資料第7−3号



ITER計画懇談会における議論とまとめ

(案)







― 目 次 ―




1.核融合研究開発の意義

  1−1 新しいエネルギー源としての意義
  1−2 科学技術としての意義
  1−3 社会的・経済的観点からの意義

2.ITER計画の意義

  2−1 ITER計画の核融合開発上の意義と位置付け
      (1) 核融合開発の段階的アプローチについて
      (2) ITER計画の目標設定について
      (3) 閉じ込め方式について
      (4) ITERの設計思想について
      (5) ITERの技術的実現可能性について
      (6) ITER計画の規模について
      (7) ITER計画における炉構造材料開発について
  2−2 ITER計画の科学技術上の意義
  2−3 ITER計画の社会的・経済的観点からの意義
  2−4 ITER計画に対する国際的視点
      (1) 国際協力プロジェクトとして進めることの意義
      (2) 国際政治の場におけるITER計画の意義


1. 核融合研究開発の意義
 1−1 新しいエネルギー源としての意義

懇 談 会 で の 議 論

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・核融合は、他のエネルギー源に比べて資源がほぼ無尽蔵で大きなエネルギ−が得られるという事から電力供給源の柱になるという期待がある。
・石炭や石油はエネルギー以外の付加価値も大きい。それを、今私達の世代で燃やすだけに使ってしまっていいのかといった、地球の環境倫理とかあるいは将来に資源を残すという視点も重要。
・核融合のエネルギー源としての見通しについて議論する必要がある。
・将来の人類のエネルギー源として、核融合に頼るしかないということがなければ、なぜ核融合かということの説明にならないのではないか。
・核融合しか将来のエネルギー源はないという結論が出なければ踏み切るべきではないという厳しい視点に対し、核融合の裾野が科学的な知見を広げるという面も含めて判断するという視点もある。
・エネルギー源としての議論には、資源量の議論だけでなく、核不拡散の問題、放射性廃棄物(種類、量)、安全性など総合的なインパクト、社会に与えるインパクトを考えた上で議論すべき。
・エネルギー供給・需要、可能なエネルギー源、環境等を含めた、基本的な議論を進め、その中で我が国の果たすべき役割、貢献、エネルギーセキュリティの問題等について議論を深めることが必要。
・人類がエネルギーを将来も使っていくには以下が必要。
  ・新しいライフスタイルの創出
  ・原子力、なかんずく核融合エネルギーの開発
  ・再生可能エネルギーを出来るだけ利用
・核の平和利用ということは避けて通れない。ただ反対するだけでなく、大丈夫だということ、この方向に平和利用をやるのだということ、日本は一番それを主張できるのではないか。
・核融合という新しいエネルギーの開発については科学史あるいは文明の集大成という視点からの捉え方ができるのではないか。



ま と め (案)

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【 まとめ 】

・核融合エネルギーは、豊富な資源量(主たる燃料(重水素)が地域に偏在しない海水からほぼ無尽蔵に採取可能)の観点から人類の恒久的なエネルギー源としての期待が高い。
・小資源国日本が、人類社会の懸案であるエネルギー問題に取り組むことは絶好の機会であり、科学技術創造立国日本として誇りの持てる課題である。
・大きなエネルギーが得られ、ニーズに対応した安定的な供給源として期待される。
・CO2の排出がなく、地球温暖化問題への対処が可能。
・固有の安全性(核分裂と比較すると制御が容易であり、反応が暴走しない)
・高い環境保全性(核分裂と比較すると廃棄物の取り扱いが容易)
・核拡散の心配がない。
● 将来のエネルギー供給源として有力な選択肢の一つと考えられる核融合の研究開発を推進する意義があると考えられる。

【 配慮事項 】

・核融合が実用のレベルに達するには長い研究開発期間を要するだけでなく、多くの資金、人材等も必要とする。
・将来のエネルギー源のベストミックスの構築に向けた検討が必要である。すなわち、他のエネルギーとの比較においては、資源量、その偏在性、供給量、核不拡散の問題、放射性廃棄物(種類、量)、安全性、など幅広い議論が必要である。
・核融合の実用エネルギー源としての見通しについての議論が必要。
・将来の実用エネルギー源として最適であると結論づけられなくても、核融合の裾野が科学的な知見を広げるという背景を含めて判断するという考え方も必要ではないか。
・次世代のエネルギー研究開発にどういう形で人材を養成していくかは考えなければならない問題。
・人間が潤沢なエネルギーを思うままに使った場合、精神面も含めた悪影響の面も随分あると考えられる。無限のエネルギーを我々が確保する事が本当にその子孫の為であるかどうかも考えるべき。



1. 核融合研究開発の意義
 1−2 科学技術としての意義
懇 談 会 で の 議 論

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・核融合は、科学にとどまらず、人類全体の課題に科学技術がどう貢献するかといった典型的なテーマの一つ。
・核融合は、学術・文化的にも重要な分野であり、新しい学問を構築していく上でも重要。
・核融合の開発というのは21世紀に残された数少ない未踏で非常に先進的な科学技術。
・新しい学問領域の開発という面では、核融合研究開発にはプラズマ科学、核融合科学、核融合炉工学など、種々のすそ野の広がる新しい学問領域があり、豊富な研究材料を提供し、現在発展しつつある。
・核融合に対する文化的・学問的な広がりが、人材養成、若い人への魅力につながる。
・核融合は、真理の探究といった学術的意味と同時にエネルギ−開発という事が強く期待されている。その意味で核融合は他のビッグサイエンスと性質を異にするところがある。
・将来のエネルギー源が核融合しかないという結論でなければITER計画を進められないということではなく、科学としての重要さも認識することが必要。
・核融合の推進が、科学技術レベルを押し上げるという意味も重要。
・とかく日本がいわれる技術ただ乗り論を払拭する意味でも、核融合のような非常に難しい技術にチャレンジするという事が大事ではないか。
・核融合研究は、エネルギー源の開発として計画の推進と、広範囲な学術としての基礎研究の両方を進めていくことが重要であり、どちらかだけを進めることは適当でない。

【 議論の主な論点 】

・科学技術としての核融合の側面、波及効果
・エネルギー源の開発と科学技術の推進の二つの側面からみた核融合



ま と め (案)

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【 まとめ 】

・科学技術のレベルを全体的に押し上げるといった効果がある。
・21世紀に残された数少ない未踏分野の一つであり、非常に先進的な科学技術であり、新しい学問を構築していく上で重要である。
・プラズマ科学、核融合科学、核融合炉工学といった新しい学問領域を産出すると同時に、豊富な研究材料を提供するといった側面を持っており、学術・文化的側面からも重要である。
・核融合研究に対する文化的・学問的な広がりが、人材養成、若い人への魅力につながる。
● 科学技術上も魅力が多い核融合研究開発を今後も積極的に推進する意義があると考えられる。

【 配慮事項 】

・核融合が真理の探究といった学術的意味を持つのと同時にエネルギー開発への強い期待があることは、他のビックサイエンスと性質が異なる。
・核融合研究は、エネルギー源の開発として計画の推進と、広範囲な学術としての基礎研究の両方をバランスよく進めていくことが重要であり、どちらかだけを進めることは適当ではない。
・核融合が持っている科学の中での位置や広がりと、その実際の応用は分けて議論すべきではないか。

【 参考資料 】

・プラズマ核融合技術の広がり(小沼通二「現代物理学」)



懇 談 会 で の 議 論

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1. 核融合研究開発の意義
 1−3 社会的・経済的観点からの意義
懇 談 会 で の 議 論

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・エネルギー問題が解決できれば人類社会の多くの問題に進歩が見られるのではないかと思われる。核融合開発が単に科学者の為のものという発想ではなくて、人間社会の底辺の問題にどう資するかという発想で進めるといったような社会科学の視点でも位置付けることが重要。
・核融合によるエネルギー問題の解決が、アジア地域での不安定要素である人口、エネルギー、環境破壊という問題をめぐる対立がもたらす緊張感への何らかの緩和作用となりうるのではないか。
・核融合は世界が直面する将来エネルギ−の確保という課題に立ち向かう極めて大きなしかも息の長い研究である。
・少資源国日本が人類社会のエネルギー問題に対応するというような考え方は世界にとって判りやすく、また人類社会にとって有益な発想であり、日本国民にとって誇りの持てる発想ではないかというふうに思う。
・科学技術の面で、世界あるいは人類社会にとってもっとも根本的な貢献をどうするのかということは考えるに値する非常に重要な課題であり、政策的、または知的な課題であると思う。
・核融合は、科学にとどまらず、人類の課題に科学技術がどう貢献するかといった典型的なテーマの一つ。
・人類的な問題として国際協力の視点が重要。日本の科学技術面での国際貢献は、政策的にも魅力的。
・とかく日本がいわれる技術ただ乗り論を払拭するという意味でも、こうゆう非常に難しい技術にチャレンジするという事が大事ではないか。それが国際的にも貢献しうる一つの道ではないか。
・エネルギー供給・需要、可能なエネルギー源、環境等を含めた、基本的な議論を進め、その中で我が国の果たすべき役割、貢献、エネルギーセキュリティの問題等について議論を深めていきたい。



ま と め (案)

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【 まとめ 】

・豊かなエネルギー源の開発は、人類社会が抱える多くの問題にも大幅な進歩を与える可能性がある。核融合エネルギーの開発が科学面のみでなく、人類社会の根本的な問題の解決に資するという社会科学の視点でも意義を持っている。
・核融合によるエネルギー問題の解決が、アジア地域での不安定要素である人口、エネルギー、環境破壊という問題をめぐる対立がもたらす緊張感への何らかの緩和作用となりうると考えられる。
・少資源国の日本が、核融合エネルギーの実用化で人類社会のエネルギー問題に対応するというような考え方は、世界にとって判りやすく、また人間社会にとって有益な発想であり、日本国民にとって誇りの持てる発想ではないか。
・核融合の研究開発は、科学にとどまらず、人類の課題に科学技術がどう貢献するかといった典型的なテーマの一つ。
・このような問題は日本一国の問題への対応でなく人類的な問題への対応であり、進める上では国際協力の視点が重要である。それが日本の科学技術面での国際貢献になる。
・国際的にも貢献する意味をもって、核融合のような非常に難しい技術にチャレンジするという事が大事である。このことが、とかく日本がいわれる技術ただ乗り論を払拭するという意味にも通ずる。

【 配慮事項 】

・原子力(核分裂)エネルギーの実用化の進展から考えても、核融合エネルギーが実用のレベルに達するまでには長い期間と資金の投入が必要であることの認識が必要である。
・他のエネルギーとの比較においては、資源量、その偏在性、供給量、核不拡散の問題、放射性の廃棄物(種類、量)、安全性、など幅広い議論が必要である。
・核融合という新しいエネルギーの開発については科学史あるいは文明の集大成という視点からの捉え方ができるのではないか。
・無限のエネルギーを我々が確保する事が本当にその子孫の為であるかどうかも考えるべきではないか。



2. ITER計画の意義
 2−1 ITER計画の核融合開発上の意義と位置付け
  (1) 核融合開発の段階的アプローチについて
懇 談 会 で の 議 論

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・核融合エネルギーの実用化へ向けて、科学的あるいは技術的に妥当なステップをどうやって組んでいけば良いかということは大きな議論である。
・次の原型炉に向けた全体戦略というものをもう少しはっきりしておく事が必要ではないか。
・実験炉、原型炉、実証炉といったステップしかないのか、それ以外の道筋が果たしてあるのか無いのかというのは検討しているのか。
・ 実用炉はもっと大きいものになるのか、それとも実験炉で実験したらもう少し小型化出来て、それぞれの地域で使えるものになるのか。実際に実用段階になった時の姿を想定しているのか。



ま と め (案)

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【 まとめ 】

○ 核融合の実用化までのステップ
 〔 実験炉 〕:核融合エネルギーの科学的、技術的可能性の実証
 〔 原型炉 〕:核融合反応による発電をプラント規模で実証
 〔 実証炉 〕:核融合発電炉の経済性を実証

・実験炉は、発電プラントの実証を行う原型炉の開発に先立って、必要な燃焼プラズマ物理及び炉工学技術の基礎を形成するためには不可欠なステップ。

○ 実験炉ITERの技術目標
 ・実際の核融合燃料(重水素とトリチウム)を用いた、自己点火と長時間燃焼(1000秒)の実証
 ・核融合炉に必要な工学技術の開発と総合試験を通しての炉工学技術の基礎の形成。
   自己点火 − 臨界プラズマ条件に次ぐ、実用化に向けて避けて通れない次の目標
   長時間燃焼− ・持続的核燃焼プラズマの確認(数十秒以上)
          ・プラズマの制御性の確認(約500秒以上)
          ・プラズマと炉壁の相互作用(100〜1000秒)
          ・炉内周辺機器の健全性確認(1000秒以上)
                             が必要

・ITERの技術目標である自己点火及び長時間燃焼の達成は、核融合エネルギーの実用化を実証する上で重要な目標。






2. ITER計画の意義
 2−1 ITER計画の核融合開発上の意義と位置付け
  (2) ITER計画の目標設定について
懇 談 会 で の 議 論

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・JT−60の次がなぜITERになるのか。ステップが飛びすぎの様な感じがする。
・ITER計画についていくつかの選択肢を議論し、代替案の有無を検討する必要があるのではないか。
・ITER計画というのは、次世代、次々世代までの計画であるので、次世代の人達に魅力のあるプログラムでないと続かないのではないか。ボトムアップのそうゆう人達の創意が生かされる様な計画であるべき。
・自己点火条件の達成は、核融合の研究開発上不可避なものであり、チャレンジング目標であることから、ITERの技術目標をこれに絞るという考え方もあるのではないか。
・点火実験だけを目的にして、出来るだけコンパクトで安く作る実験装置があってもいいのではないか。
・各国それぞれで分担して研究を進めるという方法は無いのか。一つのITERを作らないといけないのか。
・点火実験だけを目的にした実験装置、誘導放射化の少ない材料をテストする中性子源、その他にトカマク以外の更に先に進んだ先進的な実験装置の三つ位の計画をパラレルに進めてそれらの結果を最終的に集めて次の原型炉なり実験炉なりに近づけてく方法もあるのではないかという議論がされた経緯がある。
・バスケット方式(安い自己点火装置、材料試験装置、先進実験装置など複数装置による分担)が良いのではないか。全てをかかえたITERも一つの考えだが材料開発が抜けている。ITERをスリムにしても材料を進めるべきではないか。



ま と め (案)

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【 まとめ 】

・JT−60とJETで臨界プラズマ条件を達成した今、次の物理的な目標は自己点火プラズマおよび長時間燃焼制御となることから、ITERの技術目標である自己点火および長時間燃焼の達成は、核融合エネルギーの実用化を実証する上で重要な目標。
・自己点火の実験はどうしても核融合の実用化のための研究開発には避けて通れない大事なステップであり、この核燃焼プラズマの生成と制御という事が重要であるとともに、プラズマ燃焼時間については、核燃焼の持続、プラズマの制御、壁との相互作用、周辺機器の熱平衡、などの観点からやはり1000秒程度が必要。
・ITERで設定された目標は、いずれも核融合炉実現にとって回避できない研究開発課題であり、既存の実験施設では解決できないものである。設定された目標の一部を放棄すれば、別の設備で補う必要が生じ、開発コストと時間の損失を招く可能性が大きい。
・自己点火だけを目標とした装置が設計された例もあるが、次のステップである原型炉を考えたときに得られる知見が少なすぎる。
・プラズマ物理学・炉工学ともにITERの合理化につながる萌芽的、先進的研究成果はあるが、今設計に採用するにはリスクが大きい。R&Dを通して確証を得るまでにはかなりの年月がかかる(特に材料開発)。
・複数の装置で目標を達成しようとする場合、総合性能を確認する事が次の原型炉の課題として残る。特にプラズマ性能に関係する自己点火と長時間燃焼を個別の装置で研究した場合、その両立が次の段階で確認されない限り、実用化への目途が付いたとは言えない。



懇 談 会 で の 議 論

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ま と め (案)

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【 配慮事項 】

・バスケット方式(安い自己点火装置、材料試験装置、先進実験装置など複数装置による分担)との比較。全てをかかえたITERも一つの考えだが材料開発が抜けている。ITERをスリムにしても材料を進めるべきではないか。
・目標を決めたらこういう設計になると言う事だけではなく、もう少しチャレンジングな物理、技術両方の面で取り入れた時にはこういうサイズの、こういう性質、特徴を持ったITER計画が出来るという事もやはり考えておく必要があるのではないか。
・ITERの国際性は理解できるが、日本独自の目標設定及び設計といったものを考え、常に比較しながら計画を進めることも大切ではないか。
・国際協力でやると、それぞれの国のいろんな要求を入れて、どうしても大きくなってきて、こういう規模になってしまうという事はないか。

【 参考 】

・国際熱核融合実験炉(ITER)と第三段階核融合研究開発基本計画上の「実験炉」について(平成8年8月26日核融合会議承認)

 ITERは、…「第三段階計画」にいう自己点火条件(Q値20程度以上)及び長時間燃焼(1000秒程度の燃焼)を同時に達成することを目標としている。この技術目標は、現時点において我が国が原型炉以降に向けて必要な技術基盤を蓄積していくための「実験炉」の技術目標として適切である。…



2. ITER計画の意義
2−1 ITER計画の核融合開発上の意義と位置付け
(3) 閉じ込め方式について
懇 談 会 で の 議 論

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・ITERはなぜトカマク方式なのか。ヘリカルでも良いのではないのか。せっかく日本独自の技術でヘリカル型が、ここまで研究が進んでいるのならば、こちらに力を入れるという考え方もあるのではないか。
・トカマク方式の最大の技術的な課題というのは、プラズマの中に非常に大きな電流が流れているという事に伴い、その電流を制御して、安定に制御してしかもなおかつ定常的に長時間維持するということ。
・実験炉はトカマク型であるとしても、それだけに特化することなく他の閉じ込め方式へも配慮していくことが必要である。



ま と め (案)

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【 まとめ 】

・ヘリカル方式はまだ学術的な研究の段階であり、エネルギー開発を進める上で最もデータも多く、実用に近い方式がトカマクである。ITERにはトカマク方式が適しているが、将来の原型炉の設計にはヘリカル方式の成果を反映させ得る。
・とにかくエネルギーが技術的には取り出せる事を出来るだけ早くお示しをしたいというのがこのITERという実験炉で、いまの段階で科学的技術的に一番進んでいるトカマクで実証するのが適切である。
・国際協力で計画を実施する関係上、各極とも設計が進んでいる方式が最適である。

【 配慮事項 】

・トカマク方式の最大の技術的な課題というのは、プラズマの中に非常に大きな電流が流れているという事に伴い、その電流を制御して、安定に制御してしかもなおかつ定常的に長時間維持するということ。
・トカマクでこの計画が100%成功するかどうかは誰も言えない。実用炉までの道のりを考えると、教育も含めていろいろな広いバックアップ体制といったものが必要ではないか。
・核融合研究開発では補完的、先進的研究も併せて検討していくのが適切である。我が国が核融合分野においてエネルギー源としての実用化の開発と並行して、大学で学術的な広がりを持って基礎研究を行う形をとっていることは国際的にも評価されている。
・核融合研究における方式については選択肢を持って進むということが政策的に大変大事。
・日本としてサイエンスとエネルギーという観点から、両方やるというのが大事であるが、有限な財政的資源から考えるよう決められてしまった場合には、考え方が変わってくるのではないか。






ま と め (案)

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【 参考 】

・「第三段階核融合研究開発基本計画」(平成4年6月9日原子力委員会決定)より抜粋

 「1.研究開発の目的

 … これを達成するための研究開発の中核を担う装置として、トカマク型の実験炉を開発する。…」

 「2.研究開発の内容

 (1)炉心プラズマ技術

  2)その他の研究開発

  ii)トカマク型以外の装置

  トカマク型以外の装置は、今後の研究開発の成果によってはトカマク型を上回る閉じ込め実現する可能性を有していること、トカマク型装置による研究開発への貢献が期待されること、等からこれらの研究開発を進める。ヘリカル型装置については、大型装置による計画を着実に推進し、高性能閉じ込め状態の定常維持及び高ベータ値の達成に努め、ヘリカル型装置における閉じ込めの比例則の信頼性を高める研究開発を進める。また、逆磁場ピンチ型装置、ミラー型装置、コンパクト・トーラス型装置及び慣性閉じ込め装置についても引続きその研究を進める。

・国際熱核融合実験炉(ITER)と第三段階核融合研究開発基本計画上の「実験炉」について(平成8年8月26日核融合会議承認)

・「…ITERにおいては実施されない補完的あるいは先進的研究開発及び他の閉じ込め方式による研究開発も着実に推進することが必要である。」



2. ITER計画の意義
 2−1 ITER計画の核融合開発上の意義と位置付け
  (4) ITERの設計思想について
懇 談 会 で の 議 論

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・ITERが実験炉の段階である事を考えた時に、しかもかなりの時間とお金をかける時に、非常に保守的な設計になっているという性質のもので実験炉というものがいいのか。
・技術の進歩というのは失敗がなければ進歩しない訳であり、保守的であるという事は技術の進歩はないのではないか。
・目標を決めたらこういう設計になると言う事だけではなく、もう少しチャレンジングな物理、技術両方の面で取り入れた時にはこういうサイズの、こういう性質、特徴を持ったITER計画が出来るという事もやはり考えておく必要があるのではないか。
・自己点火条件の達成は、非常にチャレンジングな目標である。設計については、コストやリスクとの兼ね合いから現在のような多少保守的な設計になっている。
・プラズマ物理学・炉工学ともにITERの合理化につながる萌芽的、先進的研究成果はあるが、今設計に採用するにはリスクが大きい。R&Dを通して確証を得るまでにはかなりの年月がかかる(特に材料開発)。
・例えば極端な事を言えば、日本が独自で作ったらどういうものになるかといった、その国の特徴を生かした設計というものもあってのではないか。



ま と め (案)

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【 まとめ 】

・プラズマ物理学・炉工学ともにITERの合理化につながる萌芽的、先進的研究成果はあるが、R&Dを通して確証を得るまでにはかなりの年月がかかるものであり、今直ちにITERの設計に採用するにはリスクが大きい。
・自己点火条件の達成は、非常にチャレンジングな目標である。設計については、コストやリスクとの兼ね合いから現在のような多少保守的な設計になっているが、これは妥当。

【 参考 】

・「国際熱核融合実験炉(ITER)と第三段階核融合研究開発基本計画上の「実験炉」について」(第121回核融合会議(平成8年8月23日))
・「ITER計画を「実験炉」として位置付け、開発することが適当であるものと考える」
・「(p4)第三段階計画上に掲げられた「実験炉」の技術目標(Q値20程度)は、諸条件を保守的に評価した場合であっても達成されるものと考えられる。
 (p6)ITER計画のような大型かつ国際的にも政策的にも大きな意味を持つ計画に関しては、計画を成功に導くためには、確実さを追求することから保守的な設計とすることが現実的である。」

    Q:エネルギー増倍率=核融合出力/外部加熱入力



2. ITER計画の意義
 2−1 ITER計画の核融合開発上の意義と位置付け
  (5) ITERの技術的実現可能性について
懇 談 会 で の 議 論

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・初めに予想しているよりはるかに難しく、時間がかかると云う意見を聞く。
・非常に高度な技術で、想定しえないリスクというものが現時点で何らかの予測があるのか。
・計画開始当初における予想と現時点における技術開発の困難さへの認識の差と、その対応策は考慮しているか。
・外挿の過程に障壁は無いのか。それが乗り越えられるのか。
・材料の問題など技術的な見通しをもきちんと踏まえておく必要がある。
・単に要素技術だけの問題ではないので、システムとして作動する時の、今度はシステム論的な、全く新しい問題についても議論が必要。
・ 全体技術の進歩との相対において、こういうITERという実験炉を作るべきという意味付けをするべき。
・懇談会では技術的に出来れば良いという判断ではないように思う。わが国がこれだけ大きな費用を投じて、国民の負担に於いて、これを実際に取り組んでいくのか、現在の人間が未来の為にこういった事をやるのかという決断をしなければいけないという事であるから、いろんな問題がもっとあるはずである。



ま と め (案)

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【 まとめ 】

・これまでのJT−60等の実験から得た経験則などから総合的に見て技術的確立性は見通せる。
・トカマクのプラズマ性能は、過去約20年間に約千倍の進歩を遂げており、ITER実現の為にはあと数倍の延長が必要な段階。これまでの実験結果に基づく経験式に基づき、必要な閉じ込め性能が得られる妥当な大きさに設計されている。

【 配慮事項 】

・(材料などは)もっと技術が進むのを待つべきではないか。全体技術の進歩との相対において、こういうITERを作るべきという意味付けをするべき。
  → プラズマ物理学・炉工学ともにITERの合理化につながる萌芽的、先進的研究成果はあるが、今設計に採用するにはリスクが大きい。R&Dを通して確証を得るまでにはかなりの年月がかかる(特に材料開発)。
・懇談会では技術的に出来れば良いという判断ではないように思う。わが国がこれだけ大きな費用を投じて、国民の負担に於いて、これを実際に取り組んでいくのか、現在の人間が未来の為にこういった事をやるのかという決断をしなければいけないという事であるから、いろんな問題がもっとあるはずである。
・ITERの工学R&Dが実際に行われているのは、限られたキー・コンポーネントだけという事があり、それらを全部まとめたシステムとしての種々の検討も必要ではないか。システム・モック・アップの様なものも必要になってくるのではないか。
・単に要素技術だけの問題ではないので、システムとして作動する時の、今度はシステム論的な、全く新しい問題について議論が必要。
・全体技術の進歩との相対において、こういうITERという実験炉を作るべきという意味付けをするべき。



懇 談 会 で の 議 論

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ま と め (案)

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【 参考 】

・「国際熱核融合実験炉(ITER)と第三段階核融合研究開発基本計画上の「実験炉」について」(第121回核融合会議(平成8年8月23日))
・「ITERの建設及び運転に必要な技術は、多くの新規技術等の結集が予定されているが、現時点における国内的・国際的技術レベルから判断して、実現可能であると理解される。」



2. ITER計画の意義
 2−1 ITER計画の核融合開発上の意義と位置付け
  (6) ITER計画の規模について
懇 談 会 で の 議 論

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・スケジュールあるいは資金の規模を無理のないものとするべきである。また、研究開発においてもコスト意識を持って取り組む事が重要。
・ITERの大きなコストの積算・内訳はどうして出てくるのか。
・コストが大きくなると、どうしてもチャレンジングなものを入れずに、保守的になることはやむを得ない。



ま と め (案)

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【 まとめ 】

・装置の大きさは、現在得られている経験則から導かれている。装置を小型化するには、閉じ込めの改善、超伝導コイルの磁場強度の増加、炉壁材料の開発が必要であり、開発を待つには長い時間が必要。
・ITERは、その後の核融合エネルギーの実用化にとって重要な足がかりとなる。その重要性から考えて、物理的・技術的なリスクは下げておくべき。このような観点から装置の大きさが導かれている。

【 配慮事項 】

・各極とも財政の厳しい状況。もっとコストがかからないような規模に縮小すべきではないか。
・実用炉はもっと大きいものになるのか、それとも実験炉で実験したらもう少し小型化出来て、それぞれの地域で使えるものになるのか、実際に実用の段階になった時にどういう姿を描いているのか。(→ ITER以降、実用炉に向けては核融合炉は小さくする方向にもっていくことが想定されている。)  

【 参考 】

・「国際熱核融合実験炉(ITER)と第三段階核融合研究開発基本計画上の「実験炉」について」(第121回核融合会議(平成8年8月23日))
・「第三段階」の「実験炉」の技術目標を確実かつ効率的に達成するためには、現在の核融合分野の研究開発段階、実際に可能な材料等を勘案すると装置の規模を含めITERの仕様は適切であると考えられる。
・ITERの目標と設定値の妥当性(ITER計画懇談会第4回会合 資料第4−3号)



2. ITER計画の意義
 2−1 ITER計画の核融合開発上の意義と位置付け
  (7) ITER計画における炉構造材料開発について
懇 談 会 で の 議 論

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・ITERだけでいくと、材料の開発が結局は出来ないのではないか。
・ITER計画をもう少しスリムにしてでも、材料の計画を同時に進めていくという事が必要ではないか。
・点火実験だけを目的にした実験装置、誘導放射化の少ない材料をテストする中性子源、その他にトカマク以外の更に先に進んだ先進的な実験装置の三つ位の計画をパラレルに進めてそれらの結果を最終的に集めて次の原型炉なり実験炉なりに近づけてく方法もあるのではないかという議論がされた経緯がある。



ま と め (案)

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【 まとめ 】

・ITERの炉構造材料に関しては、これまでの照射実験により、316ステンレス鋼が予想されるフルエンスに対してその性能が十分に保証されている。
・原型炉用構造材料に関しては、更に高いフルエンスが予想されることから、実験炉で全ての知見を得るには困難なため、併行して研究開発に努めるべきである。尚、一部試験はITERで実施される予定である。

【 配慮事項 】

・材料開発に関してはITERと加速器の両者には一長一短があり、実際は材料やっている研究者は核融合の将来の実用の為には両方要るとされている。

【 参考 】

・「核融合会議による報告書(「核融合研究開発の推進について」(平成4年5月18日))」抜粋
・(p26)「原型炉で予想される高いフルエンスの中性子照射に耐えうる構造材料の開発を目指して、構造材料の中性子による損傷や寿命に関する基礎データを得る。長期間を要するこれらの研究開発については、第三段階から開始する必要がある。さらに、低誘導放射化材料の開発を進め、装置の放射化を低減するなどの安全性の一層の向上を図る。」
・第三段階核融合研究開発基本計画(平成4年6月9日)抜粋
・「高いフルエンスの中性子照射に耐える構造材料、ブランケット材料、計測・制御機器及び低放射化材料の開発を進めるとともに、中性子照射による材料特性等のデータの蓄積を行う」
・さらに、「中期的展望に立った核融合炉構造材料の開発の進め方について(中間報告)」核融合会議計画推進小委員会及びその中間報告を受けて組織された、「核融合炉構造材料検討ワーキンググループ」が構造材料開発のマスタープランを検討している。



2. ITER計画の意義
 2−2 ITER計画の科学技術上の意義
懇 談 会 で の 議 論

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・科学技術レベルを押し上げる効果
・ITERによって得られる技術成果の波及効果
・ITER計画は大変大きな計画であり、これが一般的な学術・技術に将来どれだけインパクトを持ちうるかの議論が必要。
・大型プロジェクトである為に、他の研究開発への予算的な圧迫が危惧されるので充分な配慮が必要。



ま と め (案)

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【 まとめ 】

・ITERによって得られる技術成果の波及効果。 (超伝導技術、ロボット、コンピュータ、耐熱材料、エレクトロニクス 等)
・研究者・技術者の育成

【 配慮事項 】

・大型プロジェクトである為の、他の研究開発予算への圧迫についての懸念。



懇 談 会 で の 議 論

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2. ITER計画の意義
 2−3 ITER計画の社会的・経済的観点からの意義
懇 談 会 で の 議 論

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・核融合開発が単に科学者の為のものという発想ではなくて、人類社会の底辺の問題にどう資するかという発想で進めるといったような社会科学の視点でも位置付けることが重要。
・科学技術の面で世界、あるいは人類社会にとってもっとも根本的な貢献をどうするのかということは考えるに値する非常に重要な課題であり、政策的、または知的な課題であると思う。
・エネルギー供給・需要、可能なエネルギー源、環境等を含めた、基本的な議論を進め、その中で我が国の果たすべき役割、貢献、エネルギーセキュリティの問題等について議論を深めていきたい。
・科学的な問題だけでは解決しない問題があって、どちらかといえばOut of Science のところで判断しなければならない部分が大きいのではと思う。
・ITERについては、短期的な景気対策、経済浮揚効果の観点からの議論ではなく、長期的な観点から重要性を考慮すべきであり、公共事業的効果を期待することは適当ではないのではないか。



ま と め (案)

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【 まとめ 】

○活性効果
 ・原子力従事者、若人、人材を育成する大学・研究機関へ多くの研究材料を提供
 ・日本経済の活性剤

○リーダーシップの涵養
 ・国際メガプロジェクトの実質的取りまとめの絶好の機会

○国際貢献
 ・世界と連携して進めるプロジェクト
 ・人類的な大きな課題に率先して当たることによる、アジアをはじめとした世界からの社会的評価の獲得



2. ITER計画の意義
 2−4 ITER計画に対する国際的視点
  (1) 国際協力プロジェクトとして進めることの意義
懇 談 会 で の 議 論

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・人類的な問題として国際協力の視点が重要。日本の科学技術面での国際貢献は、政策的にも魅力的。
・核融合については、国際的協力により行うことが重要であり、日本のためだけになるような計画の進め方は避けるべきである。
・ITERを国際プロジェクトとして進めていく上で留意すべき点は何かについて議論を進めることが重要。
・計画段階から他の国々と伍して議論を進めていくことがとても重要ではないかと、国際政治の観点からも思う。
・ITERは世界で初めての四極による設計段階からの国際共同事業であり、希有な例。
・国際協力でやると、それぞれの国のいろんな要求を入れて、どうしても大きくなってきて、こういう規模になってしまうという事はないか。
・日本が主体性を持った国際協力をやってみたらどうか。この場合、日本がイニシアチブをとって、条件を提示するという事が非常に大事になってくる。
・こういう大型のプロジェクトは、これまで、だいたい日本の立場としては受け身に終始してきたことが多くて、積極的にイニシアチブを持ってこういうプロジェクトに加わるということは大変大事なことだと思う。



ま と め (案)

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【 まとめ 】

・研究規模の拡大、効率的研究の推進および開発リスクの低減が可能。
・人類的な問題として国際協力の視点が重要。日本の科学技術面での国際貢献は、政策的にも魅力的。
・ITERは世界で初めての四極による設計段階からの国際共同事業である。
・核融合については、国際的協力により行うことが重要であり、日本のためだけになるような計画の進め方は避けるべきである。
・こういう大型のプロジェクトは、これまで、だいたい日本の立場としては受け身に終始してきたことが多くて、積極的にイニシアチブを持ってこういうプロジェクトに加わるということは大変大事なこと。

【 配慮事項 】

・他極の状況によって計画の進行が影響を受け、計画が遅れる原因となる。日本独自のプロジェクトとした方が効率的な場合もある。
・国際協力でやると、それぞれの国のいろんな要求を入れて、どうしても大きくなってきて、こういう規模になってしまうという事はないか。
・日本が主体性を持った国際協力を行ってはどうか。この場合、日本がイニシアチブをとって、条件を提示するという事が非常に大事。
・ITERを国際プロジェクトとして進めていく上で留意すべき点は何かについての議論を進めることが重要。



2. ITER計画の意義
 2−4 ITER計画に対する国際的視点
  (2) 国際政治の場におけるITER計画の意義
懇 談 会 で の 議 論

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・ITERは世界で初めての四極による設計段階からの国際共同事業である。
・国際的な中ではじめて主導権をとって日本がどこまでできるかが課題。
・日本がITERについてリーダーシップを発揮することは、今後の国際プロジェクト推進のための大きな経験が得られる。
・ITERは21世紀に入るとますます盛んになると思われるグロ−バルな国際事業の一つの試金石になる。
・とかく日本がいわれる技術ただ乗り論を払拭するという意味でも、こうゆう非常に難しい技術にチャレンジするという事が大事ではないか。それが国際的にも貢献しうる一つの道ではないか。
・世界が抱える問題に対する解決の可能性を参加国が団結して探求しようとする国際協力の努力が有する政治的な意義。
・今後、国際政治的な「大協調・大和解」の時代を迎えていく中で、四極が開発を担当し、他の地域が実用に供していくという視点も、ITER計画の検討に当たって重要ではないか。
・四極でやっているという点で、「大協調・大和解」といった国際政治的な面も当然無視出来ない大きな問題。四極が押すリ−ガルエンティティ−として定められる時にその事はすぐ問題になる。
・エネルギー問題を通しアジア・太平洋諸国とどのような役割をもっていくかといった視点が、我が国がITERの問題を考えるうえで必要。
・大型プロジェクトについては財政的に厳しい状況であるが、国際競争力を付けるべくメリハリをつけた財政構造改革が必要。国際貢献においても、日本が国際社会の一員としてどういう役割を果たしていくかについての主張のようなものをどこに取るかが大切。逆にこの分野でやらないのなら、どのような分野でそれをやるのかという議論を市民社会ないし専門家に投げかけることも必要。



ま と め (案)

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【 まとめ 】

・国際的な中で、我が国がはじめて主導権をとってどこまでできるかという、得難い機会である。
・日本がITERについてリーダーシップを発揮することは、今後の国際プロジェクト推進のための大きな経験が得られる。
・とかく日本がいわれる技術ただ乗り論を払拭するという意味でも、こうゆう非常に難しい技術にチャレンジするという事が大事である。それが国際的な貢献になる。
・世界が抱える問題に対する解決の可能性を参加国が団結して探求しようとする国際協力の努力が有する政治的な意義があると考える。
・ 国際協調と国際競合によって積極的・主導的な国際貢献につながる。

【 配慮事項 】

・今後、国際政治的な「大協調・大和解」の時代を迎えていく中で、四極が開発を担当し、他の地域が実用に供していくという視点も、ITER計画の検討に当たって重要。
・エネルギー問題を通し、我が国がアジア・太平洋諸国の中でどのような役割をもっていくかといった視点が、ITERについて考えるうえで必要。
・国際貢献においては、日本が国際社会の一員としてどういう役割を果たしていくかについての主張のようなものをどこに取るかが大切。