4.核融合炉を作れば人類は安泰?

本当に実用的となった核融合炉は、世界中のどこでも、どの国でも作ることができ、安定したエネルギーを供給できるのですか?建設費が莫大となり、完成しても結局どこの国も使えないものにならないのでしょうか?財政の厳しい国は、結局安易な発電方式(核分裂)に走らないのでしょうか?核融合炉が人類にもたらしてくれるものとは、何でしょうか?それは、だれもが望んでいるのでしょうか?


No.25(続き)

5.未来の子供たちのために

近年、核分裂発電を中止する国が出始めております。日本でも先の事故があった高速増殖炉がほんとに必要かとの議論も多くされております。また、現在も大量に発生する核廃棄物の処理を、単に臭いものにふたをして保管するようなことをしておりますが、だれもがその限界が近い将来発生することを予測しております。

最近、議論されている「二酸化炭素の排気量」も、火力発電が起因する部分もあります。また、水力発電のダムでは、堆積する土石で限界に近づいているものも発生してきております。どれをとっても私たちの子ども、また未来の子どもに対して、安心して電気エネルギーを供給するすべがありません。核融合発電は、これを解消すべくものとなりうるのでしょうか?

6.開発スピードupと確実な目標達成

最近、民間企業では、ますます業務のスピードアップと、仕事の責任の明確化が進んでおります。核融合のような巨大なプロジェクトに対しても、同様なことを進められているかと思いますが、さらに多くの一般の人に目にみえる形で、確実なる進歩が、現在より加速して進められるべきと思います。

また、5000億円もの税金を使うのに、意見書にかかれているような「失敗するようなストーリー」を最初から考えているようでは、このプロジェクトにたいして、賛同できません。確実に目標を達成するストーリーを、責任をもって実行していただきたい。(巨額な税金を使うにあたって、無責任である。)自分が一生懸命貯めたお金を、大きなリスクを持った投資をするときに、安心して投資してもらうには何をすべきかを考えていただきたい。

7.核融合炉に対しての希望

宇宙に浮かぶ恒星は、その内部で核融合を起こして、自らエネルギーをつくっております。その意味では、核融合自身は自然界に遠い昔から存在していたものです。それを、人間の手で作ることが、これほど大変なことなのですね。未来の子供たちへ残してあげられるエネルギー源の1つの希望として、核融合炉の早期実用化を望みます。そのためにも、1日も早く、そして確実な結果を出していただきたいと願います。


No.26

吉田 元永 (年齢 38歳)

(概要)

(意見)


No.26(続き)

以 上


No.27

片岡 良之 (年齢 48歳)

(概要)

報告書案に対し、基本的に賛同する。政府には報告書案での提言を考慮した、前向きな判断を切望する。

(意見)

エネルギー資源に乏しい日本にとって、核融合は一つの魅力ある選択肢である。世界的な研究装置を持ち、世界中の研究者・技術者が集合する場を国内に構築することは、技術立国を指向する日本にとって有効な策である。

利益の多くは、報告書案に記載されている。その他にも日本に集合する多くの世界的な研究者達との交流により、大学・研究機関のレベルの向上、ひいては大学教育の活性化、若手研究者の育成にも、貢献するという効果の可能性がある。当然、国内において、この効果を生じせしめる雰囲気・体制を形成する努力が必要であるが、可能性は大きいと考える。

報告書案の中に、このような大学等の研究者・技術者育成に対する正の効果の可能性を加えても良いのではないかと考える。


No.28

川島 秀一 (年齢 43歳)

(概要)

我が国は,核融合発電の実現に向けて,一番努力しなければならない立場にある。諸外国の態度がどうであれ,ITERは,100%我が国の予算で建設すべきである。

(意見)

我が国は,世界の中で最もエネルギー資源の乏しい国の1つである。したがって,国民が将来に渡り永続的に豊かな生活を維持していけるように,核融合発電の実現に向けて,一番努力しなければならない立場にある。よって,諸外国の態度がどうであれ,我が国単独であっても,強力に核融合発電を推進していく必要がある。核融合発電の開発は,米国のアポロ計画に匹敵するような我が国初の国家プロジェクトとして位置づけ,21世紀中に商用炉を建設するスケジュールを明確にしていく必要があると考える。当然,万難を排して開発予算を優先的に配分する必要があると考える。ITERは,米ソ冷戦の最中に生まれた政治的産物であるが,今後我が国の商用炉建設スケジュールに組み込み,100%我が国の予算で建設しなければ意味が無いと考える。これは,次のような利点を有している。①我が国のエネルギービジョンを明確に打ち出すことにより,国民の将来へのエネルギー不足に対する不安が払拭される。②「何を考えているか分からない国」と言われる我が国の考え方を諸外国に初めて明確に示すことができる。③産業界が活性化すると共に,ニューディール政策と同様な景気浮揚策に成り得る。④広く諸外国の科学技術者を受け入れることにより,我が国の国際貢献度が向上する。⑤我が国に諸外国の科学技術者が多数滞在することにより,外国からの侵略抑止効果が得られる。⑥諸外国の科学技術者との協力によって成果をあげた先端技術を優先的に支配することにより,我が国は将来の知的所有権の大半を所有することができる。逆に,100%我が国の予算で建設しない場合は,上記利点が活かされないばかりか,諸外国とのコンセンサスが取れない,我が国がリーダーシップを取れずに成果を享受できない等の欠点が現れるため,ITERは建設すべきではないと考える。外国にITERを建設する場合は,尚更である。


No.29

後藤 義則 (年齢 51歳)

(概要)

ITERの日本誘致に賛成です。科学技術大国にふさわしい国際貢献をする極めて希な機会を逃さず実現してほしい。最近の公共事業よりも有効な税金の使い道です。

(意見)

ITERの日本誘致に賛成です。

参加国の中でも特に日本に一番メリットがあり、なおかつ、これまであまり果たして来なかった単純経済貢献以外の国際貢献をするきわめて希な機会をのがさず実現してほしい。必要資金も決して少ないとは思いませんが、昨今話題になってる某干拓事業や、カンフル剤でしかない公共事業の規模と比べると費用対効果ははるかに優れていると考えます。

報告書案で気になった点があります。

5章で成功と失敗のカテゴリー分けをし、このプロジェクトの成否の意味づけをしてますが、そのうち、3)、4)は、難解です。思うに、3)は2)に含まれるのではないでしょうか。エネルギー需要が縮小しても、新エネルギーが競争力をもつなら、従来エネルギーに取って代われるはず。技術が完成しても不要になるということは競争力が無いということではないでしょうか。

4)は更に何を主張したいのか分かりません。一般論として100%大丈夫ということはあり得ないのは当たり前のことであり、それをわざわざ難解な言い回しで述べるのは裏に何かがあるのではと勘ぐりたくもなります。100%の成功を確信して、その実現のために毎日、更に今後も汗を流そうとしている現場の科学者・技術者の士気も削ぐ文面と思います。開発プロジェクトにリスクはつきものです。4)は削除すべき、または書くなら何を主張したいのか分かり易く書くべきです。

誘致実現に向け、建設場所の選定はもちろん、必要な組織、体制づくりを速やかに進められることを期待します。


No.30

勝田 忠広 (年齢 32歳)

(概要)

核融合研究に多くの時間、資金、研究者を投入しているが、持続可能な将来に必要なエネルギー源にふさわしいとは考えられず、原子力推進の延長に過ぎないことが分かった。

(意見)

核融合研究をこのまま進めるには、少なくとも次の5点で無理がある。

  1. 核融合は「核反応」を用いる点で原子力との違いはない。「危険性が少ない」とはたんに核暴走が原理的にないだけで、それは核融合反応の不安定性さも意味する。また「高レベル放射性廃棄物がない」とは分類上の話に過ぎず、しかも他の放射性廃棄物は発生する。
  2. 原子力が使用されているのは、国の協力な推進、メーカーの利潤追求や経済発展の考え方に合致するからで、高度経済成長を終え電力自由化を迎えた現在では見直しが必要と思う。利用者である市民は「危険で放射性廃棄物の捨て場所はないが仕方なく使う」という考え方も多いはずである。つまり「核エネルギー」を本当に全ての日本人が認めているとの証明がこの報告書でされていない以上、同じ核反応を使う核融合研究に進むことは出来ない。
  3. 自然エネルギーは「技術課題の克服が必要」「現実的でない」と簡単に述べているが、多くの時間・資金・研究者を投入しても物理・工学上の問題が次々と現れる核融合より大変だとは考えられない。自然エネルギーについては、技術的課題は既存技術の改良で解決出来るものがほとんどで、普及を阻害しているのは制度上による制約である。自然エネルギーに原子力や核融合と同様の労力を投入していない以上、比較は出来ない。
  4. 国際協力上核融合は必要とあるが、なぜ他の研究と比較してもなお、核融合が一番ふさわしいのかが残念ながら示されていない。
  5. 5.「長期的には核融合は必要」とあるが、長期的には時代や人間も変わり、多くの先進国は、大量生産・大量消費の時代を経て、人口・労働者人口も減少する経過をたどる。「将来世代に影響を与えない持続可能な社会」が第一という社会を迎えれば、核融合は全く必要性が見出されない。むしろ核融合を必要としない社会を目指すべきではないだろうか。


No.31

金田 隆一 (年齢 75歳)

(概要)

 100年以後の苫小牧、北海道住民の安全と環境保全を考え、イーターの苫東誘致に反対します。

(意見)

 昨年暮から本年2月にかけて開催された苫小牧市議会の総合開発特別委員会では、反対、慎重審議要請の陳情書が、計5本提案され、鳥越市長の意志に反してイーターの苫東誘致は決定できず、結果として継続審議となった。

 イーターは核分裂と違い、低レベル放射性物質による核融合であるが、その研究は未だ未知の世界の実験研究中であり、研究が始ってから半世紀たつも実用化のめどはたたず、ためにその長年月の期間と莫大な資金を必要とするため、中心的主要国であった米国は手を引いてしまい、残されたのは、財力のあまりないロシアと赤字財政に苦しんでいる日本。そしてEUだけである。しかも低レベルとは申せ、トリチウムは放射性物質であることには変りなく、現在イラクにおいても米軍のイラク攻撃に使用された劣化ウラン弾による白血病等の子供を中心とした死者が増大している事実は(世界2001年5月号)、その危険性を実証してあまりあるものがある。しかもその廃棄物は地下50-100mのコンクリート等の容器で100年単位の保管を、しかも現地で、すなわち苫東で処理することが国の基本方針であることを知る時、苫小牧に居住する者として、子、孫、否市民の安全が脅かされる可能性を思い、大いなる危惧をもつのは当然のことと考えられます。

 イーターの苫東誘致は、その拡散によっては、北海道全体の安全性、良好な環境保全性を考えても到底許すことのできない危険性を有する装置であると判断せざるをえません。ゆえにイーターの苫東誘致には反対を表明致します。


No.32

難波 秀雄 (年齢 51歳)

(概要)

将来のエネルギー安定供給と、地球環境を次世代にクリーンな形で維持引き継ぐために、ITERの開発は必要であり、その安全性を確保した開発に積極的に日本も参画すべきである。

(意見)

将来のエネルギー安定供給と、地球環境を次世代にクリーンな形で維持引き継ぐといった大きな観点からエネルギー問題を考えるならば、人類にとってITERの開発は必要である。自然エネルギー利用も地球環境維持に有効と考えられるが、大容量エネルギーの安定供給の観点からは不十分であると考えられる。

これまでの3極によるITERの開発において基本的技術はほぼ確立されてきたものと解釈される。安全性や経済性の確認のためには一歩踏み込んだ大規模な設備を用いた確証が必要である。懇談会での一部の意見にあるようにまだ確立あるいは高度化する必要のある技術があるならば、学識経験者の意見を反映し、課題を明確にし、早急に研究開発を行い、情報公開のもとに安全性が高く経済的にも成立する技術の確立が必要である。単に効率だけの問題であれば、大型の試験設備で改良を加えていけるのではないか。私たちエネルギー消費者たちは無駄をなくす努力をしなければならないが、国レベルでは安全を最優先に国際協力のもとにITERの開発促進をしてもらいたい。

以上


No.33

安井 均 (年齢 45歳)

(概要)

原子力委員会ITER計画懇談会殿でまとめられた提案通り、5,000億円を投入してITER計画に主体的に参加すべきと考える。

(意見)

国際情勢における日本の果たす役割として核融合研究はその最優先課題と考える。また、そのためには政治指導力との協調が必要と考える。

現在においても核融合こそが夢のエネルギーであることはかわりが無く、かつ巨額の継続投資が必須の巨大技術プロジェクトである。資源無き国として、国民全体で一人一人が最大限の努力を続ける日本であるが、今こそこの核融合プロジェクトに日本が最大の役割を果たすべき時が来たと感じる。

原子力政策に関しては種々の問題により非常に難しい時期を迎えていると思われるが、地球規模、人類のこれからの1万年の未来を考えた時に、現在の日本国が何をなすべきかを考えれば核融合開発は日本が率先して実施すべきプロジェクトと考える。日本のみが成し遂げる技術とすべきでもある。(宇宙関連技術も日本は無償の奉仕をすべき)

5,000億円というのはこの国際プロジェクトとしては少し金額が小さいと感じる。日本が21世紀において世界に果たす役割の大きな1つの柱として政治力(国際政治力)を発揮し、多額の金額も投入することで世界に寄与すべきと考える。

技術的な方向が正しいのかどうかは外部の知恵を入れてチェックして頂きたい。(トカマク、トリチウム等昔から変化無いが停滞気味?)

プロジェクトの遂行にあたっては、世界を束ねて行く気概を持ち、投入資金に見合った研究成果を全世界の人類全体に強く訴えて頂きたい。

以上


No.34

神尾 多門 (年齢 63歳)

(概要)

 全面的に賛成です。

(意見)

 ITERは重水素と三重水素を融合させたエネルギーを発電に利用する事になる事から水力、火力、風力、太陽光とは自然界からの影響が大でありその点からはITERは供給が安定化し期待をしております。

 又設置場所がどの国になるか決定していない所ですが各関係の御努力で日本に設置する事になった場合是非那珂町に設置される事を期待します。


No.35

浅沼 徳子 (年齢 27歳)

(概要)

 実験炉ITERは、核融合開発の存続を懸けた注目すべき計画であると感じる。この計画の意義が広く理解され、計画の進行に伴い人類の恩恵となる何らかの効果が生じれば評価できる。

(意見)

 ITER計画懇談会報告書(案)を拝読して第一に感じたことは、非常に長いタイムスケールでの計画であり、計画の成功と失敗の狭間で、如何に意義を持たせるか、また如何にその可能性に資金を投じることができるかということに、必死であると感じた。核分裂反応を利用した原子炉での経験を生かし、核融合が、エネルギー資源、安全対策、廃棄物処理・処分、国際関係等で対応し得ることは理解できる。しかし、核融合炉が原子炉と違い、自己制御性が高く暴走反応は起こり得ないという特徴は、裏を返せば核融合反応は原理的に可能であっても実際は起こりにくいということを連想してしまう。核融合炉の実現のためには、まず核融合の「無理」「不可能」というイメージを払拭する必要がある。特に、科学者(核融合に悲観的な者は多いと思う)の理解を得ることが必要かと思う。そのためにも、実験炉ITERは注目すべき計画であるし、是非とも成功させる必要があり、背水の陣で臨んでほしい。

 実際問題として、多額の投資と時間が必要であることは避けがたい問題である。本文でも触れていたように、成功か失敗かのりスクが本質的に回避できない計画に多額の費用を投じるのは困難であろう。原子力に対する風当たりが強まる今日において、この計画を正当化するには、核融合での技術開発が他分野へ応用できるなど、科学技術の進展等への寄与を組み合わせる以外に方法はないと思う。商用ベースに乗るまでは様々な段階を踏む必要があり、それに費やされる時間と費用は科学技術・産業が発展するための必要経費、まさに投資である。ただ、その意味で核融合は非常に長いタイムスケールでの取り組みが必要なだけであろう。現段階で遠い未来を包含するような議論は、かえって非現実的なものを感じる。むしろ、核融合の技術開発に伴って生まれた手法や経験等が、多岐にわたって生かされることで、成否によらず評価されるのではないか。


No.36

森山 泰夫 (年齢 70歳)

(概要)

(意見)

1.【必要性】化石燃料がが発生する有害ガスや、将来に予想されるその枯渇、さらに原子炉が出す放射線廃棄物などについて考えるとき、重水素の核融合による莫大かつクリーンなエネルギーに寄せる期待は大きい。しかもその原料は無尽蔵の海水である。

2.【夢への期待】核融合エネルギーは、発電のほかにも、超高熱・光線・気圧変化などの抑制や、波及効果により、画期的な進歩を生むであろう。鉱石や金属の超高熱溶解による新鉱物・新合金の出現。有害廃棄物の超高熱処理による無害化。掘削・削岩技術の飛躍的進歩。家庭への温水供給。ジェット推進式列車の開発。さらに、新物質・新薬品の開発。熱・光線医療の躍進、等々。このほか、今は考えられないような夢が実現できよう。

3.【可能性】この計画は人類未経験の分野であるため、完成時点の不明確なのが一つの弱点であるが、しかし研究実験は進んでおり、日・(米)・EU・ロの国々が、必須の人類的課題として研究協力している。可能性を信じ、期待を持って推進すべき計画と考える。

4.【安全性】核融合の際に発生する中性子遮蔽材料から、若干の放射化金属が発生することがわかっているので、その処理方法について十分な研究を進めなければならない。また遮蔽材料の研究も必要である。

5.【日本招致】日本の核融合研究は世界のトップ・レベルにあるから、ITERの日本誘致は、十分な正当性がある。設置経費は莫大であるが(試算5,000億)、しかしどの国かが中心になって、この人類的課題を推進しなければならない。日本が率先してこの歴史的役割を担いたいものである。なお、ITER誘致による効果としては、国民の研究意識の向上、雇用増加、部品調達による産業の活性化、施設の見学利用などが考えられる。


No.37

小川 勉 (年齢 49歳)

(概要)

 環境に重大な影響を及ぼしかねないITERの日本誘致より、日本の技術力を生かした自然エネルギーの研究開発こそ世界の人々の求める道

(意見)

 私は、ラムサール条約に指定されたウトナイ湖のある苫小牧の住民ですが、苫小牧東部開発の失敗を糊塗しようとしてなのでしょうか、道や市は70パーセント以上の市民の反対の声に耳をかさず、ITERの導入を決めようとしています。

 この建設予定地には、ウトナイ湖と同等の価値がある弁天沼と湿原が広がり、自然豊かな動植物や野鳥の楽園でもあります。周辺には市街地があり裾野を多くの農家や漁業者が生計を立てています。

 私は、賛成、反対双方の講演会等に数多く参加して意見を聞いてきましたが燃料に使われるトリチウムの毒性の高さや、制御の難しさ、原発と比較してもITER本体の技術レベルの複雑さに起因して予想されるディスラプションや各種のトラブルなど、苫小牧は勿論のこと人口密度の高い日本においてITER建設は相応しくないと考えます。

 いま世界の世論は、地球環境の保全の方向にむかっています。ITER賛成の学者が言われるように本当にクリーンエネルギーなのかには、甚だ大きな疑問符が付きます。

 放射性廃棄物が大量に排出され、地元の地下に埋められることや、原発なみの安全基準で管理しなければならないものが、世界の環境世論に受け入れられるとはとても考えられないことです。

 日本国の貴重な財源を、世界の嘲笑さえも受けかねないITER建設のために使うのではなく、真にクリーンで雇用の増大を保障し、建設コスト、運転コストに優れた自然エネルギーの研究とその事業の推進にこそ使用すべきです。

 住民や国民が胸を張って世界に自慢できるような科学技術の応用、発展の方向を是非考えていただきたいと願っています。


No.38

柏原 毅 (年齢 58歳)

(概要)

 化石燃料は有限であり、環境汚染の問題等、将来のことを考える時、今からイーターの研究をすべきと考えます。

(意見)

 現在の生活水準は科学の進歩によって、もたらされたものと思います。100%良いことばかりではありません。リスクもありました。リスクだけ取り上げていると一歩も前へ進みません。今のまま放置して進むと、近い将来環境汚染で大変なことになりそうです。

 次の世代の人々によりよい環境を残すためにも、可能性があるなら、研究してみるべきではないでしょうか。その結果どのような問題が有り、その問題の克復について、大いに議論をしてほしいと思います。どんな問題でもオープンにして、一部の専門家だけでなく、みんなで共有すべきだと思います。


No.39

高田 公友 (年齢 63歳)

(概要)

 日本へのイーター誘致が計画されていますが、安全性の確証もなく、多額の税金の無駄遣いです。

断固反対します。

(意見)

 イーター計画懇談会報告書(案)を読みましたが、国民に提供しなければならない重要な多くの情報が、欠落しています。

(1)核融合の最も重要な燃料であるトリチウムは、日本では産出せず、アメリカ、カナダ、ローデシア等で僅かに産出するのみで、地域的にも量的にも偏在していること。

(2)核融合の致命的欠陥である炉壁の材料が開発されていないこと。現在の炉壁では原発よりも10倍以上強い核融合の高速中性子に炉壁が破壊され、6ケ月で交換しなければならず、稼働率の大幅低下、物凄いコストアップには、触れていないこと。

(3)イーターは危険だから科学技術庁は、原発並みの安全性を適用すると決定しているにも拘わらず、ディスラプション、クエンチ現象防止技術が未完成、トリチウム閉じ込め技術も未完成、39,000トン出る核廃棄物の処理技術も未完成で、処理費用も明示されていないこと。

(4)北海道イーター誘致期成会の資料によるとイーター建設費は、関連施設整備費を含めて15166億円(内イーター本体6000億円)で20年間の運転費用は、6000億円~8000億円となっています。

 以上の様な重要な情報を隠したままの誘致推進に怒りで一杯です。安全性の確証もなく多額の税金の熊駄遣いであるイーター日本誘致には断固反対します。


No.40

野元 義雄 (年齢 51歳)

(概要)

エネルギー問題に対する選択肢の一つとして積極的に推進してください。建設費を5000億からさらに縮小してください。軍事転用に結びつかない技術開発としてください。

(意見)

懇談会報告書を拝見いたしました。

ITERに対する投資を保険として表現されておりますが、報告書としてはもっと積極的な表現が欲しかったと思います。

核融合開発は巨大科学技術であり、それゆえに社会的に批判の対象となることは避けられないと考えますし、それはむしろ望ましいことと思っています。エネルギー問題などの地球規模の課題に対処する方策がこのような巨大科学によって得られるのか、従来技術の発達と同様、突然新技術が発生し支配的な技術となるのかは将来のことですので私にはわからないところです。また核融合技術にも報告書に触れられておりますように種々の手法があることをきいております。

しかしエネルギー問題について頬かむりをきめこむことは許されないと考えます。ITERについてはJT60の結果などからはまだまだ課題の多さが感じられますが、将来技術と割り切って考えています。またとかく巨大科学は軍事技術と結びつきがちです。非軍事的な側面からのITER技術を進めていただきたい。軍事利用に結びつきそうな技術は核融合の達成に有効と考えられても採用しないでいただきたい。ただ5000億円の建設費については大きすぎると考えます。前にも述べましたように、エネルギー問題解決のエースは誰にもわからないのが真実だと思います。あまり大きな金額は他の選択肢を拒むことになり、独善的なプロジェクト運営につながるでしょう。

建設サイトについてもぜひ日本に誘致し、21世紀における日本の科学分野での世界貢献のシンボルにしていただきたい。

是非、予算規模を縮小したうえで積極的に推進して欲しいと思います。


No.41

永島 孝 (年齢 60歳)

(概要)

ITER計画への主体的な参加と国内誘致の意義が大きいとする結論に賛成。要旨に、安全性に関連して低放射化材料開発の重要性と計画の持つプラスの面の追記すべき。

(意見)

ITER計画懇談会報告書(案)の結論に賛成である。核融合が将来の有力なエネルギー源の一つの選択肢である限り、ITERへの投資は、人類の将来の自由度を保障する保険料という位置付けは適切と思う。環境問題等の制約から地球規模でのエネルギーの使用条件は、近未来には難しくなるであろう。主たるエネルギー資源の無い日本においては、もっと厳しい悲劇的な状況が予想される。次世代の人のために早い時期に、選択肢を増やす努力をすべきである。

本報告書での核融合研究の現状認識、ITER計画に関する分析、把握の仕方等は、適切だと思う。外国の友人から、日本は他国の研究開発の成果の良いところだけをつまみ食いしているという批判を受け、ハッとすることがある。実際我が国は、真に新しいリスクのある大型プロジェクトを実施したことが無く、今回はここに述べられているように、その数少ない貴重な機会であり、ITER計画への参加だけでなくITERの国内誘致を積極的に進めるべきである。

本報告書は、全体として良く整理されていると思うが、この要旨には重要な点である下記の2項目が抜けているので追加修正すべきである。

1)(我が国としてのITER計画の進め方)の「④ 安全性について・・・求められる。」の後に、「また、今後の研究課題としては、その発生の低減化を図る低放射化材料の開発が重要である。」を追加する。材料開発は、核融合エネルギーを魅力あるものにするための重要な要素の一つである。

2)(我が国としてのITER計画の進め方)の「・・・、あたかも人類の将来の自由度を保障する保険料と見做すべきと受け止めている。」の後に、ITER計画の持つプラスの評価の面(本文の項目5の最後から3番目のパラグラフの要旨「また、核融合エネルギー開発過程・・・信頼感を生むことになろう。」)を追加する。計画の持つプラス面を強調することは大切である。


No.42

山本 祀彦 (年齢 59歳)

(概要)

基本的に報告書の内容に賛同しますが、エネルギー資源をほとんど持たない日本の状況、廃棄物の量/質、設置場所の条件等につき、もうすこし説明することが必要と思います。

(意見)

  1. 化石燃料の可採埋蔵量は約200年と言われていますが、人類の祖先が発生してから数百万年たっていることから考えると、この年限は、人類の歴史の一瞬にすぎません。化石燃料は有限であり、再生産不可であることは、認めざるを得ません。エネルギー資源のほとんどを他国に依存している日本は一日も早く主力となりうる代替エネルギーの開発を行うべきであり、その最も有望な選択肢が核融合であると思います。しかしながら、原子力に反対する人達は、自然エネルギー(太陽光発電、風力発電等)の開発を優先すべきと主張しています。これらの、エネルギー源は、主力エネルギーとしては、難がある事を技術的/定量的に示す必要があると思います。
  2. ITERが廃炉の段階(20年)では、3万9千トンの放射性廃棄物がでると予想されていますが、この数字だけを見ますと大量な核廃棄物との一般的印象を与えております。高レベル核燃料廃棄物を発生する原発と比較すると核燃料廃棄物はなく、放射性廃棄物は、炉等の低レベル放射化廃棄物です。量的な面を考えても、例えば、100万kwの石炭火力発電所は、年間約240万トンの石炭を燃焼しますが、この内、廃棄物として、約24万トンは石炭灰として残り、200万トン以上は炭酸ガスとなり大気中に排出されています。石油においても然りで、世界中で発生している炭酸ガスの量は天文学的な数字になります。これが、地球の温暖化をおこすわけですから、核融合が環境に与える負荷が非常に少ないことを比較して説明すべきと思います。
  3. 国際プロジェクトとして、特に海外の研究者/家族に快適な生活環境を提供できる場所、本国との往来が頻繁にあり、また、世界中から多くの視察者の来ることが予想されるため、アクセスが容易な設置場所を日本としては提供すべきで、国内プロジェクトに見られるような政治的選択を出来るだけ排除すべきと思われます。


No.43

大藪 修義 (年齢 54歳)

(概要)

ITER(トカマク)は、炉への展望を考えた時、本質的な技術的問題をかかえており、これを解決せずにおいての核燃焼実験は、無意味である。

(意見)

トカマク炉の欠陥は、電流分布の不安定性による閉じ込め機能の急激な崩壊がしばしば発生して、装置機器に大きな損傷を与えることである。また電流の定常維持のために、炉全体のエネルギー収支に影響を与える程の大きなパワーの高速粒子(あるいは電磁波)を定常的(炉では、最低数ヶ月)注入し続けること要求され、想像を絶する。それ以外にもダイバータ板、第一壁での熱処理、エロージョン問題など厳しい課題がある.  ITERは、巨額の予算を必要とするため懇談会のメンバーを含め一般人には、あたかも核融合炉に直結するかのよう説明されている。その証拠として報告書でも成功と失敗とのカテゴリーの議論で最悪のカテゴリー(4)として「技術的に失敗する。現在のところ、本質的に困難な問題は指摘されていないが、どんな技術でも・・・・・」とある。トロイダルプラズマの閉じ込めを研究している多くの科学者は、トカマクは、優れたプラズマパラメータを達成しているが、上述の本質的欠陥を有していると考えている. それ故に米国は、ITERから撤退し、ヘリカル等の代替方式の研究が世界中で行われているのである。この現実を無視して、日本に誘致し、建設にいたれば、大変な事態になる。故Feymann教授のスペースシャトル事故調査委員会での言葉が、ここでもよく当てはまる.  For a successful technology, reality must take precedence over public relations since Nature can not be fooled. 巨額資金を投じて、プラズマを燃焼させても物理、技術的にはたいして意味はなく、その結果として核融合研究は、社会からの信頼を失うことになる。地道な努力によってまず物理及び技術的諸問題を解決することこそがなりより重要であり、炉への近道である. 


No.44

湯谷 順明 (年齢 55歳)

(概要)

 ITER建設に賛成です。

(意見)

 結論から先に申し上げますと、私はITER建設に賛成です。なお、私は原子力関係者でありますが、ITER関係者ではありません。

 賛成する理由は、

(1) 核分裂炉に比較して少ないとは言え、放射性廃棄物が生じて負の資産となるので、ほかに有望なエネルギー源があれば、核融合は必要ないかもしれないが、現状ではそう言えない。

(2) 技術の多くは物を作ってみないと発展しないものです。核融合もそういう段階にきていると思われます。

(3) ITER建設が時期尚早と判断して、10年も20年も先に延ばすと、技術が伝承されません。特に実際に設計・製作するメーカーの研究者・技術者がいなくなってしまします。

です。

以上


No.45

新保 利定 (年齢 63歳)

(概要)

 科学的な意義、将来の人類に対する貢献を勘案して、次段階の重要課題であるITER計画に積極的に参画し、特に、日本が設置国になることに賛成する。

(意見)

 核融合エネルギーの長所は、燃料資源が偏在しない、安全性と環境性に優れている、風力発電や太陽光発電に較べて大電力を安定に供給できることにある。

 これまでの研究開発を観ると、核融合炉心プラズマの生成・制御技術は、JT-60等のトカマク方式で大きく進歩した。核融合反応からエネルギーを取り出すためには、今後下記2項目の開発が必要であると考える。

① 超伝導磁石、トリチウムの取扱い、装置を稼働させるための大容量電源等に係る工学技術の統合化による実機総合試験

② 実燃料(重水素とトリチウム)の長時間燃焼の実証

 ITER計画は、上記①と②を目的とし、かつ将来の発電プラントに直接つながる装置概念となっていることから、建設の科学的意義は高い。

 エネルギー資源の大半を外国からの輸入に依存している日本の現状を考えると、核融合の開発は積極的に進めるべきであり、特に、世界をリードしてきた研究開発の成果や核分裂炉で培れた経験を発展・継承させるため、日本が設置国となることに賛成する。

 核融合発電の実用には、今後数十年を要するものと理解している。世界的な電力供給不足の傾向(米国カリフォルニア州の停電や欧州各国における電力の売り買い)、化石燃料の枯渇化や地球温暖化の諸問題を概観すると、長期的な視点からも核融合の開発を継続・進展させていくことが必要となろう。

 ITER計画に積極的に参画し、特に、日本が設置国になることは、人類将来に対する責務並びに科学技術分野における日本のリーダーシップ発揮の観点から意義深い。


No.46

田口 文雄 (年齢 60歳)

(概要)

 ITER計画の実現は、将来の人類に大きく貢献すると考えます。日本の技術者集団の能力を最大限有効に活用するため、ITERの日本設置に賛成します。

(意見)

 核融合反応を利用する新しい電力エネルギーの開発に関心を持っています。その理由は、将来の人類は、地球温暖化による環境制約等のため、化石燃料を使わないで大電力を安定して供給出来る新しい発電プラントが必要となる、と考えているからであります。

 報告書案資料を読んだ所、ITERは、将来の核融合発電プラントにつながる重要なステップであることが理解できました。実用化には時間がかかるものの、先ず、ITERを建設し、次に発電プラントの実証と段階的に開発を進めることは、開発に伴うリスクを少なくするためには、正しい判断であると思います。

 私は、産業界で長年に亘り発電所施設の建設、運転、保守や管理業務に携わってきました。ITERでは、各国で製作した多くの機器が、設置国において検査、組み立て及び全体統合化が行われることと思います。

 ITERの設置国が日本になれば、組立・全体統合化等に係るノウハウの確立、機器・装置の運転経験の蓄積、及び核融合施設全体の運転管理技術の構築等、我が国の産業界や技術者集団にとって大変魅力的な状況を開拓することが可能となります。

 日本における各技術分野の専門家達の能力を最大限有効に活用するには、ITERの日本設置が鍵である、と考え、私は、ITERを日本に設置することに賛成であります。

 日本の核融合開発は、これまで官・研究機関・産業界が一体となって効率的に進められてきた、と考えております。この三者一体の元に、「日本でITERの建設」を実現して頂きたい。


No.47

根本 傳次郎 (年齢 61歳)

(概要)

 放射性廃棄物の処理処分方式の確立、トリチウムの封じ込め等安全確保を条件に、ITER計画懇談会報告書(案)結言の観点から、ITERの設置国になることは賛成する。

(意見)

 平成13年3月、原子力委員会ITER計画懇談会、報告書(案)-国際熱核隔合炉(ITER)計画の進め方-を理解・賛同し、ITERの設置国になることに全面的に賛成いたします。


No.48

稲川 敏夫 (年齢 52歳)

(概要)

 全面的に賛成

(意見)


No.49

荒木 隆夫 (年齢 48歳)

(概要)

 核融合エネルギーは他の新エネルギー源と同様に将来のエネルギー源の選択肢の一つであり、ITERはそれを実現するための重要なステップであるので積極的に推進するべきである。

(意見)

 最近、新エネルギーとして燃料電池など水素エネルギーを利用した分散型エネルギーシステムがテレビなどで放送され注目されている。私はこのような分散型エネルギーシステムの開発は非常に重要で推進すべきであると考えているが、発電所などの集中型エネルギーシステムも必要であり、これらをバランスよくミックスすることが重要だと考えている。したがって、将来の集中型エネルギーシステムである核融合発電も燃料電池などの分散型エネルギーシステムも開発を推進すべきと考えている。

 そうなると、あとはそれらを開発するお金があるかないかという話になる。核融合エネルギー実現のための重要なステップであるITERの建設費は数千億円のオーダーだと聞いているが、この金額は、すくなくとも、不良債券問題で国が投入している数兆円というお金に比べれば、十分容認できるものである。以上より、ITERを他の新エネルギー源の開発と同様に、将来のエネルギー源を確保するためのワンステップとして、積極的に推進するべきと考える。


No.50

柏樹 力 (年齢 44歳)

(概要)

 この間の人類の歴史から謙虚に学び、人類がコントロール出来ないようなエネルギー開発は将来にわたって様々な影響を我々と環境に与える。現在の原子力発電と同じような安全神話で、「地域の活性化につながる」などという次元で判断するような問題ではありません。そんな事では、ITERの誘致に賛成する事は出来ません。

(意見)

 私は、札幌に住む病院に勤務する診療放射線技師です。国際熱核融合実験炉ITERの苫小牧誘致の問題について私の意見を述べさせていただきます。

 核融合についての知識は専門外ですが、放射線や放射能の問題には職業の関係もありますが無関心ではいられません。この問題の根本的なところは、日本の将来のエネルギー政策そのものです。原子力発電の問題と同じです。私も医療での放射線の利用に日常的にかかわっておりますので、核エネルギーの平和利用そのものに異論を唱えることはありません。しかし、我々人類が、放射能、放射線と深いかかわりをもって暮らしてきております。放射線、放射能は、利用の仕方によっては両刀の刃となります。この間の人類の歴史から謙虚に学ぶ必要があります。そうしないと原子爆弾や、重大な原発事故や核事故のように人間の生命まで脅かすことになります。また、環境汚染をひき起こせばその開放されたエネルギーのコントロールは、人間の手を離れ将来にわたって様々な影響を我々と環境に与えるでしょう。そのような事態に絶対ならない保障があるならば推進する事も認められますが、現在の原子力発電と同じように安全神話に取り付かれ、「地域の活性化につながる」などという次元で判断するような事では賛成する事は出来ません。少なくとも十分な実験室レベルでのデーターを積み上げと、安全性を確認し、あらゆる事故にも対応できるような能力を身につけるまでは研究室での議論でしかないと思います。少なくても、原子力発電の現状を見ても、続発する事故、多量に発生する高レベル放射性廃棄物処理にかかわる安全な処理技術が確立していない現時点では、核融合実験炉そのものがどんなものであるのかさえ私たちには十分な情報を与えられていないのが現状です。

 したがって、地域住民に本当に責任のある立場で考えれば、地域の経済効果だけで判断するような問題ではないと考えます。将来にわたっての安定した社会生活を保障するためには、エネルギーの問題について国民全体で考えるべき問題であることには賛成します。

-以 上-


No.51

菊地 裕美子 (年齢 22歳)

(概要)

 地球環境を守りながら出来るITERの誘致に賛成します。

(意見)

 私はITERの誘致に賛成です。石油や石炭などの燃料が残り少ない中で使い続けていくのは、将来自分達がこまることになります。地球環境を破壊せずに出来ることは、とても良い事だと思います。


No.52

長崎 晋也 (年齢 38歳)

(概要)

成功することを指標とする国家プロジェクトとして誘致すべきである。しかし、それが単に研究者の興味を満足させるだけの研究費配算なら、誘致は無駄である。

(意見)

小職は、核融合には全く関係のない者であるが、大学教官として教育と研究を行う立場から、また、日頃から日本の原子力の現状と将来に関心を持っている立場から、意見を述べる。

部外者から見た最近の日本誘致の議論は、誘致されることになると、研究予算の大部分がITERの建設費に回され、このため大学や研究所などでは、これまで様々な努力で理解を受けて確保してきた研究予算が削減される、言い換えれば既得権益が侵される、という立場に立ち、いかに自分たちの研究費を確保し続けるかという観点で行われているように思えて仕方がない。

研究者にとって、研究費削減は死活問題であることは確かである。しかし、ITERが大学で学ぶ多くの若い学生に夢を与えていることを知るべきである。小職の在籍する学科においても、半数以上の学生はITERに「夢」を抱いており、また将来は核融合に関連した研究や技術開発に従事したいと考えている。しかし、ITERが日本に誘致されないことになると、日本における核融合炉研究は事実上終ってしまうのではないか。若い学生が「夢」を抱かなくなった分野・産業がどのような末路を辿るかは、火を見るよりも明らかである。一度失わせてしまった夢を再び見せることは、極めて困難である。今は、夢をかなえようという人材を多く確保し、彼らの活躍の場を提供することが核融合研究で最も重要なことである。今誘致に対して決定権を有している大人が"損をして得をとる"という広い気持ちを持ち、若い学生の「夢」に対する決定権は残しておいて欲しいと考える。

ただし、巨額の税金による国家プロジェクトである以上、成功の指標と、失敗の責任体制の明確化が必須である。波及効果があったから良しではダメである。さらに、本当に成功させたいという熱意と責任感のある本物の研究者のみが活躍できるシステムを構築すべきである。無責任な学者の研究費確保の草刈場にならないように。


No.53

大藪 勲 (年齢 60歳)

(概要)

 石油代替エネルギーとして核融合発電の早期実現を目指し、国際協力、経費分担を行うとするITER計画懇談会報告書の進め方はわが国の政策にふさわしいと考える。

(意見)

 将来のエネルギー情勢として、石油資源の枯渇の問題は当然であるが、石油は供給側が価格決定の独占権を持ち、石油価格は現在に於いても高値に張り付いているのが現状であると私は認識している。また数十年後になって、埋蔵量減少傾向が見えてくれば、石油価格は数倍に跳ね上がることが考えられる。このままでは将来エネルギー価格の不安定状態を招くこととなり、石油に代わる代替エネルギーを今のうちから準備し、将来のエネルギー源の選択肢を増やしておく必要がある。

 一方現状の石油文化は環境問題を引き起こしている。環境に対応できるエネルギーとして、太陽・風力・地熱・潮力などの自然エネルギーの利用が検討されているが、現状の豊かな生活レベルを維持出来るだけの発電量は得られない。現状の豊かさを享受し、かつ環境負荷の少ない、しかも豊かな燃料資源に恵まれているという条件を満足する代替エネルギーは核融合エネルギー以外あり得ないと考える。核融合発電を実現するため世界各国と協力し、わが国も応分の経費を分担することは、国際貢献の見地からふさわしいと考える。

 わが国は石油を持たない国として、石油戦略に最も翻弄されやすい状態にあり、脱石油エネルギーすなわち核融合エネルギーの開発に主導権を発揮する必要がある。このような観点からわが国はITERの設置国になることを積極的に推進すべきであると考える。

 以上を基本とする私の考えに基づいて「ITER計画懇談会報告書(案)」に示されている計画の進め方は妥当なものと考える。


No.54

上冨 勇 (年齢 61歳)

(意見)

エネルギー危機がより深刻になっていますが、21世紀の決定的なエネルギー源はいまだ、解決されていないように思います。従って、可能性のあるものについて、開発スピードを上げる必要があります。核融合もこの1つの候補で、早く実用化の目処をつけねばなりません。この点においても、早くITERの開発を軌道に乗せるべきと考えます。

 

以上


No.55

大野 ゆう子 (年齢 45歳)

(意見)

 我が国が、長期にわたる国際的な実験研究計画の「主催国」となることは、どのような分野であれ、現段階の我が国の科学技術振興のためにも必要なことと考えます。

 さらに原子力に対する日本人独特の感覚・感情があるからこそ、ITER計画について前向きに検討する価値があると考えます。

 長期的かつ大規模な研究計画を遂行することは、その計画段階から、教育制度、科学研究支援制度、マンパワー養成計画など多方面に影響を及ぼすと考えられます。

 不安定な学習指導要領策定方針など我が国の教育のあり方は実に不鮮明で、少なくとも医学、科学系大学教育、大学院教育も今後数年間は混乱が予想されます。その場合、どのような制度、システムを構築するか、真剣に討論されるべきで、その視点が国民全体のコンセンサスである必要があります。

 一方、原子力関連の研究については、他分野に比べて国民全体が関心をもっており、比較的厳密な議論を継続しておこなってきた経過があります。

 以上の理由からITER計画について、責任ある参加を前提とした日本科学界、日本社会としての真剣な検討は、21世紀の日本の教育・科学に多大の貢献を為すものと考えます。


No.56

塚本 忠則 (年齢 59歳)

(概要)

生活の必需品となった電力を、将来も不足なく供給するためには、今、次世代の発電方式を選択し、実用化しておく必要がある。核融合発電はその資格を十分備えていると思われる。

(意見)

今や電力は生活の必需品である。次世代の発電方式を考えるとき、化石燃料による火力は地球環境、水力は立地難、原子力は立地難・廃棄物処理等の問題を抱えており、一方、太陽光発電や燃料電池などの新エネルギー源はコスト・効率から普及難の状況にあり、寂しい限りである。

高齢化社会を迎え、働く人(若者)に高負担をしてもらわねばならなくなってきた。エネルギー開発には時間がかかるので、我々が次世代の発電方式を選定し、彼らがエネルギー不足で困らないような手を打っておくことが償いのひとつになると思うがどうだろうか。

核融合エネルギーは、資源の偏在がなく、核分裂より安全対策がとりやすく、高レベル廃棄物がないのであるから、次世代の発電方式の資格を十二分に備えていると思う。

上記観点から、国際協力で進められるITER計画に主体的に参加するためにも、我が国に誘致し、率先垂範して早く核融合発電を実現して欲しい。


No.57

成川 武文 (年齢 59歳)

(概要)

技術立国を目指す我国にとって、テーマの意義、技術の展開性、チヤレンジ性いずれをとってもこれに代わる対象はないと思う。是非このプロジェクトを国内に誘致頂きたい。

(意見)

ITブームに沸き立っている世の中、利便性・コミュニケーションの重要性を否定するものでは有りませんが、強いて位置付けるならば、まず生活がきちんとできて、その次にIT等が位置付けられるものと考えます。エネルギーの供給は生活の基本インフラであります。我々が過去の遺産で確保されたエネルギーを使用して、豊かな生活を営むことが出来ているこの事実を、次世代及び子々孫々にいたるまで踏襲して欲しいと、人類の1人として願っています。遠い将来を含めて、世界の人類にエネルギーの供給を確保していけるのならば、なんと素晴らしいことではありませんか! かく言っても現時点でこのような見通しはないと思います。もし核融合が人類の手で自由に制御できるとしたら、この解決の一つに寄与することは間違いないと見受けられます。従って例え50年、100年かかっても開発を進めるべきです。このための税金が上乗せされても私は払う価値はあると思いますし、払います。報告書では開発投資に対する成果として、いろいろなケースを想定されていますが、やらなければならないテーマは紆余曲折があっても、やりとげるまで頑張るしかないと思います。価値が高いものほど辿り着くまでのハードルは高いでしょうし、自然も簡単に人類にその門戸を開いてくれないでしょう。

 現在のステップでは日本は世界的に大いに貢献できる力があるようなので、その時代時代で貢献できるところが核になって進めるのが、良いとかんがえます。また、得られた成果が広く与えられるのも大切な取り組み方と思います。世界が狭くなり一つになっていこうとしている(もっと将来は地球よりも宇宙が土俵)趨勢から、この代表例としても核融合の開発は宜しいと思います。

 以上の考えから、核融合の開発を行って、我国が世界でもっともっと貢献できるためにも、日本に誘致して開発いただきたくお願いいたします。


No.58

古谷 明雄 (年齢 44歳)

(概要)

本報告書(案)は、我が国へのITER誘致に関する意義を明確に記述して おり、大いに評価できる。

ITER誘致を前提にした今後の政府の決断に期待する。

(意見)

ITER計画は、将来のエネルギー安定供給と先端的科学技術開発の2つの面を有しており、我が国にとって、本計画に参画することによる科学技術研究開発分野への波及効果は大なるものがある。

報告書(案)では、我が国がITER誘致に名乗りを上げることについて意義があること、我が国における誘致候補地の選定にあたっては、地元の理解を充分に得ることが特に重要であること、大型国際協力プロジェクト参画にあたってのプロセスを明らかにしている等、今後、政府の最終決定を行うにあたっての判断項目を明確に記述しており、大いに評価できる。

ITER誘致に関する最終的な判断は、総合科学技術会議の議論に委ねられることになると思われるが、原子力委員会がITER計画の意義と重要性を機会あるごとに国民の合意形成に向けて情報発信を行うことが何と言っても必要である。

報告書(案)の答申を受ける原子力委員会の役割は非常に大きい。

今後の原子力委員会の取組みに期待したい。

以 上


No.59

星野 光秀 (年齢 41歳)

(概要)

長期的な世界のエネルギー安定供給及び地球温暖化対策などの観点から、核融合開発を推進するため、ITERを我が国に誘致すべきことをもっと明確にすべきではないでしょうか。

(意見)

世界のエネルギー安定供給及び地球温暖化の問題を長期的、具体的には、21世紀後半をも視野に入れて考えた場合、エネルギー源に関する選択肢を幅広く持つ必要があるように思われます。核融合には、豊富に存在する少量の資源から大量のエネルギーをCO2を排出せずに、しかも比較的安全かつ高レベルの放射性廃棄物を排出せずに供給できるメリットがあるように思えます。また、核融合研究は、すでに科学的実証段階から実験炉の建設段階に進みつつあり、不確実性は否定できないものの、21世紀半ばには実用化という青写真もあります。したがって、核融合開発を推進するのが賢明な選択と思われます。

実験炉である国際熱核融合炉(ITER)は、核融合研究のポテンシャルが高く、かつ、核融合エネルギーの潜在的ニーズの強い地域に立地すべきものと思われます。今後、現在のアジア途上国、具体的には、中国、インド、インドネシアなどでエネルギー需要の増大が予想されていることを考慮すれば、核融合研究のポテンシャルが高く、かつアジア地域に属する我が国に誘致すべきと思われます。


No.60

平野 昌 (年齢 59歳)

(概要)

 ITER計画については全面的に賛成ですので頑張って実施して下さい。

(意見)


No.61

舘崎 やよい (年齢 59歳)

(概要)

 循環型社会システムの実現のため、ITERの国内誘致は断念すべきです。経済と環境の融合が急務です。

(意見)

 私は、苫小牧で生まれ育ちこうしてこの地を皮膚の一部として暮らして来ました。

 港ができて以来の開発で、昔の緑豊かな湿原地帯は、急速に都市化しました。昨今の子供たちの種々の問題を抱えるのも生活の場に自然が無くなっていることも大いに関係あることです。

 地球環境は重大な局面に立たされており、従来の価値感で成長という豊かさを追求していったらどうなるのかと想像するだけで身震いします。

 安心して生きていく空気、水、土が失われつつあるのです。子供たちに残すべきは、これらの完全保証です。

 勿論、ITERの反対運動にここ10数年かかわっておりますので、その必要性なり問題点なりをこのスペースでは書ききれない位の意見はあります。

 しかし、何も専門家の見解をそのまま記述する必要はありません。

 一人の母親として、処理不可能な放射性廃棄物を生みだす核エネルギーの存在を許しません。

 子供たちの未来がどうなるのだろうと考えて見て下さい。本当の豊かさって何だろうか考えて見て下さい。

 自分の呼吸で、自分のリズムでゆっくりと自然と共生して生きていける方策を早急に実施しなければなりません。これ以上の進歩は要りません。

 エネルギーが不足するといいますが、不足させるような経済システムだからそうなるのです。

 経済優先ではなく環境問題を優先した価値観の変革、循環型社会システムを作りあげて行きましょう。

 エネルギーは、一部の技術者や科学者がコントロールすべきものではありません。

 人類至上にこれ以上、命に対する裏切り行為を繰り返してはなりません。

 ITERの日本誘致を拒否します。


No.62

惣万 芳人 (年齢 53歳)

(概要)

 長期的なエネルギー需要を考え、核融合エネルギーの着実な開発は必須と考えます。また開発に当っては広い分野に渡っての技術力の向上と応用がはかれるよう進めるべきです。

(意見)

 これからは、いわゆる後進国も生活の向上や工業化の進歩に伴なって大量のエネルギーを消費する時代になると考えられます。化石燃料は量的な問題から、原子力は核の拡散から、世界共通のエネルギー源とするには問題があります。このため世界が共通して使えるエネルギー源の開発を今のうちに進めておく必要があります。

 核融合エネルギーは、資源的な問題も少なく、原理も確認されており、あとは技術力で人類共通のエネルギーとして使えるものです。ITER計画も、このような大きな流れに従って提案され、国際共同作業で開発が進められているものと考えられ、積極的に日本が中心になって進め、将来の世界に大きな貢献をすることは重要な意味があると考えられます。

 人類の将来のエネルギー問題が解決できることを考えると、技術的なハードルが高くても、これを完成させることは大きな意義があると考えます。また当然、高い技術は応用や波及効果が多きく、単にエネルギー開発にとどまらず、得られる成果は大きいものがあります。

 当然、技術開発は狭い分野に限らず、広い技術力の向上が必要とされるもので、開発計画も広い視野にとって進める必要があります。またこのような視野のもとでの技術開発から新しい応用のきく技術の進展があるものと思います。

 本計画はITERに関するものですが、核融合の原理は普遍的なもので、ITERの改良、またこれを越える核融合の方式についても、合わせて研究開発するのが、強靱で将来を見通した計画として有効と考えます。


No.63

伊藤 弘治 (年齢 83歳)

(概要)

 現今の日本国の情勢(特に経済)では5000億円というような計画(12/17)には賛成できません。

(意見)

 この頃の日本国は極端に戦前の思想に傾斜していますが現代は表現が巧妙となり表面的には解らない方法で行われています。そのひとつに「国際日本文化センター」があります。これもかなりの投資をもって設立されたものですが、ある目的作用のために作られ、その目的に巧妙に作用できる人材が集って言動を行い、国民を特殊な哲学(?)と宗教観を持つようにしています。現在の国民はバブル時代と異り、ホームレス予備軍の人達が大勢いるのです。よって私はこんな多額の費用を要することには反対です。ついでですが宇宙にホテルのようなものを建設する笑止な計画も反対です。


No.64

加口 仁 (年齢 41歳)

(概要)

ITER計画は人類の将来に貢献しうる計画であり、日本としても積極的に参画し、また、日本への誘致も推進すべきであると考える。推進に当たっては、科学者の意見と共に、産業界の意見も十分に反映して継続的な戦略の策定を行うようお願いしたい。

(意見)

ITER計画は、長期に渡る壮大な計画であり、その規模から国民的な合意が必要であることは理解できるが、国の方針として確固たる態度で推進を行って欲しい。

また、当然ながら、その場合には日本が主体的に実施するためにも、誘致も行うべきであると考える。以上の意見の理由は以下のとおりである。

○ 核融合炉そのものが21世紀後半の人類のエネルギー供給を考えた場合には重要なエネルギー源であること

○ その大きなステップはITERであり、世界(人類)としてそれに取り組むべきである。

○ 日本としても、恩恵を受ける小資源国であることも考えて責任を持って世界を引っ張っていく必要がある。国際社会で期待される日本としての義務と思います。

○ そのためには、日本に誘致することが明確な具体的でアクションと考える

ただし、以下の点について十分配慮願いたい。

○ 核融合炉の建設にあたっては産業界の貢献が必要であるが、科学的な研究に偏ることなく、技術、そして人の維持と言う観点での継続的な工事の確保をお願いしたい。

○ 具体的な国の機関の研究だけの時期が数年に渡ると、民間企業は人材の配置変更も含めて検討せざるを得ず、核融合技術自体が散逸する可能性がある。

○ 産業の維持の観点からは適切な予算を確保していただきたい。今後の国際協業の中では民間企業は将来の不透明さもあり大きなリスクを背負っての投資は困難であろう。

以上、核融合炉を工学、産業として育成するために新たな取組でITERに進むことを希望します。


No.65

勝野 茂春 (年齢 69歳)

(概要)

 この度ITER計画懇談会報告書によれば、ITERの誘致国となることの意義が大きいと結論づけられ、私も推進の意見を申し上げます。

(意見)

 以下のことを考えITERの日本への誘致に賛成致します。

  1.  現在のエネルギー源は電力が主体であり、その需要量は年々拡大し、途上国の将来を考えるとエネルギーの消費量は、現在の4~5倍になると予測されています。
  2.  現在の主力は、水力発電と化石燃料を使用しておりますが、化石燃料の寿命は、今後40年から200年といわれています。また、化石燃料から発生する窒素酸化物、二酸化炭素の等、排出に伴う公害をもたらしており、環境保全の面からも化石燃料は減少させなくてはならない。
  3.  発展途上国を含めて地球規模で考え、先進国の一員である日本も大きな責任と行動をしなければならない。
  4.  最近、クリーンエネルギーの風力発電が各地で行われているが、設置場所が限られることと、発電量の規模が小さく安定した供給が得られない問題がある。

 地球環境の保全のためにも、安定した供給が行われ、かつ安全性の高いエネルギーであるITERの推進をしなければならないと思う。

 近傍の地である苫小牧の東部地域は、自然環境に恵まれ、交通の便も良い平地があり、この地で世界につながる貢献と、将来の子供達に希望が持てるITERの設置をしなければならないと思う。


No.66

高橋 浩 (年齢 45歳)

(概要)

子孫に残せる有意義な公共投資の位置付けからも、是非、我が国にITERを誘致すべきだ。

(意見)

自分の孫達の世代に対して、新しいエネルギの基礎技術を確立しておくことは、自分たち世代の勝手な消費文化により招じせしめたエネルギーの枯渇や温暖化、オゾン層破壊などの悪行への償いとして、是非とも果たさなければならない使命と思う。この内の一つとして核融合は、十分その役割を果たせる技術と信じる。無意味な公共投資に比較すれば、遥かに有意義な投資でも有る。エンジニアリング段階から建設段階、更には運転(実験)段階まで、国民の税金を大量に注ぎ込んで我が国主導で実行する価値は充分認める。

願わくば、以下に留意していただきたい。

  1. 誘致する地元への還元を優先するような招致活動では、全国民の理解は得られない。いっそのこと、皇居か臨界副都心に建設したらどうか。
  2. 炉型について、充分な議論を経た上でトカマクにするなどのステップを踏み、その過程を全国民にわかりやすく説明する。単純にシンパの数だけで他炉型を推す少数意見をネグるような進め方はやめてもらいたい。
  3. 例えば炉内材料の高放射化やすさまじい遠隔保守の実態なども、広く国民に紹介し、その実現に向けた困難さ(技術、コスト双方)の理解を初めから求めておく必要がある。原子力での失敗の二の舞を避ける意味からも。

(実験終了後の高放射化部材は、どのように処分を構想してるのでしょうか?)

以上


No.67

岡野 邦彦 (年齢 46歳)

(概要)

 大変よくまとめられた適切な報告書である。ITERの位置付けがよく整理されており,その結果として導かれた「ITERは日本に誘致する価値が十分にある」とする結論を強く支持したい。また仮に日本に誘致されなかったとしても,日本はITERに大きな寄与をすべきである。

(意見)

 報告書は核融合の特徴,経緯,位置付けなど非常に適切に総括しており,委員の方々,中でも吉川座長の努力には心から敬意を表したい。

 報告書でも述べられたように,確かに核融合の実用化はまだ未知な部分がある。しかし,そこに大きな可能性があることが認められる以上,化石燃料を大量に消費した我々世代の未来に対する責任として,核融合の実用化への努力をするのは当然であろう。長年の地道な研究の結果として,核融合はいまやITERを建設すれば数十万kWものパワーを取り出せるであろうという技術レベルに達したわけであり,ここで,その実用化に向けた最初の点火実験を実施しないなどという選択の方が不合理に思える。

 最近の日本では,それは儲かるか,という経済的価値ですべてを計る傾向にあるが,経済大国になっただけでは世界の尊敬は得られないことはよくわかっているはずである。真に世界から尊敬される国になるには,宇宙開発のような背景に軍事的思惑を疑われる可能性がないITERのような純粋な未来のための投資こそがふさわしい。ITERは日本が科学技術で世界のリーダーシップを取れる千載一遇のチャンスである。現在は日本の経済状況が必ずしも明るくはないが,いまを逃せば,このような非軍事的なビッグサイエンスで日本が主役になれるチャンスは当分ないように思われる。これらの価値を考えれば,5000億円といわれる建設費も,日本の国力からすれば決して高くない。是非ともITERを日本に誘致すべきで

ある。

 なお,誘致に名乗りをあげるのはもちろんではあるが,仮に結果としてITERが日本以外に建設されることになったとしても,ITERが極めて重要な計画であること


No.67(続き)

に変わりなく,日本として最大限の寄与を行うべきであることも申し添えたい。

 

記述に関するコメント:

 「3.核融合エネルギーの技術的見通し」の中の「(1)核融合エネルギーの特徴」の一行目,「その燃料となる重水素は・・・」の部分は,誤解を避ける意味で,例えば以下のようにしてはどうか。

「その燃料となる重水素とリチウム(核融合炉内で核融合燃料のトリチウムに転換される)は・・・」

以上。


No.68

岡崎 隆司 (年齢 48歳)

(概要)

資源小国の日本は、エネルギー問題に積極的に取組む必要がある。核融合先進国の一国として核融合開発の牽引的役割を果すべきであり、ITERの日本誘致を期待する。

(意見)

 エネルギー問題は現在、地球規模の問題であるが、資源小国の日本は、特に、国際情勢に左右されないエネルギー体制に留意すべきと考える。核融合はその解決策の有力な候補の一つになると思うので、日本はその開発の牽引的役割を果すべきである。核融合開発への関わり方として、その開発は長期に渡るものになるが、出来あがった段階で参画すればよいという感覚は許されないし、また、実働を伴わない金銭的貢献で、国際参加をして行くというやり方は通用しない。幸い、我が国は、長期的視野に立って、3大トカマクの一つを持ち、核融合開発の初期から国際協力に参加する核融合先進国の一国である。このポジションを活用発展させて、核融合開発の牽引的役割は十分果せると思う。

 核融合の開発段階は、現在、核融合燃焼を実証する段階にある。それに最も近いITERを建設し実験的に実証することは、原型炉への橋渡しとして極めて重要であり、急務である。ITER本体建設費は約5000億円と推計しているが、インフラ整備を含めると、その何倍にもなると推測し経済への波及効果は大きい。その効果を最も有効に受けるのは設置国である。技術の蓄積量が多いのも設置国である。そのためにも日本に建設する必要がある。また、日本は多種の閉じ込め方式を検討してきた。ITERは核融合装置のフラッグシップマシンであり、これを推進するためには各種の閉じ込め方式で開発してきた知見が活用でき、その推進は幅広い分野の基礎科学・技術の推進にもつながる。この意味において、日本がITER誘致を積極的に推進する意義は大きいと思う。ITER計画懇談会報告書(案)は多方面からの検討が提示されている。この検討結果を踏まえて、ITERを日本に誘致することを期待する。


No.69

大野 勇 (年齢 40歳)

(概要)

ITER計画懇談会がまとめた報告書案に賛成するとともに、ITER計画およびITERの日本誘致に賛成する。核融合エネルギー研究開発に対して行う投資を保険料と位置づけた、懇談会の検討結果は妥当であると評価する。

(意見)

ITER計画を推進する意義およびITERを日本に誘致する意義をよりわかりやすく明確にするために以下の論点が報告書に含まれることが望ましい。

1. 日本が直面するエネルギー問題

大半のエネルギーを海外からの輸入に頼っているという世界的に見ても特殊な状況であること、例えばITER計画から撤退したアメリカとはエネルギー事情が全く異なることに言及されたい。つまりエネルギーの安全保障面では日本は極めて危うい状態にあることが強調されたい。

2. 再生可能エネルギーの日本での基幹電源としての無効性

太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、分散エネルギーとしての有効性は認めるものの、報告書に述べられている安定供給が困難ということに加え、コスト面、さらにはエネルギー密度の極端な低さから日本の国土全部を使おうとも現在の電力供給量にも達し得ない、つまり供給量の面で基幹電源にはなり得ない(不可能である)ことが強調されたい。

3. 核融合技術の現状とITERでなし得ること

原理的に容易に反応が起こりやすく、むしろ安全に反応を起こすための制御に注力してきた核分裂技術に対して、核融合反応自体が非常に起こりづらいこと、反応を起こすためには極めて高度な科学技術が必要なこと、その開発も世界各国の核融合実験装置により臨界状態が達成できるレベルにまでなってきたもののエネルギーとしての有用な核融合反応の実現にはいたっていないこと、しかし、ITERを建設することで人類がはじめて核融合により熱を発生させることができること、さらにはITERにより核融合エネルギー開発が飛躍的に前進することなどが強調されたい。

 


No.69(続き)

以上であるが、最後に付け加えさせていただくならば、報告書に記載されている5000億円という投資額に対して、懇談会ではその妥当性を定量的に評価し得ないとしているが、投資は建設期間の10年前後にわたって行われるものであり(つまり単年度は500億円程度)、 数10兆円の国家予算と比較しても決して大きな額ではないこと、さらには卑近な言い方をすれば、日本の産業構造のいびつさに端を発する雇用創出や一部政治家の票集めのために行われている、無駄な公共投資に比べれば、人類と日本にとってはるかに有益で安価な投資であると考える。


No.70

松田 賢次郎 (年齢 61歳)

(概要)

 我が国へのITER誘致は、国家の安全保障のみならず、世界の安全保障にもつながる。

(意見)

‘90年頃を境にして東西冷戦構造が崩れ、世界は一斉に大量生産・大量消費の市場経済となった。またその結果として大量廃棄といった環境問題が地球規模で深刻化している。

 これと表裏一体をなすエネルギー問題も、年々需給バランスが崩れつつあるが、多くの人々は無頓着である。しかしながら、このままの状況が続けば、近い将来、パニックも起こりかねない。

 我が国にとってエネルギー問題はアキレス腱で、不断から長期的視野に立ち対策を講じておくことが、国家の安全保障となる。ITERを我が国に誘致するということは、国際的な安全保障にもつながり、日本が世界に貢献できる最善の方法であると思う。


No.71

猪村 圭子 (年齢 38歳)

(概要)

 ITER施置推進について賛成意見を申し上げます。

(意見)

 国際熱核融合実験炉

 上記の文字だけを見ると「核」という字だけで反応してしまう人は多いと思う。

 しかし、太陽エネルギーによる発電施設と聞くと賛成と言う人は多くいると思う。

地球に許されている資源エネルギーは限られています。災害などが発生して1日くらい電気が止まっただけで、不便さを感じる人々が近い将来自然エネルギーがなくなってしまうことを認識しているのだろうか。

但し核に関して全世界で事故があったりトラブルが発生してりしている現実において結果を振り返えれば管理する側の問題でいくらでも防ぐことのできた事故は多いと思う。

 傷口があるのにそのまま知らないふりをすることは必ず化膿して膿が出てしまうだけで、世界中の科学者が安全という2文字を前提に20~30年をかけて実験する施設であるからもっと受け入れ側が勉強して危険であるかどうかを納得してから賛否を言うべきだと考える。

 これから大きくなっていく子供たちの物品的な物を残していくために知らないところで行われている自然破壊に人々は気がついてもっと安全で確実なクリーンエネルギーを残すことを大人達は考えるべきである。


No.72

樫村 伸司 (年齢 38歳)

(概要)

 日本がこれから目指すべき国際的役割は、今までのような経済的な支援だけでは評価されない。ITERのような国際協力プロシェクトでリーダーシップを発揮する事が重要。

(意見)

 日本がITER計画に主体的に参加するためにはまず設置国になる必要がある。ITERを日本へ誘致すべきであると考えます。世界で唯一のITERを主導的に建設する事で、国際プロジェクトの取りまとめに重要な責任を果たすという貴重な経験の機会を得ることができる。核融合の分野では、JT-60の実績などから世界をリードしている科学技術が、日本を中心としてより一層の進展が期待できる。これは、国際社会に大きく貢献できる絶好の機会である。

 一方、ITERの設置国となることは、いかなる国内、国際環境の変化にかかわらず、ITER計画推進に最後まで中心的な責任を果たし続けることになる。そしてまた、海外から長期間の研究者や技術者を受け入れることは、より大きな責任を国際社会に対して負うことを意味している。このように今までにない重大な責任をもって国際事業を推進することのメリットは非常に大きいと考えます。


No.73

白木 朝康 (年齢 71歳)

(概要)

 ITERの日本誘致については、この利点からみて、日本が科学技術力にて世界に貢献する絶好の機会であり、人類の将来の発展のために是非共実現を図るべきである。

(意見)

 長い間の夢であった「ミニ太陽を地上に」の実現が、ITER計画の4極(現在3極)による共同研究により漸く達成されようとしています。

 ITERの日本誘致については、国内の一部マスコミの論調に慎重にすべきであるとの意見もみられますが、私としては是非共誘致を実現すべきであると考えます。

 その理由としては

①核融合発電の利点が多い。

 a)燃料確保の心配がない b)核分裂炉よりも安全(シビア・アクシデントは起らない) c)高レベル廃棄物は生じない(低レベルは発生するが、数百年で放射能は無くなる) d)地球温暖化の防止に役立つ(CO2は発生しない) e)発電コストは火力発電等と大差なし(10~20円/kwh)

②投資額は公共投資に比べ、多くない。(約4000億円)

 a)ダム建設工事、干拓工事(諫早湾:2490億円)

 b)科学技術基本計画24兆円(2001~5年)に対して、僅か1.7%に過ぎない。

③日本の科学技術の向上に寄与する。

④日本の産業界の発展に寄与する。

⑤科学技術力で、人類の生活向上に貢献する。

等が挙げられ、是非共日本に誘致するよう、原子力委員会を中心として、最終的には総合科学技術会議にて結論を出して頂きたいと思います。関係者並びに関係機関の更なる努力を期待しています。

 尚、トカマク以外の方式の利点は、ITER完成以后の原型炉の設計に採用すれば良いと思います。先づは技術的に先行しているITERから進めるべきと考えます。


No.74

北野 幸治 (年齢 63歳)

(概要)

 安全性の確証もないままの誘致と、放射性廃棄物のゴミで苫東の自然と環境を破壊し、何を残そうとするのか。建設候補地至近の町に住む者の思い。

(意見)

 ITER誘致期成会の「理解を深めるための基礎知識」なるパンフが全町に配布された。Q.A形式の19項目で誘致に向けての説明をしている。新しいエネルギーが必要で、そのためにはイーターよりなく安全で核分裂や放射性廃棄物の危険性もないと言い切っている。果たして断言できる段階にあるのだろうか。安全とはどういうことか、技術の安全性の判断基準が明確になっていない現時点での無責任さをさらけ出している。

 項目の最後では、どうして苫東に誘致するのかを縷々述べているが、この計画主唱者である米国が計画から撤退したこと、フランス、ドイツも誘致しないことを表明したという事実について全く触れていない、そのことが第一に知り得たいところである。事実を知らせることが出来ない点に疑念と大きな不安を感じる。

 「地球に傷をつけ、その傷に毒を塗り込めるのか」と呟く人がいた。頷ける核心にせまった言葉だと思った。

 建設候補地は、苫東原野にある弁天沼を含む地域で誘致を推進している苫小牧市、早来町、厚真町の中で最も厚真町に近い所にある。そこに住む者としては、この問題に強い関心をもっている。農・漁業を生活基盤にしている地域として、茨城東海村JOC臨界事故のようなことが起こったらと考えるだけでも身の毛のよだつ思いがする。魚貝類や米、野菜の汚染風評で、茨城県の農漁家が苦境にたったと同じ状況が生じるかもしれない。

 文部科学大臣が誘致をめぐる国内の動きを「地域おこし的な観点に走りすぎているきらいがある」と“一村一品”運動と同列にしか見ていない国会での答弁は、この問題の重大さを認識していない現れであろう。

 鳥の渡りの休息地である弁天沼とその周辺環境をあるがままの姿で残して欲しいことを願いながら、餌をついばむ鳥たちの群をみている。


No.75

佐々木 功 (年齢 56歳)

(概要)

 イーターは危険であり、日本の経済負担が大きく、誘致に反対です。核融合の実用化はいつになるか分からず、それよりも太陽などの自然エネルギーを利用すべきです。

(意見)

 核融合を地球上で行うことは、重水素ガスを1億度の高温まで加熱することであり、大変危険です。核融合炉でも放射性物質は中性子によってつくられ、また高速中性子を放出する核融合炉の材料の劣化損傷は、核分裂を用いた普通の炉に比べて10倍以上ひどく、多量に出る放射性廃棄物は地元で処分する事となっています。地元で数万トンもの核廃棄物を保管することには、住民の81%が反対しています。

 核融合炉のプラズマの点火実験では、重水素だけを詰めた炉よりも重水素とトリチウムをの混合物の方が始めやすいことが分かっています。その重水素やトリチウムを海水などから分離するためには、多量のエネルギーが必要となります。またトリチウムは危険であり、今まで扱ったことのない多くの量が使われます。

 建設に5千億円、運転経費に20年間で6千億円かかり、そのうち建設国が半分の経費を持つことになっています。日本は今大変な財政状態で国債の発行高が増え続け、公共事業の見直しをして、財政再建をしなければならないときです。ほとんどエネルギーの出てこない試験機でさえ、数百億円かかり、すでに1兆円も研究費を使っているが、成果は上がっていない実状です。世界一の経済力を誇るアメリカはイーターの誘致から撤退しました。借金大国の日本が、この計画に世界に先駆けて行う理由はありません。

 1962年に20年後にはゼロ出力の核融合炉が出来るだろうと言われ、1976年には実証炉が1990年代の後半には出来るだろうと言われたが、いまだに出来ていません。さらに炉心の材料問題一つとっても10年かけてもいまだに解決していません。いつになったらエネルギーを出すものになるのか見当もつかない状態では税金の無駄使いです。

 太陽を地球上に作るのではなく、今ある太陽の恵を最大限利用するべきです。太陽エネルギーを始めとする自然エネルギーの研究を早め、大量に安く自然エネルギーを利用できるようにする方に税金を使い、安心して暮らせるようにするべきです。


No.76

新堀 弘明 (年齢 30歳)

(概要)

 ITER建設は将来のエネルギー源として必要であり、本建設に必要な投資は国内の産業界並びに国民が豊かになる事と、廃棄物処分方策を絶対条件とし行なうべきである。

(意見)

 CO2削減は世界的に最重要課題であり地球温暖化防止会議を先駆けとし、今後更に厳しく規制すべきである。そうした背景から原子力発電は必要不可欠であり、その場合に問題となる放射性廃棄物処理・処分については今迄以上に国民が納得いくよう最善なる方策を確立しなければならない。核融合は原子力発電と共通した廃棄物問題はあるものの低レベル放射性廃棄物しか出さないという大きな利点がある事から、最終的な理想発電プラントであり、将来を見据えて絶対に継続していかなければならない研究である。然しながら投資額は非常に大きく、ITERで成果を上げても更に核融合発電迄には膨大な投資が必要となる。これは投資するに見合うメリットが日本になければ成立しない。国内設置となれば、産業界は勿論のこと長期的な地域活性に間違いなく繋がるし、日本として技術的なリーダーシップがとれ、更なる責任感が生まれ、これが将来の財産となる。以上を踏まえ、ITER建設を推進していくべきである。


No.77

木野内 隆一 (年齢 57歳)

(概要)

 ITERの誘致には、基本的には、賛成です。

(意見)

 頭書にも、記載しましたが、将来のエネルギー源を考える時、経済的で、高質な更にクリーンな物が他にない場合、少ないリスクの代償で済むのであれば、ITERの導入も止むを得ないと思う。但し、環境の汚染、人体への悪影響を及ぼさない確たる証明と保証がされる事が必須条件である。

 将来代替エネルギーとして安全かつ有効なエネル源が開発されればそれに越した事はない。あくまでも其れまでの繋ぎであって欲しいし、月並みだが、安全対策には、万全を期して欲しいものである。


No.78

伊藤 功 (年齢 44歳)

(概要)

 国際熱核融合実験炉(ITER)は、未来エネルギーとして最も期待しているものである。できるだけ早く日本への誘致を決定し、建設してほしい。

(意見)

1.国際熱核融合炉への期待

 地球は、人口の爆発的な増大と発展に伴い、化石燃料の大量消費と地球温暖化、森林伐採による砂漠化の進行など、様々な問題に直面している。地球環境がこのまま悪化すると、人類は住めなくなってしまう。また、現在大量消費している化石燃料も、いつかは尽きてしまう。これらの問題を解決するため、自然エネルギーや未利用エネルギーの開発を進めているが、未来エネルギーとして最も期待できるのは「核融合発電」だと考える。なぜなら、核融合反対は無尽蔵な重水素や三重水素が融合することにより、非常に大きなエネルギーを発生することができるからである。つまり、永遠のエネルギーである。

2.核融合炉実現のための実験炉

 核融合炉を実現されるためには、その特殊環境性から様々な技術的課題を解決する必要がある。その解決に向けて世界中の研究者が研究を重ねている。しかしながら、周辺装置や機器単体の研究開発には限界があり、どうしても実験炉による総合的な研究、開発が必要になる。実現化に向けての実験データ収集・分析には長い年月を必要とするため、できるだけ早く建設地を決定し、ITERを建設してほしいものである。

3.国際協力と日本への誘致

 ITERを建設するためには、世界中の英知を集結する必要がある。それだけ高度な技術が求められる訳だが、それと同時に、当然のことながら高信頼性と安全性を追求しなければならない。人類のための設備であるから、人にやさしい設備でなければならないと考える。

 建設地を考えた場合、ぜひ日本へ誘致し建設してほしいものである。経済的波及も期待できるが、自分自身が一人のエンジニアとして、このITER建設に少しでも関わりを持てれば、すばらしいことだと思うからである。私の夢、そして人類の夢に向けて、早く実現してほしい。


No.79

太田 英雄 (年齢 51歳)

(概要)

 ITER国内誘致について

(意見)

 ITERを我が国に誘致することのメリット性は充分理解出来るし、当然その時期も熱くしているものと思います。5千億円も決して少額ではないが、昨今の国の支出の無駄な使い道からすれば、人類が火を発明して以来最後の砦とも云うべきこの計画は是非早期に実現して欲しいと考えます。

 報告書の中では大学及び他の研究者への配慮も充分、うかがえるものの、国際協力も大切であるのは理解出来るが、我が国単独でも実現するに値いするものと思います。


No.80

岡野 軍治 (年齢 63歳)

(概要)

 ITER計画の国内誘致についてと、広く国民に向けてのPR活動をより行うこと。

(意見)

 時世代のエネルギー源として、安全で安くかつ環境にやさしいITER計画は是非必要であり、開発研究には、多大な費用と時間がかかることは理解出来るが、我国としてはJT-60の輝かしい成果もあることから、1日も早く国内に実験炉の設置の運動を他国に根廻しをして実現して欲しい。

 一方ITERそのものは一般人には、なじみが薄いと思われるし、学生や主婦にもわかり易いPRの方法も、これからは検討して欲しいと思います。


No.81

岡野 政一 (年齢 61歳)

(概要)

 ITER計画懇談会報告書(案)を読んでの感想

(意見)

 長期間に渡り有識者の方々が意見を交し討議した結果の報告書を拝見し、夢のエネルギーの実現に向けての意欲が心強く感じられました。

 ITER計画は人類にもたらすであろう利益は、計り知れないものと成ることは間違いないでしょう。

 ただ意見を下さいと言われるならば、我国は水力、風力以外にはエネルギー資源が無い国であることを環境問題と同等のウェートを置くことも大切ではないかと思います。

 またITER計画を推進するにあたり優秀な人材を確保する必要性と女性をも含めた育成とありますが、現在はたしてどれ程の女性の技術者、研究者が居るのかが、知りたいところでもあります。

 ITER計画を推進することは単に夢のエネルギーを創造するだけではなく、産業界や学術分野に多大な付価価値を寄与するものと思われますが、その反面まだまだ、力の入れ方が足りない様に思われますが、どうでしょうか。

 新らしい内閣、新大臣も決りましたので、日本原子力委員会としても、責任感と実行力をもって、この計画が計画に終らない様、前向きに対処して下さることを切に望むものであります。


No.82

三田寺 正義 (年齢 56歳)

(概要)

 日本国に国際熱核融合実験炉(ITER)の建設に賛成します。

(意見)

 ITERの建設計画は、地球人口の増加への対応、化石燃料の枯渇からの対応、二酸化炭素を低減化する地球環境保全への対応等、現代、これから生まれてくる世代へのためにも是非とも必要不可欠な研究開発である。

 ITERを日本に建設することは、核融合研究開発において、世界のリーダーとなれる研究開発ではないか。


No.83

久保 謙二 (年齢 74歳)

(概要)

 核融合開発は非常に大きな価値を持つ。人類とわが国の未来を考えて賛成。また、ITERの誘致は日本が持つ貢献度の大きさと、歴史的地理的な我国の特殊性から賛成する。

(意見)

 ギリシャの神プロメシウスは別として、初めて人は究極の火・太陽を審かにしようとしている。人間は地球自然の厳しい鎖から運命を解き放ち、自己の手中におこうとする。それは自然との限りない格闘であり、科学こそがそのための道具である。真理のあくなき追求を理性は求める。前世紀からの核の研究は遂に核の分裂・融合の、太陽プラズマの、そして遂には物質生成解明の戸口にさえ立とうとしているようだ。この方向のみに人類の開かれた未来がある。イカロスは嘲笑われた。しかし私達は理性と共に進む。以外に残された道はないのだ。人は思惟活動あっての生だ。

 科学の研究には根源的に人間の理性による自己制御以外に恣意的な制約はあってはならない。したがって、第一に核融合の研究開発に賛成する。前進するにつれ、幾多の難題が立ちはだかるのは当然でありそれらを一歩一歩解決して進む他に何があろう。そのためにこそ人的・物的な資源を惜しんではならない。徒労ということばは不要である。過去の戦争のような浪費とは異なる。そしてそのために脈絡して、第二にITERの日本への誘致に全面的に賛成する。懇談会報告書案「計画の進め方」を読ませていただいた。前途はなまやさしいものでないことは当然であろう。しかしそれが人為的である限り克服は易しい。特にページ10の(3)こそ賛成の大きな理由といえる。(以上)


No.84

高橋 譲 (年齢 60歳)

(概要)

 わが日本のエネルギーいや世界のエネルギー源の将来について、今こそ真剣に考えるときであり、化石燃料からの脱却を図る先行投資がITERである。

(意見)

 私は、ITERについてそれほど専門的な知識はありませんが将来、われわれの生活にとって、最も重要なエネルギー問題解決の切札であるとおもいます。それ故世界各国が、競ってこの研究を行ってきたものと思います。

 わが国の電力源はいわゆる核分裂による原発が35%を占めるに至っていますが、石油等による化石燃料は、近い将来には(70年程度とも言われている)尽きることになるので資源少国のわが国にとって、これに代わるエネルギー源としての、核融合エネルギーの研究開発は、是非とも必要なものであると考えます。しかし実験炉等に要する研究開発費用が莫大であるため、各国が共同で行わざるを得ない状況の中で、もしわが国にこれを誘致できるならば、わが国の核融合研究におけるレベルは更に向上するであろうし又、エネルギー政策で国際的な地位を確保する上でも必要なことであると考えます。

 核エネルギーは、ともするとそのイメージが原子爆弾等の核戦争に結びつき、いわゆる核アレルギーを起こしがちですが、これは一般の人々の理解が一部の熱心な反対論者のPRに引きずられていると言う現実があり、もっと原発や核融合についての正しい知識を分かりやすくPRしていく必要があります。誘致しようとしている苫小牧市に在住の人々の認識は未だ非常に低く残念です。

 危険を伴うものでも完全にコントロールできる技術を研究開発し、安全なものにしていかなければ、発展はないとおもいます。環境に負荷のかからない、完全にクリーンなエネルギーは無いと思います。是非ともITERの誘致を実現したいものです。


No.85

山本 善一 (年齢 57歳)

(概要)

 数十年まえから核融合に関心を持っており、核融合エネルギーの実現を期待している。ITERの建設に賛成であり、日本が設置国になるとよいと思っている。

(意見)

 核融合開発には、一国民として関心を持っており、早く実用化になればよいと思っていたが、最近の新聞報道によると大分先の話のようである。しかし、日本はエネルギー資源小国であるので、早期に核融合エネルギーの実現を成し遂げて頂きたいと思っている。安全性に優れ、地球環境によいとなれば、なおさらである。

 核融合の実用化のために、ITERの建設が不可欠であれば、多少の費用が掛かってもITER計画を進めるべきである。また、同時に、先端技術が開発され、それがベースとなって、世界をリードする新しい産業が創成されるとなれば、ITERの国内建設は、日本にとってさらに重要になるのではないだろうか。

以上


No.86

仁平 市成 (年齢 56歳)

(概要)

 ITER関係者の頭脳と技術力を信頼し、全面的に賛成致します。

(意見)

 現在増え続けている世界人口と、科学技術の急激な発展により、エネルギー消費の増大は、我々にとって避けられない課題と考えます。現在のエネルギー源として使用されている石油・石炭等は、資源に限りがあり、石油に関しては、枯渇まであと数十年と言われています。又、これらを燃焼させるとCO2の発生による地球温暖化の要因となります。これらの事を考えると、燃料資源が無尽蔵に近い核融合、この地球にやさしい核融合エネルギーの開発が、未来社会の為に重要と考えます。

 最後に安全面について一言、今までの様々な事故について思うに、人間の持つ傲慢さと、作業慣れが事故発生に何らかの形で関与しているのではないかと思います。


No.87

寺田 修 (年齢 47歳)

(概要)

 我々が子孫に残せるものとして、他国に頼らなくても、エネルギー資源が確保されていること。

 その選択肢の一つとしてITERを日本へ誘致し、研究を続けることだと思う。

(意見)

 我々人類は、石炭・石油・天然ガスなど有限にあると思われるエネルギー資源を使い放題に使って来たが、これらの資源も、いつまでもあるとは限らない資源であり、日本にとっては他国に頼らなければならない貴重な資源でもある。

 また、日本のエネルギー源として占める割合が大きい原子力発電も昭和41年に日本初の商業用原子力として作られた東海一号炉が老朽化が進んでいるなどを理由に運転を停止し、廃止措置が進められている様に全国にたくさんある原子力施設も順次同じ運命を辿り停止しなければいけない一方、潜在的危険性の故に新設が進んでいない。

 また、21世紀後半のエネルギー資源の一角と思われた高速増殖炉もんじゅが事故のため実用化に向けての運転が白紙状態の今日、報告書に書かれているように21世紀後半以降のエネルギー資源確保として化石燃料資源が使用可能ならしばらくは問題無いかもしれないが、地球温暖化防止の点と他国に頼らなければならない点から好ましいものではない。

 やはり多少の財政を投資してでも将来を考え子孫に残す新しい資源の確保、半永久的に他国に頼らず資源の供給できるようなものの開発を進めるべきである。それが現在停止中ではあるが高速増殖炉であり、近年研究が進められている燃料電池でもあるのではないかと思うし、その選択肢の大きな一つとして核融合炉があると思われる。

 核融合炉の実験炉であるITERも実用化には、まだまだ多くの障害をクリアしなければいけないと思うが、今までの日本における研究を最も有効な形で生かし、将来の日本における実用化を最も容易にして効率的に開発を進めるためにも誘致をして、日本の手でITERを築き上げ、クリーンな核融合炉実現の骨組みとしてほしい。


No.88

海老沢 克之 (年齢 57歳)

(概要)

 ITERは、我が国が主体的に推進できる大型国際共同事業であり、これを契機に他の国際協力にも適した受け入れ体制の基盤と諸制度が整備されるので、誘致に賛成である。

(意見)

 ITERの建設、運転が始まると、数百人以上の技術者、研究者、管理者およびスタッフが来日し、家族を含めると千人規模の外国人がサイト周辺に5、6年以上の中長期間生活すると予想される。受け入れに伴う実務上の課題は具体的に次のようなものが考えられる。

 事業体の従事者および家族が居住する地方自治体の各種サービスの経費が増えると、費用負担を求めてくることが予想される。個人あるいは事業体が負担するかについての高いレベルでの判断が必要となろう。住宅、生活に必要なユーティリティー等の契約に際しては、我が国特有の認証がなくても契約可能な措置が必要である。

 教育に関して、児童生徒を持つ家庭は母国語あるいは公用語としての英語で初等中等教育を施すことを望むであろう。派遣国あるいは在日同国人が教育施設を作れるよう側面から援助すベきである。事業体が教育施設まで抱えることの是非も検討を要する。大学において、英語による高いレベルの授業に取り組むことは、共同事業従事者子弟ばかりでなく、広く海外から優秀な学生を集めるなど、大きな効果がある。

 医療に関しては、国民健康保険あるいは所轄の機関を通じた組合健康保険に加入できるか、検討が必要である。家族特に配偶者の就業については、5-6年以上の滞在中には語学以外の就業を求めてくるものと予想される。

 上に述べた諸問題は、実践を通じて解決してゆく性格のものであり、事実欧州連合はいくつかの大形共同事業を経験して、向上してきた。我が国もITERを契機として、多数の外国人の中長期にわたる受け入れが潤滑に行える体制と法律、条例等のインフラを整えることにより、他の多くの学術文化分野での国際協力に資するばかりでなく、産業界にとっても例えばアジア諸国からの技術者の招聘などが容易となるなど、その波及効果は大である。この観点からもITERの誘致に賛成である。


No.89

栁 義彦 (年齢 46歳)

(概要)

 日本が、指導的な立場で国際舞台に出て行けるようにするために、エネルギー問題に積極的に取り組むことは、非常に重要だと思います。

(意見)

 日本は今まで、世界各国と協力して世界の問題に取り組むことが不得手で、積極的に世界をリードすることはなかったと思う。エネルギー問題は、世界中の国々が協力して解決しなければならない、世界の問題であり、我々の子孫にとっては死活問題になるのではないだろうか、核融合エネルギーは、エネルギー問題を解決するための一つのオプションだと思う。実現は、人類の夢です。

 日本が、この大切な時代に、ITERに積極的に取り組み、世界のエネルギー問題をリードして行くことは、日本が今後、国際社会の一員として、積極的に国際舞台で活躍するための重要な契機となるのではないでしょうか。


No.90

藤岡 克治 (年齢 62歳)

(概要)

 全面的に賛成

(意見)

 現在の日本としては、エネルギー問題に加え、1.財政 2.食糧 3.教育・社会 4.環境 等の重要な問題を解決しなければならない。

 エネルギー問題の解決には、資源の乏しい我が国としては、外国に依存せずに供給できることが望ましい。

 国際熱核融合実験炉(ITER)の研究・開発は、現在考えられている各種エネルギーの内でも未知の部分があるが、国際的な協力のもとに継続しなければならないと考えます。

 研究・開発には1.計画の策定 2.効率的な研究 3.研究・開発結果の評価・改善 4.情報の公開等が正確に、かつ、すみやかに実行されることが必要と思います。

 ITERの設置国が他国になったとしても、日本としては応分の協力・負担をするのは当然と考えます。


No.91

関 宗長 (年齢 74歳)

(概要)

 日本がITERに主体的に参加、設置国になることに大賛成。国内候補地は条件が最高で、県市町村、住民あげて継続的に理解し協力してきた茨城県那珂町をおいてほかにない。

(意見)

 今回の報告書案を精読いたしました。専門家各位のご努力に敬意を表します。茨城県は、昭和30年県をあげて原子力施設を誘致しました。安全など不安もありましたが誘致の決めては、「科学者の良心を信用する」ということで、現在も変わっておりません。東海村に原子力施設を誘致以来、原子力施設にいくつかのトラブルがあっても住民の不要な動揺は見られません。常に冷静に対応し、只今も、小中学校全生徒に原子力についての副読本を配布するなど、全県あげて継続的な活動を展開しています。

 ITERについても、すでに専門家にその意義、安全性など諮問し、適切な答申を得ており、県をあげてITER誘致を進めて参りました。従って、今回の報告書のとおり、日本がITERに主体的に参加し、設置国としてITERの実現に国をあげて尽力することに大賛成です。小資源国日本の国際的立場から、そのメリットは報告書のとおりです。

 茨城県那珂町は昭和54年、原研那珂研を積極的に誘致した時から、試験炉の設置を予定して、原研に用地を提供しており、すでに20年間も待ち望んでいました。誘致以来、地域の住民による核融合研究会も発足し、研究の円滑な進展と地域との親睦融和を計るなど積極的な協力をして参りました。

 県も市町村も地域も未だかつて、原子力を、ためにする条件闘争などの手段にした例はなく、持続的に進んで理解し、協力するための努力をして参りました。那珂町地域は、立地条件も那珂研立地以来、条件整備に努めており、交通、水、電力、支援研究施設、企業が整っています。今、外国人研究者も安住して評判は良いです。県及び地元は行政も議会もそれぞれに誘致の決議をなし誘致のための条件整備に努力しています。


No.92

三上 和祥 (年齢 60歳)

(概要)

 原子力は、核融合にしても自然の摂理に反し、物質・重力・磁力・電磁力が量子論的に充分に解明されない中でのITERは、危険で有るだけでなく、巨費を浪するだけで有る。

(意見)

 原子力の人間による操作は、核分裂・核融合両者とも「自然の創造の摂理」つまり、「神の創造の摂理」に人間が踏み込むもので有って、決して神の許しを得られない領域なのである。これまでの人類の原子力開発でエネルギーを生産する一方で、鼻持ちならない核廃棄物を生産してきたではないか。

 偉大な神による宇宙の創造という「創造論」をさて置いて、更には、100年以上も前に天才科学者、ニコラ・テスラが解明し、発電機まで発明したフリー・エネルギー(宇宙エネルギー)を無視、封印して置いて、原子力など以てのほかである。

 だいたいフリー・エネルギーや高次元科学を認めないで、物質・重力・磁力・電磁力は絶対に解明されないのである。現状においてITERとは、幼児の火遊びに等しいのである。ITER導入を強行する事は、自然や地域社会を重大な危険に落とし入れる事である。

 宇宙エネルギーまで行かなくとも、風力・波力・地熱などの一般的な自然エネルギーでも、充分にエネルギー需要を満たす技術が開発されつつある。今はこの為に努力すべきではないだろうか。

 やがては、フリー・エネルギー、宇宙エネルギーの封印を解くべきである。現代世界は「終末」に向かっているのである。人間関係、文化内容、科学技術、政治・経済においても行き詰まりである。宇宙は「動的発展」が本質なのであって、停滞は終息・消滅を意味している。これが神の摂理なのである。

 我々は、座して終末のルツボに投げ込まれるのではなく、宇宙を支配する別な力、エネルギー、法則を知るべきである。これを通して創造の偉大さを知り、真の宇宙時代に入る事が出来るのである。公害など無く、人類に幸せだけをもたらす科学技術が開花するのである。

 ユートピアは、現代科学技術だけでは決して築けるものでは無い。「現代科学技術+アルファー」なのである。皆でこの「アルファー」を求めようではないか。ここに人類の未来は有る。


No.93

栖原 寿郎 (年齢 77歳)

(概要)

 核融合炉実現の可能性推定が困難である現状では、広範囲なかつ組織的な基礎研究を先行させることが必要なことは明白であり、我が国のITER計画には賛成できない。

(意見)


No.94

山越 道郎 (年齢 77歳)

(概要)

 完成時期のめどもたっていないITER計画への資金の投入を中止し、この資金を風力発電、太陽光発電等の開発に投入してコストの低下を推進し、これら画期的増大を図る。

(意見)

 現在ヨーロッパでは新しい原子力発電所の建設を中止し、風力発電、太陽光発電等の自然エネルギーの開発、水素電池の開発等に努め、将来は原子力発電所を全廃する方向に進んでいる。核融合は核分裂に比べて放射性廃棄物のレベルが低いといわれるが、その処理の問題は未解決であり、かつ実用化の時期はまだ明らかでない。したがって、いつ完成するかはっきりしないITER計画に多額の資金を投入するよりも、現在すでに実用化が進んでいる自然エネルギーの開発にこの資金を投入し、その振興を図る方が成果は確実である。我が国は残念ながら新しいものを開発することは不得手であるが、めどがたったものの性能を高め、コストを下げることは極めて得意であり、このことは戦後における我が国の工業技術の目覚ましい発展を見れば明らかである。この特技を発揮することにより、風力発電、太陽光発電等の性能の向上、コストの低下に力を入れれば、現在我が国ではまだ少量である自然エネルギーを画期的に増大できることは明白であり、将来原子力エネルギーに取って代わることも可能である。ヨーロッパはすでにこの方向に進んでおり、我が国もクリーンエネルギーの開発に遅れを取ってはならないと思う。自然エネルギーによって水を電気分解し、水素を取り出して水素電池をつくることもすでに研究されていると聞く。将来風力発電、太陽光発電等の性能の向上とコストの低下によってこのような方法が実用化されれば、周囲を海に囲まれている我が国では資源は無尽蔵であり、エネルギー問題は一気に解決する。


No.95

斉藤 秀夫 (年齢 53歳)

(概要)

 安全性が確認されないイーターは日本・苫東に誘致すべきではありません。

(意見)

 私はイーター誘致候補地域といわれる苫小牧市に住んでいますが、市議会でも何の結論も出ていないのにかかわらず、推進の立場に立つ北海道知事・苫小牧市長に対し、怒りを覚えます。

 イーターの燃料となる三重水素(トリチウム)は閉じ込めが非常に難しく、人体に取り込まれると遺伝子に影響を与えて発ガンを促すと聞いています。

 また、核融合に伴なって炉材が放射化し、39,000tもの低レベル放射性廃棄物が発生しますが、そのうち8,000tは地下50~100mにコンクリート等の容器で100年単位の保管が必要と言います。

 旧科学技術庁はITER施設の安全確保策として、原子力発電所並みの安全基準を設ける方針を決め、イーターの放射性廃棄物は地元管理・処分が基本条件であることを明らかにしました。住民の健康や子孫への影響を考える時、安全性が確認されないイーター誘致は絶対認めることはできません。

 苫東沖は道内屈指の漁業地帯であり、貴重な自然環境である弁天沼を擁し、ラムサール条約登録地のウトナイ湖にも隣接しています。貴重な野生動物や自然環境保護、農業・漁業振興の点からみても誘致すべきではありません。

 世界のすう勢は原発を中止する方向であり、実用化しつつある燃料電池、そして自然エネルギーの開発にこそ貴重な税金を使うべきです。破綻寸前の日本経済に無駄使いは許されません。アメリカが決断したように今こそ、イーター計画から手を引く時がきているのではないでしょうか。


No.96

椿 宜之 (年齢 38歳)

(概要)

 ITER計画は一旦、白紙に戻すべき。更なる研究開発と財政改革とを進めた上で、機が熟した時に改めて各国に呼びかけ、実用へ向けての実験に着手すべし。

(意見)

 低水準ながら放射性の廃棄物が(核分裂の軽水炉と比べても)大量に生ずる。炉の内部に使える(太陽内部相当の温度に耐え得る)材料についても、実用化の見通しが立っていない。其の上、本体建設費のみで約5000億円、総事業費にして1兆円超を「保険料」のつもりで(?)費して実験を行うだけの(経済的な)ゆとりが、国債の発行残高を約389兆円(平成13年度末時点)も抱える我が国に在るとはとても言えない。

 従って、今回のITER計画は一旦、白紙に戻すべきである。但、核融合について更なる(と言うより一から取り組み直すつもりで)研究開発を(民間主導で)積み重ねてゆけば、其の成果次第で、今回のITER計画のものよりも「廃棄物が(軽水炉と比べても)少なく」「小型且つ廉価で」、更に「宇宙開発にも応用・転用し得る」だけの核融合実験炉を作り得る、そうした可能性は未だ在ると思う。其の確かな見通しが得られ(勿論、炉の内部に使えるだけの材料の実用化についても)、尚且つ、「国債無しで財源を賄える国家財政」が定着するように成った時、改めて各国に呼びかけた上で、実用へ向けての実験に着手すべきだろう。

 少なくとも「核融合」については、「財政再建」や「雇用確保」と並ぶだけの緊急性は無い。


No.97

セティ・カンパニー (年齢 50歳)

(概要)

 ITER計画懇談会に対する意見

(意見)

 21世紀の原子力は従来型(20世紀型)に加えて、核融合がいよいよ実用化される大きなビジョンがある。20世紀に積んだ知識と経験をふまえて人類の知恵を結集してぜひその夢を実現したいと思います。

 エネルギー資源的にも無尽蔵な核融合装置(ITERの様な)にはぜひ国際間協力が不可欠だと思います。私たちはこの計画に大いなる関心をもって、希望をもって推進に協力してゆきたいと思います。


No.98

栗林 隆志 (年齢 47歳)

(概要)

 日本がITER計画に主体的に参加するだけでなく設置国として主導的役割を果たしていくという懇談会の結論に賛同する。

(意見)

 地球環境問題が世界的に議論されている現代において、将来のエネルギー源の一つとして核融合の研究開発を進めることは必要である。核融合エネルギーが他の代替エネルギー源に比べ、実用化までの道のりが遠いのが気にかかる点ではあるが、それだけ、核融合の研究開発は多くの課題を抱えているということなのであろう。しかし、これらの問題も着実に解決され、成果が積上げられていくことにより、着々と実用化に近づいていくことであろう。ITER計画は核融合炉の実用化に向けてのステップであるが、それが日本独自で進められるのではなく、国際協調の基に進められる点に注目したい。日本は、これまで、科学技術分野において、本格的な国際共同事業を国内で推進した経験が無いということであれば、ITER計画は、日本が国際国として大きく成長する絶好の機会である。様々な問題があるであろうがひとつひとつ、日本が主導的立場となって、それらを着実に処理していくことで、国際国としての日本の評価が高まっていくことを期待している。以上の主旨から、日本がITER計画に主体的に参加するだけでなく、設置国として主導的役割を果たしていくという懇談会の結論に賛同する。


No.99

福山 功 (年齢 62歳)

(概要)

 日本のエネルギー対策について意見を申し述べさせて戴きます。

(意見)

 常日頃日本のエネルギー問題に非常に関心を持っております電気設備の仕事に従事している者でございます。

先日も世界一の先進国と云われているアメリカロスアンゼルスにて電力不足による停電騒ぎがありましたが、決して他国の話と片ずけられない事だと思います。

会社仕事場へ行けばOA機器が驚く程多くなり家庭では電化製品が増して日本の電力供給事績は決して安泰とは云えないと思います。

ではどうすれば良いか天然資源に乏しい我が国にとって今後は原子力に頼る以外にないと思います。

従って至急国際熱核融合実験炉を日本に建設すれば我が国の経済効果の増大につながると思われます。

又日本の技術力を世界にアピール出来てアジア諸国に対するリーダーシップを発揮して若い人に希望が湧いてくる事と思います。

以上の理由で国際熱核融合実験炉を誘致して戴く事を希望します。


No.100

角井 日出雄 (年齢 59歳)

(概要)

 日本がITER計画に対し、中心的に参加することに賛成です。

 但し、日本誘致が条件です。

(意見)

1.賛成理由

  1. 石油ショック時騒がれた次世代のエネルギーも現在では比較的良好に国家間の関係も保たれ、石油供給も安定しており、国民の頭の中から忘れつつあると思います。しかし、この関係は、いつ突如として崩れるか分かず、また、原子力も環境問題などから衰退気味と感じます。

この環境下、特に日本にとっては海外のエネルギー資源に頼ることの少ない次世代のエネルギー源の一つとして核融合発電が必要と考えます。

2)経済力の強い日本。しかし、現在に至るまで技術開発の中心的な役割は殆どやれていません。核融合の開発こそ日本が中心となって担うべきプロジェクトと考えます。他国の様子を探るよりも、自国の方針として進めるべきと考えます。

2.条件

  1. 日本に誘致することが必須条件です。
  2. 海外誘致となるとこのプロジェクトに参加出来る人は研究者を中心とする極一部分の人と考えます。人類の文明に貢献したという事実は残るかと思いますが、それはほんの一部分、日本の貢献は「ゼロ」と評価されると思います。まして、日本の産業界は現在の原子力と同様に核融合産業ヘの自立を希望しています。海外誘致の場合はこの方面からも得られるものが少ないと考えます。

  3. ITERは実験炉です。
  4. ITERを実行すると他の形式の核融合開発はその財源からどうしても難しくなります。異なった形式の核融合炉を開発しようとしている機関もITERに集中できるような組織造りが必要です。

    民間も同様、偏った民間のみの製作・建設業務でなく、将来をみつめ幅広く産業界が参加できるような発注体系も考えていただきたい。

  5. 最後に。

ITERは研究者達の単なる研究の糧でなくエネルギー開発が目的であることを認識して頂きたい。


No.101

尾崎 章 (年齢 46歳)

(概要)

 我が国がITERの設置国になる意義が大きいとした懇談会の結論に賛成である。誘致適地の選定、財源の確保を行い、設置国として立候補するべきと考える。

(意見)

 エネルギー資源は、現在あまり問題にされていないが、地球温暖化等の環境問題と相俟って、今後重要性が増してくるものと考えられる。一方、エネルギー関連の技術は、開発に長期間を要するものが多く、特に資源小国である我が国は、長期的な視野に立って、着実に開発を進めて行く必要があると思う。

 核融合は、現時点では、将来のエネルギー源となりうる見通しはついていないが、これが実用化した場合のメリットは極めて大きく、将来の選択肢を増やすことを目的として開発を進めるべきと考える。

 ITERは、数千億円という巨額の資金を必要とする計画では有るが、国際協力で実施することで負担が幾分か低減されることから、懇談会報告書案にも述べられているとおり、将来に対する保険料と考えることで、我が国が設置国としての資金負担ができる範囲であろうと思われる。また、ITERは従来に無い大規模な国際協力プロジェクトである。我が国が設置国となってこれを主導することは、国際関係が今後益々重要となる日本社会にとって、貴重な経験になると考えられる。また、閉塞感のある、現在の日本社会に対して、「元気の出る」取組みテーマになると思う。

 以上の考えから、我が国がITERの設置国になる意義が大きいとした懇談会の結論に賛成である。更には、誘致適地の選定、財源の確保を行い、ITER設置国として立候補するべきと考える。

以上


No.102

河野 美里 (年齢 23歳)

(概要)

 私はITER計画の進め方に賛成である。核融合は将来のエネルギーとして重要視されるべきである。日本が小資源国であることからも、ITERは日本に誘致すべきであろう。

(意見)

 私はITER計画、ITER日本誘致に基本的に賛成であるので、本報告書の内容にはおおまかに同意できる。

 私は、核融合は将来のエネルギーとして必要だと考えている。現在の主なエネルギー源とされている化石燃料やウラン等の原子力燃料は、現在の時点でおおよその埋蔵量が把握でき、将来的になくなることがわかっている。それらがなくなった場合、人間はどうやって生きていけばよいのか。今現在地球上に生きている私たちがその問題に直面しなかったとしても、私たちの子孫は深刻な問題として直面するであろう。私たちは現在地球に生きる者として、それを黙って見過ごすわけにはいかない。私たちの子孫のためにも今から着実に準備しておくことが大切である。核融合は、開発に時間もお金もかかるため、資源がなくなってから取りかかったのでは遅すぎるということがこの報告書からもよくわかる。今、国際協力のもとで開発を進めていく必要があるという意見に賛成である。

 また別の側面として、日本は世界の中でも小資源国であるため、既存の化石燃料・ウラン燃料が枯渇すると真っ先に困るということがある。報告書によると、日本はJT-60を始めとして核融合の開発において世界でもトップレベルにあるという。その人材の経験や知識を存分に生かし、日本にITERを建設することで世界のリーダー的存在として核融合研究を牽引するということは大きな意義があるだろう。

 これらの理由により、本報告書のITER計画の進め方については概ね賛成である。


No.103

井口 正俊 (年齢 74歳)

(概要)

 日・欧・ロの巨額投資の「核融合実験炉計画」から、早く撤退してください。米国すら脱退している。余りにも時間と金がかかりすぎる。地球温暖化防止策として間に合わない。

(意見)

 地球温暖化防止の京都議定書の早期発効が期待されながら、日米カなどが阻害要因になってきた。特に日本はこの会議から脱退した米国よりも、温暖化ガスは削減どころか逆に増え、森林吸収を主張し原発建設を対策に入れるよう働きかけて、世界の悪役となっている。

 脱原発、自然エネルギー転換を急ぐ必要がある。

 独占の電力の過剰投資、莫大な税金と人員の投入で成り立っている、わが国のエネルギー政策は、重大な誤をおかしている。

 風力発電はドイツの600万kwに対して日本は10万kwそこそこで、お話しにならない。世界のトップを走っている太陽光発電にしても、全国で5万件20万kwにしかすぎない。電特会計5000億の大半は、原発に使われ、太陽光発電普及の中様をなす住宅用の国庫補助は、20億にはじまり、今年235億にしかすぎない。しかも、まだヨチヨチ歩きの太陽光発電は、市場自立させるため、あと2年で国の助成を廃めるという。全く狂気の沙汰で温暖化防止等は行き詰っている。

 国として、自然エネルギーへの買電保証予算を組まなければならないとき、巨額投資は不適当である。しかもこの実験炉の成果は何十年先のことかわからない。

 速やかにこの計画から手を引くべきだ。

以上


No.104

石田 久夫 (年齢 53歳)

(概要)

 核融合開発に賛成します。

 ITERの誘致にも賛成します。

(意見)

 資源の乏しい日本で、多くの人達に豊富なエネルギーを与えて行こうとすれば、革新的技術によるエネルギーの供給は不可欠と思われる。さらに日本だけでなく世界的に見ても今後人口増加、途上国の諸産業の高度化により、エネルギーの消費量がさらに増えることが予想される中、日本がこの研究を牽引していくことに非常に大きな意味があると考えられる。

しかし日本人は「核」という言葉に非常に敏感で様々な偏見を根強く持っている国民なので、これらの不安を取除くだけの安全性の確立、維持それに関する情報の提供、様々な組織、法律の整備等にも力を尽して頂きたい。


No.105

柳瀬 俊晴 (年齢 54歳)

(概要)

 核融合は地球環境への影響、原料の地域性、設備の安全性のいずれにおいても優れている。また、我が国が科学技術分野において、主体的な国際貢献をする機会を与えてくれる。

(意見)

 現代は地球規模で環境を考えるべき時期にあることは、論を待たない。特に、化石燃料の燃焼によって発生する二酸化炭素による地球の温暖化は、既に見過しにできないレベルに達している。また、人口の急増と相まって、大規模でクリーンなエネルギー源の開発が急がれる。一方、全世界が欲する化石燃料は、近々に枯渇する恐れは無いものの、その存在は偏在している。そのため、原料供給の安定性は、資源保有国や周辺地域の政治的・社会的安定性に依存すると共に、国際政争や経済取引の道具になり、人類の安定した発展にとって脅威になり得る。

 核融合は、膨大な発生エネルギーとは裏腹に、二酸化炭素の発生量は極少である。又、原料となる水素・重水素・リチウムは、地球規模で大量かつ不遍的に入手することができる大きな長所を持っている。核融合炉は、正に人類の将来にとって不可欠のエネルギー装置と言えるのではないか。地球にやさしいと言われる水力・風力・太陽光等利用エネルギーも多々あるが、地域偏在性、安定供給性、規模等に欠点があるため、補助的手段に限定されると思われる。

 核融合炉実現には、科学的・工学的な課題が山積していることは事実であるが、少なくとも2~3世代後には絶対不可欠の、大規模なエネルギー源とされることは間違いのない所だろう。又、核融合反応は、本質的に暴走できない性質を持つこと、高レベル放射性廃棄物を発生しないという大きな長所を持っている。唯一の放射性物質であるトリチウムの安全な取扱いを誤らなければ、人類にとって非常に有用なエネルギー源となるだろう。

 最後に、我が国は、国際社会において経済大国としては認知されているが、真に国際貢献をしているとは考えられていない。今、人類共通のエネルギー源となるITERを国内に誘致することで金・人・資源を提供し、リーダーシップが取れれば、真の国際国家に成長できる。


No.106

渡辺 由紀子 (年齢 46歳)

(概要)

 子供達に安全な環境を残したい。

(意見)

 私はITER建設を誘致しようとしている苫小牧市に住む住民です。苫小牧市は苫東にITERを誘致し、なんとか苫東の開発の失敗をおぎなおうとしているようですが、その安全性や放射性廃棄物の処分場が明確にされないうちは私は絶体反対です。たとえ処分場が当市でないとしても放射性廃棄物が大量に排出され地下に埋められるということは未来にわたって環境汚染を招くことであり、あってはならないことだと思います。この間、原発事故が起きていることを見てもわかるように、あってはならないはずの初歩的ミスで事故が起きています。人間の行なうことにミスが全くないとは言いきれません。そしてはじめから安全性が確認されていないものは絶体始動してはいけないのです。これから先、私達の子孫に安全な環境を残していくためにもITERには反対です。


No.107

西川 良雄 (年齢 49歳)

(概要)

 核融合エネルギーの研究なので我が国として世界をリードできる施設なので大いに参加し、設置してほしい。

(意見)

 将来のエネルギーについて、数多く提言されているがそのエネルギーの中でも自然を破壊するものもたくさんあります。又今あるエネルギーのもとがどれくらいあり何十年か先までは良いとか言っているが、そのエネルギーの与える影響は必ずしも良い方向に進んでいるとは思えません。まして我が国には資源がないのも事実であります。

これから先のことを考えると自然を破壊しないエネルギーを考えてもらい開発してほしいと願っています。そのことが、核融合エネルギーならば、大いにこれからの為に賛同しますので設置を考えてほしいです。

こまかいことはこれから始まったときに同時に進めればよいと思います。


No.108

高橋 和男 (年齢 69歳)

(概要)

 安全性の問題、研究成果の保証の問題など疑問があり、さらに日本の財政事情を考慮した時、原子力発電のみにこだわらず、広く他のエネルギーも視野に入れた研究をすべきだ。

(意見)

 イーター計画懇談会の報告書に、いろいろな疑問があり、マスコミやその他の意見を読み聞きしました。

 その結果、次の理由で反対します。

  1. 安全性をめぐり、意見がいろいろあり、地元の人間としては納得できず不安である。
  2. 莫大な金をかけながら、半世紀後に確実に使用できる保証もない。
  3. 世界のエネルギー問題の解決のための「カケ」は危険な原子力発電でなく、すでに実績を上げつつある他のエネルギー研究にお金をかける方がよい。
  4. 原子力委員会だけで、きめるべきでない。たとえ無理があっても、自分の研究を続けたいのが人情であり、そこに見解のせまさが生ずる危険性がある。
  5. 現在の日本の財政事情をもっと配慮すべきと思う。日本の最大の世界への貢献は、一日も早い景気回復でなかろうか。


No.109

大森 順次 (年齢 51歳)

(概要)

 ITER計画は、核融合実験炉を建設するまたとない重要なチャンスである。今後、核融合が社会に受け入れられるように、わかりやすい情報提供が重要である。

(意見)

 現在のエネルギー問題、環境問題からみて、代替エネルギーとして決定的なものはなく、核融合を代替エネルギーのひとつの選択肢として推進することに賛成である。また、核融合を推進するならば、実験炉を建設することは開発のステップとして必須である。

 ITERは1992年から工学設計が国際協力で進められてきて、現在その目標が見通せる状態にある。現在は実験炉建設のまたとないチャンスである。

 今後、核融合が社会に受け入れられるためには、社会に対して信頼関係を失うことなく、かつ、分かりやすい情報提供が重要である。特に、実験炉を建設することに対して、一般的に懸念される安全性、廃業物の処理等について十分な説明が必要である。


No.110

本多 力 (年齢 53歳)

(概要)

 ITERは天然資源の乏しい我が国こそが主導的に推進するにふさわしい計画と思う。世界を先導する国際プロジェクトの1つぐらい日本にあってほしい。

(意見)

① 世界の英知を日本に結集し、日本の核融合開発成果の実績と技術力を活用することによりITERが実現するのであれば、やるべきと思う。

② 人材の確保と育成が必要との記述に関して、ITERを誘致することにより、優秀な人材の確保と育成がおのずとはかられるものと思う。

③ 今後の検討事項として、誘致の適地の有無と財源の確保があげられていますが、誘致については自治体と住民の理解が必須なため政府のすみやかな対応が必要と思います。財源については、ITER計画により科学技術的成果だけでなく、国際プロジロェクトの運営能力、国際交流、国際社会からの信頼の獲得など日本のグローバル化をおし進める成果が期待されるのであれば、多面的な視点からの財源確保が必要と考えます。

④ 「ITER計画の進め方」の要旨で“設置国になることの意義が大きいと結論した”の記述に基本的に賛成です。このように結論したのであれば、同じ要旨の中の(エネルギーと核融合)の最後で、“我が国としてもITER計画に主体的に参加してゆくことを期待する”とありますが、もっとはっきり、“我が国としてはITER計画を主体的に推進してゆくことを提言する”とされてはどうでしょうか。


No.111

松本 毅 (年齢 56歳)

(概要)

懇談会報告書の主旨に賛成である。

(意見)

資源は有限である。

地球環境問題に対処しなければならない。

上記の観点は、現世代の責任であり、次世代に委ねる訳にはいかない。

しかし、広報不足である。

もっと、大手の広告代理店の知恵を借り、啓蒙をはかる必要がある。

核分裂と、核融合との違いを、素人に簡単に私も説明できない。


No,112

島 裕昭 (年齢 37歳)

(概要)

核融合研究は地球環境やエネルギーの安全供給上推進すべきです。また、科学技術教育上からも、実験施設を日本に建設し見学設備の充実を図ることが望ましいです。

(意見)

報告書にも示されているように、地球環境問題と長期的なエネルギー供給の問題は非常に重要です。これまでのように化石燃料に頼っていては地球環境の変化により大規模な気候変動を引き起こすかもしれません。そうなれば、食料供給すらも満たせなくなります。しかも、発展途上国ではこれから化石燃料の利用が多くなるのは明らかです。太陽光や風力などの自然エネルギーに移行することも重要ですが、家庭用電力はともかく日本のようなコンピュータ社会を支える基幹電力としては安定性に欠けます。核融合のような二酸化炭素を発生しないで供給量や安定性に制限のないエネルギー源の開発は人類の生存と日本の繁栄において急務であると思います。ITERを建設して核融合研究をすすめていくべきです。

核融合の研究はまだしばらく掛かるでしょう。核融合技術を含め、科学技術の発達には、多数の技術者の尽力が不可欠です。資源に乏しい日本国は技術立国を目指すと政府はいっていますが、このためには、技術者、研究者として多数の青少年を育てていくことが必要です。しかし、学生の理科系離れが進んでいると聞いています。報告書では、国際的役割などを主な理由として国内への建設が述べられていますが、それらの理由以外にもITERを国内に建設し、見学設備等を充実して、世界の最先端の技術に触れる機会を増やすとともに、青少年の好奇心、探求心、将来の夢を育んでいくべきと思います。


No.113

大井 忠 (年齢 41歳)

(概要)

地球規模のエネルギー問題は、将来深刻な状況が訪れることが予想され、日本はITER設置を積極的に推進するべきと考えます。

(意見)

エネルギー問題は、地球規模の人口増加などの要因を考えると、将来深刻な状況が訪れることが予想される。生活基盤・文明の第一はエネルギ?であり、バイオ、情報が取りざたされる今日の風潮下で、エネルギー情勢の変化は置き去りにされているが、石油資源の枯渇問題は厳然として待ちかまえている。現在の文明は過去50億年の遺産であるエネルギ?の上に成り立っている事実を忘れてはならないと思う。

化石燃料以外の代替え手段を将来に備え確保することはこれまで大量のエネルギーを消費してきた日本を含めた先進諸国の義務であると考える。報告書案では、日本がITER計画の参加国としてITER計画を積極的に推進するだけでなく、設置国となって主体的にITER計画を推進することの意義が非常に大きいと評価している。これまで国際社会に対しての貢献が少ないといわれている我が国にとってこれは良い機会でありこの趣旨に賛成である。

また核融合のような大規模な研究開発には基礎的なテーマが数多く含まれ、こうした研究テーマは至近の評価にはそぐわない。従って市場原理ベースではない長期的な観点でやり遂げる視点が必要であり、国家プロジェクトとして位置付ける報告書案は至極妥当であると考える。我が国の国際協力としての観点ならびに技術立国としての存続を願うものとして、我が国がITERの設置国ととなれるよう政府の前向きな決断を期待します。


No.114

清水 将一 (年齢 45歳)

(概要)

JCOの臨界事故等の影響もあり,原子力には逆風であるが,将来の電源対策,科学技術での世界への貢献,核分裂発電の脱却等の理由から,是非核融合計画を推進すべき。

(意見)

私は故郷が茨城県ひたちなか市(旧勝田市)で東海村に隣接していました。幼い頃より,「原研」と称する施設に親しんで来ました。その意味では,原子力政策には理解のあるつもりですが,現在はふげんの事故の隠蔽を始め,JCOの臨界事故等の影響もあり,原子力や放射線と言うものに非常に危険性を感じ,あぶないものとの印象が強いです。

 しかし,そうであっても,将来の電力事情や資源の問題を考える時,そのような感情論に流されることなく,冷静に物事の善し悪し,必要性を判断することが大事だと思います。特に,原子力関係の事実や仕組みは素人には非常に難解で,分かりづらいですが,だからと言って,秘密にしたり,適当にごまかすことは許されません。国民の税金を使う以上,きちんとした説明や,正しい知識の普及を関係機関は何にも増して努力する必要があると思います。結局「素人に理解の得られないものは,やはり良くない物なのだ」と言うくらいの感覚であるべきと思います。

その意味で,今回の国際熱核融合実験炉(ITER)計画の話はまだまだPRが十分とは思いませんが,上記の点によく配慮していただくことを前提に,次の点から,私としは賛成し,是非推進すべきと思います。

1.将来の電源事情等を考える時,他の太陽光,風力等と並んで,核融合は大きな柱となるべきと考える。

2.日本が世界の科学技術に貢献できる国ととして,金と知恵と提供してゆくことは,安全保障や国際貢献の面でも重要である。

3.現在の核分裂炉中心の原子力発電はその廃棄物,設置場所,事故等の危険性が大きく早期の脱却を図るべき。

以上


No.115

水内 亨 (年齢 48歳)

(概要)

 核融合研究への投資を「保険料」と考えるなら、大学等における研究を含んだ幅広い核融合研究を発展させ、核融合研究の基盤を損なうことのないような配慮こそが重要である。

(意見)

 核燃焼を長時間維持しているプラズマを対象とした実験的研究は、核融合エネルギー開発にとって不可欠なステップのひとつである。現時点での知識・技術を基盤としてそのような核燃焼プラズマを扱える装置を考えると、そのスペックには異論があるが、ITERが設計できると言うことである。注意すべきは、報告書案にも記述されているように、ITERだけやれば核融合炉ができると言うものではないと言うことである。核融合エネルギーの実用化には、トカマク方式自身も、より進んだ運転方式を探るための更なる研究開発が必要とされているし、トカマク以外の方式の潜在的ポテンシャルを無視するわけには行かない。また、適当な材料開発も必須である。我が国は、各種方式の実験装置をもち、幅広い核融合研究を活発に行っている世界でも貴重な国であることに留意しておく必要がある。

 このような観点から、報告書案が示すように核融合開発への投資を「保険料」と考えるならば、軸足は、「目先の」ITER計画に置くのではなく、幅広い核融合研究の発展におき、核融合研究の基盤を損なうことのないようする必要がある。(この意味では、ITERへの投資は、核融合研究への「保険」に付随する「特約契約」と考えるべきであり、「本契約」を損なうわけには行かないであろう。)報告書案では、「核融合研究の推進に当たっては、戦略的に重点化を図りながら推進体制を構築することが重要である」と述べられているが、狭い視野の「戦術的判断」ではなく、広い視野を持った、真の「戦略的観点」からの判断が重要である。


No.116

水内 亨 (年齢 48歳)

(概要)

 懇談会、あるいはそれに代わる有識者集団は、本報告書で示された提言がどのように扱われるかを責任をもって監視し、必要ならば再度新たな提言を行わねばならない。

(意見)

 本報告書では、大規模な科学技術計画の進め方について判断する方法として、4段階方式が提示されている。しかしながら、このようなステップ論は、ともすれば一度「前段階」で示された判断を絶対無二のものとして、その後状況変化を無視してしまうことになる可能性がある。このような弊害を防止するためには、その計画が完結するまで、4グループは事態の推移に即した判断を行い、それを計画に反映させていくことが重要でる。

 本報告書は、「有識者による幅広い観点からの提言」をまとめたものと位置付けられており、我が国として今後のITER計画の進め方について「重要な」提言がなされている。しかし、本当に重要な懇談会(あるいはこれに代わる有識者集団)の役割は、ここでまとめられた提言が、今後どのように取り扱われていくか、情勢の変化により提言を修正・追加する必要はないかなど、常に監視していくべきであると考える。しかしながら、報告書文案では、「この報告書を出したから後は適当に...」といった印象が否めない。このままでは、上述のステップ論の弊害に陥りかねない。この提案の「アフターケア」を確実に実行する手段をも提示すべきであろう。


No.117

山本 若子 (年齢 47歳)

(概要)

核融合理論に耐えうる材料工学的理論も知見も未だに得られていない科学とはいえ現実を踏まえた正当なヴィジョンのない核融合炉の誘致は国の財政負担になります

(意見)

1990年代は失われた10年であるという、我々は崇高な科学に期待し科学者にも敬意を抱いてきた。核融合は20年以上前アメリカの学者によって論文が発表されたが、それ以来根本的な問題は何も解決されていないし今後の見込みも立っていないのが現状だ。科学者といえども現実を直視し広範な世界を見渡し、現在の日本の状況を考えきちんとしたヴィジョンをもたねば国民からお荷物的存在になってしまう。科学の崇高さを認識して尚そう苦言を呈したい。

 現在国際核融合実験炉は当初ロシアが開発していたトカマク炉である、98年米国はITERから手を引いたが、現在はレーザー核融合の研究をしている、以来米国は論文を発表していない、レーザーは戦略兵器の関連があるので機微な事項に類すると思われる、米国はトカマク炉に見切りをつけたのだ。

 問題点として、プラズマ状態の困難性、核融合理論に耐えうる材料工学的問題、膨大で非現実的な核施設と膨大な放射化された廃棄物、放射能・中性子やトリチウムの危険性をきちんと把握していない(報告は微小に評価している)技術者の被爆外部への漏れ、経済的メリットが少ない。

 今こそ、科学者はおごることなく研究のための研究を繰り返す事を止めて欲しい。本当に国民の合意を得るような研究であれば私たちは応援をしたい。科学が持つロマンもまた認めよう、しかしITERにはその資格がない。


No.118

村上 好樹 (年齢 40歳)

(概要)

原子力で数少ない先端研究である核融合なしに若い人の新規参入は見込めず産業は衰退し原子炉の安全確保にも影響する.原子力産業を活性させるITERの誘致に賛成する.

(意見)

筆者は原子力関連メーカーの技術者ですが危機的状況にある原子力産業を活性化させるためにもITER誘致に賛成します.どのような産業分野でも先端的研究課題がなくなれば成長は止まってしまいます.原子力分野には安全性やFBR,廃炉など重要かつ先端的課題は多数ありますが,一般認識として厄介な課題を解決するための研究であり先端的な研究とは思われていません.これらの研究を志す若者がどれだけいるのでしょうか? 高校生や大学生が廃炉技術に魅力を感じるでしょうか? 核融合炉の開発は宇宙のエネルギー源でもあり半導体製造や平面ディスプレーにも応用されているプラズマ技術を用いて地上に太陽を作るという現時点では原子力分野では極めてまれな夢のある研究分野です.若い人が魅力を感じるのは,その分野が常に最先端の研究開発を行っており,人生を賭けて挑戦するにたる課題があるからです.メーカーでは厳しい経営環境から核融合分野は縮小の傾向にあり,もしITER計画が実現しなければ核融合からは一切手を引こうという雰囲気です.原子力産業は典型的な物作り産業です.IT産業のようにソフト開発中心では結局,物を作るという製造業本来の技術が衰退してしまいます.核融合は超伝導や真空技術,ビーム技術,大電力技術など極めて広い製造技術をカバーしており,核融合技術者だけでなく製造業の技術の継承に素晴らしい効果を発揮すると思います.また,重電分野で海外と競争力を保てる数少ない分野にもなると思われます.従って,核融合研究のためだけでなく,原子力産業ひいては日本の製造業全体の活性化のためにも,核融合炉の開発を積極的に行っていくことが必要と考えます.関係各位におきましては,上記のような広い視点から決断をされることを望みます.


No.119

西守 克己 (年齢 55歳)

(概要)

報告書案には賛成致しますが、情報公開の原則に沿って具体的に、ITER計画の一つ一つの成果について、何をいつ、どのようにして、国民にアピールし続けるかを配慮すべきだ。

(意見)

ITER計画懇談会の報告書案を読ませていただきました。大意についてはほぼ問題がないように思います。そして、その予算が国民一人当たり5000円としても、これでは、恐らく、不足することは明らかです。増額しても良いではありませんか。湾岸戦争の90兆円や不良債権処理の国民負担60兆円とくらべれば、国威発揚のためには良いのではありませんか。エネルギー大国として日本を世界に知らしめるようになるのであれば、賛成です。ただ敢えて、気に懸かる点を申し上げるのであれば、情報公開の原則に沿って具体的に、ITER計画における一つ一つの成果について、何をいつ、どのようにして、国民の皆様にご覧頂けるか、についての配慮が欠けているように思います。特に、将来に当たってのエネルギー対策での、保険料とかんがえてはとのご意見に関しては、手前味噌もいい加減で場当たり過ぎます。保険料の議論に関しては、ITERによるエネルギー問題の解決が約束されていることが前提条件だと思います。思いこみもここまで来ると、国民の皆様も、はたと困るのではないですか。万が一、研究者、開発者の試してみたい装置であって失敗するかも知れないものであっても、国民に夢を抱かせるものであり、その過程での成果が目に見える形でアピールできれば、それなりに、国民も納得すると思います。その典型的なものに宇宙開発があります。ロケット打ち上げ、惑星探査などにおける数々の失敗があっても次には実現できるという夢をつなぎとめる成果が公開されて行っているからです。要は、話のもっていきようですが、エリート意識を前面に出しているような動燃と同じ次元の問題処理方法であってはいけないと思います。


No.120

堀 昭夫 (年齢 42歳)

(意見)

 誘致に未来開拓・国際協力の観点から賛成する。ただし地震時の安全性は必須条件であり、それが政治的思惑により軽視されるのであれば、むしろ誘致見送りが正しくなる。

(意見)

 人類の未来に対する4大課題(人口・食料・エネルギ・環境)の解決のための取り組みの一つであるITERに関し、その誘致を未来開拓・国際協力の観点から賛成します。

 しかし、私の専門である建築構造の面から見ますと、原子力発電所と程度の差はあるにしろ、放射線安全について保証が求められる施設を対象に、地域振興優先でどこでも可能な(のような印象を新聞では受ける)形で立地募集するのは如何なものかと考えます。建物は放射線安全に関する最後の砦ですが、周知のように日本は地震国であり、ある場所で起こりうる地震の上限を設定することは理学的には非常に困難であると聞き及んでおります。近年では、阪神大震災で震災の帯の元凶とされた地盤の深部構造に関する調査も各地の自治体で精力的に進められ、また地盤深部の地震観測も防災科学技術研究所(基盤強震観測網http://www.kik.bosai.go.jp/kik/)を中心に行われて最近一般紙の科学面を飾りました。国民の地震危険度に対する認識もますます高まると予想されます。しかし上記観測網の深部の土質図を見ると、候補地の中には地震時の安全性を担保できない所があると思われます。

 ITER誘致のサイト絞り込みにおいては、地震時の安全性の担保は必須条件であり、政治的思惑?により技術的判断が軽視または曲解される事がないよう強く望みます。仮にサイト絞り込みにおいて強弁がまかり通るのであれば、誘致見送りがむしろ正しいと考えるのは私だけではないと思います。(報告書で地震時安全性についいて言及すると良いのでは?)


No.121

大越 正和 (年齢 51歳)

(意見)

エネルギー問題が騒がれて数十年が過ぎていますが、いまだ有効な解決策が見つかっていない状況で、私は原子力が今後の解決の糸口になると考えています。確かに日本は被爆国であり核に対するアレルギーはまだまだ強い国です。しかし、今、環境問題を考えた上で何がもっとも必要とされているかと言うと、ここ十数年で問題が出てくるといわれている地球温暖化をいかに押さえながら新しいエネルギーを作るかだと思います。現在使われている化石燃料を使いつづけ行けばゆくゆくは温暖化の末に高地での保水問題など地球規模で破壊が進むと思います。今回ITER計画を読ませていただき、未来の人口太陽の創造をそれも日本がその中心的役割を果たしながら進めていくことは誇らしいことでもあり、国民の将来を考えれば我々の税の一部を使っても進めるべきことだと思います。

以上


No.122

藤沢 盛夫 (年齢 49歳)

(概要)

 核融合の研究開発は、日本が世界に誇れる先端技術である。この分野の世界の科学者を日本に集結させ、将来の資源としての研究を推進する事は大変意義がある。

(意見)

 国土が小さく、資源の少ない日本が、現在の繁栄を維持、発展して行くためには種々の先端技術を世界の国々と協力しながら、開発推進するリーダーシップを発揮する事が特に大切と考える。今回の報告書は将来の核融合開発の方向を示した点で、大いに評価できる。日本の核融合の研究開発は、原研や核融合研、大学等の英知を結集した成果が着実に出ており、世界に誇れる技術と思う。しかし、今後は人的資源や、開発費の面で一国で推進するには限界がある所に来ており、国の役割が期待される。ITERの実現へ向けた政府間協議開催等の外交交渉を望む。ITERの日本への誘致は、前述した理由からぜひ実現してほしいと考える。新聞報道等で仏やカナダが誘致を希望している状況から日本の誘致候補地については、早い時期に一本化する事で他国との誘致競争に打ち勝つ方向が見えて来ると思う。世界の優秀な科学技術者が研究に邁進できる環境を提供できる地域を選定する事で前進が図られる事を望む。

以上


No.123

ITERの苫東誘致に反対する会 代表 片平とし子

(概要)

 ITER計画は、技術的な困難性が過大であり、経済的負担が膨大であり、住民被曝の危険性が大きく、核廃棄物の発生を伴う。ITER日本誘致案に反対します。

(意見)

 核融合研究は、半世紀にわたり研究されてきたが、いまだに実現の目処が立っていない。しかも、以下のような危険性がある実験施設に、巨額の費用を支出することは、「保険料」の範疇を超えるものと考え、ITER日本誘致案に反対します。

 トリチウムは、1gが千人の致死量に相当する猛毒の物質であり、漏出するならば取返しのつかない事態となるが、漏洩防止は極めて困難である。また、実験により発生する中性子は、極めて強力であり、トリチウムとあいまって周辺住民に日常的に被曝の危険性を強いることとなる。

 数億度の炉内温度、超伝導コイルを-270度程度に冷やすヘリウムの存在、強力な中性子の照射とそれによる周辺機材の放射化、酸素と激しく反応するトリチウムやリチウムの使用などを考慮するならば、些細な過誤が重大な事故を招く可能性が高いものとなる。過酷な環境自体が事故を引き起こすばかりでなく、接近を不能にする環境が事故を増幅させ、収束を困難にするのである。事故があれば、膨大な量のトリチウムにより、想像を絶する被害をもたらすことが予想される。

 仮に実験が成功しても、膨大な放射性廃棄物処分の問題が残される。原発以上に発生する低レベル廃棄物のみならず、管理期間だけで数百年という超長期間管理が必要となる高βγ廃棄物の発生は、許容できない負の遺産を未来に残すことになる。特に、ニオブ94は、半減期が2万年である。既に原発から生じる廃棄物の処分が行き詰まっているなか、これ以上の放射性廃棄物を発生させることは、厳に慎むべきものと考える。

 最後に「倫理性の問題」に言及する。日本は、歴史教科書検定問題、改憲傾向の発生などにより、既に周辺国家から平和志向に疑念を抱かれている。さらに、プルトニウムの蓄積などにより核兵器開発志向を懸念されており、この上、水爆の原料となるトリチウムの大量保有は、周辺諸国との摩擦を強めるものと考える。


No.124

吉田 利夫 (年齢 53歳)

(概要)

地球環境・エネルギー対策の重要な資源として核融合が選択可能となることを望む。更に幅広い分野・層の参画を求めより現実的、計画的に日本を拠点に実行されることを望む。

(意見)

 ITER計画懇談会報告書の認識、主張、意見は幅広い視点でまとめられ、多くの点において賛同する。特に、安全面で放射性物質の利用とその閉じこめの必要性、放射性廃棄物が生成されることとその廃棄物処理の必要性を明示しており、これまでの経過も含め評価したい。

また、世界的規模の大形プロジェクトとして国際協調のもと、日本が先導的、主導的責任を果たそうとの主張は明確で賛同できる。更に、費用の最小化と投資に対する意義、利益の最大化のため、経営管理専門家の参画により計画的に実効を上げる手法は多いに賛成したい。他方、5000億円の予算見通しの他にサイト整備費等の費用とあるが、その費用が本体5000億円に対してどの程度のものかを明らかにする必要を感じる。

また、必要な経費が保険という名目で行使されるという基本理念には疑問を感じる。そもそも、エネルギー開発関連に膨大な費用が掛かることは多くの国民はこれまでの経験から承知しており、計画立案実行する立場自らが”保険”を国民に求めるというのは如何なものだろうか(生命保険は個人にとって身近な問題で費用選択も自由であり個人の尊厳とも相俟って、比較の対象とはなり難い)。今以上にコスト意識と、行動計画(速度・マイルストーン)を国民にわかり易く示し、その達成に全使命を約束する覚悟を示すことが我が国を拠点とした壮大な世界的、国家的プロジェクトへの理解を得る道ではないかと考える。

若干なりとも、核融合への作業に参加させていただいたものの一人として、ITER計画が学術主体を乗り越えた、より幅広い分野・層の参画により、より速い現実的な実現への道として、広く世界、そして日本の国民に身近に感じてもらう方向へ進展する事を望んでいる。


No.125

宮崎 有広 (年齢 44歳)

(概要)

 環境に重大な影響を与える可能性の強いITER(国際熱核融合実験炉)は、未来のエネルギーになり得ず、税金の無駄遣いと考え、日本への誘致に反対です。

(意見)

 未来のエネルギーとして期待されている核融合発電ですが、私は、ITERはそうはならないのではないかと思います。

 理由の第1は、原料にトリチウムを使うからです。放射性物質であり、管理が難しく、施設周囲への拡散を完全には防ぐ技術が、まだ完成してはいないのではないでしょうか。トリチウムは水素原子に簡単に置き換わるわけで、生物及び人体への影響が大変心配されます。今の段階で、トリチウムを使う実験はやめてほしい。100%安全に管理できるようになる、あるいは別の物質を反応に使うのでなければ、実験炉をつくる、あるいは動かしてはならないと思います。

 理由の第2は、炉壁が、高速の中性子によって放射化され、大量の(3万9千トンとわれている)放射性廃棄物が生み出されてしまうからです。「低レベル」と言われますが、人が近寄れるものではありません。もし、ITERが成功して発電炉がどんどんつくられれば、放射性廃棄物も莫大になります。後世の人々にそのつけを押し付けたくはありません。

 エネルギー問題解決には、環境になるべく負荷をかけないことが大切で、今脚光を浴びている自然エネルギーなどにもっとお金をかけて、コストの低い、安定供給できるものを生み出すべきです。

 以上より、ITERに数千億円も使うのは無駄であり日本に誘致することに反対致します。


No.126

玉澤 武之 (年齢 62歳)

(概要)

 核融合エネルギーは、将来、化石燃料が枯渇することから、これの代替エネルギーとして、開発されることが期待される。ITER計画が即時開始されることを望む。    

(意見)

 ITER最終設計報告書(案)の完成を受けて,これまで設計に従事した多くの関係者の努力に敬意を表します。

 ITER-EDAは、国際協力により、将来の実証炉につながる科学的経済的合理性を備えて設計されたが、この種の巨大施設を、国際協力で作った数少ない例であるので,計画通り建設を完遂することを切望する。

 私は,次の理由により、ITER施設が計画通り建設されるべきであると考える。

(1)世界のエネルギー事情は,各国で程度の差はあれ、長期的には,化石燃料の枯渇が差し迫った課題である。風力、太陽光等新エネルギーと云われる資源も、 化石燃料の代替エネルギーにはなり得ない。

(2)地球環境の面から、地球温暖化の主要な原因は,化石燃料のエネルギー利用に負う処による。最近の気象現象から、温暖化の加速化が実感される。COP3の実現のため,原子力利用等原因物質を排出しないエネルギー源の開発が急がれるとき、核融合エネルギーが、その主要な候補の一つであろう。

(3)核融合エネルギーが利用可能になる2050年頃は、化石燃料の展望がはっきりし、核融合エネリギーの利用が待望される時期を迎えると考えている。

(4)核融合研究等に携わってきた研究者、技術者は、各国に高い能力を備えて養成されている。もし、計画を一旦休止し,時間をおいて再開する時には、そのポテンシャルの保持は難しく,特に、産業界の技術能力の保持は、至難の業になるものと考える。

 なお、ITER計画の実施場所については、最もエネルギー供給に課題のある日本で実施すべきと考える。また、現在の日本の財政の逼迫状況を考えて、建設費については、最も安価で、かつ、研究環境の優れた地域を選定すべきであると考える.

以 上


No.127

鈴木 俊幸 (年齢 43歳)

(概要)

この計画は、核融合エネルギーの実用化を目指す上で不可欠な実験施設であり、技術的な国際貢献という意味で重要国策にも位置付けられるので、迅速な計画の推進を望む。

(意見)

現在の我が国の財政は厳しい状況にあるため、巨額の投資が必要となるこのITER計画はこれまでの巨大プロジェクト着手時に見られなかったほど綿密に議論され、かつ慎重に扱われているが、その一方、核融合エネルギー開発に対する社会・経済からの要請は庶民レベルまでの広がりを見せていない。これは、研究成果がメディアから身近に感じ取れる宇宙開発や近い将来の医療革新に繋がるだろう生命科学などと違い、ITER計画の意義や期待される成果等が十分に理解されていないためであろう。

また、昨今取り沙汰されている燃料電池や風力発電などのクリーンなエネルギーに比べて、この種の核反応を用いるエネルギー開発には安全性への懸念を感じているためかも知れない。

しかし、世界レベルでの人口増加と生活水準の向上に伴って、エネルギー資源の確保と地球環境保護が人類共通の恒常的な課題であることは紛れも無い事実であり、現段階から、この課題に対する種々の前向きな取り組みが必要であろう。そして、この報告書案に示されているように、今世紀は過渡的にエネルギー源の多様化が図られるだろうが、核融合エネルギーは安定供給できるエネルギー源の中の有力な選択肢と位置付けられるに違いないと思う。従って、このITER計画は、核融合エネルギーの実用化を目指す上で不可欠な実験施設である点を認識して、計画を推進すべきと考える。また、当然、研究投資効果は直ぐに期待できないかもしれないが、この計画は国際プロジェクトであり、ODAによる財政貢献ではない技術的な国際貢献という意味で重要国策にも位置付けられるだろう。

さらに、これまで段階的に踏み固めてきた核融合エネルギー開発を進展させるには、タイミングとスピードも重要な要素であり、迅速な計画の推進を望む。また、一技術者としては、我が国の将来の展望として、このような先端技術開発を通じて科学技術創造立国を目指したいと願う。


No.128

橋本 正義 (年齢 58歳)

(概要)

報告書(案)に賛成し、日本におけるITERの早期建設を希望します。早期着工は若手の研究者や技術者に大きな夢と機会を与えると思います。

(意見)

報告書(案)に賛成し、日本におけるITERの早期建設を希望します。報告書(案)は、原子力施設や核融合分野をある程度理解できる技術者にとっては適切な報告書(案)であり、ITERの現状と実現性がよく理解できると思います。

報告書(案)では、核融合エネルギー開発を一種の保険と慎重に述べていますが、地球環境を守りながら大量のエネルギーを安全に得る手段としては最良のものであると思います。従って、日本の原子力発電所の初期段階から設計・建設・運転に長年携わってきた技術者としては、一日も早くITERを実際に着工することを希望します。なぜならば、核分裂による原子力発電所の場合も色々な困難はありましたが、官学民が協力して集中的に研究開発したことの他に、実際に研究炉、実験炉、実証炉、発電炉を建設したことにより技術が早期に確立できたと思います。

当然、安全確保は最優先にさらに研究開発を深め、慎重に運転計画を立てるべきではありますが、幸い、安全性に関しては核融合のもつ固有の安全性のために核分裂による原子力発電所等とは次元が異なり大きな課題はないと思われます。しかし、超高真空や電磁力等を考慮しながら極低温から超高温まで扱うために、貴重な税金を使って高価な実験装置を建設するまでに実証すべき課題は数多く残っていると思われます。すなわち、実験装置の利用のみならず開発・建設段階にも若手の研究者や技術者が挑戦できる課題と機会が多くあると思います。従って、建設に先立ち、今後の研究開発と設計活動にさらに多くの若人が参加できる体制作りにも期待します。


No.129

石本 一之 (年齢 45歳)

(概要)

エネルギー問題への取組の責任、核融合関連科学技術の発展、ビッグプロジェクトへの主導的係わり等の観点から日本がITER設置国になることに賛成。

(意見)

私はITERの国内誘致に賛成します。またITER計画懇談会報告書(案)に記載されている内容に同感です。特に賛同できるポイントとプロジェクトに対する私の意見を箇条書きで以下に示します。

・エネルギー問題は世界共通の問題ですが、特にエネルギー資源が少ないにも関らず消費量が多い日本は率先してエネルギー問題に取組む責任があると思います。

・ITERは参加各国が共通に成果を分け合う実験炉ではありますが、しかしITERが日本国内に建設されれば日本としては更に核融合研究の成果を得ることができます。また核融合開発に付随した多くの関連科学技術の発展にも繋がり、国内産業界の活性化に大いに貢献すると考えます。

・これまで日本はITER規模の国際ビッグプロジェクトを主導的に実施した経験がありません。核融合開発の日本の技術レベルは欧米と同等かそれ以上とも考えられるため、ITERはビッグプロジェクトを日本主導で実施する絶好のチャンスと考えます。

・今後の展開の中で心配な点は国内の建設候補地を一つに絞り込む過程です。現在国内の建設候補地がいくつかありますが、そのなかから一つを選ぶ時、単に国内事情あるいは自治体の都合だけから選定するのではなく、また余りに政治的判断だけから決めるのでもなく、日本誘致が決まった時に他の参加国が納得できるような過程で選定されることを強く望みます。

・核融合炉の実用化がまだまだ先のことであり、また実用化される時代は大型発電所はもはや必要のない状況になっているかもしれません。その意味で国民の税金を使ってITERを建設し核融合研究を続けることはある意味で保険であるとの指摘はもっともです。それゆえ関係者は強い責任感をもってプロジェクトを進めて頂きたいと思います。


No.130

堀池 寛 (年齢 51歳)

(概要)

 エネルギー問題を解決する究極的な方法として、核融合の開発研究への投資は国家的事業として非常に大切であり、ITER建設と誘致を国策として強力に推進する必要がある。

(意見)

 エネルギー問題を自然エネルギーで解決できるが如き風潮があるが、エネルギーが散逸した自然界から機械的エネルギーを回収する事は非常に効率が悪く、熱力学的に良い方法ではない。原子力や核融合は必要な燃料の量が小さいので環境への負荷が小さく価格が安く、効率も良いので、それらを上手に利用して効率の良い社会を構築することが重要である。しかし原子力は核燃料サイクルという大規模なインフラが必要で核不拡散への考慮が必要である。

 核融合は発電所内で燃料が循環処理されるので、外部に置く再処理工場が不要と言う意味で、コンパクトで地域的に分散したエネルギーシステムを築くことができる、これからの社会のあり方に合致する理想的なエネルギー源である。重水素が地球上に偏在しないという利点も大きい。これらの利点に比べて投資が5000億円というITERは安い買い物と言うことができ、その建設を強力に推進するべきである。

 核融合の幾つかの方式が模索されている中で、トカマク方式は装置を構成する部品の形が単純なため、製作が容易で価格も安いが性能は非常に優れているという、物理的且つ工学的に抜きんでた方式である。その利点が広く認められ世界中で精力的に研究されている。軽水炉、高速炉、火力などとの比較で価格競争力を有するのもこの方式のみである。従ってITERを初めとするトカマクに研究投資を集中するのが最も妥当である。

 ITERは日本、欧州、ロシアが共同で行う大プロジェクトであり国際協調を進める上でも大きな利益があるので、是非とも日本に誘致するべきである。これを国内に建設すれば多くの外国人研究者と家族が日本に往来し、相互理解が進んで国際関係の安定に寄与し、ロシアとも相互理解が進む様な有形無形の利益がもたらされ、エネルギー安定供給への保険と共に安全保障にも利益をもたらすと期待できる。ITER建設と誘致に賛成する。(以上)


No.131

真木 紘一 (年齢 56歳)

(概要)

 我々人類の将来のエネルギー源を確保するため、また、文化、教育、言語の面で、我が国の完全な開国を実現するために、ITERの我が国への誘致を強く望みます。

(意見)

 我々人類にとって、文明社会を維持発展させるために最低限必要な二つの資源である食料とエネルギーが、その供給に限界が見え始めており、将来の長期にわたる供給の保障には楽観を許さない状況になりつつあると考えます。エネルギー消費量に関しては年々増え続けており、今後の世界人口増加の予想にも依存するとはいえ、最終人口を100億として、文明社会の人々が現状維持するとしても必要な年間のエネルギー量は現在の5倍にものぼるという試算もあります。このような試算も踏まえて、CO2を放出しない将来のエネルギー源として核融合エネルギー開発へ投資することは、ITER懇談会報告書で指摘している通りであると考えます。

 今や我が国が、科学・技術において国際社会をリードしていく立場にあることは明白であるにも拘わらず、国家予算に占める科学・技術関連予算の割合が先進国では下位になっていることを鑑み、ITER建設のために、従来の科学・技術関連予算とは別枠で計上することによって、世界に対して科学・技術立国の宣言をすべき時であると考えます。

 ITERを我が国に誘致することによって、我が国にとって、科学・技術分野における本格的な国際共同事業を推進する初めての経験となり、文化、教育、言語の面で完全な開国を実現する歴史的意義は何物にも代え難いものと考えます。また、ITERを我が国に誘致することは、我が国の科学・技術における国際的地位のみならず国際社会における我が国の立場を大きく向上させ、且つ我が国の科学・技術を支える人材の育成にも結びつき、そのために投入する国家予算以上の大きな見返りが期待できるものと考えます。

 以上の点を広く国民に理解を求める努力をするとともに、核融合炉の実現を望む一人として、日本国民の一人としてITERを我が国に誘致することを強く望みます。


No.132

長山 好夫 (年齢 49歳)

(概要)

ITERは工学的実証試験も明快な物理実験もできず、費用や放射能の面で市民の負担に見合う成果を出せない。実用炉につながる新型炉形式を探求するのが先決である。

(意見)

 ITERは膨大な資金を要するだけでなく、200年間管理すべき4万トン弱の放射能を残しますが、それに見合っただけの成果をあげることができません。すなわち、大成功したとしてもわずか千秒間の核燃焼では発電はおろか壁の中性子負荷やトリチウム増殖などの重要な工学試験ができません。またプラズマ維持のために大きな外部加熱入力が必要ですので、主目的とされるプラズマへの核燃焼の効果すら明確にすることができません。

 米国はトカマクは実用炉にならないとしてITERから降り、新たな閉じこめ方式を探っております。今や旧文部省の多岐路線が最も先進的になりました。今後、核融合科学研究所のLHDで高温プラズマ生成に成功すればヘリカル型核燃焼炉のめどがたちます。ヘリカル炉の連続核燃焼運転により、工学的試験さらには豊富な高速中性子を利用した新たな実験が可能になります。高ベータ高閉じこめの球状トカマクが成功すれば炉工学的に格段に有利なD-DやD-He3炉の展望が開けてきます。世界をリードしてきた米国プリンストンプラズマ物理学研究所ではかつての大型トカマクの設備を利用して球状トカマク実験を行い、新型ヘリカルを開発しております。

 新型炉形式の研究を中止してITERを建設するのは時代錯誤であり、核融合開発が大幅に遅れてしまいます。本当に実用可能な炉形式を見出した時には、寓話のように「また狼が来たと言うのか」と国民にそっぽを向かれるのは目に見えております。

 従いまして、私は、核燃焼炉は原型炉の炉形式のめどか、又は少なくても連続運転炉のめどがたってから建設しても遅くはないと存じます。大型ヘリカル研究の推進と併せて大型トカマクの球状トカマクへの改造等、実験と改良を積み重ねていけば、十年程度で原型炉形式のめどがたつものと信じております。「急がばまわれ」です。


No.133

嶋田 恭彦 (年齢 24歳)

(概要)

ITERの開発に賛成である。

(意見)

石油等の地下資源に限りがあることが既に分かっている以上、

新たなエネルギー開発は急務である。


No.134

迫田 明紀 (年齢 60歳)

(概要)

 現在予測される地球環境の劣化を防ぎながらエネルギー確保手段として我が国がITER計画を進めることは、これに伴う危険要因の解消を前提として注力すべき事と考える。

(意見)

1.本計画の有用性の認識

 地球システムにおける化石燃料エネルギー依存の人間社会の消費生活の増大は地球系外とのエネルギー授受のバランスを変化させ21世紀中に生態系の突然な変化を危惧されており、地球温暖化ガスの排出を伴わない高密度熱エネルギー発生システムであるITER計画の推進は人間社会の未来に展望を開くものである。

2.本計画の推進・実用化の条件

 炭素燃焼に依存しないエネルギー源としては水力発電のダム、原子力発電の原子炉等高密度のエネルギーを蓄えこれを人知の統制下において活用する事で有用な存在となった。ITERにおいても、原子力発電が有益なシステムでありながら、放射能の制御に最大の対策と管理を要求され、一部ではこれを避忌されると同様、人間が作り出す技術システムの不完全性、人と機械システムとの混在、接点における予期せぬ破綻により深刻な人的被害がもたらされる事を、技術的にも社会システム的にも無くする事が必要であり、システムの安全性の確認(説明)よりも、危険要因の全てに対し数値的予測とその対策が可能となり、広く社会に開示されることが本計画推進の条件となる。

3.世界への貢献と国益

 技術想像立国は資源小国日本の基本であり、日本は今、新技術システムで世界をリードする事が価値ある事だと考える。若い世代に世界観、地球観を高めさせ、個人の欲望から所属社会の公益に貢献する喜びを与える機会を準備する事は日本の国益に他ならない。高コスト開発での高負担は、経済大国の還元義務でもある。

以上


No.135

山中 芳宣 (年齢 52歳)

(概要)

国際プロジェクトに主導的に参画し、人類共通の課題解決に貢献する意義大との報告に賛成する。具体化には、国民の幅広い理解が必要で、より広く、より平易な説明の試みを望む。

(意見)

 エコノミーは国境を越え、グローバル化が避けられないとすれば、今世紀の我国は知の創造や文化で世界に貢献する科学技術立国、文化立国を目指すべきである。

 新らしい科学技術基本計画では重点分野として①ライフサイエンス、②情報通信、③環境、④ナノテクノロジー・材料が挙げられているが、地球環境問題は資源問題であり、エネルギーは環境と同等の人類共通の課題といえる。

 エネルギー問題を解決するために省エネルギーや代替再生エネルギー開発が進められているが、地球環境を守りつつ全人類の豊かな生活を保証しうる21世紀を見通したビジョンは未だ示されていない。従って、中長期の展望に立った革新的代替エネルギー源の開発は重要であり、核融合は実用化されれば、安定かつ恒久的なエネルギー源となる可能性を有する有力候補である。

 ITER計画はこの核融合エネルギーを実現するための国際共同プロジェクトであり、この計画で重要な役割を果すことは、人類共通のエネルギー問題の解決という大きな国際貢献に繋がるものである。また、我国は資源小国として、エネルギー開発の一環として核融合研究に積極的に取組んできており、この分野では世界をリードし得るポテンシャルにある。

 従って、ITERを我国に誘致し、科学技術分野で初めての大型国際事業を国内で推進する事により、単なる経済支援でない新しい形での国際貢献に挑戦すべきと考える。

 誘致計画を進めるには広く国民の理解が必要で、政府レベルでの幅広い審議とともに、懇談会で有識者により討議された内容を、より広く、より平易な言葉で国民に説明し、理解を深める企画を期待する。


No.136

大竹 宏之 (年齢 35歳)

(概要)

ITER計画懇談会報告書(案)における次世代のエネルギー、地球および人類の未来の為に、設置国になることの意義に賛成。

(意見)

 報告書(案)にあるエネルギー問題は永遠の課題であり、エネルギーを輸入に頼る日本においては、深刻な問題である。また、昨今の環境問題と合わせ、長期的な安定供給するエネルギーとして化石燃料、原子力に代替として、次世代のエネルギー源として、核融合炉に取り組むことは賛成である。

 ITER計画における国際貢献に賛同。日本はITER計画において国際貢献すべき立場であると思われる。また、科学技術的潜在力も十分日本は備えているとのことであるので、ITERを日本に誘致することは多いに意義があると思われる。誘致した際は、科学技術的にも得るものは大きいと思われる。そのうえで、計画を最後まで十分な国際的責任を認識し、実行して欲しい。

 しかしながら、核融合炉は、発電システムに至るかは、未知であり、理論通りに実証されるかわからないとのことであり、失敗のリスクを十分に考慮し、取り組んでもらいたい。とりわけ安全面には十分な対策を施して欲しい。

 ITER開発は、約5000億もの費用が必要とのことであるが、国民の理解を得た上で、有効活用されるよう情報開示と綿密な計画の上で、無駄なく使用して欲しいものである。今後、報告書(案)にあるように、3極のみならず、参加国を多方面から受け入れるべく調整していく必要があると思われる。


No.137

谷口 賢次 (年齢 33歳)

(意見)

将来のエネルギー対策及び我が国の科学技術の発展のため、早期にITER計画を推進し日本に誘致することを切望します。

以上


No.138

野澤 貴史 (年齢 24歳)

(概要)

核融合研究における早期の技術革新の実現に向けて、技術体系が成熟してきた現在、統括的研究は最重要視されるべき事項である。

(意見)

核融合炉実現に向けて確立してきた基盤技術の進歩は確かで、成熟度が高まってきた現在実験炉の設計に移行することは必然の流れとも言える。特に長期的な研究活動のなかで核融合炉の実現を目指している一方で加速的に進行するエネルギー枯渇の問題を講じると、一刻も早い打開的対策を講じておくことは必須である。また、現在の断片的な研究では発生し得ない新しい問題または現段階では解決できないような問題も、これらの各基盤技術を組み合わせることで新しい知見を得ることが可能になるだろう。ここで培う技術は他分野の研究においても意味をなすものだと考えられ、学術的な意味でも非常に有意なものとなりうる。そのため、ITER設置にかかるコストに関しては特に無駄だとは思わない。しかしながら、今後の実用化に向けた段階でのコストの議論はより慎重に行っていく必要があると考える。実際に産業的に成り立つものなのか、逆に無理にコスト削減を進める形で設備、技術に投資が不十分になり本来の設計とかけ離れるようでは問題だと考える。いずれにせよ、現段階において研究の革新的進展は最重要視されるべき事項である。


No.139

中島 国彦 (年齢 56歳)

(概要)

 ITER計画懇談会の結論した進め方を尊重願い、日本がITER設置国となれるよう、国として早期に誘致の決断を下されることを希望する。

(意見)

 ITER計画の進め方に関して、一技術者として次の点から、賛同するものである。

・日本が置かれている固有の環境から、国際社会で日本の目指すべき理念を提起していること。

・核融合エネルギーの研究開発の分野に主体的に参加することが意義あることとしていること。

・核融合エネルギーの研究開発とITERの建設計画との位置づけを明確にしていること。

・日本がITERを主導的に建設し、フロントランナーの役割を果たすことの重要性を提起していること。

・ITER建設での産業界の役割を視野に入れた検討がなされていること。

・誘致提案までに、誘致先地域住民の理解を得るステップの重要性を指摘していること。

 ただし、ITER建設時の資金規模には触れているものの、建設後の運転維持費並びに廃炉措置をも含めたプロジェクト総規模および日本の負担規模も含めた国民のコンセンサスを得て進めることも重要かと思う。

 ITER建設には各種エンジニアリング、機器装置製造において産業界の協力も重要であり、国内に誘致してこそ周辺技術を含めて日本に核融合炉技術の蓄積・伝承が継続発展する機会となると確信するものである。ITERの誘致国となって、これを支える人材の幅広い育成が次段階の原子力技術ひいては日本の科学技術の更なるポテンシャルアップの引き金となることを願うものである。

 原子力長計においても、ITERの推進についてはITER計画懇談会の評価を踏まえることが必要とされている。ITER誘致は政策であり、本報告を判断基準として、時機を得た誘致表明を希望する。


No.140

Takashi Satow (年齢 62歳)

(意見)

(1) p.2 の下1行  「技術目標と開発リスクとコストのバランス」

 p.3 の1~2行  「結果に依存しない意義や利益を最大化する可能性」

は、一見尤もらしく見えますが、具体的には何のことかはっきりしない表現と思います。これに類する表現が度々出てくるのがこの報告書の特長ですが、これら表現の意味するところを確認したい。

(2) p.13 の5~6行 「燃料のトリチウム(三重水素)を外部に出さぬようにすることで達成できる。」

 p.13 の14~15行 「放射性物質であるトリチウム(三重水素)を燃料として利用することから、適切な「閉じ込め」を実現できる設計となるよう考慮されている。」

とありますが、トリチウム量は数kgと多量であり、国内設置の場合に地元の猛烈な反対運動によって辞退に追い込まれるのではないかと懸念します。誘致を決定する前に、環境アセスメントや地域住民の意識調査を徹底的に行うべきことを報告書に盛り込むべきかと思います。

(3) p.14 の下7~5行 「装置全体の小型化が可能となり、結果としてコストの低減に貢献するとともに、将来の定常発電プラントにより直接的につながる概念の設計となっている。」

とありますが、これは不正確な記述と思います。発電炉はITERよりも強磁場かつ大型の装置になると考えられており、ITER は核燃焼プラズマの物理実験を行うために必要最小限の装置規模に過ぎないと思います。このことは世界的に見ても、現在科学者の間で意見の分かれている部分でありますが。

(4) p.15 の14~15行 「必ずしもこのような国に限定した閉じた枠組みをとすべきではなく、」

は「てにおは」の部分も含め意味不明ですが、真意を教えて下さい。

(5) p.16の14~15行 「また、建設費の低減につながるような、新しい高温超伝導材料の開発が重要である。」

の記述は、核融合炉実現に必要不可欠とされる大型超伝導コイルシステムの広範な技術開発項目について考慮しておらず、高温超伝導材料という限られたトピックスのみについて言及した視野の狭いものとなっています。技術的な細部には言及していない報告書全体のトーンからみても、この文章は唐突な印象を受けます。優れた特性の高温超伝導材料が開発されたとしても、その材料を実際の超伝導コイルに使用するためには 、長い年月をかけた実用化のための研究開発が必要です。大型超伝導コイルシステムの実現のためには、システムとしての実現性、整合


No.140(続き)

性、安全性、経済性の確立が最も重要であり、そのためには、例えば下記に示すような種々の技術開発が必要とされます。

a) 超伝導特性、機械特性に優れた超伝導材料の開発(この中の選択肢の一つとして高温超伝導材料が挙げられる)

b) 安定で低交流損失の大型超伝導導体の開発

c) 極低温高磁場下で使用される機械構造材料の開発

d) 強大な電磁力に耐え、誤差磁場の発生を抑制できるコイル構造及び巻線技術の開発、電気絶縁技術の開発

e) 装置を効率良く低温に保つための低温断熱技術の開発、ヘリウム冷凍装置の開発

f) 超伝導バスライン、電流リードなどの大電流供給システムの開発、高効率・高信頼性の電源システム及びコイル保護システムの開発

(6) p.20の15~17行 「現在の我が国は十分なポテンシャルを有しており、近い将来にそのポテンシャルが失われITER計画を支えられなくなると疑う根拠は見当たらない。」

とする根拠は何でしょうか。ITER(-FEAT)の設計報告書を読む限り、超伝導工学および低温工学の分野においては今までの実績を遥かに超えた高度な製造技術が要求されており、今後も開発努力を続けていかなければならないと思います。

 また、極端なコスト低減を前提としたITER計画では、人件費の高い日本企業が製造に参加することを困難にする方向であり、ITERの日本誘致によって日本の産業界に外国をリードする製造技術が培われるとする単純な主張には無理があります。この点の戦略は十分に考慮されているのでしょうか。

(7) p.27の11~13行 「(1) 技術的に完成し、エネルギー源として競争力があり実用化する。この場合、研究開発に主役を演じた日本は尊敬され、経済的には計り知れない利益を生むことになるであろう。」

日本が設置国になることは、国益を考えた戦略に鋭意取り組むことにより経済的に利益を生むことは有り得るかも知れません。しかし、日本が尊敬され、との記述は次元の異なる議論と言わざるを得ません。

(8) p.27の下5~4行 「現在のところ、本質的に困難な問題は指摘されていないが、」

は誤りと考えます。トカマク方式において高温・高密度プラズマにおけるディスラプションの回避は本質的な困難であることは周知の事実です。むしろこの困難を克服することがITER(-FEAT)の重要な開発目標であると表現すべきであります。本格的な核燃焼プラズマの制御には多くの困難が予想されるが故に実験装置としてのITERの価値があるのではないでしょうか 。また、失敗には単なる失敗、資金


No.140(続き)

不足・政権交替・議会の反対(米国のITERやSSCのように)等による建設中止も有り得ます。

(9) p.27全体

 ITERは発電できないのであり、核融合炉として「技術的に完成」することは目的にないのですから、ここに記述されている成功と失敗のカテゴリーは成果を過大評価しており、誤りとみなさざるを得ません。ITER計画では「磁場閉込め方式によって核融合をエネルギー源として利用する可能性の実証」が最大の成果であり、発電炉の実現に向けては炉材料を始めとする様々な技術開発が不可欠である。

(10) p.33の8~13行 「ITERに多くの資金を投入する一方で、トカマク以外の方式を含む大学等における幅広い核融合研究への資金投入が減少し、その結果、核融合研究の基盤を損なうようなことになってはならないとの意見があるが、核融合研究の推進にあたっては、戦略的に重点化を図りながら推進体制を構築することが重要である。核融合研究の発展に必要な効率的効果的な資源配分が不可欠であり、資源の確保が図られるかが課題である。」

この文面は、ITERにすべての核融合予算をつぎ込むべきであるということを主張しており、レーザー、ヘリカル、ミラー等の研究を停止もしくは中断させてもよいとの意見ととれます。もしそうだとすると、大学等の研究者の考え方を無視した報告書となってしまいます。本当にこれで良いのでしょうか、確認したい。

全般意見

(1) 核融合炉の実現に必要な研究として、ITERによる核燃焼プラズマの実験及び炉材料を含む材料開発のみが強調されており、核融合炉の装置としてシステム開発の重要性が十分に考慮・検討されていないように感じられます。

(2) ITER を建設すれば、あたかも核融合炉が実現できるかのような記述が多々見られますが、 ITER はあくまでも実際に初めて核燃焼実験を行うための実験炉として位置付けられるべきものであり、最適なプラズマ閉じ込め方式選択の問題を含めて、それ以上のものとして捉えるべきではないと考えられます。本報告書では、ITER およびトカマクのみが核融合開発の本筋であるかのような記述が多すぎます。

(3) 参考資料には例えば超伝導コイルの規模(寸法、蓄積エネルギー、重量など基本的で重要な数値) がなく、本報告書は全体的に抽象論或いは文明論に偏っており、残念ながら研究開発に関する提言書としては物足りません。


No.141

森下 克弘 (年齢 54歳)

(概要)

 安全性が立証できないITER計画は、孫子の代まで悪影響を与えることになり、世界の恥ともなるものです。いまこそ、英知を結集した自然エネルギーの研究こそ必要です。

(意見)

 ITERの誘致には反対です。なぜかと言えば放射性物質であるトリチウムの危険性について、心ある科学者が「トリチウムはその扱いが非常にやっかいなもの」と、幾度か開かれた講演の場で発言されているからです。

 当市においても、市議会の総合開発特別委員会で、ITERの誘致に納得できないという市民から提出された陳情が審議されてきましたが、理事者側からの説明が不十分であることと、新しい事実に関する科学技術庁からの資料不足もあり、継続審査となっている状況です。しかもITERの実験炉で使用するトリチウムは、キログラムオーダーの量であり、これが環境に漏れることによる人体への影響は、体内の特定の部署にとりつき、DNAを切断し続けることから、発ガン性が高まると指摘されています。さらに、炉材として使用される物質も中性子の照射による劣化がおびただしく、炉材の交換などで放射化した廃棄物が、3万9千トンにも達すると言われていますし、その放射性廃棄物の処理についても、現地保管(それも地下50~100メートルにコンクリートなどの容器で密閉し、100年単位での保管を要する)という条件がついているのです。

 財源問題でもホスト国の負担は大変なもので、公共事業についての論議が取りざたされていますが、その意味ではムダな事業と言っても過言ではないと思います。私は核融合そのものの研究を否定するものではありませんが、いまお金をかけて、どうしてもITERの実験炉をつくらなければならないという考え方には納得できません。同じお金を使うのであれば、否、それ以下の財源で太陽光、風力、地熱など自然エネルギーを利用した開発・研究とともに、実用化にむけた施策が可能だと思います。また、自然エネルギーの実用化こそ、核融合と違い技術的困難性も少なく、逆にその普及は、雇用効果をも促進することになると思います。

 安全性が立証できないまま、強引にITER計画を実行し、将来にわたって禍根を残すようなことは、慎むべきであると思います。


No.142

宇田 実 (年齢 35歳)

(概要)

ITERの日本誘致に賛成である。日本が世界に誇るプラズマ技術及びその周辺技術を生かして全人類の未来へ貢献する役割を果たすことは国際社会における日本の責務である。

(意見)

これまで日本の優れた製品は国際社会で受け入れられ、それに伴い日本は高度経済成長を続けてきた。しかし、そのことと国際社会における日本の評価は比例せず、むしろ「エコノミックアニマル」と酷評されている。このような酷評を得た原因は色々あるであろうが、市場経済原理により日本製品が相手国の製品を駆逐し、結果として相手国国民に失業等の経済的打撃を与えたことも一因であろう。確かにその逆として日本がそうなる場合もあるのでお互い様というのであればそれまでであり、酷評を得ることはあっても尊敬されることは皆無である。しかしITERを日本が受け入れて、その費用やその他の多くを国民が負担し、その成果を国際社会へ無償で還元できた場合、温暖化その他問題等の解決として全人類に貢献することとなり国際社会において正に日本の役割を果たしたとして認められるのではないだろうか。しかし、ここでひとつの落とし穴がある。すなわち核融合炉が実現した場合、その実用化が先進国の特権となることなく、本当にこの技術と設備が後進国に根付いてその経済発展に貢献できるかということである。これは多分に政治的問題でもあるとともに、核融合でなくそれぞれの後進国に適したエネルギー源もあるであろう。しかし、この問題は今現在も国際社会に横たわっているのではないだろうか。日本はITER計画を遂行する技術を十分有していると思われる。しかし、一昨年東海村で発生した臨界事故を始めとして、主に人的・組織的問題が原因と思われる事故が相次いでいる。すなわち日本はこの問題が立ち後れていると思われてならない。もちろんITERは事故が発生する危険を有する。このリスクが核分裂炉と比較して低いというのが売りであるが、それに甘んずることなく日本が弱い部分である人的・組織的問題について、それこそ国際共同で協議検討して日本はこれを学び自らの経験とすることが重要である。


No.143

山崎 誠一郎 (年齢 46歳)

(概要)

実験炉建設は、国民に見える形で、早いことが望ましい。実用段階までの技術継続と、製造経験蓄積が重要で、国内建設は顕著に利点がある。早期の国内建設決定を期待する。

(意見)

報告書は、幅広い視点から検討され、国民が納得できるものである。現在、我が国は経済悪化から需要が減速し、エネルギー逼迫の危機感が薄い。重大な国際紛争もなく、エネルギーセキュリティもほとんど議論されないが、化石エネルギー、核分裂エネルギーに頼っていることは間違いない。石油は、安定供給が何時崩れるとも限らないし、地球規模で温室効果問題を解決するには、石炭はもちろん、産地で多量に温室効果ガスを発生する天然ガスも、大幅な制限を課す必要がある。世界的にはエネルギー需要が大幅に増加するため、我が国の新エネルギー源開発はどの国よりも急がねばならない。これは、多くの国民が認識しているが、原子力に対する不安イメージが流布される中、現在は自然エネルギー待望論しか聞こえてこない。これではコストが解決できても、量の問題をクリアできない。エネルギー源の多くの選択肢について早期に開発を進める必要がある。核融合は将来のエネルギーシステムとしてポテンシャルを持つと確信する。しかし、エネルギー発生を目に見える形で示していないため、その能力は未だ認知されていない。このため、ITERの建設・運転は、国民に直接認識できる形で、可能な限り早く実施することが望まれる。また、実用段階までには、長期間の技術継承が必要であり、幅広い世代の多数の技術者が装置製作や運転に関与できることが重要である。さらに、実験炉の数10年後に原型炉なり、実証炉なりを円滑に建設できるためには、我が国メーカが、継続的に製造経験や運転に伴う機器改良の経験を蓄積することが重要である。国外建設では、同等の研究成果が期待できるとしても、製造経験などの我が国への蓄積は、大幅に縮減してしまう。以上の点から、日本国内へのITER建設は、国外での建設に比べて顕著な利点があり、懇談会報告書を基に積極的な国内誘致活動を行い、早期に建設が決定するよう期待する。


No.144

大宮 健生 (年齢 26歳)

(概要)

残り少ない化石燃料に代わるエネルギー開発の必要性を認識しました。よって、ITER誘致に賛成いたします。

(意見)

以下の理由によりITERの誘致に賛成いたします。

・現在主に使われている石油・石炭等の化石燃料の採掘ができるのもあと40年程しか残されていないということで、それに代わる安全で安定したエネルギーを開発し、次世代にエネルギーを残す義務がこれまで限りある資源使いたいだけ使ってきた私たちにあると思う。

・地球環境を考えて化石燃料の使用を抑え、クリーンなエネルギーを開発し、その技術を世界に提供する責任が、高度成長により自然環境を破壊してきた日本にもあると思う。


No.145

駒沢 優美 (年齢 34歳)

(概要)

核の危険と共に生きるのは嫌です。ITER誘致に反対します。

(意見)

ITER建設に関し地元への経済波及効果2兆3555億円(道新10月26日)建設後早くて50年先に発電が行われるという。以下の点からITER誘致に反対する。第一に費用対効果の点である。建設費5000億円、20年間の経費年間6000億円もかかり建設国が全体の半分を負担する。現在日本経済はデフレ基調にあり負債も抱えている。そんな状況下で早くて50年先にしか発電できない物に対する投資が今必要であるとは考えがたい。第二に安全性の問題である。「巨大な真空の炉の中には原発の10倍以上も強力な中性子が飛び交います。炉の中心温度は3億度にのぼります。冷却剤は600度から1000度。その外側で超伝導磁石を冷やすヘリウムは-270度という超低温。猛毒のトリチウム4キロ(!:筆者)が施設の中や構造材にもぐりこんでいます」。これを知っただけでも怖ろしい。全ての事業には人為ミスがつきものであり万全を期すことなど言葉上でしかありえない。広島の原爆でさえ34年経た時点で年間約160名が死んでいた。放射能の怖ろしさは一時の事故で終わらず数十年に渡る健康被害を及ぼすこと、世代を越えて被害を拡大することにある。事故が起きた場合「トリチウムの放出だけで数10ミリシーベルトに及ぶ」(道新10月21日)というではないか。苫小牧は室蘭方面や日高地方から札幌に向かう幹線の中継地になっておりこの方面の人の足にも影響を及ぼす。また事故が起きなかったとしても放射能で汚染された廃棄物は地元処分が前提になっておりおよそ100年の管理が必要と言われているが(100年間の管理費の捻出だけでも税金投入の必要性を感じない)その管理は現在の技術での最善でしかない。恐怖と共に生活するのか。今後幾世代にも渡る生活・自然環境を今の私達も造っているという視点から考えてみるとき経済効果や研究成果を追う姿勢は将来への想像力を欠くものと言わざるをいえない。


No.146

安藤 良平 (年齢 47歳)

(概要)

エネルギー資源の乏しいわが国では、多様な観点から地球環境に優しいエネルギー源を研究していく必要がある。核融合エネルギーは、有力な候補であり、重要なテーマである。

(意見)

ITER開発の状況については、当初計画より大幅に遅れていると認識している。しかしながら、この遅れは、高速炉開発の状況のようにPA上の問題が要因ではなく、技術的な理由が大きな要因となっていると思われる。すなわち、技術的成立性の科学的な側面で、まだ十分な解決に至っていないことや将来産業界で利用できる発電源として考える際、トカマク方式が真に経済性・安全性両面で最も優れた方式であるか見極める必要がある。核融合については、門外漢であるが、現有方式では、定常運転ができないこと、プラズマの閉じ込めに関しては、最近新しい方式が見直されていることを聞いている。しかしながら、ITERのような国際プロジェクトは、交際交流を推し進める観点から非常に重要な役割を果たす。また、ITER建設を日本で行うことができれば、産業の活性化につながると考える。

ITER開発については、基本的には賛同するが、開発を進めるに当たっては、以下の提案をしたい。

1) 産業用の発電ということを目指すために、他のエネルギーシステムと競合できるシステムを開発する。トカマク方式を第1候補としながら、他の方式の方が優れた方式であることが確認された場合には、方式の変更も柔軟に考慮する。

2) 国際交流を促進する観点から、4極以外からも人材を有機的に登用する。

3) 立地に当たっては、産業の活性化・利便性という観点から最も有望な地点を選定し、日本誘致を進める。

以上


No.147

本田 忠明 (年齢 35歳)

(概要)

ITER建設推進には、賛成である。日本が小資源国家であるため、今日の繁栄を子孫に引き続かせるためにも、危機管理上、自立したエネルギー源を獲得努力する必要がある。

(意見)

日本国は、産業革命以降、国が豊かになるにつれ、エネルギー需要量が指数関数的に延びてきた。その需要量を賄うべく日本は、諸外国に学びながら、発電所を建設し、そのエネルギーを特定地域から輸入をし、今日まで発展をとげてきた。現在、省エネルギー技術の進展、CO2削減の取り組みから国としてのエネルギー需要量は、若干横ばいの傾向を示している。しかしながら、地球上にある限りある資源は、世界人口の増大、それに伴う農業生産の効率化、生活環境向上のために、需要は落ちることなく、消費されていく。

2050年に80億人を突破する地球上でエネルギー確保することが、現在延長線上考え方(例えば、石油・天然ガス等のエネルギーの輸入契約を、長期[10~15年]に渡り産出国と結ぶ)では、自分たちの子孫が暮らす50年後にエネルギーが確保できることが確実であるとは言い切れない。日本国は、憲法第9条の理念より、国際紛争の解決に武力をもってこれを解決しないと謳われているが故に、世界的なエネルギーの枯渇の危機に対しては、国家間協力又は、日本国の自助努力により解決しなければならない。

一次エネルギーの非偏在性をもつ核融合炉の開発は、小資源国家である日本にとっては、代替エネルギー開発の自助努力として、非常に大きな選択肢の一つである。また、そこでなし得た技術は、諸外国の小資源国家に対して、有益に供与できるものと考えられる。50年後の将来を見据えた国家戦略として、核融合発電に向けたITERを強く推進する必要がある。


No.148

上出 俊夫 (年齢 52歳)

(概要)

地球環境の保持、超長期にわたるエネルギーの確保のため、さらには日本の国際社会への寄与、高度技術の維持・向上のためにもITERの建設と日本誘致の推進を切望する。

(意見)

私にはエネルギーに関連した、忘れ得ない思い出が2つある。一つは今から約10年程前、北京におけるものである。その当時の北京はまだまだ車社会ではなく凄まじい数の自転車とその間を遠慮会釈もなく突っ走って行く車、さらには馬車までもが一つの道路上を走っていた。また、表通りを一歩裏に入ると文化的とは思えない生活が垣間見られた。一方、高速道路等の道路も着々整備されており、将来の車社会到来を予感させられた。そして実感として、日本の十倍近い人口の中国が日本並の生活を送るようになった時エネルギーの確保はどうなるのか、空恐ろしい物を覚えた。もう一つの思い出は北京に行った2年程後のローマである。 ローマの遺跡が排気ガスの影響を受けているとの報道はそれ以前に聞いていたが、実際にローマに行きその排気ガスの臭さに驚かされ、同時に、もしも中国がイタリア並の車社会になったら地球環境はどうなってしまうのか、背筋の寒い思いをした。これらの経験を通じ、一人の人間として、また一技術者として将来の人類全体のエネルギー確保と地球環境の保全について考えたことは、出来る限り早く脱化石燃料を達成しないと人類はとんでもない自体に遭遇すると言うことである。これから数百・数千年のエネルギー確保と地球環境保全のためには原子力や核融合以外のエネルギーは現状考えられない。特に、核融合は半永久のエネルギー源として出来るだけ早く実用に供する必要があると考える。ITERは核融合実現への大きな1ステップであり是非実現して頂きたい。また、ITERは是非日本へ誘致して頂きたい。その理由は、日本の科学技術における国際的な寄与と技術の確保であるが、これについても言葉だけではなく実感として感じている。これまで何回となく国際学会に出席したが、それら学会における日本の地位は必ずしも高いとは思えず(TV等では国際学会等での日本の科学技術の活躍が良く報道されるが)、科学技術についてもまだまだ欧米中心に動いている感を免れない。この理由は色々あると思うが、日本がこれまでこれと言った人類全体に寄与する働きをしてこなかったことも大きな原因と思われる。また、核融合に携わる一技術者として、ITERを今作らなければなければ、技術が飛散し当分乃至永久に日本でITERを作る技術は失われてしまうと考える。


No.149

身崎 陽之介 (年齢 57歳)

(概要)

日本に建設しないからと言って国際的な評価に大きな差が出るわけではない。日本の厳しい財政状況と、環境に対する厳しさを考慮すれば、日本への誘致は問題が多い。

(意見)

そもそも何を問われているのかはっきりしない。というのはこれまで既に大変な投資をしてきたのではないか。それを今さら意見を求めるとはどういうことなのか?

それはさておき、未来に大きな負の遺産を残す核分裂原子力発電はできるだけ早くやめるべきだと思う。その意味では新しいエネルギー源として核融合も選択肢の一つであり、日本としても積極的に協力をせねばならないのは認める。しかしながら、国際貢献とはいえ、果たして借金大国日本はそんなにしてまでさらなる投資をしなければならないのか?計画通り行けばよいが、費用はまだまだ膨らむ可能性も大きい。

これまでの活動で、日本が考えているほど日本が計画をリードしているとは言えないのではないか。そう思っているのは独りよがりではないか。協力各国は、日本が費用の多くを負担してきたことは認めても、技術的に日本が優位に立っているとは考えていないのではないか。また結言の中に「実験炉を日本に建設すれば、国際的に、将来にわたって評価を受けられる」としているが、協力各国は決してそれが日本だけの成果だとは考えないであろうし、他国に建設しても参画する以上は、日本の技術的、経済的貢献は評価されるべきものである。

日本誘致については、核分裂原子力発電より安全であることは理解しているが、候補地が現状では誘致に積極的ではあっても、具体的になってきた時にどんな反対運動が巻き起こり、日本が国際的に追い込まれるのが目に見えるような気がする。これは何も日本のみならず、他国の候補地についても言えることではあるが、ことさら日本はその懸念が大きい。また日本の科学者の国際化は先進諸外国に比べまだまだ遅れている。日本以外の国での立地は日本の研究者が国際的になるいいチャンスとしても捉えられないだろうか。


No.149(続き)

追記

本意見募集はどのような公知がなされているのだろうか。報告書の結言にいう「国民の十分な理解」がこの意見募集で求められているとしたならば、とんでもない話だと思う。例えば、報告書案等の入手先となっている、比較的一般の人々が接しやすい、未来科学技術情報館とかサイエンスサテライトのインターネットウェブページでさえ、このような意見募集が行われていることが書かれていない。何も国民投票にかけるべきというのではないが、原子力に関心がある人だけでなく、幅広く意見募集するよう努力すべきである。

以上


No.150

伊原 義徳 (年齢 76歳)

(概要)

 大変幅広い検討が精力的に行われており、結言についてもおおむね妥当であると思われます。ただし、全体的に文章表現が硬過ぎ、真意不明な部分も見受けられます。本報告書は、国際的にも注目されているものですが、このままでは外国語(英語)ヘの翻訳に難渋するところが多いでしょう。出来れば、ベテランの新聞記者にでもリライトさせれば、一般の方々の理解がより深まると考えられます。以下、私見を延べます。

(意見)

1.「ITER(実験炉建設段階)ヘの参加」と「ITER設置国となること」の区別を明確に表現することが必要です。「設置国にならなければ参加の意義がない」との極論に対抗するためにも、表現のアイマイさは好ましくありません。

○P2-下8行:「参加するだけでなく、設置国になることの意義が大きい」→「参加することに意義があり、さらに進んで設置国になることの意義が大きい」

○P4-下7行:「考察を通じて、我が国がITERの設置国となることの意義の大きいことを」→「考察を通じて、我が国がITERに参加することに意義があり、さらに設置国となることの意義の大きいことを」

○P4-下5行、P6-5行:「我が国がITERの建設への移行も含め、設置国になること」→「我が国がITERの建設に参加し、さらに設置国になること」あるいは→「我が国のITER建設への参加は当然のこととして、さらに設置国になること」

○P17-下2行:「ITER計画を推進すること」→「ITER計画に参加すること」

○P27-6行:「日本がITER計画の実験炉の設置国として」→「日本がITER計画に参加することの意義が認められ、さらに実験炉の設置国として」

○P29-7行、P30-11行:「ITER計画に主体的に参加するだけでなく、設置国となることの意義が大きい」→「ITER計画に主体的に参加することに意義があり、さらに設置国となることの意義が大きい」

2.「日本社会の倫理性からの評価」として、我が国の憲法が国際緊張を引き起こさないことに言及していますが(P2-7行、P22-下6行)、およそいかなる国際協力においても、参加各国の憲法に言及すべきではありません。各国の憲法はそれぞれの文化と歴史を持ち、それぞれ異なっており、その差異を乗り越えてはじめて国際協力が成り立つのです。その間の倫理性の比較優劣に言及すれば、国際協


No.150(続き)

力は成り立ちません。日本国憲法のような特異な憲法と、フランス、カナダ、ロシア国憲法の倫理性の比較は、ITER計画にとっては有害無益でしょう。「比較ではなく、我が国憲法が国際緊張を引き起こさないものであることを説明するだけ」と言うことかも知れませんが、それも無用のことです。一般的に国際協力の研究開発計画については、我が国社会の独自性(勿論それは素晴らしいものでありましょうが)を強調することは控えた方が良いでしょう。民生主体の産業展開(P23-1行)も、敗戦の結果そうなったと言うだけで、これに高い評価を与えるのは独りよがりであり、他極に違和感を与えることになります。日本は科学技術研究開発については、普通の国であることを示せば良いのです。

倫理性に言及するとすれば、厳に国際約束を守り、成果を独占しないで参加国に出来るだけ成果を均霑させる国柄であるということです(これは憲法とは無関係です)。

3.「研究開発投資は保険料である(P25-13行)」という考え方はその通りですが、生命保険は例示としては適当でなく(長く生きる人の保険料を早く死ぬ人に割り戻す仕組みと資金運用で成り立つが、死亡率は100%です)、海上損害保険のようなリスク分散(10隻のうち6~7隻は沈んでも、3~4隻が持ち帰る積み荷で十分投資の元がとれる--大航海時代の仕組みと英国ロイズ組合の成立)の考え方(あるいは、自動車事故や火災のリスクに対する保険)を例示とした方が良いでしょう。

4.「計画の費用を最小化することが不可欠の条件(P3-1行、P28-下8行)」であるという視点は重要です。ITER計画全体の費用を最小化するためには、日本設置は避けるべきでしょう。日本設置では、核分裂原子炉の例から見ても、耐震設計、過剰な安全設計、地域振興、さらには外国人研究者(家族を含む)の受け入れインフラ・ストラクチャー作りに、他国設置よりも余分な経費が掛かることは明らかです。

5.エネルギーのコスト(総合的投入エネルギーの関数)については、投入エネルギーより産出エネルギーが多いことが必要という制約があります。従って、「コストに関わらず使わざるを得ない(P24-11行)」→「コストが高くても使わざるを得ない」。「高くても」の意味するところは、産出エネルギーが投入エネルギーより多くなる限度において、と言うことです。

6.ITER計画に「主体的に参加(P1-下10行ほか)」という表現と、ITERを「主導的に建設する、主導的役割を果たす(P2-3行、P20-下11行)」という表現がありますが、もっと具体的に表現出来ないものでしょうか。英語にどう翻訳するので


No.150(続き)

しょう。例えば、「主導的に建設する、主導的役割を果たす」→「日本に建設する、設置国の役割を果たす」とすれば、明快です。

「主体的に参加」は言い古された表現ですが、ITER参加に「主体的参加」と「非主体的参加」とがあるのでしょうか。日本は「主体的参加」で、カナダは「非主体的参加」なのでしょうか。「主体的参加」→「主要極として参加」あるいは「中心極として参加」としては如何でしょう。

7.「第一は、核融合エネルギーは--貴重な財産であると言うことが出来る。我が国が経済成長を--そのこと自体が第二の意義となる。(P20-4行以下)」という記述は、よく理解出来ません。「第一は、我が国の高い技術を活かすことに意義があり、第二は、我が国の製造業における絶えざるイノベーションによる高水準の産業経営の実績が、核融合エネルギーを実用化するための貴重な財産」と言うことでしょうか。

8.「しかもその支持と--重要である。このような観点--課題となり得ると考えられる(P22-10行~16行)」とありますが、小生には意味不明です。英語への翻訳を考えても、削除しては如何でしょう。

9.「これらの観点から--国内的には必要条件--国際的には十分条件--条件が整っていると考えられるのである(P23-3行)」とありますが、小生には意味不明です。もっと丁寧に説明するか、削除するかのいずれかでしょう。

10.「--忘れてはならない。我が国のみが過度の負担を負う(P31-10行)」→「--忘れてはならない。参加国の撤退などにより、我が国のみが過度の負担」と説明を追加しては如何でしょう。

11.「--住民に対し果たすべき努力、さらには--参加している国や--参加していない国をも含む(P31-下5行以下)」は意味不明です。次のように補足するのでしょうか。「--住民に対し果たすべき努力を含み、さらには--参加している国の努力や--参加していない国を参加させる努力をも含む」。

12.「3.核融合エネルギーの技術的見通し(2)核融合の安全性」に述べたとおり、材料開発、また、核融合研究開発に特有の問題ではないが、射性廃棄物の処理処分の問題も残されている(P32-下6行~下4行)」は、次のように書き直しては如何でしょう。前半アンダーライン部分は削除し、「材料開発の課題のほか、核融合研究開発に特有の問題ではないが、放射性廃棄物の処理処分の課題も残されている」。

13.「先進方式、--(P32-下4行)」は意味不明です。何か用語が抜けているのでしょう。例えば、「先進方式の研究を積極的に進めるとともに」。

取りあえず以上ですが、また気が付いたらご連絡します。


No.151

斉藤 啓子 (年齢 54歳)

(概要)

 「北海道国際熱核融合実験炉安全問題協議会」は御用学者の説明会なのか?(略イーター安全協)

(意見)

 道から委託されたイーター安全協の委員です。

「イーターの安全問題について真剣に議論されているところか」と思ったが推進する学者、専門家、道の説明に終始しています。なのに知事も市長も議員からイーターの安全性について質問されると「目下安全協で審議されていますから…」といかにも「安全協」で充分な議論されそれなりの結論が出されるかのような言い方です。結論出されていないのに海外に誘致のPRをしたり、苫小牧市と近隣町7万世帯に市民に理解されていないからと説明PRのためとして危険性も経済問題もクリアされているかのようなチラシを広報紙の中に折り込まれ配布されました。後日問題あるとする市民から撤回を求められています。「安全協」に三つの要望を致しました。

① 専門の学者でも賛否両論あるので両者を安全協で討論すること

② 原発なみの安全基準を必要とすると言っているので事故を想定して住民への避難マニュアル作成、訓練も考えているか

③ 危険と言っている人など参考人として審議会に呼んでほしい。

 と提案したが、納得の得られる対応、対策がなされていません。

 これで「安全協」に理解と協力を…と求められてもどう理解、協力していいのか解りません。

 このような「安全協」のあり方に問題を感じます。


No.152

山本 岩生 (年齢 53歳)

(概要)

 地球環境問題、エネルギー問題からはもちろん、日本社会の倫理性における問題解決のためにも日本はITER計画に主体的・積極的に参加すベきである。

(意見)

 科学技術の発展はめざましいものがあり、ミクロ的には人ゲノム計画そしてマクロ的には宇宙計画や本計画のように人類はもはや神の領域に近づいてきている。20世紀以降科学技術と倫理性の問題は切っても切れない密接な関係を余儀なくされている。ITER計画懇談会報告書(案)においても倫理性の面で国内の視点から「私的利益のみにとらわれず公共酌意識を発揮」とし、また国際的には「我が国は(倫理性の面で)国際的に一定の信頼感を得ている」という報告がある。一定の信頼感の記述にいささかも異を唱えるものではないが、私としては絶対的な新来を得るなめに是非とも主体的な誘致を望みたい所である。なお、我が国の倫理面での国際的な評価についてはアジア各国の人の本報告書に対する意見を聞いてみたい。それが十分条件であれ必要条件であれいずれにしろ人類全体の公益のための国際研究活動であるITER計画に主体的・積極的に参加することで日本の倫理面での一定の位置付けを確立すべきである。


No.153

小林 則幸 (年齢 52歳)

(概要)

 現報告書では日本にITER建設を誘致し積極的に開発を進める理由付けが弱い。独立した国家を維持するにはエネルギー的自立の必要性があり、その保険料は自前で払うべきだ。

(意見)

 本報告書により、ITER計画と建設の重要性は理解することができます。しかしながら、何故、日本がサイト地を提供し、ITERの建設を主体的に進める必要性があるのかという点については明確でないと思います。国際貢献、技術立国と並べたところで、現在の低迷した日本の経済状態を鑑みると、結構な内容という評価は得ても、単純に建設誘致には結びつかないと思います。サイト誘致の理由付けには、25ページ3段落目にわずか4行でしか触れていないエネルギー資源から見た自立の重要性をもっと強調する必要があります。本報告書でいみじくも述べているようにITER建設を保険と捉える時、保険料はどんな場合に誰が払うかを考えてみれば明らかです。リスクがあり、困る人が払うのは当然のことではないでしょうか。個人が慈善として他人に対し保険料を払うことはまずあり得ません。つまり他国は他国の事情に従って深謀遠慮の下で将来計画を建て、自国を益するように行動するように、日本の将来は日本自身が引き受けねばなりません。日本が他国の思惑に追従することは避けねばなりません。他国追従は平和ぼけした日本の一側面と言えます。従って先進国の中でおそらく将来一番先にエネルギー問題と直面せざるを得ないエネルギー資源の乏しい日本が保険料を払うのは必然と言えます。もし将来日本がエネルギー問題を回避できなかった場合、右傾化保守化をまねき再度軍国化に進む可能性を誰も排除できません。これを避ける上でもITERを日本が主体的に推進することには大きな意味があります。国際貢献とか技術立国なるものはその副産物として後からついて来ると思います。

 以上で説明したごとく、25ページの記述にある国家のエネルギー的自立の観点をより鮮明にすることにより、ITER日本建設のために誘致の意義を明瞭にする必要があると思うしだいです。


No.154

岡 曻 (年齢 72歳)

(概要)

 危険なものを危険だと言わないことに大きな危険を感じます。トリチウム・ディスラプション・核廃棄物の処理について地元(苫小牧)の住民に十分な説明をして下さい。

(意見)

 意見を述べるに当って、原研リーフ「核融合~その安全について」を再読しました。

 トリチウムを安全に取扱うための研究の説明のページを見ますと、安全に取扱うためには高い技術が必要であり、トリチウムが危険なものであることがわかります。

 しかし、苫小牧に説明に来た人達は、トリチウムに危険はないと言います。

 また、原研リーフの最初には「トリチウムについて」という部分があり、ここには「コップ一杯の水100ccには約1億個のトリチウムが入っています」と書かれています。だから安全だというのでしょうか。

 コップ一杯の水100cc中の水素原子の数は1億×1億×1億個になりますから、トリチウムの入っている割合は、1億×1億分の1ということであり、極微量ということになり、だから安全だということにはならないと思います。コップ一杯に1億個と書くことによって、さも安全だと思わせる詐欺的記述と言わざるを得ません。

 トリチウムの放射能の説明も、危険なものを如何にして安全だと思わせるか、という内容になっています。

 危険なものを危険だと言わないことがJCOの事故を起こしたのです。

 ディスラプションも未だ原因がわかったと聞いていません。原因のわからないものは防ぎようがないでしょう。炉が大きくなればディスカッションの規模も大きくなることが考えられます。安全神話はもう沢山です。

 核廃棄物の処分についても住民を納得させる説明はありません。「実験終了後は博物館にしたらいいでしょう」と言った方もいました。


No.155

葛西 堯子 (年齢 55歳)

(概要)

 苫小牧市民の一人として、ITERの苫東誘致は勿論日本へのITER誘致に反対します。安全性、経済性の上で疑問が多く、住民への説明もありません。

(意見)

 昨年、科学技術庁が建設地の条件として、低レベル放射性廃棄物を立地場所で処理することと明示しましたが、苫小牧及び北海道に、核廃棄物を保管・処理しなければならないような原因(ITER誘致)を作る必要はありません。仮に、処理するにしても、その安全性・危険性の説明を十分住民に浸透させてから誘致の是非を問うべきものなのに、今だに住民への説明はありません。このような誘致の方法自体不当ではないのですか。

 北海道は日本の食糧基地です。豊かな汚染されていない自然に恵まれています。私は、何よりもこの豊かな自然を守っていくことを第一義に考えたいと思います。

 熱核融合の技術は未知の部分が多く、従って未知の危険性も多いわけですから、誘致に際しては、地方自治体でなく国の責任において十分安全性を検討し、安全な処理方法が確認されてから設置を検討すべきだと思います。処分の仕方もわからないで、作ってしまおうというのは常識では考えられません。果して苫小牧は、安全な地域ですか。樽前山の噴火、地震と活断層、地下資源の開発の可能性など、調査だけでも数年はかかると思いますが手順を踏んで話をして下さい。

 エネルギー開発には、自然エネルギーの利用を考えた方が、経済的ではないのですか。安定供給の問題も、解決できないものではないと思います。多少高価な自然エネルギーであっても未来に不安を残すエネルギーよりは良いと思います。

 以上の点から、ITERの日本誘致に反対します。


No.156

栗原 哲 (年齢 51歳)

(概要)

 実現可能性がなく、極めて環境負荷が大きく、又危険性が高く、他にまわすべき研究費を浪費する核融合研究は、直ちに中止するべきである。

(意見)

 この案は、一見もっともらしい文章を書き連らねているが、設置国となることの意義が大きいと結論することによって、未来の世代に対して、計り知れない負担を押しつけようとする、歴史に残る亡国の文書であり、懇談会の構成員は、汚名を後世に残すことになるだろう。

 “原子力などの革新的な代替エネルギー”だって、ウソもいいかげんにしろ。“社会的な受容性の向上”“再処理、処理処分の円滑化”だって?、暴力と金で押しつけをさらに進める気か?今や実用化寸前の燃料電池、マイクロガスタービン、といった技術に一言もないのはなぜなのか。核融合の現時点での技術的実現性がないことを認めながら、実用化時期の評価だって?トリチウムを「閉じ込める」ことは、経済的にほぼ不可能だ。原発、再処理工場でほとんどたれ流しなのは有名な事実だ。

 現在の原発、汽力発電による莫大な廃熱汚染を核融合で解消できるとでも言えるのか。ITERという“保険料”どころか、関連官僚、技術者、産業らの「私的利益」のための社会的大浪費は許されない。地球全体でのエネルギー利用の無駄の削減のために、熱効率の向上、水素エネルギー、バイオガス、バイオマスなど早急に集中的に研究を進めるべきものはたくさんある。原発やITERは、20世紀的な重厚長大の時代遅れの技術、もしくはウソでかためた夢物語であり、21世紀的な環境負荷の小さい技術開発に転換すべきだ。そうすることによってはじめて「科学技術による人類への貢献と学術の本来的な進展の幸福な一致」と胸をはって言えるのだ。

 ITER誘致のための単なるアリバイ作りのこの意見募集に、多数寄せられるだろう反対意見を無視して誘致を決定した時、懇談会構成員、関係役人、政治家たちはその無責任さ、誤った行動を未来の世代に厳しく指揮されるのは間違いない。憲法を一貫して軽視してきた政権の歴史をごまかしている事も誤りである。


No.157

松本 郁子 (年齢 48歳)

(概要)

 はっきり申し上げて今の私の知識では、イエスともノートとも言えません。今まで核分裂で、何故次は核融合なのか、判然としません。

(意見)

 地球から後数十年で石油がなくなると言われて久しいです。電気等のエネルギーが、安く提供され続けることが、主婦として一番の願いです。

 目先のことのみ考えるのではなく、長い目で発て最早核のみにしか、資源の少ない日本はエネルギーを得る道がないのか、もっと色んな方面での専門家同志で話し合うべきではなかったでしょうか?

 私の住んでいる県には原子力発電所が、かなりたくさんあります。この頃、日本だけでなく世界的に大きめの地震も発生しています。もしものことが起こっても不思議ではない世の中です。

 専門家の方々は、そういうこともすべて引っくるめて考えられて安全とみなし、話をすすめておられるのだと思います、が、私の持っている核に対する知識では「ITER」の誘致に賛成すべきなのか、否なのか何とも答えることが出来ません。むしろ研究者の良心に問うしかないでしょう。三十年後、五十年後、百年後の日本のために良かれと思って言えることを包み隠さず、分かる言葉ですべての国民の前で言って下さい。その時、自ずと賛否が分かるでしょう。これはすべての国民に問うべきプロジェクトだと思います。何しろ日本は苦い苦い経験もしているのですから・・・。


No.158

高橋 尚子 (年齢 49歳)

(概要)

 イーター建設に反対です。住民への説明をていねいにして下さい。その上で判断すべきことなので、急がないようにして下さい。

(意見)

 先日、町会を通じてイーター誘致のリーフレットが、苫小牧全域に配布されました。ところがその内容が、きわめて大まかで「安全ですと書いてあるだけ」のようなものでした。

 東海村の例をみても“安全神話”はくずれてしまったのではないでしょうか。どういう不安があって、こういう対策をしているが、リスクはこれこれ、でもメリットはこうと示して、住民が冷静に判断できるようにしていくべきだと思います。

 この意見もきわめて書きにくくて、広く募集しているとは思えません。(このマス目のせまさもそのひとつ)もっと国民の目線に立って、十分な説明と、じっくりと賛否を問うかまえで進めて下さい。

 私としては、イーターよりも、安全なエネルギーの開発研究をすすめるべきだと思っています。経済効果のことよりも、100年200年先の安全性を第一に考えてすすめてほしいと思います。


No.159

徳田 桂一 (年齢 42歳)

(概要)

 ITER計画懇談会報告書案に賛成する。

(意見)

 エネルギー資源に乏しい我が国に誘致するのが国益にもつながるものであり、ITER計画懇談会報告書案に賛成するものである。


No.160

甲斐 俊也 (年齢 39歳)

(概要)

 新しいエネルギー源開発の必要性、日本の積極的な国際貢献、科学技術の継続的な発展の点から、日本のITER建設への参画に賛成する。

(意見)

 以下の点から、日本のITER建設への参画に賛成する。

  1. 地球環境問題、エネルギー問題は広く全世界共通の問題であり、再生可能エネルギーの推進などが議論されているが、核融合開発のような革新的なエネルギー源の開発は、もっと長期的な視野にたって、50年先。100年先までを考えたエネルギー源開発として今から確実に進めていくことが、我々の世代の義務であると考える。
  2. 核融合研究の分野は、日本が世界をリードしている数少ない分野であり、このような立場を生かし、日本が世界共通の問題に対しリーダーシッブを発揮し国際社会に大きく貢献することは、日本および我々国民にとって有意義であるとともに、今後必要なことであろう。これは単に金を出すと言うことではなく、他国を引っ張り国際協力を推進していく数少ないチャンスを生かすという意味である。
  3. 近年の理系、工学系の学生の元気の無さは、夢のあるテーマが少ないことに起因していると考える。人類共通のテーマに向かい研究開発を行い、現在疑問視されている問題を解決していく機会を作ることは重要であろう。また、核融合に関する技術は超電導をはじめ多くの技術分野へ波及効果が大きく、この研究開発を推進することは意義深い。参考資料19に示されている産業界の研究者数の近年の減少にも十分注意を払う必要がある。ITER計画は、科学技術の継続的な発展に貢献すると考える。

 ITER計画の参画には賛成であるが、日本誘致については国、政府が費用を含め十分多岐にわたる検討を行い判断する必要がある。日本におけるエネルギーの将来像、その中での核融合開発の位置付けをはっきり国民に示し、それに沿って、国として確固たる意志を持って開発を推進していくことを望む。

以上


No.161

大久保 保治 (年齢 56歳)

(概要)

 次世代に求められるエネルギーは環境問題を解決し得るものが不可欠であり、「全人類の利益」が視点となるITERの我が国誘致に賛成します。

(意見)

  1. 人類にとって最高の幸せを最善の手段によってもたらすよう先人は努力を重ねてきたが時代の流れは常に新たな問題を提起し、価値観も又変化する。最善、最重要課題は常に陳腐化するものである。
  2. エネルギー問題を思うに、資源の枯渇、CO2、放射能といった環境への影響等々深刻な問題が山積するに至った。最早、問題は地球規模での解決、改善が為されなければならない。
  3. しかし現実には、国家の事情が世界の協調を阻害していることも事実である。「京都議定書」を巡る各国の対応は、まさにこのことを明確にしている。
  4. クリーンなエネルギーを求める想いは全人類の願いであると信じております。国益や開発の覇権にとらわれること無く英知を集約して頂きたい。
  5. 核融合によるエネルギーの創出は次世代の新エネルギーの選択肢の一つではあるが既に今日までにかなりのコストと労力を我が国のみならずEU、アメリカ、ロシア等の国々がつぎ込み、理論的に「効率の早いクリーンなエネルギー」の創出が可能とされている。
  6. 実現までの道のりはまだまだ遠いと思いますが、此れ迄経済繁栄を誇った反面、国際貢献の分野でほとんど実績の無い我が国が「ITER」誘致に努め、各国と協力しながら開発して行くことは意義有るものと考えます。
  7. 開発のプロセスは、常に情報を公開し、科学者の奢りや権益とは無縁の世界で推し進められることを希望致します。


No.162

助川 弘武 (年齢 56歳)

(概要)

 賛成です。一介の技術屋として技術継続の重要さを日頃痛感しています。原子力を使いだした現代の人間が義務として研究し開発していかねば将来の人類の負荷が大きすぎます。

(意見)

 原子力エネルギーを現実に利用し、廃棄物もたまってひくにひけないのが実感なのかなと推察しています。遠い将来の子孫に負の遺産を残さないように技術者に努力してもらわねばなりません。人類の役に立つバラ色の原子力として私どもの前に登場してから約45年、想定外の厚いカベがあり、反対の意見がでてきたことでいろんな労力が必要となったのでしょう。私は原子炉技術の停滞を恐れます。ここまできたら、ムードにひきずられず、冷静に全体像を分析してなにを優先して実施するかを広く一般に知らしめることが大切と考えます。「分析」というのは理路整然としたものでなく技術者の良心にかけた苦渋の選択と判断につながる過程を意味します。

(1)現状の課題は何か、解決案はいく通りあって、どれを選びたいのか

(2)将来の課題は何で、それにITERはどう関与するか、優先順位をどう考えるのか

が示された見解書で、原子力に反対する意見を論争してほしいです。若い技術者が原子力に集まり、難題を解決していくことは、人類全体にとって重要なことです。私はIT革命より大切だと考えます。ゲームソフトの開発で設計不良が人類に及ぶとは考えられません。人類生存の視点から、技術分野ごとに順位づけをして予算を配分していくことが政治だと思います。将が合う合わないで判断する領域と上記の領域とを使いわけて人間の知力を生かしてほしいです。技術者が現役でやれるのはせいぜい40年弱、重要なノウハウもあとに続く若い人がいないとやがてとだえてしまい、大きな事故につながることを恐れています。ITERの賛否に対しピントはずれの意見となりましたが果敢に挑戦する技術者に敬意をこめて賛成します。


No.163

瀧 英剛 (年齢 33歳)

(概要)

 人類にとって将来のエネルギー計画として核融合がなぜ必要であるのか、さらにITERを日本に設置する意義とその技術の安全性を国民に広く説明することが重要である。

(意見)

 ITERの設置国には国際的なリーダーシップと多大なる責任、さらに資金面において多くの貢献が期待される。ITER設置を日本に誘致するには核融合技術の必要性および他のエネルギーと比べた利点、さらに安全性について日本国民の理解が必要である。核融合は太陽光、風力などの再生可能エネルギーと異なり資源的に地域的な偏在が無く、エネルギーを生みだす燃料がほぼ無尽蔵に近く理想的なエネルギーと言える。しかし核融合および核分裂には核という言葉が使用されており、一般国民には核融合も核分裂も同一で危険なものであると認識されている。まして日本は世界で唯一の被爆国であり、さらに近年発生した核施設での事故などで国民の間には核についての拒否反応が存在する。ITERでは反応が暴走しないという原理的な安全上の特徴をふまえているとしているが、具体的に何故反応が暴走する危険性が無いのかを説明する義務があるのではないだろうか。特に放射性物質のトリチウムを燃料として使用することもあり、適切な封じ込めが出来るのか、外部に漏れる可能性はないのかを明らかにする必要がある。一般国民には高レベル放射性廃棄物も低レベル廃棄物も放射性廃棄物には違いなく、高レベル放射性廃棄物が発生しないから核分裂より安全であるという論理は成り立たない。

核融合の安全性さらに核融合研究に取り組む意義について広く国民に説明し、情報を公開して日本にITERを建設する必要性について理解を得ることが重要である。そのためには一部の科学者、政治家に説明する様な難かしい言葉ではなく、正確な情報をわかりやすく簡易な言葉で説明する努力が必要であると考える。


No.164

加藤 利貞 (年齢 50歳)

(概要)

 日本がITER設置国になることに賛成である。我が国はエネルギー環境から見て国民的合意形成して積極的に推進し、21世紀前半エネルギー問題の顕在化するアジアに設置。

(意見)

 核融合エネルギーを人類が利用できることになれば、エネルギー問題引いては資源問題のかなりの部分が解決できることは論を待たない所であろう。現在利用されているエネルギー源がそれぞれ課題をかかえる中で夢のエネルギーと呼ばれる由縁かと思います。

 当然日本は資源小国、技術経済大国として国際協力の重要な部分を担ってゆく国際的な責任と将来の人類に対しての義務があると認識しています。

 この点については懇談会報告と同意見ですが、これら技術の見通しの不明なものについて投資することに対して国民的理解を求めることが必要で、ITER加盟国で統一したキャンペーンを行なう必要があります。

 夢の少ない現代につき十分受け入れられると思います。

 ITER設置場所については、IT技術等の発達により場所の問題は少なくなっているとはいうものの、できるだけニーズの高い場所に設置すべきと考えます。

 21世紀のエネルギー問題を考える上で最も重要な地点は人口の多いアジアであり、これから50年はアジアのエネルギー問題(消費の急増)が国際的にも重要な課題となると考えられる。

 そこで原型炉の設置場所として中国やインドが国際協力のもとで建設する可能性が高い。懇談会報告では我が国の状況にのみ終始しており、原型炉引いては核融合炉のニーズの高いアジアへの視点が欠けていると思われる。

 核融合エネルギーの開発について国民的合意形成と共に、日本誘致にあたっては、近隣アジア諸国の合意と支援が必須と考えます。

以上


No.165

龍野 雅美 (年齢 27歳)

(概要)

 ITERは日本が世界を主導しうる計画で国民に自信を与える。新規技術を開発する未来志向型の公共事業案件として、今後積極的に取り組む価値があるものと考える。

(意見)

 現在の日本経済はアメリカの景気減退を受けて極めて厳しい状況にあり、回復基調にのるどころかますます悪化する懸念さえある。その理由の一つに科学技術立国としての自信の表矢が上げられるのではないか。

 日本を代表する多くの企業が不祥事を起こし、メイドインジャパンの信頼が揺らぎつつある。既存の技術ではアジア諸国に追い上げられ、インターネットを初めとする通信技術、ヒトゲノム解析、宇宙開発技術等の新規技術の分野では欧米諸国の後塵を拝し、なかなか追いつく事が出来ない。

 ITER計画懇談会報告書によれば、現在研究が進められているITER計画は、日本が高い科学技術力を持ち国際的に主導出来る数少ない分野の一つと考えられている。日本がITERを主導し、国内に誘致出来れば先端技術の開発が促進され、国内産業の活性化も期待できるだろう。なおかつ、ITERで開発された技術の果実は日本のみならず世界中に還元し得る人類共通の財産となるのだから、それは日本国民にとって大きな自信となるはずだ。

 21世紀の公共事業は無意味に山を切り崩し、海を掘り返す類のものであってはならない。先端技術の開発を目指し、未来を志向するようなタイプの事業にこそ国民の血税を投入する価値があろう。

 おりしも政治的には改革を標榜する小泉政権が誕生した。旧来の利権に束縛された無駄な事業から脱し、人類の未来を拓くような新しい事業を進める事が期待されている。

 ITER計画を日本が主導する未来志向型公共事業の象徴をし、閉塞状況にある日本経済、ひいては世界経済をも上昇気運に導く起爆剤として積極的に推進していくべきであろう。


No.166

大岩 雅俊 (年齢 40歳)

(概要)

 ITERの苫東設置推進を積極的に支援します。

(意見)

 地球規模で化石燃料に代表される、天然資源の枯渇が叫ばれるなか打開策としての切り札は、原子力の利用しかないのでしょう。

 ITERの実験炉は世界プロジェクトのひとつであり日本国内でも3ヶ所が設置場所に立候補しています。苫小牧はその一つなのですが、立地条件は他2ヶ所に比べ群を抜いて好条件のようです。

 苫小牧に設置が決まれば、一躍、世界が注目する都市となりましょう。

 施設の建設は巨大な公共工事として、経済的な恩恵も一都市としては最大級のものを受けることになるでしょうし、工事そのものが、世界の最新技術の博覧会となるでしょう。又、世界中から研究者が集まり学術研究都市としての名乗りもあげることでしょう。


No.167

加藤 了路 (年齢 36歳)

(概要)

 大規模施設内でのトリチウム除去に成功し、建造物も耐震設計であり、安全性が着々と実証されている。推進派としては、人体、環境、技術等諸問題をもっと聞かせて欲しい。

(意見)

 エネルギーを効率的に発生させ、環境にもクリーンなITERをぜひ実用化して欲しく思います。

 化石燃料を利用した火力発電、環境破壊が著しい水力発電等が発電量の大半を占めているが、ITERによってそれらの諸問題が解決される可能性は強いので、将来に向けてぜひ建設して頂きたく思います。


No.168

内村 光聖 (年齢 55歳)

(概要)

 今般、ITER計画報告書の中でITERの設置国となることの意義は大きいと結論づけられましたがその通りであると思います。

(意見)

 以下の事を考えITERの日本への誘致は当然と考えます。我々20世紀の人類がよかれと文明を発展させた結果が地球環境を悪化させ、地球そのものの存在させ危うくしております。その中で一番関係しているものがエネルギーであり化石燃料であります。21世紀にこの天然資源の使用限界が叫ばれる中、最終的には原子力(地球温暖化、CO2対策として不可欠なエネルギーであり、エネルギーセキュリティ(保障)という観点からも不可欠のエネルギーである)の活用しか期待できない状態にあります。我国は天然資源も少なく殆んどを外国に依存している状態で輸入が止まると1年も日本経済は維持できない状態になります。又最近の二酸化炭素の排出量は世界で米国、中国、ロシアに次いで日本が多く排出しており、面積の小さな国がこれだけ地球に負荷をかけており、日本から情報を発信し、地球的貢献ができるITERを設置することは日本の責務と言っても過言ではないと思います。21世紀半かは世界の人口は100億に達すると言われています。この人々に十分な食料とエネルギーを供給し文明を発展させるのはゲノムと原子力という話しも有りますが納得のいく話だと思います。

 最後に一番大事な安全の問題ですが原子力の利用には放射線の危険がつきまといますがリスクが計算でき、対策をたて規則を守れば危険を防ぐことができますのでこれを国民が徹底管理する事により安全を確保し維持しつづけることが大事だと思います。

先ずは、日本ありき、次に苫小牧ありき(国内選定時は苫小牧より勝さる候補地なしと全ての立地条件を考えて自負しております)


No.169

首藤 幸子 (年齢 53歳)

(概要)

 イーターの日本への誘致について賛同いたします。

(意見)

 地球の環境汚染やエネルギー資源の限界、世界の人口の急速な増加等を考えると環境保全や私達の子孫の為に新しいエネルギーの開発が必要だと思います。

 今、国際的な協力の中で研究が進んでおりますが、国際貢献という立場からも、是非日本に誘致をしていくべきではないかと思います。

 このことは世界における日本の科学技術の発展と地位を高めるものであると思います。

 イーターは安全の確保は当然のことですが実験施設であることを認識すべきと思います。

 科学の進歩には、乗り超えなければならない高いハードルが必ずあるものだと思います。

 イーターを日本に誘致を要望するとともに、日本における立地場所については、世界の科学者の意見を充分に尊重すべきであると思います。


No.170

水上 清広 (年齢 48歳)

(概要)

 新しいエネルギーの開発は、日本のみならず、地球人として不可欠なものであり、世界の先進国として、是非日本での開発の成功を望むものである。核融合開発は、賛成です。

(意見)

 私は小学校の教師です。同じ職場の事務員さん(女性40代)技労員さん(女性40代)に核融合って知ってる?と尋ねると、事務員さんは知らない。技労員さんは知ってる。と返事が返ってきた。新しいエネルギーの開発だと説明した。原子力だと言うと隣の福井県の原発事故、東海村での臨界事故など非常に敏感な反応であった。正しい取扱いをみせずに起きた臨界事故であることは勿論よく知っていました。原子力も正しい使い方をすれば安全であり、高いレベルの放射性廃棄物が発生しないのは魅力であると話がはずんだ。エネルギーの源が海水中にあり、無尽蔵に採取できることも明るい材料である。核融合が成功すると、原発などの不安から解放され、新しい文化が生まれてくる。国内においてITERの建設は、当然その研究を推進するためには必要であり、はやく実験が成功し実行化されることを望むと話がはずんだ。

 エネルギー問題は、地球環境問題と同レベルの人類の課題だと言える。石油や天然ガスや石炭などの燃料は、有限であり必ず制約される時期が来る。そのためにも、新しいエネルギー開発の努力は早ければ早い程よいと考える。核融合エネルギーは「地球上に豊富にある資源」を利用でき、実用化されると人類にとって恒久のエネルギーとなり、この上ない喜びとなる。核融合反応の過程でCO2の発生もなく、地球温暖化の原因にもならず環境問題もクリアーしている。ITER計画推進においては当然、安保確保が第一である。世界で唯一の実験炉として建設されることから、国際的にも高い評価を得られるものとなることを望みます。そのためにも核融合の開発を推し進め、新しいエネルギーの実現は、我々国民の強い願いである。また子ども達に美しい環境、美しい地球をバトンタッチするのは大人の義務であり、責任であるとも考える。


No.171

室野 和行 (年齢 51歳)

(概要)

 ITER計画懇談会報告書の中で、ITERの設置国になることは、エネルギーの将来を考えるうえで、日本が、率先して推進することの意義は、大きいと考えます。

(意見)

 日本が、21世紀に入って、人類のため、地球の環境のために、世界に貢献できる1つとして、ITERの日本への誘致に賛成します。

 その理由としては、下記のことがあげられます。

  1. 現在、エネルギー源として、電力の需要が、増々増加されています。
  2. 発展途上国の現状を考えますと電力の不足は、大きな問題であります。どのような方法で電力を確保いていくか。

  3. 現在、エネルギーの主力であります、石油石炭等の化石燃料には、埋蔵量の限界があり、地球環境を考えると、二酸化炭素、チッソ酸化物の発生があり、使用を減少させていかなければならない。
  4. 風力、地熱等自然エネルギーの利用は、経済性安定供給の面から限界があり、主力とはなりえない。

 21世紀のエネルギーを考えると、地球環境、人類のため、日本自身のために、安定供給ができ、動力性の良い、しかも安全性の高いエネルギーの実用化のために、私は、ITERの誘致に賛成します。

 私の住む苫小牧は、工業都市とし発展し、人工の港を作り、空港も目前にあり、東部工業地帯として用地を確保しており、又、高速道路も出来ております。

 このような条件の良い大地を、世界の人々に役立つエネルギーの実用化のための研究地として利用してもらうことができたなら、未来をになう子供達に夢と希望を残すことができると考えます。

 是非、苫小牧にITERを、北海道にITERを、設置することを希望いたします。


No.172

清水 克祐 (年齢 43歳)

(概要)

 核融合エネルギー実現に向け、ITER計画は重要なステップであり、推進すべき。

(意見)

 本報告書(案)に記述されているようにITER計画は、核融合エネルギー実現に向けた第一ステップであり、燃焼プラズマの制御技術の確立、核融合炉プラントに対する工学的実証という点で推進すべきものと思われる。

 核融合発電プラントの実現には、3世代以上の年月がかかるものと推測されるが、後世に美田を残こすよう努力する必要がある。利害得失を越えた議論が必要であり、さらには社会一般への公開(PA)強化は重要な課題と思われる。

 ITER計画自身、建設/運転/閉鎖までの期間として30~40年のスパンに亘る。核融合開発計画の中で、いかに人的資源を確保して行くか考える必要がある。

(人材の分散が大きな課題)

 国際プロジェクトであること、開発スパンが長いこと、それに伴い、人的及び資金投資が大きいことがあげられるが、核融合エネルギー実現のためには、ITER計画は必要と思われる。


No.173

平山 憲男 (年齢 60歳)

(概要)

 巨大科学に未来の人類への生存を託すプロジェクトとして、又これにより得られる科学の裾野の発展を期待する意味でITER計画の推進と我国への設置誘致を支持します。

(意見)

 人類の発展とともにエネルギーの消費は増大しその多くを化石燃料に頼った結果、地球はCO2による温暖化現象や大気汚染による環境破壊など深刻な状況を迎えつつある。

 現在、その対策として自然エネルギーへの転換など多くの方針が展開されているがエネルギー賦存量などから有効な解決策は見い出せていない。

 そんな状況下にあって人工の太陽とも言える核融合によって電気を始めとするエネルギー源としての研究が本報告書によっても着実に進展していると考えられる。

 子供の頃にジュールベルヌの『海底2万哩』という映画を見たことを思い出す。

 ネモ艦長指揮する潜水艦『ノーチラス号』と全てを海中から得た資源により自給する『海底都市』をテーマとする空想科学映画であった。

 しかし既に原子炉を動力とする潜水艦は現実の物となり核分裂は人類によりコントロールされている。

 次は海底都市の実現であり人工太陽ともいうべき自在に制御可能な核融合の開発が不可欠であろう。

 核融合は無尽蔵に資源供給が可能とのことでありエネルギー源としての条件は全て備えている。

 我国はJT-60の知見で基礎技術は確立しつつあると考えられる。

 今後のITER計画の推進にあたっては現在のレベルからも我国が主導的立場でこれに参画し設置を誘致していく事が重要であろう。

 世界に貢献する巨大科学であり、緊密な国際協調の上にたってすばらしい『夢』の実現に期待したい。


No.174

徳井 六郎 (年齢 57歳)

(概要)

 子々孫々の繁栄を望むとき、核融合エネルギーは、資源的には豊富にあり無尽蔵にあるという事、技術的安全対策が比較的容易である事等、メリットも大きいわけで早く技術を確立し推進して欲しい。

(意見)

 つい先日、テレビでインド・ニューデリーの車排ガス公害(大気汚染)を放映しておりました。

 車の洪水は日本でも見慣れていますが、霞罹った空は、街行く人がマスクをしなければ居られないほどひどい状況で、化石燃料の恐ろしさを改めて知らされました。

 今、我々が生きていく上で化石燃料はなくては成らない物かもしれないが、又反面健康上の害も大きくなってきて降りますし、森林破壊・温暖化等の問題も叫ばれております。

 化石燃料資源の近未来枯渇と言う事も合わせ考えた時、子々孫々の繁栄は望むべくもないと思います。

 今後更に、人口が増え、生活向上に併せ消費枯渇が早まると共に、自然破壊・健康への悪影響が多くなってくるわけですが、早くクリーンで安全なエネルギーが待たれます。

 今回の核融合エネルギーは、資源的には豊富にあり無尽蔵に在ると言う事、技術的安全対策が比較的容易である事等、メリットも大きいわけで早く技術を確立し是非進めて欲しいと思います。

 又此れは地域エゴになるかもしれませんが、誘致をされた場合の地域へ与える経済効果は計り知れない物があると思いますし、先端技術の研究により新技術の開発が進み、新しい産業も生まれてくるものと思います。

 又、世界中から技術者が集まり、その家族が居住する事により国際交流の場が広がり文化的にも豊かになるでしょうし、最近の日本人の近視眼的ものの考え方、人間関係にも潤いのある環境が生まれてくるものと思います。

 是非、苫小牧にイーターを誘致してください。


No.175

長野 恒己 (年齢 58歳)

(概要)

 化石燃料の枯渇、エネルギー資源を国外にたよっている我が国は、今こそ国際協力により、資金的・人的資源を有効活用して息長く核融合実験を進めるべきである。

(意見)

 20世紀に生きてきた我が世代は、高度成長をとげ人類歴史の中で多分画期的な科学文明を築いたことになるのではないか。ただし、その背景にはエネルギーの中の多量消費と資源の多量消費が背景にあったのは、誰しも認めるところである。このうち、化石燃料の消費は、不可遡であり、このまま消費し続けると、20世紀の科学文明がたちきえてしまうのは、火を見るより明らかである。

 無駄なエネルギー使用をセーブしていく世の中になったとしても、化石燃料に替わりエネルギーをささえるのは、原子力そしてそのあとに続く核融合であろう。

 加えて、化石燃料は大気中へのCO2にかわり、地球環境にとりかえしのつかない影響を及ぼしつつある。

 太陽は地球にはかりしれないめぐみを与えているがこれと同じ原理である核融合は、人類の英知を結集すれば、必ずや実現するのではないか。

 今までマクロ的に見れば、先進国のもとにおいて成長してた日本が、今後も既成最新技術をつまみぐいして、成長していくことがゆるされる時代ではない。又、人類の為に、今こそ国際協力核融合実験の様な国際的Big Projectに参画のうえ、国益に拘束されず、主導権をとり貢献していくことが、結果的には、国益にはねかえってくるのではないか?


No.176

荒木 千蘆児 (年齢 64歳)

(概要)

 4進め方:我が国には優秀な科学・技術者が居るのだから、核融合発電の第一歩として、まずITERを誘致してみるベきではないか、予定通り進まなくても得るものがある。

(意見)

 4進め方に関連して:主婦として、孫たちがいつまでも暖かい幸せな暮らしを送れるように、次のような意見を報告書に反映して欲しいと願っています。「我が国には優秀な科学・技術者が居り、また、優れた関連研究施設や産業界の設備が整っているのですから、環境に優しいエネルギーを得ることのできるという、核融合発電の第一歩として、コンパクトITERを我が国に誘致するべきではないでしょうか、たとえ時間的には予定通りに、これを使った研究や試験が進まなくても、次への発展につながる筈です。このためには、安全性の確立や、サイトの選定を急ぐべきでしょう。」

[理由]資源の乏しい我が国では、海水から無尽蔵に燃料がとれるという核融合発電が必要と考えています。このような理由からも、特に核融合発電の面では、世界にリーダーシップを見せて欲しいものです。(6結語のところに同様の意見を述べます)


No.177

荒木 千蘆児 (年齢 64歳)

(概要)

 6結語:我が国には優秀な科学・技術者が居るのだから、核融合発電の第一歩として、まずITERを誘致してみるべきではないか、予定通り進まなくても得るものがある。

(意見)

 6結語に関連して:主婦として、孫たちがいつまでも暖かい幸せな暮らしを送れるように、次のような意見を報告書に反映して欲しいと願っています。「我が国には優秀な科学・技術者が居り、また、優れた関連研究施設や産業界の設備が整っているのですから、環境に優しいエネルギーを得ることのできるという、核融合発電の第一歩として、ITERを我が国に誘致するべきではないでしょうか、たとえ時間的には予定通りに、これを使った研究や試験が進まなくても、次への発展につながる筈です。このためには、安全性の確立や、サイトの選定を急ぐべきでしょう。」

[理由]資源の乏しい我が国では、海水から無尽蔵に燃料がとれるという核融合発電が必要と考えています。このような理由からも、特に核融合発電の面では、世界にリーダーシップを見せて欲しいものです。(4進め方のところに同様の意見を述べます)


No.178

荒木 千蘆児 (年齢 64歳)

(概要)

 (4)安全性:運転中の放射線や発生する廃棄物に対する安全性確保のための方法と評価結果について、もう少し分かるようにして下さい。

(意見)

 (4)安全性に関連して:これまでに行なってきた筈の運転中の放射線の種類や発生する廃棄物に関連する安全性確保のための方法と評価結果について、もう少し納得できるように書いて下さい。例えば、安全確保のための具体的方法と評価結果、放射性廃棄物の材料の種類やスカイシャインの原因となる放射線の種類などです。

[理由]本報告書中では、放射性廃棄物が低レベルであるが、その処理と処分方法については、今後の課題であるとして、これまでに、なにも検討されていないような表現になっています。これまでに検討された安全性確保のための方法と評価結果について、もう少し書いて下さい。また、添付資料には放射性廃棄物について、その堆積、放射性物質の種類と濃度などが分かり易く書かれていますが、その構成材料がどのようなものであるかの具体性が見えません。


No.179

荒木 千蘆児 (年齢 64歳)

(概要)

 報告書全体:主婦にも分かるように報告書の全体にわたってすっきりさせて下さい。

(意見)

 報告書全体についていえることですが、主婦にも一読して分かるように、報告書の主張することに筋を通し、また、書き方についてもすっきりさせて下さい。国民に対して訴える力が変わってくると思います。

[理由]報告書は、一般の主婦にも、一読して分かるようにすっきりさせてください。例としては、報告書の要旨と結論のトーンに違いが見られること、また、報告書本文の前の部分、中間の部分、彼の方では、論旨が違うようにみえることなどがあり、読むほうでは混乱します。


No.180

荒木 千蘆児 (年齢 64歳)

(概要)

 6結言:コンパクトITERの誘致国になることによる責任とリスクに関して、自ら尻込みするような表現は削除し、「保険」という語は「研究投資」に統一してください。

(意見)

 6結言に関連して:報告書中に次のニュアンスを盛り込んで下さい。「コンパクトITERの誘致国になることによる責任とリスクに関し、尻込みするような表現は削除して下さい。国際社会において、各国による地球環境の維持・改善と、枯渇しつつある資源を大事に使おうとするための責任分担は、当然のことであり、後に退けるものではないでしょう。それならば、核融合研究について、我が国の優秀な研究・技術に携わった方々のこれまでの貢献と実績に誇りを持ち、資源小国の我が国にコンパクトITERを誘致して、積極的に「地上の太陽」を手なずけ、「地球環境に優しいエネルギーの生産技術」を孫達に残して上げる方が良いではありませんか。」

 「報告書中の「保険」という語は「研究投資」に統一してください。コンパクトITERの分担金は、効果が出るまでに長い時間がかかる研究投資であって、博打ではないと信じています。太陽や星は核融合の良いお手本です。熱核融合により、安全にエネルギーを取り出す技術は、時間がかかっても確立できると信じています。」

[理由]報告書の最後の方になって、コンパクトITERの誘致国になる場合の建設費とリスク問題から、トーンダウンしています。コンパクトITERのための投資は、近い将来の環境対策とエネルギー対策のための国家的投資としては、必要ではありませんか(要旨と6結言のところでも同様趣旨が関係します)。従って、報告書中に使用されている「保険」という語は「研究投資」に統一してください。核融合における投資は、時間がかかるかも知れないが研究投資であって、博打ではないと信じています。私どもの父や祖父は明治生まれでした。100年程度で化石炭素を使い尽くすということは、それ程遠い話には、感じられません。むしろ、化石炭素は、繊維、プラスチック、医薬品の原料に大事なもので、これを燃やし尽くす計算法は、恐ろしいと感じています。


No.181

木本 恵 (年齢 22歳)

(概要)

 地球の将来を考えるうえで、国際熱核融合実験炉計画は必要であると思うので、推進の意見を申し上げます。

(意見)

 現在、世界中で考えなければならない問題の中に、環境問題や化石燃料の大量消費等があると思います。人類が生きていく為にはエネルギー消費が必要で、今使われているエネルギーには限りがあります。今現在生きている人達は、多分生きている間にエネルギー問題には直面しないだろうけど私達の子孫や、私達の愛する地球の将来の事を考えると、今解決策をみつけなければそれらは失われてしまうと思います。

 核融合と聞いて、私も最初ITERには不安を覚えましたが、インターネット上で調べてみたり、人から話を聞いていくうえで不安は消えていきました。初め、核という字が入っていること等から原子力発電の事を連想したけど、それは思い違いで、核融合は安全である事がわかりました。ITERにより、クリーンで安全なエネルギーが作られて地球や子孫が守られるならば、それは実に素晴らしい事だと思います。そのうえ、もしも苫小牧に誘致できたのなら、それもまた素晴らしいと思います。先進国の一員として、日本が国際貢献や国際交流の拡大を図れるからです。

 以上の様な事を考えたうえで、ITERの日本への誘致に賛成します。


No.182

遠藤 清武 (年齢 47歳)

(概要)

 ITER計画懇談会報告書を読んで、国際協力と貢献の立場及び人類の未来に対する保険として、計画に賛同します。

(意見)

 リオデジャネイロでの地球サミットや地球温暖化防止京都会議において、各国により討議されたように、エネルギーと地球環境問題は21世紀の人類にとって重要な課題となっている。

 現在、地球上のエネルギーは大部分が化石エネルギーに頼っており、クリーンな代替エネルギーも研究されてはいるが、人類の発展(特に今後予想される開発途上国)に伴う総エネルギーの急増は、これら代替エネルギーのかかえる諸問題の解決なくして、長期的な供給を賄える状況にはない。

 このようなエネルギー事情の下で、現在その安全性が問われている原子力発電(核分裂)よりも安全かつ無尽蔵であり、環境面でもすぐれたITERの開発に取り組むことは、我国の国際協力と貢献の推進という面でも重要な施策であり、人類社会の未来に対する保険としても喫緊の課題と考えます。

 ITER建設予定地となる苫小牧東部地区は、2度のオイルショックとバブル経済の崩壊により、国内有数の工業地帯となるべき計画も頓挫し、現在大部分の土地がさしたる利用計画もないまま苫小牧東部開発によって管理されている。

 この広大な地区にITERを誘致し、世界に先がけて新エネルギー開発の研究に取り組むことは、単に未利用地の有効利用という面だけでなく、未来に羽ばたく子供達や若者にも夢と希望を与えるものであり、地方から世界へ向けたメッセージとしても意義深いものと確信します。


No.183

松村 秀彦 (年齢 56歳)

(概要)

 長期的なエネルギー需給の見通しおよび安全性という観点からITER計画については賛成である。

(意見)

 我国のエネルギー問題についてはいろいろ問題がある。一つには山岳のしめる割合が大きく水資源に恵まれているとはいえ、水力発電についてはこれ以上の発展はみこめない。またダムについても自然に土砂流入等による埋設等限界もある。火力についても二酸化炭素問題、原料輸入等いろいろ問題もある。原子力の発電についてはプルサーマルも含めまたチェルノブイリのこと等危険であるという認識は完全に否定できずこれ以上の増設は難しい。むしろ将来的には安全性を考慮して廃止の方向にむかうことが予想される。

 いろいろなことを前提として考えると安全性と原料の供給という点で新しいエネルギー技術開発が待たれるところである。

 素人でよくわからないことも多いがITER計画の内容を読むかぎりにおいて熱核融合炉は非常に将来性のあるエネルギーとなりうる。そのような立場からこれから是非進めていただきたい計画と考える。


No.184

沼田 洋 (年齢 40歳)

(概要)

 「ITER計画に関する主な論点について」の中で核融合開発が人類にとって必要不可欠であり、大きな意義があると考え「ITER計画」に推進する意見であります。

(意見)

 以下の論点を考慮した上で「ITER計画」に賛成したいと考えます。

  1. 核融合開発の実現により、可能となるエネルギー問題がアジア地域を始めとする国際社会が抱える緊張感の緩和、人類社会の底辺の問題の解決を果たすという役割があると思われる。
  2. また、長期的なエネルギー需要の見通しが可能となると思われる。

  3. 我が国が果たすべき国際的役割と責務について、原子力平和国家として、また平和主義国家としての観点より、核融合研究能力の維持及び向上をふまえ、ITERの誘致で推進。
  4. 長期的かつ大規模な計画の遂行に必要な立地国の責任をになう事により、世界から我が国の能力が集中される事が重大であると思われる。

  5. ITER事業の形態について、参加国からの人員の派遣、ITERの建設、運転の段階に至るまでの必要な人材の育成等、実施体制の計画において、多くの時間を要し国際事業を取りくむ上で我が国の世界のリーダー的存在となる。

 しかしながら立地問題を始めとし、安全性、事故及びトラブル発生時の対処の有り方、経済的コスト等で、反対派の意見も多数あるのが現実であります。

 様々な問題を慎重に検討し、理解された上でのITER計画を推進されていかれる事を希望します。


No.185

堀内 秋治 (年齢 50歳)

(概要)

 ITERの設置については、国を超越し人類の将来の為、大変意義深いことであり、今生きている者の責任として、研究開発を進めるべきである。

(意見)

 特に苫小牧には、世界中の研究者が集える広大な自然、交通アクセス等研究開発に必要なものを、全て提供できる条件と熱意があります。


No.186

山中 千代衛 (年齢 77歳)

(概要)

 わが国の国力からみてITERへの投資は許容できる。但しITER核融合炉は炉壁材料が未解決でありその対策が必要である。ITERの保険として慣性閉込め核融合がある。

(意見)

 世界第二の経済大国に成長したわが国は、その国力からしても、又かくも急速に発展し得た恵まれた環境に報う為にも未来の人類のエネルギー開発を探求する一歩として、あえてITER計画の受入れにエントリーすべきである。但し次の三点に留意したい。

 わが国の科学技術への資金投入の判断規準は、現在まで主として後進技術の育成に力点がおかれてきた。バイオ然り、IT然り、宇宙技術然り、なべて追付け追越せ主義を脱していない。わが国が先行している長所を延ばすことが先進国の姿勢として大切である。ITERはこの条件を満している。当然先陣には危険が伴うものだ。

 第二にITERの決定的な問題点は炉設計において長期運転に耐える炉壁材料が未だに見当らないことである。耐中性子材料の開発が実用化を左右している。材料開発に力を致すべきである。

 第三に米国はITER計画から撤退し、慣性閉じ込め核融合に新展開を計っている。これは炉設計上、ITERと異なり、きわめて有利な流体炉繋等の選択が出来るため、ITERのもつ決定的なネックを回避出来ることもその理由の一つである。

 ITERで押せる所まで押すというのが現在とりうる「ベストミックス」と思われる。研究はすべからく未知への挑戦であり、その努力の効用は決して無駄にならない。経済の未来展望の不確しかさや投機によるバブル崩壊などとは全く異質であり、研究投資が生み出す成果は大切な情報であり、宝だ。即ちいろいろ獲得出来た研究知見の上に未来の展望が生れる。磁気閉じ込め核融合が難行すれば、後発の慣性閉じ込め核融合にバトンタッチすればよいのである。先進的研究とはそう言うものなのだ。

 第二次科学技術研究基本計画の展開の柱の一つに核融合研究を組込むことが大切である。米国と異って基盤研究に投入する大口予算は他に見当らない。


No.187

喜多村 和憲 (年齢 53歳)

(概要)

 将来のエネルギー問題解消の可能性、核融合の原理的安全性の特長、科学技術分野における我国の積極的な国際貢献等を考えて、ITERプロジェクトの推進に賛成します。

(意見)

 現在、化石燃料資源の枯渇は近い将来予測されていないものの、資源の供給問題や地球温暖化等の環境問題のため、いづれ現在の化石燃料中心のエネルギー供給から原子力エネルギー比率の増加への移行は直面するものと見られます。水力、地熱、太陽光、風力等の再生可能エネルギーは、資源、環境制約条件は少ないものの、立地条件の制約、エネルギーの安定供給、エネルギー効率の観点から主たるエネルギー資源としては問題が残ります。

 核融合では燃料となる重水素が、海水からほぼ無尽蔵に供給される豊富な資源として、人類の安定的、恒久的エネルギー源となる可能性を有していると思われます。又、核融合そのものの特質として、原理的に反応が暴走しないため、安全上の問題からも優れたエネルギー供給手段と考えられます。

 一方、国際貢献の観点からは、米国は「宇宙開発」、欧州は「大型加速器による繁粒子研究」で世界をリードして来ています。我国はこれまで、科学技術の分野において本格的な国際共同事業を国内で推進した経験がないとのことに、意外であるとともに驚きました。我国でも、現在世界をリードしている「核融合開発」において、世界的な研究インフラの設置は大いに賛成するところです。

 今後、技術目標、国際協力、建設費用の分担等で大きな問題があるとは思われますが、これらを調整しつつ、バランスの良い、開発プロジェクトとして進めて頂く事を望みます。


No.188

土屋 淳子 (年齢 60歳)

(概要)

 人数の未来のための保険としてITER計画を推進するのは、リスクが大きすぎるので反対します。

(意見)

 報告書(案)を読みましたが、全般的に解りにくい文章でした。主旨は理解できぬでもありませんが、人類の未来のためとは言え、保険として日本にITERを導入するのはリスクが大きすぎるように思います。計画書(案)では安全性に考慮すると書かれていますが、先の東海村の事故のように人間は信じられないような愚を犯すということを忘れてはならないと思います。現在の日本の教育や政治の隋洛は思いの他根が深く、将来良い人材が育つとは思えません。ITER計画を推進するにはすぐれた人間性とえい知が要求されます。これからの日本では教育面でバランスの取れたすぐれた科学者が育つとはとても考えられません。又政治の面でも経済界の人間でも優れた人材を輩出するのは絶望的です。ITER計画によって政治家と建設業者、鉄鋼業界、三菱重工などがゆ着し、新たな権利を生むことでしょう。そしてその犠牲になるのが貧しい県と県民です。誘致でうるおう政治家や業界関係者はあらゆる汚い手を使ってでも反対派を抑え込み目先の利益にのみおぼれる県民を上手く使ってITER誘致を成功させることでしょう。一歩間違えれば大事故につながりかねないことを自分には関係のない土地に誘致するのだからかまわないという気にはなれません。同じ日本人として貧しい県や弱い立場の人たちにリスクを負わせるわけには行きません。ここ2・3年でIT革命により人類の生活は思いもかけない変様をとげるかも知れません。少子高齢化でロボット産業が発達し、今迄のように自動車が売れないかも知れません。1976年当時の生活様式に戻れば現在ほどの電力も必要しなくなる筈です。今迄のような経済成長は希めないのですから、人類全体が生活レベルを下げつつ幸せな人生を送れるような哲学を持つべきだと考えます。IT革命の結果を見た上からでもITER計画を推し進めても良いのではないでしょうか。その為に後五年間のゆう余を欲します。


No.189

桐木 正美 (年齢 49歳)

(概要)

 ITER計画懇談会報告書案において我が国が設置国となることについて賛同します。

(意見)

 エネルギーの消費量が増え続ける現在、石油・天然ガス・石炭などの化石燃料は有限であり、又消費に伴う地球温暖化等環境問題も深刻な状況を抱えている。

 新たなエネルギー需給を考えた場合、水力・地熱・太陽光・風力等の再生可能エネルギーは安定供給・効率の面からは望めない。

 子・孫・将来世代にも持続可能なエネルギーの需給源を環境と開発の両立から考えた場合ITER推進を計るべきであると考える。

 地球環境を守り、将来世代にも持続できるクリーンなエネルギーを作るITERは国際共同プロジェクトとして進められるとの事。

 地元苫小牧は地理的条件・自然環境に恵まれた「苫小牧東部地域」があります。

 研究開発の水準が高く、国際貢献できることからも教育・文化の推進も計られることになる。

 苫東地域に設置できたらどんなにか素晴らしいかと思っている。


No.190

丸田 健司 (年齢 24歳)

(概要)

 ITERの誘致について、推進の意見を申し上げたいと思います。

(意見)

 今後のエネルギー問題を考えると、今の化石燃料だけにたよっていると、必ずなくなってしまいます。

 その際に、かわりとなるものが必要になってきます。

 かわりになるものとしては、数多くありますが、その中で、安定した電力を提供できるものが、核融合ではないかと思います。

 ただ、核融合が安全なものかは、わかりませんが、ITERにより安全性が確認されれば、日本に誘致して世界に貢献できればいいと思います。


No.191

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 2章第2段落に関連:世界的に2050年以降のエネルギー供給に、環境負荷の大きい石炭依存度合いが増加と推定。中・長期的には資源問題と環境問題は同等比重で重要。

(意見)

 2章第2段落に関連:次のように加筆を提案する。

 長期的エネルギー見通しは、…ここ100年「以内に、石炭を除く化石燃料資源の大部分が、世界的に枯渇する状況が予想されている。他方、数千万年以上の時間で形成された化石炭素を、化学的な有効利用のための貴重な資源としてではなく、100年間程度でその殆どを燃焼し尽くしてしまうということは、後世世代に対する罪は重いと考えるべきである。」(加筆)一方、化石燃料の消費に伴う地球温暖化に代表される環境制約は、「急を要する」(加筆)深刻な問題と認識されている。「さらに、2050年以降は他の化石燃料が枯渇する傾向のため、環境負担の大きいといわれる石炭に対する依存度を急激に増加せざるを得ないと推定されていることである。このような状況から、中・長期的に考えると、資源問題と環境問題は同等比重で重要である。」(加筆)

[理由]原案の論旨は、世界的にみた石油、天然ガス、ウラン、石炭等のエネルギー資源供給年数について、100年程度は枯渇しないが、2050年以降環境負荷の大きい石炭依存量の増加を前提としている(添付資料)。世界全人類が均しく、先進国並の生活レベルを強く希求し、エネルギー資源消費増加を希求すれば(テポドンを交換条件に要求した例)、エネルギー資源の推定可採年数は直ちに大幅に短縮され、さらに、今後の世界人口の上昇要因を取込み、エネルギー資源枯渇段階における資源産出国の国家的エゴ要因を想定するとエネルギー危機到来は以外に早いものと推定される。

 環境因子は、緊急を要する問題であるが、核融合がこれを解決するための、オプションの一つとして位置付けるためには、2050年以降の石炭重視脱却のためのものとした方が、論旨は明快なものになると考えられる。コンパクトITER計画は、以上の背景のもとに、論じられるべきである。


No.192

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 2章第2段落に国連:資源と環境は同等比重で重要。我が国はエネルギー資源枯渇の資源小国で、世界的エネルギー資源枯渇時代における国際競争力は脆弱である。

(意見)

 2章第2段落に関遵:資源問題と環境問題は同等比重で重要である。エネルギーの確保なくして健康は保たれない。さらに環境に優しいエネルギー確保をすべきである。我が国はエネルギー資源枯渇の資源小国で、世界的エネルギー資源枯渇時代における国際競争力は脆弱である。「環境に優しいエネルギーを自給」するための対策を「国家100年の計」として立てるべき時である。こういう面からもコンパクトITERの誘致を考えるべきである。

[理由]エネルギー資源が乏しかった終戦直後、暗黒と飢えと不健康に苦しんだことを忘れてはならない。

 世界の資源を論ずる前に、我が国の資源問題を考えたい。必要とする資源の大部分を海外からの輸入に頼り、それらを(輸入エネルギー資源を活用し)加工し付加価値を高めて、糧を得ている。エネルギー資源の輸入資金もまたその制約の枠外ではない。

 資源の受容に関しては、世界的人口増加と開発途上国の人々が均しく先進国なみの快適な性価値享受の希求するような状況と、エネルギー資源枯渇段階における資源産出国の国家的エゴのような要因を想定せざるを得ない。それにも拘らず将来の「環境に優しいエネルギーを自給するための」対策を立てずに、現状のまま放置するならば、将来、我が国の国民をその生命の危機に曝しかねないことは容易に推定される。

 100年後という時間は長くはなく、孫達の時代である。

 明治維新当時、我々の父祖の抱いた危機感・大志と同様、「国家100年の計」としてエネルギー問題に対する研究投資を考えるべき時である(我が国は2050年以降、環境負荷の大きい石炭輸入に大きく頼るべきではない)。

 コンパクトITER計画は、以上の背景のもとで、まず論じられるべきである。


No.193

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 2章第4段落中の資源:”資源的には「海水構成成分にその供給源を求めることができるので、」…のように語句を挿入し修文する。

(意見)

 核融合の燃料の資源は、「海水構成成分が供給源であるので」地域的偏在がなく量的にも制約がないことと、「世界的に、環境負荷の大きい石炭に依存する(添付資料3エネルギー予測図)との戦略からの脱却が可能であり、世界の英知を集めた研究・技術開発に積極的に参加することは、研究・技術・産業界に(新産業の芽生えと人材育成という)、計り知れない夢と将来的利益をもたらす。」(加筆)ことを明示し、国民の理解(及び選良の理解)を求めるべきである。

[理由]我が国は、国内化石燃料資源の枯渇のためエネルギー資源の大部分を海外からの輸入に頼り、このため化石燃料等エネルギー資源枯渇に向かう資源確保競争時代における国際競争力は、本質的に脆弱である。世界的には(添付資料3エネルギー予測図によれば)、環境負荷の大きい石炭に対する比重を高めている。我が国でも石炭に依存し輸入を増加させるよりも海水から国産燃料を取り出す方法を選定すべきである。

 核融合の燃料資源では、「海水構成成分が供給源であるので」地域的偏在がないことを明示することにより、既にエネルギー資源が枯渇し輸入に頼るようなエネルギー小国である我が国が四囲を海洋に取り囲まれていることから、エネルギー資源大国となることについて、国民の理解を求める必要がある。

 核融合技術開発国際協力において、コンパクトITER設計実現に先導的役割を果たした実績に対する各国のさらなる期待に応えるべく、これを誘致することは、世界的に将来エネルギー資源問題解決に積極的貢献をするという我が国の経験では数少ない好機を生かすばかりか、国民に夢を与え、国内産業・経済(出資に対応する資材調達保証があると理解)を刺激することになる。また。世界の英知を集めた研究・技術開発に積極的に参加することは、研究・技術・産業界に(新産業の芽生えと人材育成という)、計り知れない将来的利益をもたらす。


No.194

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 2章第4段落の修文:このような制約…再生可能エネルギーや「核融合を含めた」原子力…「現在知られているかぎりでは、」…「最も有力な」カテゴリーに含められる。

(意見)

 核融合がオプション中で最先端を進んでいることを示したい。


No.195

荻原 利喜雄 (年齢 52歳)

(概要)

 将来のエネルギーとしてのITER計画に理解をいたします。長期的な計画を聞き、この苫小牧の地で未来のエネルギー開発に一刻も早く手掛ける事に賛成をいたします。

(意見)

安全性について

 計画理論は可能、計画及び実験は長期になるとの事ですが、核分裂と核融合との原理的に大きな違いがあると思います。クリーンなエネルギーとしての熱核融合は有効と思います。

資源

 地球上にある資源はいずれ枯渇します。熱核融合の資源は半永久的に得る事が出来るものと思います。

エネルギーとしてのメリット

 実験費用は多大な金額となるでしょうが、成功し実用化すれば熱核融合で得たエネルギーは現在使用しているあらゆる機器に利用できるものと思います。

これは全世界に計り知れないメリットが生じるでしょう。

平和

 完成した暁には参加国はもちろん後進国に積極的に設置し、発展途上国の人々の暮しが安定する事により平和な世界ができると思います。

立置条件

 この苫小牧の東部には広大な平地があり、北側に千歳空港、南に海、そして港、北海道の首都圏の札幌は車で1時間あまりの交通便利な日本一条件の良い土地であります。

完成年

 私達の世代で完成を見たいものですが、将来(未来)の世界でこの苫小牧で発展したITER計画であると語られているでしょう。

 以上の事により私はITER計画に賛同いたします。


No.196

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 要旨中の核融合エネルギー:資源~国際的緊張までの4項目について、一般国民(並びに選良)に分かりやすいように加筆する。

(意見)

 要旨中の核融合エネルギー:資源~国際的緊張までの4項目とこれらに続く1行について、以下のような追加あるいは修正記述を入れることが望まれる。

等の特徴があり…「近い」将来の…一つの「有力な」選択肢である。

[理由]要旨は結論とともに、報告書全体を把握するために重要であり、常識を備えた一般国民(及び選良)が一読して抵抗感なく理解出来るように、論旨の一貫性とともに、分かりやすい言葉による記述であることが重要である。(本文中でも同様趣旨が生かされるよう希望)


No.197

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 要旨の(エネルギーと核融合)中の「核融合の実用化」で研究・技術・産業への刺激と人材育成の立場から、誘致に係る研究投資は有用であるとの加筆を提案する。

(意見)

 要旨の(エキルギーと核融合)中の「核融合の~期待する。」について、次の加筆を提案する。

 核融合の実用化…確立することにあり、「研究開発としては」(加筆)多額の経費…国際協力のもとで「最善の周知を結集し、コンパクト」(加筆)「国際熱核融合…」の建設が計画されている。

 当懇談会…技術による「環境に優しいエネルギーを安定的に確保するという」(加筆)人類への「主導的」貢献との「幸運な」(修正)一致…、我が国としても「コンパクトITER設計の実現に先導的な貢献をしてきた実績を踏まえ、コンパクトITER計画へ積極的に参加するとともに、そのノーハウをきめた研究・技術・開発過程と成果の揺籃となる我が国への誘致により、国内産業・経済に刺激と夢を与える」(加筆)ことを期待する。「コンパクトITERの建設費5000億円は研究開発費としては、一見多額なように感じられるが、将来的環境に優しい国産エネルギーの確保のための研究費に値する。さらに技術・産業界にとっては、新産業の育成と人材育成という計り知れない将来的利益がある。」(加筆)

[理由]コンパクトITERの建設費5000億円は研究開発費としては多額なようであるが、次の理由から、出資に値する(エネルギー・燃料資源国産化問題は省略)。

①費用は3極による分担である。誘致に伴う建設費用分担金は、平成元年頃の小型実験炉FERと大差ない建設費と見込まれるが、国際協力によるコンパクトITERでは、格段の進歩した試験内容となる。

②各極分担に応じて当該極内で資材を調達するメリットが約束されている。経済的な刺激ばかりでなく、国際的最先端技術を含む資・器材の製作・調整・運転の機会が得られ、技術・産業界には新産業の育成と人材育成という大きな夢と将来的利益がある。

③その建設費用は、20年間の試験期間に割当てて考えるべきであり、また将来型実験炉の建設経験者を国内で多人数育成できるという夢とメリットがある。


No.198

梅北 陽子 (年齢 48歳)

(意見)

 ITERの推進には、青森県民の立場から絶対反対します。

 六ヶ所村に誘致など、とんでもないことです。けっしてしないでいただきたい。税金の無駄遣いとは、ITERなどというなんの役にもたたず、厄ばかりの放射能だらけのやっかいものを作るなどという狂気の沙汰の事をいうのです。

 だってそうでしょ?原発は負の遺産だと言うあたりまえの事がやっと判ってきた昨今ですよ!これ以上、放射能を撒き散らすもの作ってどうすんですか?夢の核融合炉ではなくて悪夢の核融合炉でしょうが!未来世代の環境をまもってあげたい、そんな気持ちでいっぱいです。やっと、深刻に放射性廃棄物処分の問題が原子力の推進する側ですら浮上してきているのです。エネルギーという視点からいけば、環境に優しいエネルギーという事で燃料電池や風力他の自然エネルギーで未来の前途は揚々としています。巨大システムの核融合炉何かはただの一部科学者が熱中して遊ぶおもちゃにすぎない。おとなのおもちゃはもういらない!

 どこにITERが作られても、撒きちらされる放射能や残ってしまって捨て場に困る巨大な放射性廃棄物の塊が今から目に浮かぶ様です。

 絶対反対!こども達の未来のために!貴重な税金を無駄な研究に使う事に私は賛成しかねます。


No.199

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 要旨の(我が国としてのコンパクトITER計画進め方)中の②科学的潜在力として、実績、国際貢献の重要性、誘致のメリットについて加筆を提案する。

(意見)

 要旨の(我が国としてのコンパクトITER計画進め方)中の「②科学的潜在力」について加筆を提案する。

 ②科学技術潜在力…研究開発力が、その人的…評価されて「いるばかりでなく、コンパクトITER設計具体化に多大な貢献をした実績があり」(加筆)、「コンパクトITERの誘致に関して」(加筆)我が国は十分なポテンシャル…努力が必要とされており、「我が国の貢献はその課題克服に多大の貢献をしつつあるが、さらに」(加筆)長い年月…高さを長期間にわたり維持「できるばかりでなく、さらに一層の技術向上で試験・研究に貢献することを期待」(加筆)できる。「コンパクトITERの誘致・建設・試験・改良を通じて、世界的最先端技術に産・官・学が接することは、人材育成にも有益であり、将来、この分野における積極的な国際的貢献が期待される。」

[理由]コンパクトITER設計において、我が国の科学・技術者が大きく貢献したコンパクト化設計における実績と人材育成について、明確に述べておきたい。


No.200

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 要旨の(我が国としてのコンパクトITER計画進め方)中の①国際的役割と「将来型原子炉産業と人材の育成による国際貢献の拡大」の立場から加筆を提案する。

(意見)

 要旨の(我が国としてのコンパクトITER計画進め方)中の「①国際的役割」について加筆を提案する。

①我が国の国際的…施設を持ち、「さらにコンパクトITER設計具体化に多大な貢献をした技術があり、」(加筆)世界の技術者に…我が国の「将来エネルギーに対して先端的な技術を持って貢献するという」(加筆)数少ない機会を生かし、併せてその「実質的貢献からの」存在意義を高めつつ…「しかも調和のとれた」(加筆)相互依存の関係を維持していくべきである。「今回の実験炉建設計画は、将来型原子力産業・人材の育成に大きな貢献をもたらし、後々の我が国からの国際的技術貢献ポテンシャルを大きく向上させることができる。」(加筆)

[理由]明治維新以来、特に終戦直後の廃墟から立ち上がった我が国の技術・産業は、他国で創造された技術・産業を取り入れ、洗練されたものに仕上げ、我が国産業発達に役立ててきたことは、周知のとおりである。

 コンパクトITER設計では、そのコンパクト化の実現に、我が国の研究・技術者の貢献が多大であった。この実績を発展させ、主導的に貢献するために、コンパクトITERを誘致することは、各極が期待していたことである。さらに我が国に研究・技術者と産業界が積極的にその建設・試験・改良に、こぞって貢献することは、世界的な将来エネルギー確保技術の確立において、国際的に主導的役割を果たすことであり、我が国の数少ない実のある(拠出金に対する期待を超えた存在感のある貢献)国際的貢献を実現するまたとない、好機会である。

 このような国際的協力における主導的役割は、単に国際的評価に留まらず、実務的貢献も求められるという研究・技術向上のための絶好の機会となり、将来型原子力産業・人材育成に大きく貢献し、さらに国際的に大きな技術貢献が可能になる(原型炉の炉型によらない)。


No.201

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 要旨の(我が国としてのコンパクトITER計画進め方)中「③国際社会における日本の立場についての倫理性」として加筆を提案する。

(意見)

 要旨の(我が国としてのコンパクトITER計画進め方)中の「③国際社会における日本の立場についての倫理性」として加筆を提案する。

③「コンパクトITER計画という国際協力計画に主導的役割を受け持ち、これに積極的に参加することは、国際社会における日本の立場という」倫理性の観点から「いえば、一国の」私的利益を離れ…「国際的貢献」意識を…受容される条件「として」整っている。

[理由]一般国民(及び選良)に理解し易いと考えられる表現を提案する。


No.202

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 要旨の(我が国としてのコンパクトITER計画進め方)中の「④安全確保」について、これまでの安全評価結果説明に関する加筆希望を提案する。

(意見)

 要旨の(我が国としてのコンパクトITER計画進め方)中の「④安全確保」について加筆を提案する。

④安全性については、「反応生成物が非放射性のヘリウム-3であり、高レベル廃棄物が発生しないのでその処理・処分の必要がない。一方、器壁の放射化により」発生する低レベル廃棄物「である放射化金属等についてはその」安定化処理と人間界からの隔離処分は従来技術により比較的容易かつ高い安全性確保により実現可能との対策が立案・評価されているが」、我が国においては、特に、国民の理解を得つつ対処していくことが求められる。

[理由]要旨との整合性並びに各廃棄物についてバランスのある記載に配慮した。


No.203

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 要旨の(我が国としてのコンパクトITER計画進め方)で、エネルギー確保のための研究投資は重要であり、メリット有りとの観点から、加筆を提案する。

(意見)

 要旨の(我が国としてのコンパクトITER計画進め方)中の「⑤投資の観点」について加筆することを提案する。

 投資の観点からは、…国民全体「の近い将来のエネルギー確保のための技術開発」(加筆)という…広義の「人身保護の」(加筆)安全保障、「すなわち海水からの国産燃料生産による環境に優しいエネルギーの半永久的な確保であり」(加筆)、国家「規模の国際機能では、主導的な技術貢献による国際的な貢献が実施可能な数少ない国際社会貢献の機会で」プライオリティの高いものと…入っている(加筆)。「コンパクトITER設計の実現に、我が国の研究・技術者の大きな実績があり、実験炉の誘致により研究・技術・産業的に積極的貢献することは、世界的将来エネルギー確保技術の国際的確立に主導的役割を果たす好機会である。建設費用の5000億円は3極により分担される。誘致に伴う建設費用分担金は、平成元年頃の小型実験核融合炉と大差ない建設費と見込まれるが、国際協力によるコンパクトITERでは、格段の進歩した試験内容となる。また、各極分担に応じて、当該極内で資材を調達するメリットが約束されている。この場合には、経済的な刺激に加えて、国際的最先端技術を含む資・器材の製作・調整・運転の機会が得られるので、技術・産業界としては計り知れない将来的利益がある。その建設費用は、約20年間の試験費に振り分けられる性格で、国内で将来型原子炉の実験炉建設経験者を多数育成できるという永続的メリットがる。」(加筆)当懇談会として…費用の推定を行うことは、「コンパクトITER計画の成果のチェック&レビューが行われた後に、原型炉への移行が想定されるなどの不確実性があり」(加筆)、核融合炉…、利益については、「その効果が半永久的に持続する可能性があり、」推定不可能な「程大きく」(加筆)、核融合…人類の将来の「環境に優しいエネルギー」(加筆)を保証…。

[理由]要旨冒頭部分との整合性について配慮した。


No.204

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 「はじめに」の最後の段落で、本文の構成を記述と「設置国の名乗りを挙げることについて、広く国民に理解を求めつつ、総合的判断を行うことが必要」との修文を提案する。

(意見)

 「はじめに」の最後の段落について、本文の構成を記述するように、修文することを提案する。

 当懇談会は、「原子力委員会の諮問に応えるため、1章で、地球環境とエネルギー問題の位置付け、2章で、長期エネルギー需給見通しと各融合エネルギー、3章で各融合エネルギーの技術的見通し、特に4章では、我が国としてのITER計画の進め方として、①国際的役割、②科学技術的潜在力、③国際社会における日本の位置付けとしての倫理性、④安全性と国民の理解、⑤投資の各要因に分けて検討を進め、計画具体化に当たっての考察と提言を行った。」(修文)、我が国がITER建設への移行「と設置国としての名乗りを挙げることについて」(修文)、当懇談会の提言を踏まえ「広く国民に理解を求めつつ」(修文)、総合的判断を行うことが必要と考える。

[理由]広く国民(及び選良)に理解を求めるに当たって、本文全体を簡潔・直裁にするよう修文を望みたい。

①上記修文案は、「本文の構成と流れ」について記述するようにとの示唆である。

②むしろ、「要旨に示されている結論」を示唆するような流れを形作ることが望まれる。このような微意を汲み取り、さらに、すっきりさせて頂けると幸いである。


No.205

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 資源図追加:我が国の石油・天然ガス、ウラン等の資源は既に枯渇し、その大部分を輸入に頼らざるを得ないことと、2050年の世界資源の推定可採年数を示す図を添付する。

(意見)

 我が国の石油・天然ガス、ウラン等の資源が既に枯渇しその大部分を輸入に頼らざるを得ないことを示すために「化石エネルギー資源及びウラン資源の自給と輸入の比率」図を資料として追加・添付することが望まれる。また、世界的資源供給量として、石油・天然ガス、ウラン等のエネルギー資源の2050年における推定可採年数を図示して欲しい(世界人口の増加と開発途上国の生活レベルの向上希求を前提として居る旨注記)。

[理由]ITER計画懇談会報告書は、専門家意見の報告書であると同時に、国民(並びに選良)の理解を得るための報告書としても、活用されるべきであり、このため、以下の説明図を添付資料として付加することが望まれる。①2000年現在の我が国の「化石エネルギー資源及びウラン資源の自給・輸入比率」図、②世界的な資源量として、石油・天然ガス、ウラン等のエネルギー資源の2050年における推定世界人口と消費エネルギーを織り込んだ「各資源の推定可採年数」を図示し、それには「開発途上国の人口増加要因とそれらの国々の国民が先進国と同等の生活レベル向上希求とそれに付随するエネルギー需要を全面的に満たすという仮定」を付記して欲しい(不確実性の上・下限はオプティミスティックとペジミスティックケースで表示)。このような図から、実用核融合炉技術確立時の「実用炉への移行の必要性と緊急性」に関するチェック&レビューが可能となる(5年ごとの見直しが必要)。


No.206

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 環境図追加:「炭素燃料によるCO2放出量と大気中CO2濃度の経時変化」、「世界気温経時変化」、「各種電源の単位エネルギー量当りCO2排出量」の各図を添付する。

(意見)

 環境問題の理解のために「炭素資源を燃料とするエネルギー生産に伴う二酸化炭素放出量と大気中二酸化炭素濃度の経時変化」、「世界気温の経時変化」、「各種電源の単位エネルギー量発生に係る二酸化炭素発生量」説明図を添付資料として添付することが望まれる。

[理由]ITER計画懇談会報告書は、専門家意見の報告書であると同時に、国民(並びに選良)の理解を得るための報告書としても、活用されるべきであり、このため、「炭素燃料によるCO2放出量と大気中CO2濃度の経時変化」、「世界気温経時変化」、「各種電源の単位エネルギー量当りCO2排出量」(核融合発電炉からの推定量を併記)の各図を添付することが望まれる。


No.207

紺谷 博樹 (年齢 39歳)

(概要)

 「この懇談会の結論はまちがってます」

環境問題の原因は自己中。エネルギー問題は部分です。経済優先、便利快適追求の科学開発は持続不可。地球共生の道へ!

(意見)

●私の視点は、地球の上の生活者です。国益や経済、科学に大きな期待をしてません。私はむしろ地球上の全ての命のつながりの力や、危機を目前にした人類のイマジネーションに期待します。従来の科学は、自分の科を深く追求し専門化、高度化して、そのことがもたらす全体への影響について責任を持っていませんでした。今必要なのは、さまざまな科を総合し、関連づけて全体像をイメージできる能力ではないでしょうか?

●このような考え方の大先輩は先住民族で、彼らは近代科学文明が引き起こした、地球環境破壊をせずに、1万年以上も暮らしてきた実績があります。先住民の知恵や江戸時代の暮らしには、持続可能な社会のヒントがいっぱいです。こんな大きな計画を検討するなら、少なくても半分以上のメンバーは、ごく普通の専門家以外の人を選ぶべきだと思います。あとは当然、分野横断的な専門家でもOK。

●地球環境はすでに非常事態です。温暖化は予想の2倍で進行し、オゾン層や森林、生物の多様性も手遅れに近い状態。対策ははっきり示されているのに、大多数の国が有効な手段を実行していない理由は、事態の切迫感や自己責任を認識していないからです。そのうち誰かが科学で何とかしてくれるさという無責任で自己中心的な価値観が蔓延する世界でITERが成功したら、さらに地球の破綻が早まるだけだと思います。

●地球上で無限の欲望追求はできません。ITERの成功で手に入れられるかもしれない国益や競争力に投資するより、人類だけでない全ての命に貢献できる持続可能な社会を全国民でアイデアを出し合って、一刻も早く実行に移す時なのではないでしょうか。


No.208

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 要旨第1~2段落の間:「我が国は化石燃料、ウラン等のエネルキー資源が枯渇した資源小国であり、世界的エネルギー資源枯渇時代の国際競争力は脆弱である。…」を挿入。

(意見)

 本報告書の前提として、「我が国の石油・天然ガス、ウラン等の資源が既に枯渇しその大部分を輸入に頼らざるを得ない。このため化石燃料を根幹とするエネルギー資源確保競争の時代に突入すると、我が国の国際競争力は本質的に脆弱である。核融合技術開発国際協力で、コンパクトITER設計の実現に先導的役割を果たした我が国が、その実績に基き、これを誘致することは、世界規模将来エネルギー資源問題に積極的貢献をするという我が国にとっては数少ない好機であるばかりか、国民に夢を与え、国内研究・産業・経済・技術の各分野を刺激することは計り知れない。」ことを述べるべきである。

[理由]我が国では、必要とする資源の大部分を海外からの輸入に頼り、それらを(輸入エネルギー資源を活用し)加工し付加価値を高めて、糧を得ている。エネルギー資源の輸入資金もまたその制約の枠外ではない。

 世界的にみた石油、天然ガス、ウラン等のエネルギー資源供給年数について、100年程度は枯渇しないとしているが、世界全人類が均しく先進国並の生活レベルを直ちに希求し、エネルギー資源消費増加を希求すれば、エネルギー資源の推定可採年数は直ちに大幅に短縮される。さらに、今後の世界人口の上昇要因を取込み、エネルギー資源枯渇段階における資源産出国の国家的エゴ要因を想定し、それにも拘らず現状のまま放置するならば、将来、我が国国民をその生命の危機に曝しかねないことは容易に推定される。コンパクトITER計画は、以上の背景のもとに、論じられるべきである。

 環境と資源問題は同等比重で重要である。明治維新当時、我々の父祖の抱いた危機感・大志と同様、「国家100年の計」として研究投資を考えるべき時である。本報告書は、国民(並びに選良)の理解を得るためにも、理解し易く、しかも一貫した論理性と表現をとるべきである。


No.209

相山 英明 (年齢 51歳)

(概要)

 人類にとってエネルギー問題は非常に重要であり、今日の地球環境を考えると自然エネルギーの利用が望ましいが、長期的には核融合エネルギーの利用が必要と考えられる。

(意見)

 人間が生活してゆくうえでエネルギーはかかせないものであり、太古は太陽エネルギーのもと、自然と共に生活していた。文明の発達に従い、石炭、石油等の化石燃料から原子力エネルギーへと変遷してきている。しかし最近の地球環境(CO2による地球温暖化等)を考えると、これからは水力、風力、地熱、太陽光等の自然エネルギーの利用が必要不可欠である。近未来的には、これらのエネルギーの開発が重要であると思われるが、長期的には資源にほとんど制約のない核融合エネルギーの活用が理想である。

 また、世界的にも優秀である技術と頭脳を有する日本として是非核融合エネルギーの研究に取り組む必要があると考える。


No.210

西川 辰美 (年齢 61歳)

(概要)

 エネルギーのない国、今なら経済的になんとかなるので一日も早くITERの研究を開始する事を要望します。又北海道経済に与える影響は大なるものがありますので国の判断を。

(意見)

 エネルギーについて常に勉強をしている者としてITER研究を一日も早く日本で行う事を要望する。日本はエネルギー資源がまったくないと云っても過言ではない。近年は風力や太陽光発電も行なわれてきているがエネルギーを平滑に出力する事はできないし主要電力としてはなりえないだからといって何もしなくても良いと云う事ではない。これももっと研究し最大限利用できるものは行う事は必要である。私の住む苫小牧には天然ガスが産出し今後のエネルギー問題に明るい光がでてきたが産出の大部分は札幌市の都市ガスとして利用されている。今後もエネルギーの使用量が減る方向になれば良いが、現実には快適な生活のために増すばかりである。

日本経済が少しあやしくなってきてはいるがまだ力があるうちに一日も早く新エネルギーを開発し安定した目前のエネルギー源を確保すべきである。ITERの研究が国内特に北海道苫小牧において行なわれれば冷込む北海道の経済の活性化に大いに役立ちさらに産業の少ない地域に新しい産業が起きる事は云うまでもない。これと同時に世界的な人脈交流が出来て新しい文化が創造される。このようにITER研究がされる事で最先端の技術が生れさらに従来技術との組み合せでエネルギーだけでなく多くの産業の集積につながりアメリカのシリコンバレーのような研究都市が生れる。

反対の人もおられるが大極的な立場に立って考える必要がある。今の生活をやめて大昔しに戻った生活ができるのであれば良いが後進国の人々がいまのままで良いとするのか日本と同じような生活をするとなると世界のエネルギーは何年間もつのであろうか?国の決定の方針を急いで決定して下さい。


No.211

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 3(1)核融合の特徴関連:天空の太陽や恒星の輝きと熱は、核融合反応によるもので、自然界では普遍的である。併せて「管理されたエネルギー取出し」について述ベる。

(意見)

 3(1)核融合の特徴の第1と第2パラグラフの間に挿入:核融合反応は、天空に浮かぶ太陽や恒星の輝きと熱発生に見られるような、自然界では普遍的な現象である。従って、自然現象をお手本にしている核融合炉の実現は、開発・経済性実証に関する時間的な問題はあるが、疑いもない(ナチュラルアナログという)。

 太陽例にとれば、宇宙の事実上の真空中で、高温のプラズマを重力によって閉じ込め、自己点火条件を超える温度で核融合反応を継続させている。

 一方、実現が想定される核融合炉では、地上の管理できる状態で、継続的にエネルギーを取出さなければならない。このためには、真空容器中で高温のプラズマを(太陽の場合の重力に代えて)、電磁石で発生させた磁力で、閉じ込めつつ加速して運動エネルギーを与え、プラズマ電流密度と1億度以上の高温に保ち、核融合反応を起こさせ、発生したエネルギーを熱として取出すことにしている。

 国際熱核融合実験炉のコンパクトITERは、この自己点火条件を達成する(「地上の太陽」に点火する第一歩に当たる)とともに、核融合炉に必要な工学試験を約20年間実施することにしている。

[理由]ここで、述べたことがらは、専門家にとっては、自明のことであるが、本報告書中では(時間的要因を絡めて)、あたかもコンパクトITERの試験が失敗するかのごとき表現を随所に述べているように見られるので、一般国民(及び選良)の理解を助けるためのものである。要約したものを、本文中の第1パラグラフと第2パラグラフの間に挿入した方がよいように思い、敢えて記述した次第である。なお、予想外の現象が見つかると研究者は喜び、これを解明するための努力を注ぐものであり、このような現象を決して失敗とは言わない(他の場所に散見される「失敗」という語は、「予想外のことがら」と訂正すると良い)。


No.212

片岡 敬博 (年齢 42歳)

(概要)

 核融合が未来のエネルギー源として環境問題もクリアーし有る重要な位置付けにあり、ITERは単なる科学技術発展のみならず、国際社会貢献という視野に立っても意義深い。

(意見)

(エネルギー問題)

 エネルギー問題は地球規模の問題であるが、カリフォルニアの電力問題のように、危機に瀕しないとその怖さが自覚できにくい側面もある。我々は、化石燃料から脱却しなければならない日が必ず訪れることを感じながらも現状に忙殺されて、どこかの国の誰かが何とかしてくれるであろうという根拠の無い期待をもって生活している感がある。ITERプロジェクトは、おそらく我々世代が必死になってエネルギー問題を自分達のこととして直視してきたことを、未来の子孫にアピールできる試金石になるであろう。それを日本で行なうことになればまた素晴らしいことだ。

ビッグプロジェクト、それも国際協同事業というハードルは、とても高いことが予想されるが、日本人の気質から、特にプロジェクト管理能力に対しては諸外国に負けないバイタリティーを持って実力を発揮できると感じる。

(安全性)

 誘致サイト住民を始め、運転員、研究者の安全を第一に考え、今後の核融合の発展を停滞させることの無い万全なものにして欲しい。

(経済性)

 単に個別装置の知識だけでなく、大規模なシステム機器に対する広範な知識を持ち、加えて諸外国との交渉力を有する技術者の早期育成が望まれる。

(波及効果)

 これだけのビッグプロジェクトになると、科学技術分野の発展のみならず、社会インフラの発展、社会的ステータスシンボル的な役割も果たすであろう。その意味からも日本の誘致は意義深い。


No.213

新田 光男 (年齢 53歳)

(概要)

 今般、ITER計画懇談会報告書でITERの設置国となることの意義は大きいと結論づけられたが、私もその通りであると思います。したがって推進賛成の意見を申し上げる。

(意見)

 以下の理由によりITERの日本誘致に賛同する。

  1. 現在、全てのエネルギー源は電力へと移りつつあり増々その需要の拡大が予想される。
  2. 日本だけでなく発展途上国の将来を予測すると、同報告書にも報告されているように、電力の消費量は4倍~5倍が求められ必要となる。
  3. 今現在発電の主力である石油、石炭等の化石燃料はあと40年~220年と言われている。しかも地球環境に影響する二酸化炭素・チッソ酸化物の発生があり早急にその使用を減少させていかなければならない。
  4. これらは、発展途上国だけの問題ではなく、地球規模での行動が必要である。したがって先進国の一員である日本にも大きな責任があり自から行動しなければならない。
  5. 風力発電等の自然エネルギーの利用は、もちろん必要であるが、その効率性及び安全供給の面から限界がある。

 私は、地球環境と世界の人々のため、そして報告書のとおり日本自身のためにも安定供給ができ効率の良い、しかも安全性が高いエネルギーの実用化が望まれそのためにもITERの推進が必要と思います。

 私達が住む苫小牧は東部地域にはたいへん自然に恵まれ空・海・陸の交通の利便に優れかつ生活環境インフラ整備が進んだ広大な平地があります。

 この地で世界につながる貢献ができ将来の子供達への夢と希望のある地球自然を残したいと思っております。


No.214

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 5章「計画具体化に当たっての考察」について:表題を「計画具体化に当たっての考察と課題」とし、6章の結言中の「指針」部分をここに繰り込み整理するとよい。

(意見)

 5章「計画具体化に当たっての考察」の表題を「計画具体化に当たっての考察と課題」とし、6章の結言中の「指針」部分をここに繰込み統合し、整理・修文するとよい。

[理由]

①5章の考察部分には、「技術的に失敗する。」という断定的な表現があるなど、これまでの論調と大きく異なっている。この表現については、「実験して初めて分かる予想外のことが発見された場合」のように修文する等とともに、論旨を理解し易く整理して頂きたい。

②太陽における核融合現象からの類推(ナチュラルアナログ)や、コンパクト化設計の裏付けとなるJT60における試験成果から、コンパクトITERにおける点火条件達成については、国際的頭脳集団により、かなり高い確からしさで達成可能との推定に達しているものと理解されている。勿論、コンパクトITERを使用した試験により、初めて分かることがらも有るだろうし、出てこなければいけない。これを研究者は決して失敗とは言わないで発見というように、私は理解している。「技術的に失敗する。」という断定的にとれる表現は、論旨の一貫性を損ねる印象を与え、本報告書の値打ちを損ねかねない可能性がある。

③6章の結言は、1~4章で検討し、述べてきた論旨とは、別の「実行にするにあたり検討すべき指針」について、述べている。この指針部分は結論ではなく「一種の考察」に相当するように理解される。

④従って、5章の「計画具体化に当たっての考察」という表題を「計画具体化に当たっての考察と課題」とするとともに、6章の「結言」中の「指針」部分をここに繰り込み整理し修文を行い、論旨を明確にすることが望まれる。


No.215

渡邉 ミキ子 (年齢 45歳)

(概要)

 膨大なお金がかかる上に、発電用の核融合方式としては見込みのないITER計画の日本誘致は反対ですし、外国に誘致された場合も、計画に参加することに反対です。

(意見)

 トカマク方式は発電には向いていないし、ITER計画は新聞などで言われているよりも、2、3倍のお金がかかると聞いています。それにITERでは発電まで行かないとも聞いています。実際、アメリカは既に手を引いているではありませんか。国の経済状態が非常に悪く、国債の発行残高は膨大で、これから痛みを伴う構造改革をしようと小泉総理がおっしゃっている中で、どうして今、見込みがなく、とんでもないお金がかかるITER計画に参加しなければならないのでしょう。ましてや、日本誘致なんてとんでもないことです。核融合がいずれ必要になることはわかりますが、今はもっと基礎的なことをするべき時なのではないでしょうか。


No.216

高橋 正己 (年齢 33歳)

(概要)

 ITER計画で我が国に設置することは賛成します。

(意見)

 現在、地球環境で温暖化現象などが問題になっているので二酸化炭素の発生が少ない原子の発電に頼らなければならないと思っています。でも、原子力発電はどこまで安全なのか、原発事故による放射能汚染などが起きたらという心配はあります。

 核融合は反応が暴走しないとか言われてますがどこまで安全なのか、放射性廃棄物の処理はどうするのか、放射能汚染はどうなのかをもっと詳しい説明が欲しいです。

 そして、より安全に核融合の研究開発を進めて近い将来には実用化として欲しいです。


No.217

荒木 邦夫 (年齢 68歳)

(概要)

 6章「結言」中の結論に相当する部分の5行の記述を増強し「要旨」との整合を図り、残りの「実行に当たっての指針」部分は5章と統合して論旨を判り易く整理する。

(意見)

①6章「結言」中の「結論」に相当する部分の5行の記述は、増強するとともに、「要旨」中の論旨との整合を図って欲しい。

②6章「結言」中の「結論」部分以外の「実行に当たっての指針」に相当する部分は、5章の「計画具体化に当たっての考察」と同質のようにも理解される。4章までの論旨と異なるので、混乱を招きやすい。

③すっきりさせる方法として、次の2案が考えられる。何らかの方法により、一般国民が一読して理解出来るような解決方法を採り、論旨の整理による一貫性を確保し、単純明快になるように工夫して頂きたい。

ア.「実行に当たっての指針」を結言から独立させ、独立章を建てる等により、論旨を判り易く整理する方法。

イ.5章の表題「計画具体化に当たっての考察」を「計画具体化に当たっての考察と課題」と拡大し、6章の「結言」中の「計画具体化に当たっての指針」部分をここに繰込み統合し、論旨を判り易く整理する方法。

[理由]

①6章「結言」中の結論に相当する部分の5行の記述では、結論の理解には短すぎて、一般国民(及び選良や誘致の際の地元住民)の誤解を招きやすい。

②「結言」中に述べられる結論については、増強して「要旨」との整合を図って欲しい。

③6章の結言中の論旨は、4章までの論旨とは別の「実行にするにあたり検討すべき指針」について、述べている。

④全体に、すっきりと読み易くし、「子々孫々のために大事な国際計画」であることを、一般国民の理解を広く求めるようお願いしたい。


No.218

板坂 由美 (年齢 41歳)

(概要)

 安全性に疑問符が付いているITERよりも、自然エネルギーを有効に利用できる技術を開発することに力を注いで欲しい。すでに欧米では自然エネルギーが実用化されている。

(意見)

 「地域の活性化につながる夢のクリーンエネルギー」として、ITERが苫東に誘致されようとしていますが、苫小牧在住の一市民として大きな不安を抱いています。物理学者の森永晴彦氏、北大工学部の大友紹雄氏等の話しを総合すると、クリーンエネルギーどころか環境や人体に対して多大な犠牲を強いる危険性をはらんでいるものだということがわかりました。燃料に使われるトリチウムが高い毒性を持っているというだけでなく、稼動中のコントロールが難しく事故につながりやすいこと、大量に排出される放射性廃棄物を長期に渡って管理していかねばならないことなど、孫子の代まで負の遺産を残すことになりかねません。ここ苫小牧はラムサール条約に指定されたウトナイ湖の他、自然環境にも恵まれた土地です。世界的に環境破壊が懸念される今こそ大切に守り、次世代の人々に手渡すべきではないでしょうか?ITERに使われる予定のお金を太陽エネルギーの研究にまわせば、10年から20年で実用化できるそうです。世界からも支持される安全で長期的視野にたったエネルギー開発に向けて、日本の技術力と膨大な費用を使っていただきたいと思います。


No.219

松本 泰弘 (年齢 39歳)

(概要)

 核融合に関する正しい知識の普及とITERに関する情報公開(安全性、運用方法など)を盛り込む事を条件に賛成します。

(意見)

 ITERの意義と取り組みについては「ITER計画懇談会報告書(案)」に記載されている通りであると思うが、ITERを推進するにあたり、以下のことを付け加えることをお願いしたい。

1.核融合に関する正しい知識の普及:核関連施設が立地する地域にとってたとえその施設が安全に対して万全であってもそこにあるというだけで不安は付きまとうものである。また、例えばJOCの事故後、東海村の住民が他の地域での宿泊を拒否されるといった不当な扱いを受けたことなどを考えると、立地地域以外の人も含めた国民全体に対する正しい知識の普及が重要であると考える。これにより、過剰な不安を払拭すると同時にいざという時に正しい判断・行動をとることが出来る。

2.情報公開:正しい判断・行動は正確な情報をもとになされる。従って、すべての情報(計画、運転、運転後のすベての段階で)を公開する事が重要である。また税金でその多くを運営されるプロジェクトである以上、国民との信頼関係を維持・確立する事が重要で、そのため、たとえそれがITER推進に都合の悪い情報であっても迅速に公開するシステムの確立が必要である。


No.220

村上 大也 (年齢 72歳)

(概要)

 炭素系化石燃料は再生不能の貴重な資源。先進諸国は燃料エネルギーとして現代社会を大発展させ知識知恵、力を得た。次はITER、子孫に資源を温存、炭素化燃は超有効に使うべし。

(意見)

 国際熱核融合技術開発は超高度技術の集積が不可欠で、特に我が日本の技術力が生き、この大目標は国民に活気をもたらすと信じます。小資源日本国でも原料は無限の水、人類生存に不可欠の空気、水、と共に近代社会に不可欠な膨大な基礎エネルギーをITERで安定、クリーン、恒久、膨大に創れれば地球を痛めず人類に貢献します。

母なる地球が1億年もかけて創った炭素系化石燃料は単に燃やしてしまうのでは勿体なさ過ぎます。この資源は将来想像を遥かにこえ極超有効に活用可能の原料です。過去の使い方で使い切ってはなりません。基礎エネルギーの需要は膨大な量が必要となりましょう。これを折角獲得した人類の力、ITERで基礎エネルギーを作り安定供給するべきです。

 核融合技術の研究開発は無限の可能性があると信じます。ITERは実験炉です、実験炉こそ計り知れぬほどの大きな可能性が有るのです。JT-60でさえシリコンウエハーの薄剥離化に成功し、半導体基盤、太陽電池基盤にも大貢献しつつあります。

 ITERの開発線上に水素直接発電とかにも取り組む意欲も沸かせ、強力な副産物のシリコンウエハーはみんなの大好きな太陽光発電など田園牧歌的な貴重な人類の安堵感熟成にも役立ています。

ITER費も、1兆を5000億に縮少したが、それでも高いという声もありますが10年で5000億は枯渇が囁かれ始めている貴重な炭素系化石燃料を子孫に残すための必須費と考えられないでしょうか。

 資源のない我が祖国日本は、超高度で、簡単には真似られない技術立国でしか世界の21世紀高度情報化社会の荒波を乗り切れません。ITERを大目標に掲げ国民が活力と自信を持って新世紀世界に貢献すべきだと思います。そして絶大な可能性を持つ炭素系化石燃料は核融合エネルギー開発によって温存すべきと考えます。


No.221

薄井 洸 (年齢 58歳)

(概要)

 ITER開発の重要性については、多くのリスクを含むものと思われ、直接的に発電炉につながるとは思えないが、現在の軽水炉の代替えエネルギーとなり得ることが必要である。

(意見)

 本報告書案については、ITER誘致に対して万全の体制で臨むことは理解できる。一方、住民の立場に立った場合に、その意義、安全性、地域への波及効果等について意見を求めることは必ずしも賛成できない。今、なぜこのような意見徴収をしなければならないのか、国民又は住民に対して、どのような意見を期待しているのかが理解できない。長期間に亘って、核融合開発の意義、将来性については議論を重ねてきたものであり、膨大な費用を投入してきたプロジェクトに対して、俄仕込みの「意見」が通用するとは思えない。単に賛成・反対の意思を確認できるものでもない。当然、将来のエネルギー供給源として、重要な位置づけとなることは十分に理解できる。安全性については、技術開発の過程で淘汰できるものと思われる。

 将来、全ての軽水炉の代替えとして、エネルギーの安定供給、より高い安全性等の利点を証明し、抜本的で現実的なエネルギー改革論を打ち出すことが、現在の斜陽化しつつある原子力エネルギーに対する国民の理解を得る上で重要と思われ、それによって経済的なリスクも許容されるものと期待する。


No.222

大森 利光 (年齢 57歳)

(概要)

 賛成します。

(意見)

 原子力エネルギーを使用しなければ、我国は資源がとぼしいことは十分わかっていますが、只自然破壊のないように、研究工程を進めてほしい。研究員の分担を最後まで責任をもって指導し専念してほしいと思います。


No.223

谷 直重 (年齢 75歳)

(概要)

 社会的、経済的のみならず、地球レベルの観点から、国際社会に対してITERの計画中止を先導すべきであると考えます。

(意見)

 20世紀は経済性を追求して技術開発に邁進した結果膨大な負の遺産を21世紀以降に繰り越す結果を招いてしまった。二酸化炭素・フロン・ダイオキシン・環境フォルモン・放射性廃棄物等々。当初これらが地球環境をこれほど悪化させることを誰が予想したであろうか。

 傲慢な科学技術盲信の結果、その後始末に予測不可能な程の膨大な社会負担を強いられている現状を、謙虚に反省しなければならない。20世紀の愚行を今世紀も続けるなら、人類の滅亡へまっしぐらに突き進む危険をはらんでいる。

 我々が持つ経済性の概念は大きな問題を提起したことが明らかになった今、経済学者は有限な地球、エントロピー概念に基づく経済学の研究を必要とし、巨大科学研究の指針を示す義務がある。

 科学者が未知の巨大科学へ挑戦したいという熱意は貴重であるが、20世紀の反省を踏まえ、行って良いことと、行うべきでない事とを分別出来る倫理感覚を持ち、毅然とした哲学を持つべきである。

 我々が過去に犯した過ちの遺産を速やかに解消するために、資金と英知を結集すべきであるし、同時に更なる増大は断固として拒否しなければならない。従って危険な核物質の生成が懸念されるITER開発、遺伝子操作によるクローン人間の創造などは即刻中止すべきである。

 地球という限られた環境に暮らす我々は、膨大な資金と超高圧・超高温という強引な手段でエネルギー源を獲得するのではなく、謙虚に与えられた自然の資源を有効に使って、地球環境と共生する方策を採るべきである。


No.224

佐藤 敏幸 (年齢 52歳)

(概要)

 国際熱核融合実験炉の研究、開発、そして設置国に賛成です。

(意見)

 将来重要なライフラインの安定供給の為には、ITの技術進歩以上のスピードが必要であると思います。

 我々の日常生活において、たとえば電気の無い生活が可能でしょうか、日本の小資源・エネルギー大量消費国としての将来を考えますと、むしろ今この時代に、少なくとも実用化の目安をつけられる段階に入っていなければならない時期であると思っております。

 孫子の時代に、宇宙・地球・日本はどのような状況に有るのでしょうか、有限的な資源や自然資源には確実性や安定性無く、科学の超加速的な進歩に伴ない省エネルギー対策も確立するする反面、比例的に絶対消費量も増えることも考えますと、自然環境保全の面からも必要不可欠なエネルギーであると思います。

 当然のことですが安全面に関しては、唯一核の洗礼を受けた我国にとって十二分な配慮が不可欠であり、その不安を取り除くこと無くしては不可能であると思います。専門的な言葉は使わず我々にも解りやすく、二重、三重、四重の安全性の説明を希望します。

 最後に、掛け捨て保険の方が保証は大きいと思います。


No.225

冨田 晴彦 (年齢 63歳)

(概要)

 核融合は、将来のエネルギー源の一選択肢として期待されるので、研究開発を推進すべき。資源小国の日本がITERの設置国となり、主要な役割を果すことの意義は大きい。

(意見)

1.核融合研究開発の推進について

 核融合は、

などの優れた特長を持つので、将来のエネルギー源として、一つの有力な選択肢となることが期待される。研究開発の進渉は、1955年当時の予測よりは遅れているものの、着実な進展を遂げ、今や実験炉を建設して核融合燃焼状態の実現、核融合炉工学技術の総合試験を行うべき段階に来ていると思う。

2.ITER計画について

 世界の研究者、技術者の叡知を集めて設計と工学R&Dが行なわれ、実験炉ITERを建設するために必要十分な技術が蓄積された。速やかに建設に着手すべきと思う。

3.ITERの設置国となることについて

 これらの理由により、日本が設置国となることが望ましいと思う。


No.226

車田 一嗣 (年齢 66歳)

(概要)

 ITER計画については、未来の有望なエネルギー源として、日本が積極的に誘致し推進すべきと思います。なお、国内設置にあたっては那珂町が最適地であると考えます。

(意見)

 核融合反応は、原理的に暴走しないため安全性が高く、また、反応の過程において化石燃料のように地球温暖化の原因となる二酸化炭素や、核分裂のような高レベル放射性廃棄物も発生せず、地球環境を保全するうえでも将来有望なエネルギーであると期待されます。

 更に、核融合エネルギーの燃料は海水から採取できるため、資源小国であった我が国にとっても、豊富に入手できる従来にないエネルギーであると考えられます。

 国際的にも、本計画は人類の安定的、恒久的なエネルギー源として大きな可能性を有しており、従来から日本は諸外国と共に核融合炉研究をリードし、ITER計画を実現たらしめ、更に本計画を日本が立地国となり推進し、国際貢献することは十分に有意義であり、経済的な波及等付随する効果も多いと考えられます。

 那珂町は、国内候補地としてITER誘致を表明し、町民憲章、町民の歌及び那珂町音頭にまで「核融合の炬」を唄っており、これまでに住民の理解は高まっております。気候は過去に大きな災害もなく温暖であり、首都東京、国際空港へも近く、生活基盤のインフラ整備も完備されております。更に日本原子力研究所那珂研究所には既にITER用地の確保がなされており、国際的に十分に貢献できる那珂町に誘致を強く希望いたします。


No.227

矢元 信一 (年齢 51歳)

(概要)

 日本にITERは必要だろうか

(意見)

 「地上に人工太陽を」そんな夢のような話を聞いたのは約25年前、トカマク型臨界プラズマ試験装置JT-60の炉芯トロイダルコイル、ポロイダルコイルを無酸素銅で製造した頃だった。今、次世代の実験炉としてITER計画が浮上している。

 この巨大プロジェクトに日本は名乗りを上げるべきだろうか。当初、日、米、露、欧の共同で推進する予定だった計画は3年前米国が共同研究から撤退した。実験には大型装置が必要で、巨費を食うからだ。もし日本に誘致すれば建設費と運転に要する経費は膨大なもので、この分野に巨費を投じれば他の科学研究費は圧迫されるだろう。核融合の研究はコーゼネレーション、燃料電池、自然エネルギーの開発や他の先端技術よりも優先的課題であろうか。炉の建設には10年程かかると言うしその先の実証炉を経て発電に使える実用化は早くて50年先と言われている。その間核燃料サイクルを含め核融合の研究開発が時代遅れになる事は十分考えられる。

 安全性についてもトリチウム等の放射性物質と大量の中性子を的確に管理運用できるか、発生する放射性廃棄物の処分方法と併せて疑問である。耐震設計を取るとは言え地震、火山列島の日本にあえて施設を作る必要があるか、又、JT-60で磁場コイルの欠陥を知りながら、検査結果をねつ造した企業の姿勢を思うとITERの信頼性についても不安を感じる。

 ITERを誘致することは新たな技術革新の希望を生み国内外の注目を得ることになるだろうが、それが幻想に終わる可能性は大きい。人類の未来への保険との考えも有るが逆に次の世代に負の遺産になってしまう危険がある。今後のエネルギーシステムの柔軟な対応を考慮の上、退くことも一つの英断かと思う。


No.228

渋井 正直 (年齢 52歳)

(概要)

PAに関する何らかの記述が欲しい。納税者から核融合に関するより具体的な理解を得るためにこれまでの核融合研究に関する反省・総括も記載した方が良いと思います。

(意見)

核融合、加速器、宇宙科学は20世紀から21世紀にまたがる3大巨大科学である。いずれのプロジェクトも第一に費用対効果を考慮して(一応)国際協力の形で開発が進められている。プロジェクトコストは似たようなものであるが効果の質が全く違うと思う。

加速器や宇宙科学の効果とは何か。例えば宇宙の起源を知ると言うある種の夢ではないか。核融合の効果とは“エネルギを売るビジネス”が全てですか。ビジネスとして納税者から理解を得るのはほとんど不可能だと思う。そうしたいのであれば(集まるかどうか解らないが)投資家から資金を調達するのが本筋だと思う。税金を使うならビジネスを離れて核融合を総括すべきである。ビジネスは一つの目的であって全てではないと言う論理構成は、核融合分野が初めて経験する本当の意味でのブレイク・スルーであると思う。真剣に議論すれば糸口が発見できるような気がします。

ITER計画懇談会の報告書はITERの成立性が前面に出過ぎている感がある。前記したPAにもっと紙面を割くべきであると考える。

なお、ITERの国内誘致には賛成ですが、プロジェクトの在り方はもっと議論すべきであると思う。国際協力だから難しいでは済まされない。また、ITERの具体的で、かつ本音の設計レビューも必要と考える。


No.229

羽場崎 淳 (年齢 42歳)

(概要)

ITER計画及び国内誘致を推進するために、計画に対する関係国の対応分析、投資の定量的評価、現時点での課題やデメリットについても記述されていた方が良いと思います。

(意見)

「ITER計画懇談会報告書(案)」を拝見した感想・意見を述べさせていただきます。

我が国では近年、不況対策や財政や政治の構造改革といった比較的短・中期的課題にマスコミに代表される社会的関心が集まっており、世界的な食糧や人口、エネルギー問題といったグローバル且つ長期的課題の対応は先延ばしされている感があります。身近な課題解決を先行することは当然ですが、長期的課題と思われている事柄が我々国民にも確実に迫りつつ、潜在的脅威となっていることは否めません。エネルギー問題にしても我々の子供達にどのような財産を残すことができるのかを考え、実践していくことは子供達の教育問題同様重要なことと思います。

このような状況下でITER計画は、我が国でも安全性や財政的課題を踏まえつつ出来る限り推進すべきであり、国内への誘致についても出来る限り実現すべきであると考えます。そのような観点から報告書(案)を拝見した時、ITERの計画及び誘致を更に推進するために、以下のような記述もあれば良いと思いました。

・ITER計画に対しカナダとフランスが誘致に積極的である反面、米国は数年前より計画から離脱している。その背景の分析がされていると理解しやすい。

・4章 の「(5) 投資面からの評価」で、投資による利益の推定や妥当性の定量的判断は不可能とあるが、定量的評価はモデル検討であっても提示された方が良い。

・計画のメリットや成果だけでなく、現時点でわかっている課題やデメリットについても整理・分析されていた方が、公正な判断をしやすい。

以上、雑駁な感想・意見で申し訳ありませんが、少しでもお役に立てば幸いです。


No.230

野元 一宏 (年齢 28歳)

(概要)

ITERを日本に誘致すべきだと考える。核融合実現のためにはプラズマについて新たな知見を得る必要があり、核融合研究では日本がトップランナーであると思うからである。

(意見)

ITERをぜひ日本に誘致すべきだと考える。なぜならエネルギー問題を解決する一つの手段として核融合があり、核融合実現のためにITERという大規模な実験装置を使って、今まで不明であったプラズマの理論について新しい知見が得られると思うからである。新聞や雑誌等の記事を見て、核融合研究は国際協力で行っており、日本はそのイニシアティブを握っていると感じる。日本以外にフランスやカナダ等の候補地もあるようだが、日本がトップランナーとしての技術をもっているのに、日本に作らないのは非常にもったいない気がする。核融合は核分裂に比べて高い安全性をもっていると言われているし、新聞に書かれている廃棄物についても高レベルなものはないと思う。核融合は技術のチャレンジであり、日本が主導となって核融合を早く実現させてほしいと願っている。


No.231

福澤 定岳 (年齢 46歳)

(概要)

21世紀は、ますます、環境に負荷をかけない、経済性に優れた、誰にでも扱える、科学技術が求められています。 イーターは前世紀の幻想と言わざるをえません。まずは、六ヶ所村に置かれている膨大な放射性廃棄物の問題を解決してからにして欲しいです。

(意見)

40年前、夢のエネルギーと言われた原子力発電所の現在は、各地の原発から出る放射性廃棄物の問題で原子力産業界は汲々としています。

それすら解決できない現時点で、イーターの実験炉計画については、無責任極まるとしか言いようがありません。

以下の4つの理由により、適切な計画とは思えません。

①トリチウムの問題。

②超高温を発生させる技術的問題と環境への影響。

③膨大な放射性廃棄物の最終処分の問題。 

④資本投下に見合った成果が期待できないこと。

⑤重厚長大で高度に専門的な研究は限られた「専門家」にしか扱えないこと。

 バブル経済全盛期に作られた計画は、長期的不況と、膨大な財政赤字を抱える日本経済にとっても、その余裕はないはずです。

 もはや前世紀の幻想と言わざるを得ず、いつまでもイーター計画にしがみついていることは許されるものではありません。

 そんなことより、まずは、六ヶ所村に置かれている膨大な放射性廃棄物の問題を解決してからにして欲しいです。

以上


No.232

白井 浩 (年齢 41歳)

(概要)

恒久的なエネルギー問題解決の有望な選択肢としての核融合研究の中核として、ITER計画の推進に賛成する。但し、徹底した情報公開と安全性の追求が条件である。

(意見)

 私は、若い時に起こった石油危機で、トイレットペーパーがない、プラスチック製品がなくなる、といって人混みに揉まれながら買い出しに行った経験を持っている(私の年齢以上の人は皆そうだろう)。そのためか、エネルギー問題については人一倍関心を持って来た。日本のようなエネルギーを自給できない国では、少しでも自給率を上げる努力をすべきである。それは、自然エネルギーであれ、高速増殖炉であれ、核融合炉であれ何でも構わないし、エネルギーの安定供給のためには、あらゆる可能性を模索すべきだが、自然エネルギーは大々的な規模の代替エネルギーになるまではまだ遠く、高速増殖炉はもんじゅの事故で数十年は立ち直れない。

 核融合炉については、実用化の具体的なスケジュールの予測は難しいが、非常に有望な選択肢の一つであると考えている。特に、あらゆる分野の科学技術がアメリカ主導で行われている中で、核融合炉の研究は日本が最先端を走っている数少ない分野であり、エネルギー問題(更には地球温暖化を見据えた環境問題)を大国の玩具にさせないためにも、日本が引き続きITERを通じて主導的な立場を保持し、全世界のエネルギー問題解決に貢献すべきであると考える。

 但し、ITER計画を推進して血税をつぎ込む以上は、その活動状況や収支決算等についての情報は、単に WWW 上だけではなく、あらゆるメディアを通じて、政府の公報として可能な限り公開すべきである。また、それを第三者的な機関で評価できるようなシステムを構築すべきである。

 また、JCO の事故を引き合いに出すまでもないが、安全性が全てである。安全性が確保できなければ、恒久的なエネルギー源として、国民から支持を得ることはできない。核融合はクリーンとは言われていても、中性子は出るし、低レベル放射性廃棄物は必ず出るので、廃棄物の保管を念頭においた長期的な運転計画を提示して欲しい。

以上


No.233

田中 正実 (年齢 39歳)

(概要)

財政面や環境面などのリスクもあるが、将来のことを考えると日本がホスト国となり国際社会に貢献するのが良いと思う。

(意見)

日本ができる国際貢献として、財政負担も含めた新技術の研究開発というのは、わが国の国是に適合した最も平和的方法であると思う。現在の技術は、そのほとんどが軍事技術の応用といっても過言ではない。最初から平和目的で研究する技術にこそ、21世紀的価値があると思う。国家間で開発競争を行い勝者が覇権を握るのではなく、国際協力の下研究成果を展開してゆく姿は、SF世界の地球連邦を想像させる。人口太陽を製造し完全制御できるまでには道のりは遠いであろうが人類の英知に期待したい。

以上


No.234

朴 峻秀 (年齢 28歳)

(概要)

ITER計画の積極的の推進

(意見)

私は日本国の国民ではなく、ただ日本で留学している一人の学生です。核融合エネルギーは我々の人類には夢のエネルギーです。今の主なエネルギー源である化石エネルギーはその量の限界が存在及び公害を誘発させるものです。核分裂エネルギーも永遠のエネルギーではなく、発電するときに発生してしまう多い廃棄物はもう一つの問題に成ります。核融合エネルギーは資源の豊富さ、低い廃棄物の発生量のために注目されるエネルギーです。ITER計画はその核融合エネルギーを利用するための試験炉としてきわめて重要な研究です。既に、多いな研究者はプラズマ、材料、電気、制御等の分野でITERに関する研究を行います。さらに、その研究業績は無視できるものではありません。ITERに関する研究は日本だけの問題ではなく世界の未来が掛けている問題です。日本は既に世界を先導している先進国です。人類の夢を目指すITER計画の成功は世界を先導している国である日本の双肩に掛かっていると話しても無理ではありません。ITER計画を心から応援しています。


No.235

草間 義紀 (年齢 44歳)

(概要)

ITER計画は、エネルギー資源に乏しい我が国が積極的に進めるべき計画。科学技術立国を目指す我が国が、人類全体に貢献するため、ITERを我が国に誘致すべきである。

(意見)

 ITER計画は、核融合エネルギーの実現を目指した重要な計画であり、エネルギー資源に乏しい我が国が、将来の日本及び人類全体への貢献のために、積極的に推進すべきプロジェクトである。

 核融合反応を停止させることは容易であり、核融合に固有な安全性となっている。発生する中性子によって材料の放射化はあるものの、核分裂で問題となる高レベル廃棄物は発生しないなど、環境保全性にも優れている。さらに、燃料となる重水素は海水中に豊富に含まれるため、燃料が地上に偏在しないという利点もある。

 これまで、我が国が世界最先端の科学技術分野の研究を先導し、発展させてきた例は、極めて少なく、常に欧米諸国から技術「ただ乗り」論が持ち出される。特に、大型装置・施設を用いた国際プロジェクトにおいて、我が国の主張を貫き、先導してきた例は皆無である。ITERを我が国に誘致し、このプロジェクトを積極的に推進することによって初めて、「ただ乗り」論から脱し、標榜する「科学技術立国」となり得る。

 これらの理由から、我が国へのITERの誘致を積極的に推進すべきであると考える。


No.236

小池 常之 (年齢 59歳)

(概要)

 人類は、化石エネルギー資源の枯渇と地球温暖化という厳しい環境問題に直面している。ITER計画は、これらの問題を解決できる新エネルギー資源の開発であり推進したい。

(意見)

1、20世紀末の文明社会は、化石エネルギーの大量利用による地球環境の急速な悪化を進行させて21世紀を迎えた。現在、化石エネルギーの効率利用、原子力エネルギーの利用、エネルギーの節約等を含めて、地球環境のバランス改善に世界の国々が問題意識を持ち、その改善策を協議して、実行可能な行動を取ろうとしている。しかし、先進国と開発途上国の利害関係等で問題解決には至っていない。このことは、化石も原子力も有限資源エネルギーあるからである。これらの代替エネルギー(核融合エネルギー)の開発研究がITER計画である。核融合エネルギーの特徴は、僅かの燃料で多大のエネルギーが発生する。その上、燃料となる重水素等の資源が非常に豊富に偏在している。これまでのエネルギー資源と比較にならないほど多い。このことからエネルギー資源の無い日本がイニシアチブをとり、世界各国と協力して先進的にITER計画を推進して、核融合エネルギーの実現の可能性を実証すべきである。

2、ITRE-EDA(8年間)の活動では、各国における各種プラズマ閉じ込め実験装置の協力によって核融合の開発研究が格段に進展し、多大な成果を得ると同時に解決しなければならないハードルがあることも判明した。これらの問題点の改善策をITER計画と平行して進め、先進的技術をITER建設に取り選れるべきである。そのためには、JT-60Uの実験装置の性能改善、最適プラズマ制御方式の確立、核融合炉材料開発照射施設の建設等継続して進められることを強く切望するものである。


No.237

林 和夫 (年齢 46歳)

(概要)

ITER計画に賛成です。積極的に誘致に取り組んでほしいと思います。技術レベル、住みやすさ(治安!)、日本独特の特殊事情など、アピール点は、沢山あります。

(意見)

ITER計画に賛成です。積極的に誘致に取り組んでほしいと思います。

核融合研究は、そのターゲットが遠かったせいでしょうか、原子力開発であるにもかかわらず、世界的にオープンな雰囲気で研究が進められてきたように思います。この伝統をまもりながら、研究を結実させる場は、日本をおいて他にはないと思います。核融合研究のルーツは、水爆開発です。だから、被爆体験、慎重な原子力開発、非核を国是とすることなど、日本は、核融合研究の中心地として世界に歓迎される位置にあると思います。

以前、Jリーグ発足の時、助っ人外人選手へのインタビューの回答に、“日本の治安の良さが魅力だ”というのがありました。日本へ大勢の研究者、技術者の方々を招く時、この点をもっとアピールしていいと思います。また、狭い国ですから、買物等の日常生活でもそんなに不便は無いと思います。(六ヶ所村はだめデス)我々一般人も、世界中から来られた皆さんを大歓迎して、国際貢献の一翼を担えるのではないでしょうか。

ITER誘致によって、国際的な共同研究開発を実行する場として、日本が優れているということを世界中に印象づけて下さい。そして、科学技術発展(基礎的分野で)の中心に位置する文化国家として認知されるようになってほしいと思います。


No.238

石田 敏勝 (年齢 35歳)

(概要)

 次期エネルギーとして核融合を推進する為にITER誘致に望みます。又、核融合技術開発の推進、及び正しい知識の普及は、日本国国民にとって意義のあることだと思います。

(意見)

 将来のエネルギーを託すものとして考えられる技術はいくつかのものが考えられます。一般的なものとして化石燃料の利用がありますが、コスト的には安いが環境に大きな影響を与えることを続けるには抵抗を感じます。太陽光や風力等の再生可能エネルギーに関しては、産業エネルギーとして使用するために、超巨大なシステムになることが容易に予想され、少なからず環境に影響を与えることが考えられますし、分散化ということで個人のレベルで太陽光や風力により、エネルギーを生産することは、需要を満たすこととは思えません。軽水炉を使用した原子力発電には大きな期待感がありますが、マスコミによる不条理なバッシング等を受けている現状では、技術的には良くても推進することは難しいと思われます。他にも様々な技術があるのでしょうが、現状では上記の通り、どの技術も有効な手段でない様に思われます。勿論、将来のエネルギー確保の観点から、今後も技術開発がなされるのだと思いますし、その他の技術として核融合が含まれているのだと思います。これらの将来を託すエネルギーの開発の手法としては、一つの項目に集中的に資本や技術を投入することが1つの解であるとは思いますが、失敗時のリスク等を考えると、様々な項目の開発を行っておく方が良いと思います。その為、保険と位置付けられても、選択肢が増えるのであれば核融合の開発を推進することに賛成します。

 その他に、核融合に関しては世界をリードする最先端技術を持っているのであれば、日本が核融合実験施設であるITERの設置国として名乗りを挙げる事は当然のことであり、核融合技術は技術的に国際貢献できる数少ない場であることから、躊躇なく推進すべきと考えます。ITERの主導により国際的な評価を受けることが出来れば、マスコミの煽動により間違った認識をしている人達に納得してもらえることが期待でき、有意義なことになると思います。


No.239

石塚 修 (年齢 40歳)

(概要)

ITERで行なわれる核融合実験は固有の危険が大きすぎ、また放射化廃棄物を将来の世代に押し付けることになるので実験炉の建設は世界のどこであろうがするべきではない。

(意見)

 私は科学技術の進歩を否定するものではありません。核融合についても理論や原理の基礎研究は続けてもよいと考えます。しかしITERで行なわれるトカマク型のDT核融合は未だ未解決の部分が多く、現時点での大規模実験炉への移行は危険が大きすぎます。

 例えば、ディスラプションによる過度の熱負荷や電磁エネルギーによる負荷により炉が損傷する恐れがあります。ITERでは燃料にトリチウムという放射性物質を使うだけでなく、高速中性子により放射化された材料が多量に内蔵されます。真空容器や冷却系の破壊により、これら物質の放出があった場合、周辺に及ぼす影響は甚大です。この1点だけを見てもITERを地上に建設し実験を行なうことは控えるべきです。

 また放射化廃棄物は4万トン程産出され、そのうちの一部は100年以上の管理が必要とされています。そのような長いスパンでの放射化廃棄物の管理は現状では非現実的であります。例え、受け入れる自治体があったとしても、果たして将来の世代に対して責任を取れるのでしょうか。

 トカマク型DT核融合について、果たしてこの先数十年にわたって「夢のエネルギー開発」の地位を維持できるのかどうか怪しいものです。ITERの実験終了後に結局、立地国のお荷物にしかならなかった、という状況は大いにあり得ます。おそらく1兆円以上の投資が必要になり、国民の健康、財産にリスクを負わせる重大な計画です。ここは慎重に判断していただきたいものです。

 エネルギー開発ということであれば、日本各地、特に北海道勇払地区では良質な天然ガスが大量に産出され、確認埋蔵量も膨大です。このガスを根幹に据えたエネルギー政策こそが今や最も現実的で先端的であります。


No.240

吉成 孝文 (年齢 44歳)

(概要)

ITER日本誘致に賛成です。核融合開発は将来への保険であり、今その投資をすべきと考えます。

(意見)

本報告書の趣旨に賛成であり、ITER日本誘致に賛成です。

核融合関係の仕事に携わる一員として、次の2点からITER推進に賛成します。

第一に、核融合を将来のエネルギー源と位置付け、将来への保険という観点で、投資すべきと思います。この投資は、報告書にありますように、日本のこれまでの科学技術への貢献、自国のエネルギー事情を考慮すれば、相当量の負担をしても良いものと考えます。また、日本がリーダーシップをとるのに、ITERは適当なプロジェクトだと考えます。

第二に、核融合の技術を継承させるために、ITERプロジェクトが早急に開始されることを望みます。現在、日本の核融合開発への投資は、LHDが完成した後、一息ついており、核融合関連企業にとって、厳しい経営環境のなかで、核融合部隊を維持していくことが困難な状況になっていると考えます。ここで国家的プロジェクトが途絶えると、これまで築き上げた技術を継承することができず、せっかくの技術財産を無駄にすることになると思います。

是非ともITERにゴーサインが出されることを望みます。

以上


No.241

岡田 英俊 (年齢 44歳)

(概要)

ITER計画は、天然資源をほとんど有しない我が国の将来のエネルギー源を確保する可能性を有する計画ですので、積極的に推進すべきと考えます。

(意見)

”ITER計画懇談会報告書案”に指摘してあります通り、我が国の将来のエネルギー源について議論する場合、今一度思い起こさねばならぬことは、我が国は米国等の大国と大きく異なり天然資源をほとんど有せぬ資源小国である事実です。また、欧州諸国と異なり、孤立した島国であり、パイプライン、送電線等による外国からのエネルギーの直接的な輸入はほとんど困難である事実です。従って、我が国の将来のエネルギー源は、化石燃料、ウラン燃料等の我が国では産出し得ない原料では無く、自然エネルギー等の我が国内で容易に入手可能な物資を原料とする必要があると思います。我が国の基幹エネルギー源としての実現性を考えるならば、太陽光、風力等の他の自然エネルギーと比較して核融合エネルギーはより有力な候補の一つと思いますので、この実現には、我が国としては、人的資金的投資を惜しむべきではないと考えます。ITER計画を国際協力の枠組みで進めることは、計画に必要な人的資源、資金を幅広く調達しうることから、効率的な方法かと思います。但し、エネルギー源としての核融合を必要としているのは、他ならぬ資源小国である我が国ですので、ITER計画で得られた成果の効率的な利用を考えるならば、その立地は我が国とすべきと思います。ITER計画は、我が国が主要な役割を果たしうる数少ない大規模な国際協力計画ですので、我が国がより一層主要な役割を果たすべく、人的資金的に積極的な貢献を進めるべきと考えます。


No.242

前田 真知子 (年齢 51歳)

(概要)

日本に国際熱核融合炉(ITER)が設置されることは、素晴らしい事だと思う。最先端の研究施設を誘致して、核融合技術の波及効果を期待したい。

(意見)

結婚や婚約のニュースを聞くとほのぼのとする。反対にゴシップは悲しい。これは、核融合と核分裂の現象にどこか似ている。核融合は原子核の結婚、核分裂は離婚に相当する。どちらもエネルギーがいるけれど、結婚は楽しい安全なエネルギーである。私達は核分裂と核融合の違いを認識するべきだと思う。核分裂は増大して事故につながるけれど、核融合は、大きな事故にはならない。まず、核的暴走がない。それは、プラズマの圧力限界、密度限界による反応収束性や不純物の混入などによる反応収束性があるから。

JCO事故により、原子力と名前の付く研究機関や発電所が、不当に非難されていることは、非常に残念なことである。事故がおきた原因は、ちゃんとした知識を持たないしろうとが業務にたずさわった事だと思う。最近、弁護士も技術ローヤーの必要性が叫ばれ始めたが、核融合関連機関で就労するメンバーも全員が原子工学の知識+その他もろもろの専門知識を持っている必要があると思う。

日本に国際熱核融合炉(ITER)が設置されることは、素晴らしい事だと思う。核融合に登場するプラズマに関する研究は宇宙物理学や電子工学における研究対象として始められ、力学、電磁気学、流体力学、統計力学、熱力学、相対論などを基準として進展してきた。プラズマは、複雑、多様、かつ非線形的に振舞う活性な媒質である。プラズマ中で起こる波の伝播、乱流やカオスの発生、自己組織化などの非線形現象や非平衡輸送現象は現代物理学の最先端課題であり、宇宙や自然界に正起されている現象の理解に重要な基盤を与えるもの。核融合は、優秀な人材のいる日本で研究されるべきであると思う。日本に最先端の物理研究施設を誘致して、核融合技術の波及効果を期待したい。精密計測(超高真空→高分解能質量分析計)や耐熱材料(ロケットノズルに使用)など。スペシャリストを結集した原子力研究所の慎重さを信じたい。


No.243

野本 恭信 (年齢 28歳)

(概要)

 日本は積極的にITER誘致活動を実施し、ITERの日本建設を実現することにより、国際協力の下、ITER計画に対し主導的な役割を果たすべきである。

(意見)

 国際熱核融合実験炉(ITER)計画に関しては、ITER計画懇談会報告書において述べられている通り「ITER計画に主体的に参加するだけでなく設置国となることの意義が大きい」ものであり、日本は積極的にITER誘致活動を実施し、ITERの日本建設を実現することにより、国際協力の下主導的な役割を果たすべきであると私は考える。

 確かに、エネルギー問題の観点から見れば、核融合エネルギーは滞在的可能性を有するものの技術的実現性も実証されておらず、実用化はまだ先の話であり、現時点では、代替エネルギーとしての選択肢の一つにもまだ挙げられないであろう。

 また、ITERを日本に建設する場合、その建設費(約5000億円)及びサイト整備費用の大半を日本が負担する必要もあり、現在の日本国の財政や科学技術予算を考慮するとコスト面からもかなり厳しいものがあると考えられる。

 しかしながら、これらの問題点以上に、ITER計画は、「国際的役割」及び「科学技術の進展に果たす役割」の面で日本により大きな寄与をもたらすであろう。「国際的役割」についていえば、これまでもITER計画は日本・EU・ロシア・(米国)を中心とした国際協力で設計が行われてきており、ITERの建設段階においてもこの国際協力の下で進められるであろう。その中でITERを日本誘致することにより、ITER計画において中心的・主導的役割を担い、この分野で世界をリードしていくことで、科学技術立国として国際貢献を果たすべきである。

 また、「科学技術の進展に果たす役割」については、核融合炉は、幅広い分野の物理及び工学に基づき、各分野技術の統合システムと考えられる。その為、ITER計画を進めることは、単なる「代替エネルギー候補としての保険」というだけでなく、数多くの分野における科学技術の発展にも充分寄与するものと考える。


No.244

中川 喜矩 (年齢 59歳)

(概要)

将来の人類のために、「ITERの設置国」に名乗りをあげるべきだ。 巨額の開発費=保険料を支払うため、安全性を国民に分かり易く、更に情報公開すべきである。

(意見)

1. 日本の世界に対する経済的貢献は、多額の金を出しているにもかかわらず、意外に評価は高くない。 例えば、ODAは世界一の醵金にもかかわらず、日本の世界的地位がそれほど高いとは思えない。 これは、一面、誠に心外である。 そして、「日本は金を出すが、人的資源を出さない」と言われる始末だ。 確かにこの批判は一理ある。 従って、金以外でも世界に貢献できる実力のある分野、つまり科学・技術力でもっと積極的に協力すべきである。その点から、確かに巨額の開発費を要するプロジェクトであるが、単に世界だけでなく、将来の人類のエネルギー供給に広範なオプションを与える、「ITERの設置国」に世界の先鞭をきって名乗りをあげるべきである。

2. 核融合は、核分裂と異なり、環境保全、安全性から優れていることは良く理解できる。しかし、ITERのような壮大なプロジェクトを推進するには、やはり幅広い国民の理解と支援が、高額「保険料」を払うためにも必須である。 そのためには、本案にある馴染みのない専門用語、略語、記号の簡略な説明が、理解を助けるのではないか。 例えば、本文p.14の11行目のブランケット、参考資料p.39の5行目のBq、同17行目のグランドシャイン、p.41の3.2のALARAの精神、同3.2①のSv、p.42(1)③スカイシャイン放射線、同(2)ディスラプション、p.45③のEPZ等。

3. 原子力発電に対する従来の不安は、安全性に対する情報公開が十分かつ的確でなかったことに一因があるのではないか? 核融合は、この前車の轍を踏まないよう、不都合なことも含めて、情報公開を的確に行うことが、より広くそしてより長期にわたり国民の支持が得られるのではないかと考えます。


No.245

松塚 悟 (年齢 41歳)

(概要)

ITER計画懇談会報告書でのITER設置国となる意義の大きさを感じた。

(意見)

21世紀のエネルギー問題を考える上でもITERの日本への誘置に賛成します。

地球環境を考えると、二酸化炭素・チッソ酸化物の発生による 、地球温暖化・酸性雨 など、さまざまな問題があり、クリーンなエネルギーが求められています。地球の将来を考える上でも、効率の良い安全な エネルギー 供給の実用化の為にもITER推進に賛成致します。

又、苫小牧には、東部地域に交通の便利な広大平地があり、その土地が世界の為に役立てばと考えます。


No.246

松川 誠 (年齢 44歳)

(概要)

 我が国および先進国を中心とした人類が核融合開発にこれまで行った投資と、今日までに得られた学術的・技術的成果を考えたとき、ITERを国内に誘致すべきである。

(意見)

 今後数十年を見たとき、広くマスコミで報じられているほどには、エネルギー問題は深刻でない。しかしエネルギー危機はいつか必ずやってくるし、それ以前に地球環境問題から化石燃料を燃やすことが困難になる可能性が高い。また、太陽電池・風力発電に代表される、いわゆるソフトエネルギーは、その不安定さと低密度ゆえに基幹エネルギーとして位置付けることはできない。これから50年ないし100年後を想定すると、石油は燃料としてよりも化学工業材料としての側面が強まり、単に熱を得るために燃やすことは子孫のためにもできないであろう。また、二酸化炭素回収装置つき石炭火力についても、数100年後にはその埋蔵量およびコストの観点からその後の展望はない。千年後の将来を考えるとき、ほとんど唯一の可能性を有する核燃料サイクルを前提とした原子力発電は、残念ながら社会的には条件付で承認されているような状況である。また、海水からのウラン抽出によるワンスルー炉も、再処理・再利用が進展しなければ核廃棄物の一方的な増大を招く。つまり、核融合開発以外に人類の生存する道はない。

 米国は宇宙開発において世界の主導権を握っている。一方、欧州は巨大加速器の分野で大きな貢献をしている。日本はGDP世界2位の先進国として、世界の核融合研究をリードすべきである。そしてその成果を、世界中の人が利用できるようにすべきである。

以上


No.247

涌井 俊秋 (年齢 49歳)

(意見-1)

核融合は将来の期待できる代表的なエネルギー源と考えられるため、国家としても着実な推進が必要

 本報告書でも、「我が国がITER計画に主体的に参加するだけでなく、設置国になることの意義が大きい」としており、個人的にも賛成する。

 将来の世界のエネルギー需要を予測した場合、近年の国内電力需要の停滞は一時的なものであり、中国・インドを中心とする東アジア地域での人口増加と生活スタイルの変化により、食料問題と同様エネルギー需要の伸びは非常に大きいと予想される。その中で化石燃料への期待は有限であり、原子力に匹敵する次のエネルギー源としては核融合エネルギーへの期待が最も大きいと考えます。

 また、自国に設置することで、研究関係者だけでなく関連産業界の技術レベルアップ、国民の意識も深まりなど、数字で評価できないプラス効果も大きいと考える。

 

(意見-2)

核融合の安全性について、事故シナリオ、廃棄物の発生状況についてもう少し詳しく言及した方が、安全に対して理解が深まると思われます。

報告書には、ITER計画全般に渡って安全性が強調されています。核融合炉が核分裂に比べ原理的に安全であることは理解できます。また、使用済燃料が発生しないため高レベル廃棄物は発生しないことも判ります。

ただし、安全信頼性を理解してもらうためには、むしろ想定される事故シナリオとその影響程度、発生する廃棄物のレベルと予想量などについて、軽水炉などと比較して示せれば、理解が深まるのではないでしょうか。

ITER計画懇談会報告書案には、詳細に記載しきれないと思いますが、もう少し言及する必要があると思います。


No.247(続き)

(意見-3)

今後の検討課題と思われますが、核融合利用の発電炉、プラントの熱取出し・利用方法について、早期に検討を行い社会に示して理解を深める必要があると考えます。

この意見は、報告書に対してというよりも、今後の取り組みに対する意見として扱って下さい。原研の研究成果報告パンフレットには、未来の核融合プラントのイメージが示されています。研究者間では核融合プラントのイメージを持たれていることと思いますが、ITERが建設段階に向けて進む時期には、さらに実用化に向けた熱取出し・利用方法の検討を早期に行い、電力会社を含めて核融合発電所またはプラントの構想を構築し、国民の前に提示しておくことも理解を得る早道と考えます。そして、ITER実験炉の研究成果として何が達成されれば、実用化の可能性が開けるのかの目標を判り安く示すことも必要と考えます。


No.248

三木 俊也 (年齢 46歳)

(概要)

次世代エネルギー選択肢の確保は勿論だが、日本の真の国際的地位向上や貢献のため、技術力の維持向上、経済活性化といった付帯する価値は高いと考える。

こういった観点から、是非ITERの日本誘致を推進させたい。

(意見)

 次世代、さらに遠い世代のために新しいエネルギの基礎技術を確立しておくことは、我々が残すべき必須の遺産の一つであると思う。この候補の一つとして核融合は十分その役割を果たせる技術的可能性を持っているといえる。従って、その開発主体としてのポテンシャルをわが国が有しているならば、是非とも誘致して国際貢献をはたすべきだと思う。

 しかし、報告でも述べているように、「結果に依存しない意義や利益の最大化」をも目指せば、日本の真の国際的地位向上や貢献、技術力の維持向上、経済活性化といった付帯する価値はこれまでに経験のない質、レベルになるのではないかと期待される。

 こういった観点から、是非日本に誘致して名実ともの国際貢献の象徴としたいと考える。

 但し、もんじゅ事故以来極めて大きくなった(核分裂エネルギー利用の)原子力に対する国民の不信感の本質を十分踏まえて、透明性、公開性、中立性をもって誘致の推進と実際の開発、建設が進むことを願う。

以上


No.249

森 清冶 (年齢 49歳)

(概要)

次の理由からITER計画の推進と日本誘致を支持する。①安全性と環境負荷低減に優れたエネルギー開発、②複雑な工学システムを創生する技術の獲得、③国際協力事業の主導。

(意見)

 先進国のエネルギー需給の緩みと、自然エネルギーや分散システムへの過度の期待から新規エネルギー開発の重要性が過小評価されている。しかし安全性と環境負荷低減に優れた革新的エネルギーを21世紀後半までに開発することは人類の生存にとり必須である。核融合エネルギーはその有力候補と考えるが、実用化に長期間を要するので、現在が実験炉建設決定のぎりぎりの時点である。現状技術で実験炉建設は可能であり、早期に技術的成立性の確認を行うべきである。安全性に関しては核分裂炉の放射性廃棄物との量的比較よりも核的暴走がないという質的に異なる面を強調すべきである。低レベル放射性廃棄物の処理処分やトリチウム閉込めに関しては現状の原子力技術で十分対処可能と考える。

 次に実験炉の目的はそれを使った科学実験と同程度に核融合炉システムを創り上げる事自体が工学的目的である。従って第1の目的からは、世界の何処に建設されても同じとしても、第2の目的からは我が国に建設されるか否かは我が国にとって大きな差がある。機器を製造供給する能力と宇宙開発に匹敵する複雑な新規工学システムを自ら組上げ、動かす能力は全く別物である。また実用化を考えた場合、実験炉の建設経験なしに原型炉が建設できると考えるのはあまりに楽観的であり、新産業創生と国際競争の観点からも不利益が大きい。ITER計画は明確な目標(エネルギー開発)を持ったプロジェクトであり公共的及び産業振興の観点から最適な投資対象であり、日本への誘致に最善の努力をすべきである。

 次に国際プロジェクトへの参加協力することとそれを主導することとは質的に相当異なる。依然として強い欧米コンプレックスを払拭し、我が国が従来の協力の立場から世界を主導する立場にステップアップするための絶好の機会である。このため理念、人事、資金等全局面で主導権を発揮できるよう国を挙げて支援すべきである。

以上


No.250

桐谷 麻子 (年齢 20歳)

(概要)

 核融合は将来のために必要なものだと感じました。その為にもITERは日本に作るほうが良いと思います。技術的なことは分かりませんが、夢を与えてくれる一大事業だと思います。世界をリードできる機会は他にはあまり無いように思います。

(意見)

 原子力や核融合に友人からの影響で興味を持ちました。特に、核融合は夢が感じられて期待してます。プラズマの話やレーザーでの核融合の実現など高校のときにも少し聞きましたが、この報告書を見るともっと現実的な問題として感じられました。専門的なところでは理解できない所もありましたが、論旨としてはITERを建設しても十分に成功するだけの基礎が出来上がってることが理解できました。また、このような巨大科学事業が世界を引っ張る形で日本で行えるとしたら、考えるだけでも、大感激です。最近、後ろ向きの事業や対策が多い政治の中で夢を与えてくれる前向きなものになると思います。是非、頑張ってITERの日本誘致を進めてください。


No.251

北谷 勝広 (年齢 44歳)

(概要)

 ITERを誘致するに当たっては、国が責任を持って安全性を確保し、国自らがその内容について住民の理解を得るよう努めること。

(意見)

 現在、ITERの誘致に名乗りを上げている国内の地域では、地元自治体が安全性についての検討・調査などを行い、住民の理解を得られるよう努力しているが、原子力行政に対する住民の不信感は、過去の事故の発生などから、かなり強いものがあると考えられる。

 今回のITER計画懇談会報告書(案)では、安全性の確保について、ほんのわずかしか記載されておらず不十分である。国が責任を持って安全性を確保し、住民の理解を得るための取り組みを推進していく旨を記載すべきではないか。

 また、具体的な安全確保の方法や住民の理解を得るための方法についても記載すべきではないか。

 安全性の確保については、極めて重要であり、確保できない場合はITER計画そのものを推進すべきではないと考える。

 また、住民の理解についても、これが得られない場合は推進すべきではないと考える。


No.252

阿部 香織 (年齢 39歳)

(意見)

 よく理屈は分かりませんが、どれだけ『安全、安全』と繰り返したところで、やはりその『安全な機械・コンピューター』を操作するのは「人」でしかありません。今日「安全」といわれた機器を通していろいろな分野での「考えられない事故」が相次いでいます。ましてイーターなどと原子力を扱う施設、たとえ何百回「安全」といわれても、万が一事故が起きてしまったらどうなるのでしょう。その時だけの事に終わらず、何十年も何百年も先までの被害となってしまいます。また、その事故によっていろいろと身体的影響も考えられます。そういう病にたおれる人も出てくるでしょう。しかし、政府や推進してきた人々の言い分は決まっています。「知らぬ、存ぜぬ、因果関係ナシ」と言い続けるでしょう。こういう想像は今までの事例を通してただの主婦でしかない私にも簡単にできます。今、この地に生きる者としてこれからもこの地に生きていくであろう子供たちの母として後の人々に「負の遺産」を残しかねない事に恥ずかしさをおぼえます。どうか「今」だけの経済効果だけに走らず、目の前の利益だけを考えずに、何億年という長い年月をかけてできた地球を見て下さい。この50年でどれだけ地球を痛めつけてきたか考えて下さい。少しぐらい不便でも大変でもいい、便利さばかり追い求めすぎだと思います。ホントウにあのコマーシャルの通りだと思います。「地球からは引っ越せない」のです。


No.253

吉成 義男 (年齢 71歳)

(概要)

核融合開発は将来への保険である。しかも日本が主導権をとれるとあれば、なお結構なことで、ITER日本誘致に賛成です。

(意見)

核融合は将来のエネルギー源と聞いており、その実現に多くの研究者が苦労されていること、感謝しております。この場を借りてお礼申し上げます。

時代に遅れじとインターネットで散歩するなか、原子力関係のホームページを見ていて、この意見募集を見つけましたので、素人で良く解らない世界ですが、思うことを書かせてもらいます。

東海村に原子の火がともり原子力は危険であるが必要なものだと考えております。最近の事故を見てますと、関係者が、もっと責任をもって仕事をして貰わないと困ります。(特に地元に住まいを持たない人)那珂研の核融合は、原子力よりは安全だということですので、研究をさらに進めて戴きたいと思います。

最近ITERで海外の研究者、家族が来ており街で見かけますに、那珂町も国際化したと実感しております。

このアンケートでITERを日本に誘致するか判断されるということで、ぜひ誘致の結論がでることを望んでおります。

核融合開発は将来への保険であるとのこと、賛成であります。こういう夢のある保険は、なかなか無いものです。しかも日本が主導権をとれるとあれば、なお結構なことで、戦後の復興を支えてきた我々世代が、後世のために残せる最高の資産になることでしょう。

日本の政治も、これでやっと世界に通じるようになるというものです。那珂町に誘致されれば、今よりも外国人が増え国際都市になるでしょう。今は少人数なので、なかなか付合うのに気後れしますが、多くなれば機会もできることと楽しみです。

乱文お許し願いたい。

以上


No.254

田中 栄一 (年齢 42歳)

(概要)

 国際事業としてのITER計画に日本が積極的に参画し、更に日本にITERを建設することは、世界規模の最先端技術開発への大きな貢献につながると考えます。

(意見)

 将来のエネルギー源として、核融合は不可欠な技術開発項目であると考えます。近年、環境への負荷低減の必要性が叫ばれてきていますが、化石燃料などに依存する状況をいずれ脱却する必要があると思います。有効な代替エネルギー源である原子力発電のひとつのオプション(より優れたもの)として、核融合は21世紀または22世紀に必ず実用化しなくてはならないものであると考えます。ITER計画は実用化のために踏まなければならない重要な1ステップです。

 ITER計画はこれまで国際協力事業として進められてきました。日米欧露の先進国がこのように一つのものを作り上げるために協力してきた事業は他にあまりないのではないでしょうか。ITER計画は決して頓挫することなく、実現させるべきものだと思います。日本はこれまでも主導的な立場でこのプロジェクトに参画してきたわけですが、今後も引き続きこのプロジェクトに積極的に参画するべきであると考えます。また、参画するだけでなく、自国にITERを建設し、より密接にITERにかかわっていくことが世界への貢献につながることであると思います。

 実現に要する費用の面も慎重に検討しなければならない項目であるとは思いますが、国の他の支出項目と比較しても、ITERへの支出、投資は意義のあるものであると考えます。

 エネルギーという世界規模の技術開発に日本が大きく貢献していくことを期待します。

以上


No.255

香山 寿子 (年齢 52歳)

(概要)

本報告書案は分かり易くかかれており、一主婦の理解からもITER計画の現実性と必要性がよく理解できた。わが国の将来のためも是非誘致に努力していただきたい。

(意見)

エネルギー問題の重要性は色々な所で述べられているが、本報告書案での記述からも多様なエネルギー源の確保がわが国の将来のためには必要であると痛感しました。核融合の必要性がよく理解できるようにかかれている報告書だと思います。

核融合反応や炉工学についてはきちんと理解できたとは思えないところもありますが、報告書の記述が平易であり、実現性や必要性が十分に納得できるものだと感じられました。新聞等でも色々な意見を見ることが出来ますが、将来の日本のために是非実行に移すべきエネルギー対策の一つであると思います。投資金額の多さも問題だとは思いますが、最近の不良債権の処理や目先の景気対策での税金の無駄遣いを考えると決して多い金額とは思えませんし、有意義な投資であると感じられます。

専門的な事柄は信頼に値する専門家に任せるとし、一国民としては是非日本で実現させていただきたいと希望します。


No.256

戸澤 克弘 (年齢 38歳)

(概要)

我が国は将来の技術獲得を狙ってITER設置国となるべきだが、その必要性を国民に説明するためには定量的にメリット、デメリット両面の経済性評価が必要である。

(意見)

大規模科学技術では、最終的に実際のプラントを建設、運用することにより初めて得ることができる技術や知識が多く、基本的には我が国が設置国になるべきであると考える。しかしながら、設置国となった場合には多額の費用が必要となること、また、ITER自体は発電設備ではなく試験設備と言うべき設備であること、さらに現在の我が国の逼迫した財政状況を勘案すれば、今回の報告書内容は国民を説得するためには不十分な内容と考える。すなわち、本報告書に記載されているのはITERを誘致した場合のメリットやポテンシャルの定性的記述が中心である。今日の政策決定の場では国民に判断に必要な情報を提供することが重要であり、定性的な記載のみでは不足である。確かに現在の段階において工学的な実現見通しが得られていない技術についてどの程度定量的な評価ができるかどうかはかなり難しい点があるが、現在想定できる範囲内で可能な限り定量的なデータの提示が必要である。この定量的な評価には次の2つの側面が必要と考える。1つには、設置国となった場合とそうでない場合のコストの可能な限りの定量的な比較の提示が必要である。これは設計コストは立地や規制により大きく変化することから、日本に設置した場合にはどの程度の負担金があり、他の国に設置した場合との負担金額がどの程度になるか、幅を持たせた範囲で提示する必要がある。もう1つは、設置国になった場合の国及び立地地域への経済的な波及効果と、産業界への波及効果、さらには周辺技術への波及効果などについても可能な限り定量的に示すことが必要である。


No.257

望月 哲 (年齢 55歳)

(概要)

ITERを誘致し、研究分野に於ける世界トップレベルの競争の舞台を日本に設けるべきである。

(意見)

ITERの意義については、ITER計画懇談会報告書案にて充分述べられていると思います。先日の日本経済新聞夕刊「鐘」を私なりに要約した内容;『野球のイチロー,新庄、サッカーの中田ら、世界最高レベルのプレイヤーと肩を並べて活躍する日本人スポーツ選手が増えた。若い人が、その能力を厳しい競争の中でさらに伸ばそうとする姿に、勇気づけられる人は多いだろう。自然科学の分野でも、青色発光素子を開発してカリフォルニア大にスカウトされた中村修二教授は、その代表的な例といえる。残念なのは、腕を試し磨く場がみな、米国など海外になっていること。どの分野によらず、世界で一番の競争の舞台が日本にないとすれば、心配だ。』が載っていました。幸いにも諸先輩の御尽力により、日本における核融合研究の場は、海外に出なくとも世界最高レベルの研究成果を競う環境下にあると思います。そういう環境下であればこそ、ITERを誘致し、日本を舞台にして、世界最高レベルの研究成果を競い合うことが、核融合の分野のみならず他の分野の発展に貢献するものと思います。

以上のことを鑑み、ITERを日本に誘致すべきであると思います。


No.258

山田 政男 (年齢 57歳)

(概要)

ITER懇談会報告書案の内容に賛同します。日本にITER誘致し、アジア周辺諸国に参画を呼びかけ、成果を共有すべきである。

(意見)

短期間で実現できそうなエネルギーシステムは国家あるいは企業競争の対象となり、国際協力の対象にはなりにくく、力のある国家あるいは企業が成果を独占し、弱肉強食の世界となってしまうのが常である。現在は低開発国がエネルギーを十分に使えない情況にあるが、人工の多い低開発国が今後発展し、大量の化石燃料を消費することになると確実に地球環境は悪化する。これからは地球環境を維持し、かつ人類全体の平和と発展のために日本は貢献すべきである。核融合がこの問題を解決する唯一の手段とは思わないが、一つの方法にはなる可能性がある。

日本が中心となって、ITERを国際協力で開発し、将来、地球環境を破壊せずに必要なエネルギーが得られることを願ってる。

一方、日本はアジアの先進国として、アジア諸国の科学的発展にも寄与することが大切である。ITERを日本に誘致にできれば、是非周辺諸国にITER開発参画を呼びかけ、開発への参画を援助すれば、周辺諸国の科学技術の向上にも寄与できるし、国際的信頼感を得ることができる。エネルギーシステムだけでなく、付随する科学技術も共有できるようになれば、アジアの発展にも大きな寄与ができる。ITER開発を通して、アジアの若い技術者科学者の参画機会が増えることにより、相互理解が深まり政治的安定にも寄与できるであろう。

一方、ITER開発を止めることは、長期間の核融合開発投資を無駄にすると同時に、人的資源を失う可能性がある。もしこの機会を失うと、再度この様なエネルギー開発計画の再開は困難であろう。


No.259

中川 智史 (年齢 34歳)

(概要)

ITERの必要性について、もろもろの記事等であげられてますが、私も必要であると考え、推進の意見を申し上げます。

(意見)

現在のエネルギー源しとて使用している化石燃料(石油・石炭等)の問題点として地球環境への影響・地球温暖化・残量の減少・将来的な供給電力の不足・・・などがあげられると思います。

火力発電等の排気による酸性雨がもたらすものは、地球環境への悪影響だけでは無く、人体や生物全般にも悪影響を及ぼします。これは地球規模の問題であり火力を使用している限りついてまわる問題であります。さらに二酸化炭素等による地球温暖化は、北極の氷をも融解させることにもなり、将来的な問題ではなく、現実にはじまっていることであります。これにより水位が上昇し海面下になる場所も有るわけで、こればかりは起こってしまうとどうしようもなくなってしまいます。そして、現在の化石燃料の残量が現実に先が見えてしまったことや、今後の消費量等の問題を考えると新たな高出力のエネルギーを考えなければならない。

将来のことを、生物が生存していける環境を考えるならば、ITERを推進します。

そして、陸海空の環境が整っている、苫小牧東部への誘致を強く希望致します。


No.260

菊池 満 (年齢 47歳)

(概要)

ITER計画は、地上で制御された核融合エネルギーを取り出す重要な計画であり、核融合エネルギーを21世紀半ば以降の人類のエネルギー源のオプションとするための重要なステップである。是非とも我が国に誘致すべきである。

(意見)

ITER計画は、地上で制御された核融合エネルギーを取り出す重要な計画であり、核融合エネルギーを21世紀半ば以降の人類のエネルギー源のオプションとするための重要なステップである。是非とも我が国に誘致すべきである。

 核融合エネルギーは反応自体からは放射性廃棄物を発生せず、また、磁場閉じ込めであることから過出力になっても圧力限界に達し反応停止に至るという本質的な安全性をもっている。

 また、炉内に存在する揮発性放射性物質の生物学的危険度は、分裂炉のそれに比べて千分の1程度と低い値である。

 また、中性子照射によって放射化する放射化物の生物学的危険度も分裂炉のものより数桁低く、また100年以内に石炭火力の燃焼灰の生物学的危険度より低くなる等、廃棄物の観点から見ても優れた特質を持っている。

 さらに核融合エネルギーは、分裂炉と同様に二酸化炭素の排出率が少なく、地球温暖化防止という観点からも優れたエネルギーである。

 我が国は、これまで科学技術分野で欧米で開発された技術を導入し、その技術を成熟させて世界第2の経済大国になった。このことから、日本は科学技術のただ乗りをしているという意見は国内外に多く見られる。このようなただ乗り状態から脱却し、世界に主体的に貢献するという観点からも、ITERを誘致し、世界の核融合研究を牽引することは、世界から尊敬されるという憲法の条文の精神との一致する優れた施策と考える。


No.261

小山田 六郎 (年齢 64歳)

(概要)

 核融合エネルギー開発の位置付け、ITERを我が国に誘致する意義など報告書の指摘はほぼ妥当と思う。

(意見) 

 核融合エネルギー開発の位置付け、ITERを我が国に誘致する意義など報告書の指摘はほぼ妥当と思う。

 全体的に言って、核融合エネルギー開発の位置付け、ITERを我が国に誘致する意義など賛成できる。特に、「国際的役割や国家的アイデンティティという点で積極的意義があり」として誘致を位置付けていることは重要な捉え方だと思う。

 ITERを我が国に誘致して積極的に開発を推進していく場合に、指摘しておくべき重要なこととして規制の問題があると思う。我が国の規制の厳しさは諸外国でも有名であるが、開発中の段階でに対してまで厳しい規制を適用したのでは未知の分野を切り拓いていくことは困難である。安全を確保は優先しつつも融通性をもたせた規制としないと開発は進まず参加国の非難の矢面に立たされ、国際信用を失うこととなる。

 次ぎの2点については疑問をもつ。

①保険論

 生命保険との対比はユニークであるが、わかり難い。

 保険をかけた後の論理(「・・生命保険を掛けて、死ななかったら損をしたと思わない。・・」)は報告書のとおりである。しかし、生命保険の場合、被保険人への家族の経済的依存度などにより保険を掛ける否かや保険金の額などを検討する。本題の場合も、ITER開発・誘致に大金を掛けるか否か(保険を掛けるか否か)の議論をしている段階であるから日の目を見なくても損ではない、との論理は飛躍していると思う。

②女性研究者登用

「----専門的経験を有する人材が必要である。この際、女性研究者、技術者の育成や幹部への積極的な登用を推進すべきである。」は唐突である。男女共同参加が目下叫ばれているが、それと同質の議論なのかどうか。本報告書で指摘しようとするのであればその背景・必要性をもっと仔細に説明することが必要と考える。「技術者の育成や幹部へ積極的なの登用」についても同様である。


No.262

黒田 敏公 (年齢 49歳)

(概要)

 核融合エネルギーの実現に向け、日本が主導して開発を進めるべく、国内誘致に向けた活動を速やかに進めて欲しい。

(意見)

 「地上に太陽を」という核融合のスローガンを最初に聞いてから久しい。その核融合の研究がやっとここまで進み、実現に向けたさらなる一歩を踏み出そうとしている時期に立ち会えることにある種の感慨を覚える。「無尽蔵でクリーンな夢のエネルギー」として開発が始められた核融合も、その進展は当初期待に胸を膨らませたほどには早いものでなく、また、核分裂炉ほどではないにしろ放射性物質を取り扱うことの危険性もあり、開発に費用がかかりすぎるなどの問題も明らかにされてきた。しかし、種々の問題点が指摘されるようになったことが、すなわち現実味を帯びてきたことの証拠であり、それらを克服することでかつての夢がより現実に近いものになると実感する。核融合は将来を担うエネルギー源の有力な候補の一つであり、資源小国である日本としては、これを見過ごすことは、またこの開発を他人(他国)任せとしておくことはできない。できれば、日本一国でもその開発に邁進して欲しいと願う。技術的には日本一国での開発も可能であろうとの思いもあるが、費用的に一国での負担が重すぎるなら、現状進められているような国際協力とすることもやむを得ないであろう。しかし、その際でも日本がイニシアチブをとることが重要で、そのためにはITER建設の日本誘致は不可欠ではないだろうか。日本で作ってこそ、システムとしての総合技術を身につけることができるものであり、全体としての開発を主導できるものである。不況の折り、支出を切り詰めるため無駄を省くことは必要だが、「人類の将来の自由度を保証する保険料」は「計画の成功、失敗に拘わらず、プラスの評価が与えられるようにする」ことで無駄にはならず、むしろ将来への発展に向けその有益な資産である。待ち続けた核融合開発の実現に向け、速やかな「努力の開始」を期待する。


No.263

伊藤 裕 (年齢 54歳)

(概要)

 大型研究施設建設を支える技術者の育成・確保は、案記載に有るほど楽観的ではない。蜃気楼的プロジェクト工程でなく、実行シナリオに基づく技術者の育成が急務である。

(意見)

 私は大型の理工学研究設備の建設に携わってきた民間の一技術者です。

 職を得た約30年程前、先輩から「君の時代には核融合炉が物になるね。」と純真さと羨望を込めて言われ、技術開発に燃えたのを覚えている。今その先輩と同年代、同役回りとなっているが、新入若手技術者に向けてあのように純真に「核融合開発」を鼓舞するのには若干の躊躇を覚える。核融合開発の様にあまりに長期的な開発を、民間企業の技術者が荷うことが技術者として恵まれる事か、若手技術者をそれに当てることにいささか自信を喪失しているからである。

 特に昨今の経済界・マスコミが宣伝している様に、IT関連など短期間で企業としての成果が現れる物が正であり、長期間開発に取組んでも成果の見えない物は悪のごとき社会風潮の中では、地道で重厚長大な技術開発を担う技術者の養成は極めて難しい状況に成りつつある。

 確かに現在までの我が国の産業技術水準は優れているが、報告書案の「近い将来にそのポテンシャルが失われITER計画を支えられなくなると疑う根拠は見当たらない。」との記載の程には、こと産業界では楽観できる状況ではない。現に経営指標からの判断で技術者が質・量で削がれた事により、綻びが目に付き始めた事例も散見される。

 報告書案では、随所に産業界に期待する旨の記載があるが、それに答えてゆくポテンシャルを維持してゆく為には、蜃気楼的プロジェクト工程ではもはや無理である。状況の打破には具体的な実行シナリオを立て、それに基づく技術者の育成を計画的に企画実行して行かなければおぼつかない。

 ITERの設置国に立候補し、我が国が主体的に貢献する為にも、この点に留意し的確な対応を取る事が必要である。

 尚、計画具体化に当たっての考察の項で「成功と失敗のカテゴリー」が言及されているが、この様な思考法はこれからの長期開発にあたり必要な観点で、民意の支持を得る上でも重要な点と考える。


No.264

田畑 泰則 (年齢 32歳)

(概要)

 核融合は人類にとって必要不可欠なエネルギー。ITER国内誘致で、日本の科学技術の底上げ、地域活性化等が期待できる。もっと世間に認知してもらえるようにするべき。

(意見)

 報告書を読み、核融合の必要性、ITERの国内誘致の意義を認識した。ITERを日本国内に誘致することに賛同する。

 今後の地球規模でのエネルギー消費は現在よりも大量消費に向かうのは避けられそうもなく、大量消費に見合うエネルギー源として核融合は最も有益な手法であり、将来的なエネルギー資源の問題を考慮すれば、必要不可欠であると思っている。

 近年、衛星ロケットの打ち上げ失敗、JOCの臨界事故等、日本における科学技術の信頼性が低下しており、かつての科学技術大国・日本が昔日の感がある。ITERでの核融合実現のための研究・開発によって日本における科学技術の全体的なレベルの向上に大きく寄与し、関連した技術開発によって産業・経済の活性化につながるものと予想される。

 また、国際的な人的交流による国際化の推進につながり、特に建設地域の国際化・地域活性化が見込まれる。

 しかし、報告書でも記述されているように、国民に対して充分な理解を得られるように配慮しなければならないだろう。昨今の原子力の安全性に対する国民の不信感が増大していること、一般社会への寄与が未来の時制にある核融合に対して膨大な資金を投入しなければならないことに対する理解と協力を、どのようにして獲得して、国民の不信・不安を払拭することができるかが、今後の研究・開発に大きな影響を及ぼすことは自明である。

 この報告書の公開、意見の募集も果たしてどれだけ多くの人達の目に触れているのか甚だ疑問である。世間一般ではこのような意見募集が実施されていることは認知されていないのではと思う。また、その内容も難解な部分が多く、限定された人達にしか読んでもらえていないような気がする。広報の方法を検討する必要があるのではないだろうか。


No.265

吉崎 信守 (年齢 62歳)

(概要)

 安全性について、専門家の間にも大きな議論のあるイーターは誘致すべきではありません。また、誘致候補地へは、マイナス面も含めて正しい情報を公開して下さい。

(意見)

 トリチウムを扱うイーターについては「危険・安全」の議論が入り乱れています。私は、著名な原子物理学者である森永晴彦氏の講演と著書に接してショックを受けました。氏は永年にわたってトリチウムを扱う研究をされ、原発についても「原子力行政が正されれば」という条件づきではありますが、肯定的にその功績を認める立場です。しかし、イーターについては安全性を含むいろいろな角度から強く反対されているのですから、私も「やはり大変だ」という気持ちを深めました。

 一方、ちまたでの「安全性」の宣伝には不誠実なものを感じます。「トリチウムは海水の中にもある」「その放射線は紙一枚で防げる」「地上の太陽だ」などなど。それぞれ部分的には真実なのでしょうが、天文学的にケタ違いの量をまとめて超高温下で扱うことや、雨や霧にまじって体内にとり込まれたときの危険性などについては知らないふり。太陽は遠くにあってこそありがたいものですが、ご近所に来られるのは困ります。

 中でもいちばん不信なのは、放射性廃棄物についての市などの態度です。当初は「苫東を廃棄物の処分場にはしない」と答弁していました。私は、地元にどれぐらい経済効果があるのかわかりませんが、多少ともそれが見込めるイーターはほしいが、廃棄物は他所へというのはムシが良すぎると思っていました。廃棄物がイヤならイーターも遠慮すべきです。

 案の定、国は「廃棄物の処分は誘致先で」との方針を出しましたが、市は、こんどは「2、30年の一時保管ならいい」と言っています。これは何なのでしょう。

 誘置候補地の一つ、苫小牧はこんな状況なのです。国は日本への誘致について熟考して下さい。私は反対です。


No.266

吉崎 三恵 (年齢 62歳)

(概要)

 安全性について学者間でも意見が分かれる、イーターの誘致に反対します。その資金と日本の科学技術力を脱原発、自然エネルギー有効活用の研究開発に向けて下さい。

(意見)

 市民の合意を確かめないままイーター誘致を打ち出そうとしている苫小牧市に在住しています。市議会を傍聴したり講演を聴いたりする中で、「イーターは原発より安全」などと言えるものではないことを知りました。原子力発電も、始まりはやはり「安全神話」でした。しかし、それがもろくも崩れたことは衆知の通りです。残念ですが、日本ではそれがバケツで核燃料を運ばせるようなことから起きている人災であることです。これでは、二重、三重に安全対策をほどこしても意味がありません。また、「安全だ、安全だ」と言っていること自体の中に、事故の裏にあるのと同種のごまかしがあるようにさえ思えています。日本の場合、ひとつ間違えば重大な事態を招く原子力については、新しいことに手を出すより、原子力行政の信頼を回復することが先ではないでしょうか。

 水力、火力、原子力と発電の仕方も変わってきました。それぞれが私たちに大きな貢献をしたとはいえ、自然環境破壊、大気汚染、放射能汚染などの問題がクローズアップされてきていることも事実です。世界の大勢は太陽、風力など自然エネルギーの活用に向かっていると聞いています。アメリカなども何故かイーター計画に加わっていませんね。日本も、50年先に実現するかどうかわからない核融合などに手を出すより、太陽発電の効率化、ロスの少ない送電システムの開発などに本格的に資金を投入してほしいと思います。

 私は2年前まで教職についていました。苫小牧にイーターが誘致されても、私の生のあるうちには稼動しないでしょう。しかし、教え子たちに放射能汚染の恐怖は残したくないのです。


No.267

松田 綾 (年齢 30歳)

(概要)

 報告書の14頁に「我が国のみが過度の負担を負うような事態」を懸念している記述があるが、日本一国でも進めるべきことを考えれば、このような考えはおかしい。

(意見)

 つい先日もこのまま化石燃料によるエネルギーが続けば、百年後に日本の気温が四度から五度上昇して大変な環境への影響が現れてくるとの報告書を出したと新聞に報じられていました。地球の温暖化は影響が現れだしたときに対策を打とうとしても遅いので、今から開発を進めておく必要があると思います。

 核融合はエネルギーの大部分を輸入にたよっている日本が最も必要とするものであり、日本独自でも取り組むべきことと思います。このような立場からすれば、国際協力で相互に利益を得て進めるという考えは当然としても、「我が国だけが過度の負担を負う」ことは損だという考えはおかしいと思います。核融合は日本が世界に貢献できる数少ない分野であると思います。

 私たちの子孫や、世界人類のため、外国の動向にとらわれずに政府が迅速な決断をするよう望みます。


No.268

佐藤 真一 (年齢 36歳)

(概要)

 ITERのような最先端の国際プロジェクトを日本が主導的役割を担って推進することの意義は大きい。ITERの日本誘致は国際社会に広く貢献するチャンスと考えます。

(意見)

 我が国としてのITER計画の進め方に関して、「ITERのホスト国になることの意義は大きい。」と評価した懇談会報告書と同様の意見を持っています。ITERは将来のエネルギー問題解決のための重要なステップであり、科学技術的な意義が大きいことはもちろんのこと、更にこれ以上に、ITERのような大型の国際協同プロジェクトを日本が主導的役割を担って推進していくことの意義が大きいのではないかと考えます。今後このようなチャンスに巡り会うことは少ないことを考慮すると、是非ITERを日本に誘致し、国際貢献の場を作ることが必要と感じます。


No.269

永井 理絵 (年齢 22歳)

(概要)

 計画に賛成

(意見)

 計画に賛成


No.270

高桑 喜義 (年齢 40歳)

(概要)

 ITER計画に賛同します。

(意見)

 ITER計画に賛同します。


No.271

岡田 照美 (年齢 43歳)

(概要)

 今後の日本におけるエネルギー供給には原子力は不可欠だとおもう

(意見)

 日本のエネルギー源は外国からの輸入が殆どである。

 又原油系も限りがあり、今後国内で安定したエネルギーを確保するには原子力が最も期待できる物と考えています。但し安全面にて不安も残っています。


No.272

阪井 幸浩 (年齢 38歳)

(概要)

 計画に賛成です

(意見)

 計画に賛成です


No.273

関根 文子 (年齢 34歳)

(概要)

 資源の少ない日本にとって、自国で賄うことのできるエネルギー源の開発は重要課題だと思う。問題はあっても代替エネルギーがない限り、必要なことだと思う。

(意見)

 現在使用されているエネルギー(電力、発電方法)の火力、水力、原子力の中で、火力発電の源である石油資源には限りがあり、水力発電における水量確保、ダム建設にも様々な問題があるようで、これもまた限界があるようです。原子力発電についてはその安全性について多く取り沙汰されています。このような現状において、自国の資源の少ない日本では、新たなエネルギー源を見つけることは大変意義のあることだと思います。しかし、新しいことを始めるには数々の問題、デメリットもつきもので、まだまだ考えなければならないこともあるようです。その問題の中でも安全性に関しては特に気になります。原子力とか核という言葉を聞くと、放射性物質による被爆の危険を想像してしまいます。ITERではその危険性の少ない核融合の研究であると知りました。もし比較的安全な新たなエネルギー源を得ることができるとしたら、それは大変価値のあることではないでしょうか。費用や用地など、様々な問題はあると思いますが、世界で数少ない被爆国として、核の安全使用の先頭に立って研究を進めることは貴重な機会であると思います。また他に新しいエネルギー源が見つからない限り、新しいエネルギー源の確立は絶対に必要なことであると思います。


No.274

中野 静見 (年齢 47歳)

(概要)

 ITERの建設誘致に反対致します。安全性、費用(建設・維持費)の負担、特に地元が支払い続ける経費、廃棄物処分問題をはっきりさせ、是非を問い決めるべきです。

(意見)

 ITERは燃料に放射性物質のトリチウムを使う核実験施設と聞いています。現在トリチウムの漏出を完全に防ぐことは不可能とされているのに、危険性のあるものを建設して良いものでしょうか。東海村の事故であれ人間のしている事で全体である保障はないと考えます。又廃棄物(核融合反応で生じる強力な中性子)は立地場所で100年以上管理処分され得るとしている点でも安全なのか疑問が生じます。安全であると云われている方々の御意見に対し甚だ憂慮するものであります。

 賛否両論の中、実行して良いものか、過去における色々な選択ミスによる多大なる代償を払って来た事も踏まえ、尚一層の慎重なる御審議を賜わりたくお願い申し上げます。


No.275

牧野 紘子 (年齢 56歳)

(概要)

 日本はITER計画から手をひくべき。

(意見)

 前の大蔵大臣宮沢さんが「日本の財政は破局の状態にある」といわれましたが、これまでもんじゃ、東海村再処理工場、原子力船むつ、原発、などなど、多額の経費をつかって危険な事実しか証明されていない。ITERなど税金のむだづかい以外のなにものでもない。即刻、撤退を表明すべきと考えます。


No.276

古川 順助 (年齢 61歳)

(概要)

 この推進計画はエネルギー政策の最優先の課題として必要なのか?

 安全論議・環境問題はどうなっているのか、この巨費を投じても国益になるのか、世界の流れは[非核]であろう。

(意見)

 人類の新エネルギー源にしようとこの研究が開始されて数十年がたち、その実用化は50年先と言われている。確かに科学研究は国際協力を進めながらすることは結構なこととは思うし必要性もある。しかしこの計画推進には何か理解しにくい事がある、先ず原子力を推進する立場と思われる政府の原子力委員会・ITER計画懇談会は[誘致国となる意義は大きい]としているし、誘致期成会は[地域の活性化につながる]との期待をも示しながら誘致に向けた動きは着々と進んできた。私は科学者ではないがしかし何故安全論議・環境問題をそのままにして誘致が進められるのであろうか。加えてこの計画推進が将来のエネルギー問題を最も良い方向へ導く事なのか、今日も他の数々の科学研究が進められているなか最優先のことなのであろうかと疑問に思うのである。安全・環境問題を言えば核融合(核分裂)から大量に出るであろう低レベル放射性廃棄物の処理は具体的にどうするのか、危険性のともなう燃料はどう扱うのか又この研究開発に費やす巨額を例えば自然エネルギー等の研究に回したら如何なものであろうか。現在世界的な流れとしては[非核]であろう、それに逆行することが科学技術政策を進める方向ではないと思う。しかしそうではなく現行が正しい道とするなら安全と環境問題、そして4000億円以上と言われる巨額を費やしても最優先の課題だとの説明を我々が理解しやすいように同時進行させてもらいたい。

ITER計画国際協力のなか1998年に米国が撤退したのはこの大型装置と巨額な建設費、そして自国にとって将来とも有益にならないと判断したからではないであろうか、推進計画が既にありきではなく科学技術政策は幅広く考えてもらいたいと希望する。

以上


No.277

玉川 秀利 (年齢 42歳)

(概要)

 

(意見)

 今、人類はエネルギーなしには生きていくことは出来ない。このエネルギーを生み出すために払った犠牲は、環境破壊という形で次の世代へ受け継がなければならず、それは将来の人類の滅亡を少なからず予感せざるを得ない。

 このことが現実のものとならないためにも、今生きている人類がすべきこととして、代替エネルギーの開発、しかも環境を破壊することなく作ることが責務であると考える。

 今、国際社会で議論されているITERが、その夢を実現するものかどうかは、わからないが少なくとも、今、考えられる技術の中では、最も有効なものの一つなのであろう。

 ITER誘致には、日本をはじめいくつかの国が立候補をしているが、世界の最先端の技術開発が我国から発せられるということは、なにより我が国がエネルギー先進国である事の証明になると考えられるので、是非がんばっていただきたいと考えている。


No.278

沢野 信彦 (年齢 53歳)

(概要)

 人類共通の将来のエネルギー源確保のための科学技術である核融合技術開発のため日本は率先名乗りをあげ、リーダシップを発揮すべし

(意見)

 ソビエト連邦崩壊以降、資本主義が名実ともに世界発展のため且つ人類幸福のために有効との認識ができ、このため地球規模で経済再編成、資本の再編成が進んでいる。

このこと自身に異論はないが、ややもすれば、近視眼的利益追求に流れがちであり、長期的人類幸福ヘの試みにたいする資本の投下がおざなりにされる傾向がある。

科学技術についても、できあがった技術を購入し利用すればよいとの理由で、地道な、すぐに効果のでないものには、投資が敬遠される傾向にある。

一方地球温暖化等人類を取り巻く環境は厳しさを増しており、真摯にこういった人類共通の問題に取り組んでいく必要があるのは、本報告書にもあるように現代人の子孫に対する務めである。

日本の国際貢献が要求されて幾久しいが、日本がイニシアチブをとり、実施していないため、その評価はあまりよいものとはなっていない。資源小国の日本においては、一時も早く、核融合エネルギー利用技術を確立し、その恩恵に服することが肝要なうえに、さらに人類共通のエネルギー問題に、イニシアチブをとり取り組み解決できれば、それこそ国際貢献、子孫のためとなると考えられる。

以上の観点から、日本は率先名乗りをあげて、イニシアチブをとり、この人類共通のエネルギー問題に取り組んでいく姿勢を見せるべきであると考える。

またこのため日本で実施していくための骨格を明らかにして、準備を進めていくべきと考える。


No.279

松本 和子 (年齢 65歳)

(概要)

 イーターの安全性が、解明されない限りは、推進する事には反対です。いのち、くらし、自然を守るために、科学を駆使してほしいと、願っています。

(意見)

 イーターの苫東誘致が浮上してから、賛否両論を語り各派の講演会、学習会、シンポジュウム等が開かれ、学ぶ機会と、考えるきっかけを得る事で出来ました。

 今回、意見記入に際して、私は、イーターは、苫小牧には、絶対に、誘致には、反対の立場です。

 設置の場所として、あげられている苫東は、野鳥や、動植が生息する豊かな自然に恵まれた所です。この豊かな自然環境を守り地球保全を進めていく二十一世紀にしたいのです。

 イーターの設置で、トリチュウムの問題があげられ、万一もれた場合の危険性と、大量の放射性廃棄物をどう処理するのか、具体的な対策が公開されないままに、誘致の話が先行しているのは納得が行きません。

 それにイーター設置には、相当な財源が必要と聞いています。リストラ、不況の現状で、いのちや、自然を、おびやかす可能性の強いイーターより、急拠投資を必要とする雇用対策、社会保障の財源へこそ投資していただきたいと思います。

 何が起きるかわからない、解明されていない事が多いのではなく、安全性が確保され、人類のために役立つエネルギーの開発を進めていただきたいと思います。


No.280

高橋 浩 (年齢 50歳)

(概要)

 日本にITER誘致させない立場での発言

(意見)

 私は50歳になります。縁があって核融合の事を知りました。まさに知らない私の生活の中で動いてきた歴史です。産業革命以来急速な展開で歴史が始まっている。個々人の生活に何ほどの生活をもたらしたか。人間の未知なる知識の追求がそうさせたのであり私もその中で生きている。私個人の人生を振り返る。まさに50年自然は何処に行ってしまったのか。快適なコンクリートジャングルこれが自然の姿なのか。大地・山・川・湖そして広大な海何でおかしくなったのか。生活優先で行ってきた事であるがそれを人類が認めたのであろうか。皆その原動力が電気エネルギーである事を知っている。石炭で始まり石油で飛躍し広大な地球を汚染地帯にしさらにウランで拡大した。この歴史を近未来に継続していくのか。核融合は世界的にも、日本的にも極一部の方々の歴史にしか過ぎない。人類が物理・科学知識を利用して絶対多数に役立つ事を認めながら進める。この立場でつらぬいて行けるのか。其れとも日本が歴史に証明されている事を再度行うのか。名古屋大学出版会。核融合Ⅰ、Ⅱを私成りに読みました。どこを誠ても今までの核融合の歴史・近未来につなげる歴史に貢献しないと確信する。特にトリチウムを人類が制覇できる知識を持ち得るのか。最も大事なのは今生きている人類がこの地球を継続させてる営みをしているのか。全世界の良識ある学者、それを司る政治家諸氏に学問を問う。苫小牧市民としてITERは無用の存在。そして日本に誘致しない。本当に未知なる可能性を信じるなら全世界の携わっている学者が公開の場で団結する。そこでの経済的援助協力を行えば良い。よって現段階では一般市民としては誘致させない立場を証明する。


No.281

望月 英二 (年齢 32歳)

(概要)

 ITER設置に賛成。但し継続的に合理性を判断すべき。軽視されがちな周辺分野も含め総合的な事業の計画を推進、公表して欲しい。日本立地で日本人主導の計画を望む。

(意見)

 人類一人あたりのエネルギー使用量は増加する一方であろう。化石エネルギーは枯渇するらしいので、新技術により永続的なエネルギーを確保しなければならない。豊富で確実、経済的に取り出されるエネルギーが何であるかは予測不可能であるが、核融合はその候補に入ると考える。巨費を必要とするならば、実現性が高いとされるトカマク型に注力すべきであろう。ゼロサムであろうとプラスサムであろうと、型ごと、分野ごとに差をつけるのは当然であり、既得権として扱うのは許されない。ITER計画を推進した後も、トカマク炉が発電に適さないと判断されたならば、これも特別視してはならない。

 開発計画において軽視されがち、若しくはその情報が広く外部に告知されないのが、周辺事項である。ITER建設がまとまったとしても、実験中の必要物資、廃棄物などは遅く議題に昇り、議論を尽くされることがないのではと感じられる。総合的な視野で計画を推進し、情報を開示し、マスコミを通じて広く伝えて欲しい。

 現在、科学者は出超状態であり、日本に科学者を受け入れることは少ない。経済的に発展したのにも関わらず、科学技術分野では決して対等ではないと感じられる。外国の科学者が日本に研究に来るというような、一日本人としての誇りを持てる状況を形成していきたい。ITERはその一環として、日本に建てるのが良い。誇りでは飯は食えないが、誇りがないと楽しく食事もできない。ITERを運営する国際機関の幹部や中間管理職にも数多くの日本人がなることを望む。日本で作るなら、やはりトップは日本人であるべきだろう。ITERの顔となってもらいたい。

 最後にITER設置国だけが賄う費用があるようだが、その費用に対応する項目に関しては国際入札は止めてもらいたい。これは納税者としての気持ちである。


No.282

勝山 栄 (年齢 49歳)

(概要)

 全面的に賛成。設置場所は茨城県那珂町を切望。

(意見)

 長期的かつ安定的なエネルギーの確保を図るうえで、核融合エネルギーの開発は不可欠であることを理解した。

 また、これまでエネルギー資源のほとんどを外国に依存してきた我が国のことを考えると、国際貢献という観点からもITER計画に積極的に参画し、ITERの設置国となるよう最善の努力をすべきである。

 なお、我が国へ設置する場合は、茨城県那珂町を切望する。那珂町には町民憲章をはじめ町民の歌にまで「核融合の炬」が謳われ、また、ITER誘致推進協議会が設立され住民の機運も高まっている。さらには、世界的に核融合研究の先導的立場にある日本原子力研究所那珂研究所が存在し、ここにはITER建設に必要な用地が既に確保されている。


No.283

廣田 耕一 (年齢 52歳)

(概要)

 ITERは核物理学のひとつの夢。その実現に我が国が主導的役割を果たす意義は大きいと考える。

(意見)

 ITERの建設に巨額の費用を要するため、国家予算の用途としての適切さが議論されているのは無理からぬところがある。しかしながら、昨今の我が国の経済状況に鑑みて、むしろこういう時期だからこそ国として果たすべき役割を掲げられることにその貴重な財源を用いることに同意したい。

 さて、ITERの意義であるが、まだまだ開発には相当の時間を要すると考えられる核融合技術にあって、一歩でも進展を見ているのは事実である。しかも国際協調の実践の場であり、核物理学の夢のひとつである核融合によりエネルギーを取出す概念の実現の場としても最も現実的な選択肢として位置付けてよいと認識している。

従って、いろいろな課題を我が国の持つポテンシャルで主導的に解決していくという経験、国際社会に果たす貢献で、地域社会に及ぼす貢献などを考え合わせ、そのデメリットを補うものと認識し、我が国に誘致することを前提に検討を深めたいとする懇談会方針に賛成である。

 


No.284

松寿 誠 (年齢 49歳)

(概要)

 報告書案の記載はきわめて妥当である。政府は報告書案の主張を広く国民に伝え、早く議論を開始すべきである。誘致に関する議論があまり進んでいない状況に言及すべきである。

(意見)

① 報告案は多方面の検討を良く行っており、核融合研究・ITER誘致の意義と問題点を理解することができた。

② 核融合の研究には今後も注力を行うべきと思う。高額な費用の負担が大きな問題となるが、日本としてITER誘致を行うことにはそれ以上の意義を感じる。日本は国際的な貢献をすべきである。報告書案の記載はきわめて妥当である。

③ ITER誘致を行わない事を日本が決定した場合のデメリットを考えてみることも必要である。国際的な信頼を失い、さらにITERを誘致するに値する現在の日本の地位・状況を次第に失ってゆくことになる。報告書案は、可能であれば、この面からの記載も行うと良い。

④ タイムリーに政治的な判断を行う必要がある。誘致の決定のためにはいろいろの問題が発生すると思うが、将来の国際協力の場ではより大きなスケールで問題が発生するはずで、「なるようになるまで待って、それから手を打つ方法」では話が始まらない。報告書案ではこの点を指摘する必要があるように思う。どのような手順で検討が行われるべきか、記載すると良い。

⑤ 政府は早期にITER誘致の意向を明確に表明すべきである。そこからいろいろの議論を始めるべきである。国内立地地点の決定など、まだ大きな問題が残っている。結論を出す日限が記載されていないが、記載する必要がある。時間は余り残されていないはずである。

⑥ 報告書案は出来るだけ早く発行すべきである。本来は、もっと早く発行されると良かった。誘致に関する議論があまり進んでいない状況に言及すべきである。

以上


No.285

久田 陸昭 (年齢 59歳)

(概要)

核融合エネルギーが実用化されることを期待するが、原子力の安全性について国民は信用していない。安全第一に事業を進め、場合により計画をストップする覚悟も必要である。

(意見)

我が国が今後どのようなエネルギーを安全に経済的に調達できるかにより、経済活動に大きな影響を及ぼすことになる。原子力の利用によるエネルギーと、太陽、風力、バイオマスなど再生可能エネルギーが将来のエネルギーとして期待されてきた。

ITER計画が実現し、将来核融合エネルギーが実用化されれば、大きなエネルギー供給源になると思われる。しかしながら、原子力の安全性についての過去の歴史は国民(地域住民)の不安を増大させるだけでなくなっていない。世界の趨勢は原子力発電に期待を寄せていない。「核融合反応は核分裂と比べて安全対策が比較的容易である」と述べられているが、国民は再生可能エネルギー並みの安全を求めていることを関係者は忘れないで事に当っていただきたい。

必要なエネルギーの一つであることは十分認識しているが、技術の完成までに期間と費用がどれだけかかるのかがわからないままスタートするに当たり、将来いつの日か冷静に判断し計画をストップすることもありうるという覚悟で進めていただきたい。


No.286

井上 恭二 (年齢 70歳)

(概要)

 この際、人的資源の積極的な活用も、ぜひ検討していただきたいと思っています。

(意見)

 ITER計画によって、世界中の頭脳それも核融合の専門家が数多く日本に集まってきます。これらの人たちに核融合の開発研究に携わっていただくだけでなく、

にも協力していただいたらいかがでしょうか。

 世界各国の次世代研究者と“同窓のよしみ”を結んだ若い日本人は語学はもとより物の考え方に多様性を日常的に認識するでしょう。そして大きく飛躍することが期待されます。

 教育に携わったことによって得られた収入が、物価高の日本における生活をいくらかでも緩和できれば幸いです。


No.287

神島 優子

(意見)

ITER計画には強く反対します。

ITER建設については様々な問題が解決されていないはずです。

①1億度の高温に耐えうる金属がないこと。

②トリチウムの問題。

③発生する膨大な放射性廃棄物の問題。

④多額の建設費。

ほかにもたくさんの問題はあるが、以上4点だけでも解決されていないはずです。原子力については、常に貧しい地方にだけ割に合わないことを押し付け、推進する人たちは安全なところにのうのうと暮らしている。核を用いた発電では、核分裂・核融合に関係なく、核廃棄物の問題と核物質の環境中への放出の危険性が付きまとう。推進する人がいうように二酸化炭素を放出しないとしても、だからといって核廃棄物を発生させていいことにはならない。まして、それが環境に優しいなどど思う国民などほとんどいない。666兆円という膨大な赤字をかかえているこの国で、全く無駄としかいいようのないことに税金を使うことは即刻やめていただきたい。

今回発足した小泉政権では、環境を考えた政策とおっしゃっておりましたから、真の意味で環境を考慮していただきたいと思います。


No.288

鈴木 偉之 (年齢 60歳)

(概要)

日本のエネルギー問題、科学技術の国際貢献を考えれば、ITERの建設と日本への誘致に賛成。本報告書をまとめられたITER計画懇談会の委員の見識に敬意を表します。

(意見)

本報告書(案)の結論である、「わが国がITER計画に主体的に参加するだけでなく、設置国になることの意義が大きい」に賛同する。

なお、幾つか気付いた点を下記に列挙します。

ITER計画懇談会の委員の見識とまとめに当っての努力に敬意を表します。


No.289

村野 佳大 (年齢 52歳)

(概要)

地球環境と長期エネルギー需給を考えた場合、先進国及び発展途上国ともにクリーンで豊富なエネルギー源を必要としている。この条件を満たす核融合エネルギーに期待する。

(意見)

人間が生活して行くにはエネルギーが必要であり、古来よりエネルギーを得るために自然環境を破壊し滅亡していった文明が多々有る。

人々が描く未来社会は、高度情報化、高速移動、人口農場、大深度地下構造物など多くのプランが示されるが、これらは全てエネルギー供給があるという前提のみにおいて成立つことは言うまでもない。

また、現在開発途上国では人口爆発を抱えながら日本や欧米並みの生活水準を目指しており、膨大なエネルギーが費やされることが目に見えている。

では、現在のエネルギー源はこれらに対応しうるか、否、石油や原子力発電用ウランの枯渇が危惧されており、安定、豊富なエネルギー源の開発は喫緊の課題である。さらに、化石燃料と称されるものは長い炭素の鎖を持ち燃料として使用するよりも原材料として使用すべきものと考える。

未来エネルギーには自然エネルギーや燃料電池など挙げられるが一長一短あり、もう一つ次世代のエネルギーとして力不足の感がある。

核融合エネルギーは資源的に安定しており前述のエネルギー源の欠点を補って十分なものがあり期待できる。

ただし、技術的なハードルは非常に高いと思われ研究開発を進めることが必要と考える。ITER計画は国際協力の内に各国の技術を結集することが必須であるが、ITER建設は日本の技術をもってして達成できると考えている。


No.290

村野 佳大 (年齢 52歳)

(概要)

日本はITER建設を誘致して核融合炉建設に係る新技術ノウハウを開発し科学技術の振興を図ることが必要でと考える。

(意見)

核融合プラントの建設は既に理論から工学設計を終了しようとしている。

設計設計においては核融合炉の実現性が確認され、日本原子力研究所東海研究所においては真空容器の実物大カットモデルが組立てられ、その正確性が実証されている。このように、実際に建設することにより工学的技術、新技術の発見や開発が盛んに行なわれることが予測される。また、建設が終了しても、各国の科学技術者が実験のため集まり、そこには新たな技術の芽が多数芽生え科学技術の振興に大いに貢献するものと予測される。

従って、日本にITER建設を誘致すべきと考える。


No.291

藤原 充啓 (年齢 30歳)

(概要)

将来のエネルギー源として核融合炉の実現は不可欠であり、その第一歩として是非ともITERを実現すべきである。また、日本は先駆者としての役割を果たすべきだと考える。

(意見)

 社会生活が急速に豊かになっている現在において、地球上におけるエネルギー消費を考えると様々な問題を抱えている原子力エネルギーを含む現状の供給体制では破綻をきたすことは明白で、新しいエネルギー源の開発が必要不可欠であろう。そして核融合がその有力な候補であることは技術的な将来性や、エネルギーを取り出す元となる資源の問題からみても明かである。ITERはその核融合を実現するための重要なステップであり、是非とも計画を推進すべきであると考える。

 そして日本は世界における核融合開発の先駆者として、誘致をはじめとして幅広い分野で積極的にこの計画に関与すべきであり、日本にはその役割を果たすのに十分なだけの技術力や経済力があると考えられる。また、核融合は様々な分野における最新工業技術の結集ということができるので、計画に関与し続けることによってさらなる技術革新が可能となり、現在その立場が怪しくなりつつある工業大国としての日本を再興させる起爆剤となる可能性も秘めていると考えられ、ITER誘致による経済効果との相乗効果で、日本全体を活性化させることができるのではないだろうか。


No.292

稲岡 美奈子 (年齢 52歳)

(概要)

 地球温暖化防止、人類の福祉のためにITERを日本に誘致する、というのは非現実的な誤りである。かかる巨費は実効ある省エネ・新エネ・再生可能エネ等に投じるべき。

(意見)

 「案」は、「核融合エネルギーは実現すれば」「革新的代替エネルギー」であり「人類の福祉に貢献」するというが、ほんとうであろうか。

 核融合発電の実現可能性がまず問題である。ITERの次の原型炉建設の時期はこの「案」から抜け落ち、実用化の時期も示されていない。「骨子」にはそれぞれ「2030年」「21世紀後半」と書かれていた。

 つぎに、「技術的見通し」を見ると、原型炉等の開発に向けて今後開発努力・予算の必要な技術として「高温の熱の取り出しを行うブランケットモジュールの開発、中性子照射に伴う放射化が少ない材料の開発、新しい高温超伝導材料の開発」等々とあり、根本的な技術開発の目処が立っていないことがわかる。

 以上、「案」からも、核融合発電の実用化は21世紀末までに「おこりうる」とは明言できないのである。

一方、地球温暖化対策は焦眉の課題である。温暖化をを人類にとって危険でない程度に抑えるには、先進国は直ちに温室効果ガス排出を大幅に削減しなければならない(IPCC第3次報告)。「案」がITER推進の第一の理由としている温暖化防止に、核融合はたとえ実現したとしても間に合わない。したがって、温暖化防止のためには、研究開発投資は抜本的な省エネルギー対策、燃料電池や再生可能エネルギー利用などすぐに効果の期待できる分野に集中すべきであり、100年後にできるかどうかもわからない核融合発電に「保険」として、何兆円もつぎ込むべきではない。

 原子力委員会はITERはクリーンで安全と宣伝してきたが、「案」ではトリチウム輸送、高エネルギー中性子線、放射化金属廃棄物の危険性を指摘しているが、具体的対策はなく「国民の理解を得る」としているのみである。放射能汚染、被曝もまた、未来の人類に責任を持つべき環境問題であることを忘れてはならない。


No.293

小森 彰子 (年齢 41歳)

(概要)

 発電に結びつかないITERは建設すべきではない

(意見)

 財政難の折、発電に結びつかないITERを膨大な費用をかけて建設すべきではないと思います。今ある装置で十分に研究を行い、実用化できる見通しが立ってから、発電できるものを建設すべきです。

以上


No.294

海老澤 恵子 (年齢 42歳)

(意見)

 ITERの那珂町誘致促進が那珂町議会で決定されました。近郊に住む住民として情報不足と不安を感じておリます。ITERの安全性が十分な説明が不足していると感じております。そこでITERに関する、以下の質問にお答えください。

 質問事項

1.那珂町のITER誘致区域には民家や学校などがあります。もし、事故発生した場合、地域住民の被爆は避けられないと想定できます。想定される事故とそのときのITERの防災体制はどのようになっておりますか?具体的に示してください。

2.トリチウムの人体に及ぼす影響について説明してください。また、トリチウムの取り扱いについてどのような安全対策が講じられているか、法的な面を含めて説明してください。

3.ITERで発生する放射性廃棄物の処分方法、保管方法を具体的に教えてください。

4.その他、安全対策がなされているのであれば、教えてください。


No.295

堤 倫子 (年齢 32歳)

(概要)

IETERの日本誘致と研究について住民に十分な説明がないこと、危険性がほとんど知られていないこと、巨額の税金を使うこと、命や環境を犠牲にすることから反対する。

(意見)

 IETERの日本誘致と研究に反対します。

 IETERは安全でクリーンで太陽のようなエネルギーと宣伝広告などでうたわれていますが、私の入手した資料によると、「燃料とされる猛毒のトリチウムは日常的に環境に漏れだす」「発生した中性子によっても、周辺住民は常時被爆され続ける」とあります。日常の危険に加えて、爆発や航空機事故なども充分考えられます。また放射性廃棄物も大量に発生し、子孫に欠くのゴミを残します。

 しかしそのような危険性は地元住民にさえ全く説明されていません。それどころか地元でも自体知らない人も現実にはたくさんいるのです。住民に理解を求めようともしないで、「誘致ありき」の姿勢で誘致立候補に踏み切って良いのでしょうか。

 また国の財政も逼迫している状況で、巨額の施設を作るのは税金の無駄遣いに他なりません。国民としては許せません。

 誘致しようとしている人たちは商工会など経済効果を狙っている人たちだと思いますが、いつまで経済優先の世の中を続けるのでしょう。子孫のことや周辺住民、環境の事は考えず、自分たちさえ潤えばそれでいいのでしょうか。

 国民の安全で安心して暮らしたいという思いはいつも切り捨てられてきました。数々の公害や、「安全でクリーンだ」といってきた原発関連施設も、多くの事故を起こし、その上隠し、私たちはだまされ、命を軽視されてきたのです。

 子孫につけを残さず、安心して子育てのできる国に早くしてほしいです。それにはこんな危険な施設を作って研究するのではなく、自然エネルギーやバイオマスなどの研究と普及にもっと力を入れるべきです。絶対に日本誘致(特に近い苫小牧、六カ所村)は反対です。


No.296

佐藤 学 (年齢 35歳)

(概要)

ITERの誘致に賛成する。早期に決断しリーダーシップを発揮して頂きたい。

(意見)

ITERは保険であるという表現は分かりやすいと思います。その先にある実用炉への投資であるという面も含んでいるでしょう。ITERの国内誘致に不都合な課題があるとすれば何なのでしょうか、それに対する解決案はあるのでしょうか、各論で明確な検討を進めて頂きたいと思います。誘致先近隣の居住者の深い十分な理解こそが重要な課題の一つなのではないかと思います。5000億円は国の事業としては中程度の規模ではないかと思います。政治的なリーダシップを発揮して決断をお願いしたいと考えます。


No.297

浅見 直人 (年齢 63歳)

(概要)

科学技術立国として進まざるを得ない我が国は常に先端的な技術を維持していくことが肝要である。従って、核融合に取組むとすれば、主体性を握れる立場をとるべきである。とりわけ、核融合技術開発への挑戦は、技術のみならず、経済効果も大きいと考える。

(意見)

敗戦で壊滅的打撃を受けた我が国の技術と経済を復興せしめた原動力は何であったのか?物質資源の乏しい我が国がこれまでに成長できたのは、優れた素質を持った人的資源と、それに密着した科学技術の育成であった。我が国が科学技術立国として進まざるを得ないのは今後も変わらぬ事実である。

 バブル崩壊とそれに続く経済の低迷は、歪められた経済構造を糺すことしか解決策は無いと考えるべきで、バブルの後遺症と崩壊の煽りを受けて、人材の質的低下と、技術の空洞化現象が進んでいることこそ嘆かねばなりますまい。

 こんな書き出しが、核融合技術開発、ITER立地問題とどの様な関わりがあるのかと云えば、核融合炉技術はITER計画懇談会報告書(案)にもあるように、多くの先端的ハードウエアー技術とソフトウエアー技術の集積でできており、この技術開発に主体的に取り組むこと、即ち設置国となることが、特に我が国として維持していくべき基幹技術の一つである重電機、重機械技術をトップレベルの技術として育成・維持していく絶好の機会であるからである。幸いにして、我が国のこの分野の技術潜在力は未だトップであると自認して良いと思う。

経済の低迷は不幸にして、企業の短期的指向と、経済至上主義的経営を助長する。しかし、企業を責める訳にはいかないのである。従って、国が長期的な視野に立って、この問題に主導的役割を果たす必要がある。こうした種類の先端的科学技術への開発取組みは、現在の大企業と言えども一企業で取組める状況では無いのである。

 現在のITERが建設に、運転維持にどの程度の資金を投入する必要があるのかは具には知らないが、大凡数千億円は必要であろう。立地国としての我が国の負担は?、立地国で無かった場合の我が国に求められる負担は?その差は?・・・・結果はどうであれ立地国として交渉すべきである。技術波及効果は勿論であるが、経済的な波及効果を考えるとその差は小さなものとなるであろう。不良


No.297(続き)

債権処理に何兆も費やすのと何千億を開発投資するのとどちらを優先すべきかは、永い将来を考えれば答えは明らかである。

 私は、個人的には、ITERは技術的苦労はするが出来ると思う。しかしそれが経済的に成立するにはさらに幾つかの技術的ブレークスルーを必要とすると思う。トカマク炉が最終的な姿になるかどうか、・・・・神のみぞ知る。


No.298

角田 俊也 (年齢 32歳)

(概要)

わが国はエネルギー供給源を外国に依存しており、技術・知識を外国に供給し経済を保っている。ITER計画の推進は、国益を確保するため、将来わが国が進むべき基本路線に合致している。

(意見)

わが国はエネルギー供給源を外国に依存しており、技術・知識を外国に供給し経済を保っている。将来わが国の進むべき道としてもこの基本路線は代わらないものであろう。これらのことは、常に国際的地位及び政治のような外的要因により左右されるものである。わが国の経済を維持するためには、この技術立国及びエネルギー自給の方向で常に前に歩んでいかなければならないし、多大な努力を払っていく必要がある。ITER計画推進は、わが国の利益のために努力していかなければならない方向と合致していると考えられる。また、世界的なプロジェクトをわが国がリーダーシップを発揮し、チャレンジしていくということは、近年失落している国際的発言の重要度を向上させることにも及び、広い範囲での国益を得るチャンスでもあろうと考えられる。ただ、本計画を推進するにあたり、税金を投入する以上、いつまでにどの分野でどれだけの成果をあげるかといった明確なビジョンを示す必要があり、計画スタート後も何らかの機関による研究成果の公開された査定が必要であると考える。


No.299

三浦 友史 (年齢 33歳)

(概要)

ITER計画は日本が世界に貢献できる数少ない巨大プロジェクトである。また、核融合研究は装置工学でもあるために装置を日本が所有することに大きな意義がある。

(意見)

まず、日本が巨大な国際プロジェクトに参加するだけでなく、主導的に進めることは、科学技術立国を称する我が国として非常に有意義な経験であると考える。成功すれば、この実績は世界に対する日本の成果として認められることになり、そして、その成功は21世紀の日本の科学技術評価の向上に非常に役立つことになると考えられる。

次に、核融合研究は、装置の性能に依存するところが大きい。ITERは最先端技術を集約したものになり、それを日本が有することは、その最先端の製作技術、運転技術のノウハウを手に入れることになる。このことは、日本の核融合研究者へだけでなく、産業界への貢献も大きいはずであり、裾野の広がった波及効果を期待できるものと考えられる。

最後に、核融合にはトカマクの他にいくつかの方式が提案されているが、それぞれ特長はあるものの、最も核融合発電実現に近いのはトカマク方式であり、他方式よりも大きく優れているのはデータより明らかである。また、世界的にもその成果は認められている。したがって、核融合に現在投資するのであれば、トカマク方式に対して行うのが当然である。

以上の理由よりより、ITERを日本に誘致することに賛成である。


No.300

檜木 達也 (年齢 29歳)

(概要)

将来のエネルギー及び環境問題に対処するために核融合は必要なもので、人類にそれほど時間的な余裕はない。早期の核融合実現のためにはITER計画を進めるべきである。

(意見)

 ITER計画の意義を考えるためには、まずその先にある核融合の必要性を考える必要がある。報告書にも示されているように、現在はエネルギー問題だけでなく環境問題の側面からも、クリーンで経済的にも社会的にも容認されうるエネルギーが求められているのは確かである。確かに風力や太陽光発電に関しては実用化の段階に至っているし、送電コストがかからない分散電源としての魅力は大きい。しかし風力は、コスト高はある程度我慢するにしても、かなり地域が限定されてしまう。太陽光発電に関しては近年著しい進歩を遂げているものの、そもそも太陽電池を作るためにかかる電力は莫大であり、これらを考慮して更に議論を重ねれば太陽光の将来性がそれほど明るいとは考えられない。以上のことから将来のエネルギー問題や環境問題を考えた場合、新たなエネルギー源の開発は絶対的に必要であり、核融合は非常に魅力的な候補であるといえる。

 問題は核融合が非常に魅力的であるが、他の新エネルギーと異なり技術が確立していないことである。ITERはまだ実験炉であり、商業炉の段階に至るまでには更なる時間も労力も必要である。ある人はまだ実現するかどうか分からない段階で、多額の予算を用いるのは時期尚早であるというが、今後の商業炉に至るまでのタイムスケジュールと現状のエネルギー問題、環境問題から考えられる代替エネルギーが必要とされるまでの時間に対して、それほど余裕があるとは考えられない。逆にいえばもし核融合がコストだけの問題ですぐに実現可能なものであるならば、いま多額の予算を用いる必要はないのかもしれない。しかし現実的には、今技術革新を進めていかなければ、将来の人類は深刻な問題に遭遇することが懸念される。現在の技術では核融合の実現以外に、恒久的な人類のエネルギー問題と環境問題を解決する方法は考えられない。以上のことからITER計画は速やかに実行すべきである。


No.301

佐藤 文武 (年齢 33歳)

(概要)

本報告書案は、国民の将来を考慮した結論であり、本懇談会の結論として適切であると考えます。日本がITER設置国になれる様、国の積極的な決断を期待します。

(意見)

大学時代に核融合プラズマ研究、会社(メーカ)に入ってから核融合装置の設計・営業に携わっている立場から「ITER計画懇談会報告書(案)」について意見を応募させていただきます。

本報告書案は、「日本がITER計画に主体的に参加するだけでなく、設置国になる意義が大きいと結論」していること、及び、「核融合の研究開発は、将来のエネルギー自由度確保としての投資」と位置付けており、核融合研究者の為に偏った結論になっておらず、国民の将来を考慮しての結論になっており、国の懇談会の結論として適切であると考えます。

日本の核融合研究は、世界においてトップクラスであるため、国際協力による大型科学技術プロジェクトであるITERプロジェクトを、日本がリーダシップをとって推し進めるのに最適なプロジェクトと考えます。更に、ITERを日本に誘致することにより、より日本の核融合研究に対するリーダシップを発揮できると考えます。

産業界にとっても、最先端の科学技術装置を設計・製作するまたとない機会であり、産業界のポテンシャルアップにも寄与します。

ITERが国内に設置されることになれば、国の投資額は多大なものとなりますが、次世代エネルギー源への投資であること及び、夢のある大型科学プロジェクトへのリーダとしての参画であるため、国民が期待する夢のプロジェクトになると考えます。

以上のことより、日本がITER設置国になれる様、国の積極的な決断を期待いたします。

以上


No.302

岩立 孝治 (年齢 47歳)

(概要)

 ITER懇談会により示されたITERの進め方に関する提言に賛成。エネルギー源開発の一つの重要な選択肢として世界をリードしつつ研究を推進すべきである。

(意見)

 核融合は、科学技術の範疇の中で考えられるべき面も確かにあるが、ITERをどうすべきかは、既に、将来のエネルギー政策の中で戦略的に考えられるべき重要な問題であろう。

 資源の無い日本の経済活動を支えられる方策は言うまでもなく技術立国しかない。世界の技術的潮流に乗り遅れないためには、IT,バイオーゲノムと言った分野で世界の先端を走れる実力をつけてゆく事はもちろんであるが、エネルギー関連技術は、忘れてはならない、人類の存続にかかわる、より本質的かつ、重要な技術である。

 ITER懇談会報告書のように、核融合を実現可能であり多様なエネルギー源の一つとして位置付けられると判断するなら、核融合開発に国家として取り組み、ITERを誘致して我が国がこの分野を主導すべきである。特に、エネルギー源開発としての位置付けと戦略をもっと明確にして取り組むべきだと考えられる。

 ただし、この間、核融合研究者の間でもITERを日本に誘致すべきかどうか主に予算配分の点から議論のあったことも聞いている。

ITERと他の方式による核融合開発の位置付けを整理し、重点の置き方を明確に示すべきである。過去、あまりにこの分野の全体的な方向性と戦略に関する議論が不足し、整合性が取れてこなかったのではないか。今、構造改革が叫ばれているが、まさに従来の縦割り行政の産物のように思われる。研究テーマにしても、個々の研究者まかせにするのでなく、核融合開発全体を統括し、調整する機能を持つ中で、核融合開発全体としての重要性と優先順位の判断をして取り組むべき時期であると考える。


No.303

山中 龍彦 (年齢 61歳)

(概要)

ITER の誘致は望ましいが、ITER の炉型のトカマクが実用炉になる保証がないため、誘致に際しては他の研究の発展も併せて進められる環境を整備すべき、と結論すべし。

(意見)

 ITER の課題は「自己点火と長時間燃焼の実証ならびに炉工学課題の総合的研究」である。前者の物理課題はトカマク型のみならず、広く磁場閉じ込め核融合に共通する核燃焼プラズマを如何に制御するか、出来るか、についての共通の知見を与えることになろう。また、後者の炉工学課題の研究により得られる成果は、磁場閉じ込め核融合のみならず方式の異なる慣性閉じ込め核融合にとっても有用な知見を提示することになる。その意味で、ITER計画は核融合エネルギー開発にとって科学的意義が大変大きく、また知的分野で世界に貢献すべく科学技術振興を重点政策としている我が国が主体的に進めるべきプロジェクトであることは間違いない。

 しかし、 ITER のトカマク炉型が実用に耐える核融合炉に繋がるか、否かは定かでない。米国が撤退した理由の一つがこの点にあると言われている。また、ITER計画は建設期間を入れて30年計画で、実験期間の前半の10年(~2020年まで)で原型炉に必要な物理課題を解決することになるが(計画書では述べられていないが)、それが得られる保証はない。このため、トカマクに代わりうる可能性の高い他の磁場閉じ込め方式や慣性閉じ込め核融合の研究を併せて発展させることが不可欠である。そうすることが、ITER計画懇談会の言う「核融合エネルギーに対して行う投資は、あたかも人類の将来の自由度を保証する保険と見做し」て核融合研究を進めることであり、それなくして我が国がこの分野で長期的に指導性を発揮し、国際貢献を果たすことは出来ない。

 報告は政治に結論を預けているが、以上のことより我が国への誘致は望ましいが、誘致に当たっては、将来トカマクに代わり得る可能性のある優れた研究の発展やトカマクの改善に必要な研究及び人材養成が積極的に行える環境を整備して行うべきであると、結論すべきである。


No.304

阿部 勝憲 (年齢 57歳)

(概要)

本報告書の結論、すなわち我が国がITER計画に主体的に参加するだけでなく設置国となることの意義が大きいとの判断、に賛成します。

(意見)

 ITER計画は、これまでの我が国をはじめとする長期間の国際的な研究開発の成果をもとに、核融合エネルギー開発の重要なステップである核燃焼による自己点火を実現しようとするもので、極めて意義が大きいと考えます。我が国がリードする科学技術のビッグプロジェクトとして、エネルギー資源輸入国の我が国が国際的に貢献する大切な機会になると考えます。

 ITER計画が広く地元を含む国民に支持され、安全な建設、運転、実験が実現するように関係者の一層の努力が期待されます。また将来のエネルギー源の実用化につなげるために、安全で経済的なエネルギー取り出しを可能とする低放射化材料開発をはじめとする炉工学研究、より一層効率の良い閉じこめを追求するプラズマ研究、を大学等で併せて積極的に進めかつ人材育成を行うことが肝要と考えます。

 最後にこの重要かつ意義の深い課題について集中的に議論し結論を得られたことに心から敬意を表します。


No.305

木村 克巳 (年齢 31歳)

(概要)

エネルギーの安定確保は世界共通の問題であり、多様化する未来を目前に、ITER計画の中核を担うことが、国際社会におけるイニシアチブを得ることに繋がる。

(意見)

 現在の日本経済は国際社会とは決して切り離せない状況におかれていることは明らかである。そして同時に産業経済に起因する国際問題も数多く発生している。

 たとえば、食料問題、地球温暖化問題、オゾン層破壊などは程度の差こそあれ、そこに国境は存在しない。そして、エネルギー枯渇問題もそのひとつである。

 エネルギー問題は国際社会、特にこれから新たな産業を興すために多くのエネルギーを必要とするであろうアジア諸国などにおいて共通の一大事である。この一大事に、後発国では取り組むことが難しいテーマに取り組み、そのテーマにおける中核的な役割を担うことによって国際貢献を果たし、各国にわが国の存在意義を示す必要がある。そのテーマとして相応しいのが、ITER計画である。

 新規代替エネルギーの研究は核融合以外でも選択肢があり、燃料電池、太陽エネルギーが本格利用される日は近いのだろう。しかし、短期的には実用が不可能な核融合エネルギーに目を向けることは、未来の国際社会における「変化」と「多様性」に対応するため、大いに必要なことであると考える。

 気候の変化、人口の増大等予測できない未来の世界を前に、代替エネルギーの研究とういう「火」を常に灯しておかなければならない。

 ITERがわが国に建設されることによって、核融合研究における国際的かつ大規模な研究コミュニティが形成されだろう。それが、エネルギー問題解決におけるわが国の国際貢献の第一歩であり、国際社会におけるポジション確保即ちイニシアチブを得られるものと考える。

以上


No.306

近藤 光昇 (年齢 46歳)

(概要)

ITERを日本に誘致することを強く要望します。

(意見)

ITERを日本に誘致することを強く要望する。

日本は石油等のエネルギー源を外国に頼っている。石油を大量消費した我々世代は21世紀後半の世代にエネルギーを何らかの形で残す義務がある。その手段として,燃料の入手性から核融合が日本にとって,最もふさわしい。即ち,日本は核融合を単なる科学技術の一分野として捕らえるのではなく,エネルギー開発のためであることを認識すべきである。そのためには,核融合開発を日本で継続的に推進し,技術伝承が必須である。ITERを日本に誘致し,産業界を含めた技術伝承を是非願いたい。

日本に誘致した場合,建設費の60%程度,3000億円が必要とのことを聞いているが,建設期間10年で割ると年300億円である。今まで国が景気対策として実施してきた無駄な道路建設等のためにゼネコンに投入してきた予算に比べ,高いとは思わないし,将来を考えた価値ある投資である。

一方,ITERからは本当のモノ作りの世界となる。モノ作りは産業界が担っているはずである。産業界の核融合技術者,人材が技術継承できるように国は,長期的なスパンで技術が途絶えないような継続的な計画を提示,推進しないと21世紀後半の世代にエネルギーを残すことは不可能になってしまう。将来を見据えた日本の核融合予算は,少ないと思う。一方,限られた予算だからこそ,大学,原研等に総花的に予算配分する時代ではない。当面開発すべき研究項目が発生した場合,そのテーマに集中投資し,緊急性を必要としないテーマは一旦,お休みするくらいの厳しさを日本の核融合界全体で真剣に考えないといけない。

以上


No.307

長谷川 晃 (年齢 44歳)

(概要)

 ITER計画を積極的に推進することに賛成です。国として誘致を前提に国際的に進めていくことを明言して欲しいと考えています。

(意見)

  私は核融合エネルギーシステムの開発が、21世紀以降の人類のエネルギー源の確保にとって非常に重要であると考えています。

  核融合エネルギーの重要性については報告書に記述されていることに賛同します。石油ショックのころの資源枯渇騒ぎが一段落し、石油やウランも供給がだぶついていて資源やエネルギーの将来展望への切迫感が無くなったかにみえる現在であるからこそ、長期的なエネルギー源開発に向けての取り組みが必要だと思っています。現段階で重要なのは、「核融合炉はあと50年くらいしたら多分実現するでしょう」というこれまで繰り返されてきた不明確な見通しではなく、50年後には発電炉までも実現するような技術的な見通しをつけることではないかと思います。これは実際のところかなり困難な課題だと思いますが、まずは実際に実験炉を作ってみて技術的な問題や経済的な問題をチェックすることが重要だと思います。理論だけではものはできません。実際に想定するものに近いものを作り上げることが重要だと思います。その過程でさまざまな問題が出てくるはずです。それを一つ一つ解決していくにはITERのような装置が必要です。

  安全面の問題や廃棄物の問題は将来の核融合炉に必ず発生する問題です。実際に進めるとなると多くの困難が生ずるでしょうが、それらを解決することもエネルギー源開発のノウハウになります。

  国際協力で進める事業については、最初からの設立メンバーになり、人と資金と技術を提供することがその組織のなかでの発言権をもつために必須であることは国際宇宙ステーションなどのプロジェクトなどでも分かります。ITERを必ずしも誘致できなくても成果はあげられますが、プロジェクトに参加する意志を表明する以上は、誘致を前提として計画に参加していくべきだと考えます。


No.308

實川 資朗

(意見)

標記の報告書を拝見させていただきました。

但し、意見募集期間がもう少し長いことを望みます。

報告書の書きぶりから、ビッグサイエンスを位置付けるには様々な議論が行われたものと想像されました。

ところで、ITERの誘致に関してですが、このような世界に唯一の装置で、かつ世界中から注目され、各国からの研究への参加が大きな規模で期待される事業を行うことは、現在の経済的な状況から回復するために、直接的な経済的な効果のみならず社会の士気を高めるためにも有効と考えられ、積極的に考えるべきと思われました。

以上


No.309

薬研地 彰 (年齢 41歳)

(意見)

  「はじめに」の最後の2段落にあるように、4つの検討段階の第二段としての位置付けとして、「有識者による幅広い観点からの提言」をまとめた報告書として読んでみた。エネルギー問題の特殊性と科学技術のあり方を基本として、長文でわかりづらくはあるが、よく考えられており、あらためてエネルギー問題の難しさ感じた。

あえて、コメントすれば、以下の2点を挙げたい。

  1. ITER計画の根幹にある問題に言及するにしては、プロジェクトがすでに10年を費やしていることを考えると、タイミングが遅すぎる内容が多いと思う。
  2. 新しい科学技術も、企業活動に支えられる重要な部分があると考えられるが、企業活動に対する配慮が少ない。

  企業人としては、営利活動のみでなく社会貢献も大きな社会的使命であるが、昨今の経済事情による限られたリソースでの活動において、超長期的プロジェクトに参画・支援することは、企業活動を継続するという本来の目的に対して直接的評価が下し難い。適宜見直されることはやむをえないが、確固たる方針とスケジュールが、各フェーズ毎に適切に提示されることを期待する。

以上


No.310

口石 佳一 (年齢 34歳)

(概要)

ITER計画に参加することに賛成。工学的実証を目的とするITERは超電導工学としても魅力ある装置であり、技術者の一人として携わりたいと思う。

(意見)

超電導を利用し、社会に貢献している又は貢献する可能性があるものの例を挙げると磁気共鳴画像診断装置・走査型顕微鏡・水浄化装置・リニアモーターカー等がある。ITERが建設に向けて動き出したときにITERの超電導コイルも社会に認識されると共に産業技術も飛躍的に進展し、蓄積されると思う。

企業の超電導に関係する技術者の一人としてこのプロジェクトに参加し、個人としての技術力を高めるとともにプロジェクトに参加する全ての人と共有したい。


No.311

東島 健 (年齢 40歳)

(概要)

我々の孫の世代が生きる22世紀のエネルギー源として、また、日本の国際貢献の象徴として、是非ともITER計画を日本に誘致し、着実に研究開発を進めて頂きたい。

(意見)

ITER計画は、是非、日本に誘致する方向で進めて頂きたいと思います。理由は以下の通りです。

(1) 向こう100年の間、つまり21世紀の間は化石燃料の枯渇はないと言われていますが、一方で22世紀のエネルギー源の保障はどこにもありません。有史以来数千年、産業革命から200年以上を経た現代において、わずか100年先の、我々の孫の世代が生きる22世紀のエネルギー源が不確実だというのは非常事態だと思います。いくら太陽光発電、風力、バイオマスなどの分散型の新エネルギー源が普及したとしても、現在の火力・原子力に相当する大規模なエネルギー供給が長期に渡って可能なオプションが必要であり、核融合は高速増殖炉などと共にその有力なオプションであると思います。そして、報告書によると、その開発には今後半世紀近くを要するとのことですので、早急に次の研究開発段階、つまりITERに移行し、着実な研究開発が進められることを期待します。

(2) 報告書にも述べられているように、日本が先頭に立って国際貢献を行える絶好のチャンスだと思います。そのために、多くの優秀な人材が必要だと言われていますが、逆に、国際的に通用する多くの優秀な人材(研究者だけではない)が育成され、その人材が、さらに他の分野で活躍することが期待されると思います。ところで、今回、原子力委員会からこのような報告書が出された訳ですが、10年、20年前に比べて、核融合への一般市民、マスコミの関心が薄くなっていることが気にかかります。 緊急性が実感されないためかと思われますが、本質的に極めて重要な研究開発ですので、その開発状況、成果が、もっと一般市民の目に、自然と触れるように情報を発信されることを期待致しています。


No.312

伊賀 尚 (年齢 38歳)

(概要)

核融合は将来のエネルギー源として重要であるだけでなく、他分野への技術波及効果も大きい。ぜひわが国でイニシアチブを取り、ITER計画を進めることを期待する。

(意見)

核融合は将来のエネルギー源として重要であるだけでなく、他分野への技術波及効果も大きい。ぜひわが国でイニシアチブを取り、ITER計画を進めることを期待する。


No.313

伊藤 義夫 (年齢 54歳)

(概要)

ITER日本誘致に賛成です。世界的にエネルギー問題が深刻化する中で、特に資源のほとんどない日本は真剣に次代のエネルギーを考えるべきであり、その第1の候補が核融合だと思います。

(意見)

ITER日本誘致に賛成です。世界的にエネルギー問題が深刻化する中で、特に資源のほとんどない日本は真剣に次代のエネルギーを考えるべきであり、その第1の候補が核融合だと思います。

水力、火力、原子力、風力などによる発電は、今後さまざまな問題を抱え、無尽蔵に電力を供給できる保証は何もありません。核融合は、うまく行けば電力を無尽蔵に供給できる、現在考えられる唯一の発電手段であり、優先的に開発すべき技術だと思います。これを早期に実現するためにITER計画があり、更にこれを資源がない日本に誘致する事により、上記実現が最速に行われる事と確信致します。

又、核融合技術の早期開発は基より、これを取り巻く安全問題、廃棄物のリサイクル問題も解決しなければならない大きな問題だと思います。これらを総合的に取り組めるのは世界的に見てもエネルギー問題が最もひっ迫するであろう日本であり、ITRERを日本に誘致する事により、その早期成功が最も期待できるものと信じます。

私は、核融合に関しては素人であり専門的な事はわかりませんが、若い頃からエネルギー問題を何とかしなければならないと思い続けて来ました。良い機会に一言述べさせて頂きました。


No.314

青木 崇 (年齢 23歳)

(意見)

ITER計画が日本にもたらすもの。

 こんにちは、23歳の大学生です。懇談会報告書の方読ませていただきました。私の出身地である長崎という土地柄上、幼い頃から核について考える機会が多く、また、その大半がネガティブなイメージのものであったため、最初にITER計画を知った時には、あまりいい印象は持てませんでした。しかし、東京国際フォーラムで行われた発表会に参加したり、メーリングリストへの投稿などを通して核融合についての見識が深まるにつれ、今ではITER計画に共感を覚えています。ナガサキ・ヒロシマの記憶からか、日本には核と名のつくものに嫌悪感(と同時に劣等感)を覚える風潮が根付いているようです。ITER計画により被爆国であるわが国が核の有効利用に成功できたならば、核に対する国民の嫌悪感(劣等感)の克服にもつながるし、エネルギー面においても精神面においても自立した新しい日本への変革には絶好の起爆剤になるのではないでしょうか?

ITER計画にわが国が参加するとなると、当然、国を上げての一大プロジェクトという事になります。ここで問題になるのが計画に対する国民の理解ですが、国民が心配するのはやはり”核融合炉の安全性”これに尽きると思います。この心配を取り除いてやる事が出来ればこの計画は7割方成功といってもいいくらいでしょう。私はもっとメディアを使うべきだと思います。これは例えばですが、比較的番組の作りやすいCS・BSなどで核融合炉の安全性を訴える番組やITER技術者をドキュメンタリー方式で追う番組などを作ってみたらどうでしょう。人間、一番納得がいくのは文字や音声よりも目で見たものだと思うので。

なんだか、まとまりのない文章になってしまいましたが、少しでも参考になればと思います。それでは。


No.315

内藤 秀次 (年齢 28歳)

(概要)

日本は今後も核融合開発をさらに進め、ITER設置国となることを積極的に推進すべきであると考えます。よって、懇談会が出したITER計画の進め方に関する報告書に賛同します。

(意見)

第二期科学技術基本計画の重要政策として以下のものが挙げられています。

(1)科学技術の戦略重点化(基礎研究の推進、国家的・社会的課題に対応した研究開発の重点化、急速に発展し得る領域への対応)

(2)優れた成果の創出・活用のための科学技術システム改革(研究システムの改革、産業技術力の強化と産学官連携の仕組みと改革、優れた科学技術関係人材の養成とそのための科学技術に関する教育の改革、科学技術活動についての社会とのチャンネルの構築、科学技術の倫理と社会的責任、科学技術振興のための基盤の整備)

(3)科学技術活動の国際化の推進(世界に向けて国際協力プロジェクトを提案し実施、国際的な情報発信能力の強化、国内の研究環境の国際化)

これに対し、核融合の研究開発及びITERへの参加・誘致は、この政策に合致する部分が多く、国として全力を挙げてITER誘致を進めるべきであると考えます。

上記観点からITER計画の進め方に関する報告書にて懇談会が出した「我が国はITER計画に主体的に参加するだけではなく、設置国となることの意義が大きい」という結論に賛同します。


No.316

山内 通則 (年齢 53歳)

(概要)

核融合炉の開発は、将来のエネルギー資源、環境、人口増加等に対する有力な回答であり、ITERの建設はぜひ進めるべきである。ただし、その必要性、研究成果等は充分説明されなくてはならない。

(意見)

遠い将来のエネルギー問題、環境問題等に思い至るとき、核融合がひとつの重要なオプションになることは明白である。巨大な人口を持つ低開発国がこれから経済発展をしようとする時に、現在の化石燃料中心のエネルギー供給方法ではどんなに省エネルギーを進めても破綻が来るのは避けられない。一般に無限でクリーンといわれているものには太陽熱、風力、潮力等の自然エネルギーにバイオエネルギー等があるが、核融合開発に比較して現実的な投資額、技術的な困難さ、資源の量等の点で全人類の将来を充分養えるものとは考えられない。もちろんそれらに対してもバランスのよい投資が必要であるのは当然であるが、ITERの建設によりそのバランスが崩れるものではない。米国は1兆ドル余り(うろ覚えであるが)の国家予算の数%を毎年軍事予算に割り当てているし、わが国でも何兆円もの国家予算が景気対策の名目で政治家の地元に還元されたりしている。たかだか5000億円程度の国際協力で核融合の見通しに関する大きな情報が得られるとすれば、安いものである。

ただし、そうは言っても5000億円は小額ではない。ITERによって得られるものは、地元や関連企業への資金投下を除けば研究成果しかない。従って、建設に向かうに当たっては、現在どこまでが技術的に実証されており、ITERによってさらに何がわかるか、それはどうしてITERでないといけないのか、等の点が一般の人にわかりやすく説明されなければならない。また、最適な核融合炉が現在のトカマクの延長線上にあるとは限らないし、現在未着手のどんな技術開発が新たに必要になるかわからない。さらに、現在進行中の研究開発がいつ何時どの位の研究投資で完成するかもわからない。従って、本報告書が、核融合への投資が将来のエネルギー選択の自由度に対する保険と言っているのは正しい。

結論として、ITER計画懇談会の報告書案は大きな流れとして理解できるものである。


No.317

上田 良夫 (年齢 42歳)

(概要)

研究開発の道筋をより明確にするため、原型炉は国が主導して建設する最後の装置と記述すること、研究開発課題を短期的重点課題と長期的先進課題に分けること、が必要。

(意見)

本報告書案では、「国民の十分な理解を得られなければ推進は困難・・」と記されており、この点私も全く同感である。したがって、国民の理解を得るための最も重要な情報が本報告書で述べられていなければならない。さて、私が一般の人と核融合の話をする時、最も多く聞かれる質問は、「核融合はいつ実現するのですか」である。また、1998年3月の報告書における検討課題にも「核融合エネルギーの技術的実現性」は取り上げられ、開発戦略検討分科会でも深く議論がなされている。しかしながら、本報告書では、核融合エネルギーを実現するための課題については多数列挙されているが、それら課題の実現性や実現時期を予見できるような文言は見あたらない。もちろん、現在の研究開発状況を鑑みると、核融合炉の実現可能性や実現時期について、具体的な数字を報告書に書くことが困難であることは理解できるが、それを考慮してもこの報告書では不十分ではないだろうか。

 私は少なくとも以下の点をきちんと報告書に書くことを提案したい。ひとつは、戦略検討分科会で議論された「原型炉は国が主導して建設する最後の装置とする」という点。これにより、無期限に核融合研究が続くのではなく、国家が主導しなければならないような採算ベースにのらない開発段階は、ITERと次の原型炉のみであることが明らかになり、原型炉段階で核融合炉開発にめどをつけるという強いメッセージが伝えられる。さらに、単に課題を列挙するのではなく、原型炉を建設するに当たり必ず実現しなければならない短期的重点課題と、実証炉での実現、あるいは、原型炉を経済競争力のある装置にするための長期的先進課題、に分けることで、それぞれの課題の緊急性や意義を明らかにし、最低限の核融合炉の実現までとそれ以降の研究開発の道筋が予見できるような説明が必要であろう。


No.318

斎藤 啓自 (年齢 55歳)

(概要)

・建設費は予定通り行かぬので、充分なる予算確保を。

・開発された技術を広く応用出きるように。

・充分なる情報公開と、外国企業と渡り合える交渉力を

(意見)

 基本的には理解できる内容と思う。細かいところは不明だが、下記の点を考慮していただきたい。

1.費用に関して

・国際共同研究でのコスト評価と思われるので、かなり割安に評価されているのでないか? 予算化にはある程度の積み増しが必要でないか?

・日本は「多少高くとも良いものを」という思想であり、かつユーザの意向を汲み全体性能向上のための努力をするため、コスト高となる。

・外国では「指示通りのものである」,「指示無いからやらない」となり、コンテンジェンシーを見る必要ない。(単なる偏見か?)

・建物,土木関連については、「公共事業の一環」として捉え、別枠を考えても良いのでは?

2.技術に関して

・実際の保険は安い方が良いし見返りも多少ある。ITERにて開発された技術を、是非広く応用して頂きたい。

・放射性に関しては、あまりにも無理な悪条件を考えるのでなく、起こりうる事象の重なりを考慮した条件で、検討すべきと思う。また環境放出の可能性も充分情報公開をお願いしたい(勿論充分な対策を行う必要はある)。

3.建設時の運営に関し

・ 日本主体となる場合は、建設時に充分な協力を得られるか不安である。

 費用のところで記したように、不具合発生時の対処が全て日本の負担とならぬか?この様なときの充分なる交渉力を持つべきであろう。


No.319

山根 実 (年齢 40歳)

(概要)

有識者の方々により、幅広い視点でITERへの取り組み方が検討され、提言へ共感した。我が国がITER設置国としての役割を果たし、計画を成功させる事を期待する。

(意見)

 報告書では、核融合エネルギー開発という長期にわたる難しい問題を、中立的な立場で、判断できる範囲を超えないで客観的かつ冷静に評価されていると思う。

 第2期「科学技術基本計画」では、20世紀を振り返って科学技術の負の側面を認識しつつ、21世紀初頭に我が国が果たすべき国の姿と科学技術政策の理念について論じられているが、今回のITER計画懇談会報告書には同じ視点が根底にあるという印象を受けた。

 ITER計画を単なる研究やエネルギー開発のみで捉えず、人類の将来のための保険料として見做すべきとの提案も共感するものである。我々の世代が次の世代に残せるものとしては、20世紀型の環境を破壊する様な技術の進歩ではなく、将来への投資を残して置きたいと強く思う。

 また、ITER計画懇談会の報告書では、ITER計画の意義を認めつつ、①国際的役割,②科学技術的潜在力,③日本社会の倫理性からの評価,④安全面での配慮,⑤投資面からの評価等の面から我が国が設置国となる意義が大きいとまとめている。唯一の原爆被爆国である我が国が核融合開発のリーダーシップを取る意義は有り、米国の宇宙開発の様に、我が国が果たすべき姿,国のポリシーとして掲げることが出来うる項目であると思う。我が国が設置国となり、ここで述べられた様な崇高な役割を果たせる様に成る事を、大いに期待するものである。

 この報告書を読み、核融合開発が種々の角度から評価され、認識を新たにすることが出来た。ITERが、これらの多方面での評価で意義あるものとなる様、常に意識して計画が進められるならば、計画は必ず成功するものと信じます。我が国のみならず、人類の英知を結集して、ITER計画を成功させ、現在の原子力に対する不信をも拭い去る事を期待します。


No.320

逆井 章 (年齢 43歳)

(概要)

ITERの国内誘致に賛成します。科学技術の分野で、核融合研究は国際的にトップレベルにあり、ITERの国内誘致によって、強力なリーダーシップを発揮できる分野となる。

(意見)

学部時代に核融合に興味を持ち、以来、核融合研究に携わるものとして、意見を述べさせて頂きます。大型トカマク装置(TFTR(米国)、JET(EU)、JT-60(日本))での実験の成果により、ここ20年の間に核融合研究は飛躍的に進展しました。

20年前は未だ雲を掴むような研究レベルでしたが、現在、確実に核融合に必要な高温、高密度プラズマを実現できるようになり、核融合炉を目指した制御技術、炉材料、炉工学研究も歩調を合わせて、進展しています。このような研究及び技術基盤の下に、ITERは設計されており、核燃焼プラズマを実現することが可能となります。ITERの国内誘致が実現すれば、科学技術の分野の中で初めて国際的にリーダーシップを発揮できる分野となります。科学技術立国を自認するならば、このような国際協力で推進されるモデルケースとして、ITERの国内誘致に関して国民の皆さんの賛同を得て、是非成功させるべきです。

エネルギー開発の観点で、核融合発電は化石燃料枯渇後に期待される有力候補であることは、現在の電力需給量を考えれば当然であり、人類の将来を見据えたエネルギー開発を推進させることは、これまで携わってきた我々研究者の使命と考えます。


No.321

原 英治 (年齢 31歳)

(概要)

 核融合エネルギー実現のため、国際熱核融合炉(ITER)を日本がリーダーとなって推進して、国際社会へ貢献すべきである。

(意見)

 長期的なエネルギー需要に対応するため、化石燃料を使用したエネルギーに変わるエネルギー源として核融合エネルギーがその1つのなる可能性を秘めている。だからこそ、核融合エネルギーの実現のため多国籍で実施されている国際核融合実験炉(ITER)を推進することは、たいへん意味のあることだと思う。また、日本は、エネルギー資源の乏しい国である。その意味で新しいエネルギーである核融合エネルギーのためのITER実現に向けて日本は努力を惜しまず、その実現に向けて躍進すべきである。これまでの国際社会の中での日本の貢献といえば、「お金」だけであった。だからこそ、ITERは日本が世界のリーダーの一国としてその手腕を発揮し、「お金」以外の面での、工学的および学術的な国際貢献をするいい機会だと思う。また、ITER誘致に関して、経済的な負担は大きくなるがITERのリーダー国となるべく手を挙げるべきだと思う。


No.322

北古賀 秀敏 (年齢 53歳)

(概要)

 ITER計画懇談会報告書(案)の内容は概ね賛同。国民的合意のもとで、国として、我が国へITER建設を推進。関係各国に対し主導的役割を果たすべきと考える。

(意見)

 ITER計画懇談会報告書(案)の内容については概ね賛同する。報告案に述べられているとおり、我が国は世界に貢献する立場に立ち、ITER建設にリ-ダシップを取ってITER設置国となることを積極的に推進すべきである。我が国のエネルギーは海外に強く依存しており、また我が国の過去の歴史を省みると、我が国の歩むべき道、さらには果たすべき使命は明白である。自国の利害に捕らわれず、将来にわたっての世界人類への貢献の見地から我が国がITER建設推進、更にはTER誘致を強力に推進すべきである。

 基本的には報告書に述べられている内容は妥当とみられるが、何故、今早急にITERつまりトカマク型核融合炉建設が必要であるかが明確には読み取れない。報告書の参考資料には核癒合の各種方式が述べられているが、各方式比較の上でトカマク方式の優位性が容易に理解できるように明確化すべきである。その上でエネルギー問題の解を得るためにITER推進が今まさに機が熟している事、またITERを国内に建設する事により我が国の科学技術、産業界の発展に貢献でき、更には我が国の国際的地位向上にも繋がることへの国民的合意のもとに、国として、我が国へのITER建設について不退転の決意でもって推進し、関係各国に対し主導的役割を果たしてゆくべきと考える。


No.323

森本 将明 (年齢 35歳)

(概要)

核融合炉は、国境や世代を超えて実現を目指すべき、全人類的な究極の目標である。ITERはその1ステップとして、我が国が率先して早急に実現すべきである。

(意見)

仕事で核融合に多少の関わりがある関係で、時たまJT-60など、過去に大型の核融合装置建設に携わった経験を持つメーカーの方とお会いすることがある。彼らの話を聞くと、国内では初、世界的に見てもあまり例のないという装置を作るにはやはり大変な苦労があったようである。しかしそれを乗り越える過程で、様々な新技術やノウハウが生み出され、それが装置建設を成功に導いたことも伺える。これらの技術の蓄積が日本の核融合開発を支える力の一つになっていると言ってもいいと思う。しかしながら、彼らの多くはベテランであり、既に第一線を退かれた方もいる。普段は全く異なる仕事をなさっている方も多い。彼らが必死の思いで開発し、蓄積した核融合の技術を確実に次の世代に伝えるためには、新たな装置の建設が不可欠である。新入社員に配属希望の調査を行うと、毎年核融合はかなり人気を集めるそうである。しかし、現在の核融合の事業としての規模では、ほとんどが他分野へ配属されるのが実状である。しかし、今も核融合エネルギー実現という夢に魅力を感じ、それを目指したいと願う人材は生まれ続けているのである。先のベテランの話には、困難を克服して偉大な仕事を成し遂げたという満足感に加え、核融合という未踏の技術分野を切り開いたという誇りを感じることができた。ITERという装置を作ることは、先達の技術とともに、その誇りと喜びを次世代に受け渡し、さらにその次の世代に繋げていくためにも極めて重要である。それは、核融合炉実現という夢が、着実に実現に向かっていることを次の世代に示し、夢に向かう勇気と希望を与えることでもある。核融合炉実現という極めて長い期間を必要とするプロジェクトを達成するためには、そうやって夢を繋げていくことが不可欠と考える。

ITERは、我々の世代で必ず実現しておくべき、後に続く世代への道標と考える。


No.324

滝口 幸司

(意見)

 原子力政策は慎重の上にも更に慎重さを要求され対応を余儀なくされる

 国民性にも関わらずJCO臨界被曝(原子爆発)以降の同業種並びに関連業種の対策MANUALの爆発以前以降の変更点等が全くNEWSにもまた このSITEでもATTACK出来ないのが良いのか悪いのか

再度 同様の爆発遭遇は在ると思いますので(在日・海外に関わらず)そのRISKを含んだ上での海外発電所の計画であればと・・・・・、


No.325

長谷川 満 (年齢 44歳)

(概要)

報告書案の内容は的を得ており、共感できる。ITERの建設は歴史に残る偉業であり、日本が主体となって進めるべきである。

(意見)

 報告書の内容は的を得た記述であり、共感できる。

 報告書にも触れられている如く、核融合開発は人類の英知を進歩させるという科学的な側面と将来きわめて魅力的なエネルギー生産手段を与えるという実用的な側面の2つをもつが、ITERの建設および実験はそれら両方を飛躍的に進展させることができると期待される。ここでいうところの飛躍的とは、当初から予想される成果が得られることのみにとどまらず、その成果に世界中の注目が集まることにより、更なる科学的または工学的な発展が期待できることを含んでいる。このような将来必ずや科学史に偉業として残るような計画を、日本が主体となって進めることは、日本人として誇りであり、多くの国民の理解も得られると考える。

 日本がITERの計画を主体的に進めるためには、必要な醵金はもちろんのことであるが、日本が建設に向けて強い意志を持つこと表明する必要があり、そのためには設置国として名乗りを挙げることは不可欠と考える。

 ITER建設の計画は、世界情勢の変化から足踏みを余儀なくされた経緯があるが、以下の2つの観点からこれ以上延ばすことは適切ではないと考える。1つはこの機会を逃すと、今回のような国際協力で装置を設計し建設するという計画が今後いつ立ち上がるか定かではないことであり、この点に関しては多くの人が認識していると考える。もうひとつは、これ以上建設が延期された場合、ITER建設においてはその一翼を担うであろう日本のメーカーの余力が続かず、これまで蓄積してきた技術を維持できなくなることである。このことは私企業のみの問題にとどまらず、今後の日本の核融合開発にとって大きな損失となると考える。それゆえ、メーカーに在籍する核融合に携わる1技術者としの立場だけでなく、日本国民として一刻も早い建設の立ち上げを切望する次第である。

以上

 


参 考

 

意見応募締切日(5月2日)後に届いた意見
(郵送については5月3日以降の消印のもの)