お届けいただきました報告書案は大変立派な内容であると思います.追加,修正があればお知らせするようにとのことでしたので,気づいた点を下記に記します.よろしくお願いいたします.
p.1,下10行:「技術的存在力」→「技術的潜在力」ではないでしょうか?
ITERを国内に建設する場合のメリットについては大局的見地から随所に述べられております.加えて技術的見地からのメリットを挙げるとすれば,下記のようなことがあると考えられます.
- 我が国の多くの研究者・技術者にシステム統合技術の習得や実験炉の建設・運転・保守・管理・総合試験の経験を積む機会が与えられ,産業界の関連技術ポテンシャルの向上にも有効である.
- プロジェクトの神髄に関わる性能の確認や技術課題の克服などにまつわる,重要な技術情報は現場で集約され,判断される.こうして蓄積される技術情報,あるいは技術に関わる優れた人材は,将来の展開や発展に不可欠である.
- 地理的に有利なホスト国の技術者には,最先端技術の成立過程をつぶさに観察し,これに貢献できる機会が多くなる.
- 我が国の研究者・技術者に国際プロジェクトの取りまとめに主導的役割を果たすという貴重な経験の機会が与えられる.
- 我が国が推進する核融合炉の段階的開発計画において,ITERの次の原型炉段階で必要となるインフラストラクチャーが残る.
以上は核融合会議開発戦略検討分科会報告書92ページから拾い出して要約したものですが,報告書全体から見ればやや細かすぎるかも知れません.採用されます場合には,報告書の文章の高遠なトーンに合わせて,適切なところに挿入して下さい.