核融合エネルギーの位置付け

化石燃料はここ100年程度の範囲では枯渇は予想されないが、化石燃料消費に伴う温室効果ガスの排出による地球温暖化現象が人類にとって大きな課題。
この様な認識の下、将来のエネルギー予測における環境対策を重視するシナリオ(下図)では、21世紀末には、エネルギー需給の主要部分は、核融合などの革新的エネルギーを含む非化石エネルギーで占められる可能性がある。
(「エネルギー需給及び代替エネルギーのフィージビリティーに関する検討報告書(平成12年6月)」より要約)


環境制約(二酸化炭素濃度規制)を行った場合の将来のエネルギー予測

核融合は、様々な産業・学問への波及効果を伴う、革新的エネルギーの有力な候補の一つであり、着実な開発が望まれる。
  • 実現すれば高いレベルの脱炭素化が可能な大規模基幹エネルギーとしてエネルギー供給の中核を担う可能性を有する。
  • 燃料資源は、海水中に豊富に存在し、技術的見通しがある。
  • 放射性物質は扱うものの、安全対策は比較的容易であり、需要地近接立地の可能性がある。
  • 現段階では、発電が実証されていない。今後、原型炉を経て実用化段階に至る計画の中で、ITERを核燃焼プラズマ制御と工学的実証を行う実験炉として位置付け、核融合エネルギー開発を推進する。
(「核融合エネルギーの技術的実現性、計画の拡がりと裾野としての基礎研究に関する報告書(平成12年5月)」より要約)