FESAC(核融合エネルギー科学諮問委員会)が1998年以降の
ITER活動に対する米国の取り組みについての報告書を提出
(背景)

○1996年9月及び1997年5月にエネルギー省(DOE)から核融合エネルギー科学諮問委員会(FESAC)に対して、1998年7月以降のITER活動への取り組み方等について検討するよう指示されていたもの
○FESACにおいては、専門家からなるパネルを設置して検討を実施。このパネルからの中間報告に基づき、10月23日(米国時間)にFESACとしての中間報告書がとりまとめられ、DOEに報告された。
○今後、この中間報告書も踏まえながら、DOEにおいて、今後のITER活動への取り組み方を踏まえ、1999年度予算案についての検討がなされていくことになる。


(報告書の主な概要)

○FESACは、「国際協力のパートナーと協力して、可能な限り早い時期に燃焼プラズマ実験施設を建設すべきである」というパネルの主要勧告を支持。この主要勧告を実施する場合の1999年度の活動資金としては、核融合エネルギー科学予算(総額250百万ドル)のおおよそ20%を割り当てることが適当。
○FESACは、この内数として、「延長期間中のITER基準設計に関する共同作業について、より低いレベルで参加すべきとする」パネルの提言を承認。 ○FESACは、「ITERの使命を満たす装置の建設の確約が得られない状況を踏まえ、コストとリスクと使命との兼ね合いを見つつオプションの検討をすべき」とするパネルの結論を承認。
○FESACは、「核融合エネルギー技術開発活動は核融合計画の目標をより広範に支えるよう再構築すべき」とするパネルの勧告と同意見。
○FESACは、「JETやJT-60Uにおける協力の増大の可能性を国際的な関係者と探るべきとする」パネルの提言を踏まえ、FESACは、プラズマの最適化による可能な限りのコスト低減を図るための物理的基礎や燃焼プラズマ物理の課題にねらいを定めた実験計画の活性化を勧告する



FESAC(核融合エネルギー科学諮問委員会)
の中間報告(概要)
1.背景

 

平成8年1月、FEAC(現FESAC)がDOEに、1996会計年度の大幅な予算削減を踏まえ、米国エネルギー省核融合計画の再構築に係る報告書を提出。

 

平成8年9月、DOEがFESACに、ITER建設に対する米国の参加について諮問を行う。

 

平成9年5月、DOEがFESACに、現行工学設計活動と建設の間の移行期間における米国の役割について追加諮問を行う。

 

2.勧告の概要

○米国のITERに対する勧告の柱は、以下の通り

「国際協力により可及的速やかに燃焼プラズマ施設を建設すべき」

○この勧告を実施するために、延長期間の3年間の活動として、以下の4要素を米国核融合戦略として提案

   
①他国に現存する大規模装置を用いて、エネルギーを産出する核融合プラズマ科学を支援する研究の機会を短期的に追求する
②核融合エネルギー計画の目標を幅広く支援するために、核融合エネルギー技術開発活動を再構築する
③現在進行中のITERの設計活動に、米国の支援レベルを下げて引き続き参加する
④低コスト化を図った核融合エネルギーを産出するプラズマ概念の設計を行う

○なお本報告書は、平成9年9月の大統領科学技術諮問委員会(PCAST)の報告書と平成8年のFEACの報告書の内容と資金規模を支持する。