資料第3−1号


第2回 ITER計画懇談会議事要旨(案)


1.日 時   平成9年4月9日(水) 13:00〜15:00

2.場 所   科学技術庁第1、2会議室

3.出席者
(原子力委員)
田畑委員、藤家委員
(専門委員)
飯田委員、飯吉委員、伊藤委員、井上委員、猪口委員、大河原委員、 木田委員、クラーク委員、伊達委員、苫米地委員、中里委員、那須委員、増本委員、宮委員、宮島委員、森委員、吉川(弘)委員、吉川(允)委員
(事務局)
今村長官官房審議官、田中核融合開発室長

4.議題
(1) 今後の検討の進め方について
(2) 核融合の魅力と技術的課題について
(3) その他

5.配布資料
資料第2−1号 第1回ITER計画懇談会議事要旨
資料第2−2号 ITER計画に関する主な論点について(案)
資料第2−3号 ITER計画懇談会の今後の検討の進め方について(案)
資料第2−4号 核融合の魅力とITERの技術的見通し

6.概要
(1)
資料2−1号に基づき前回の議事要旨が確認され、了承された。
(2)
会議の冒頭座長より、今回は前回に引き続き、検討の論点についての議論を深めるとともに、核融合及びITERについての理解を進めるためのものとしていきたいとの発言があった。
(3)
ITER計画に関する検討の論点に関し、前回欠席した委員より意見が述べられるとともに、資料2−2号に関し、各委員から述べられた意見の概要は以下の通り。

  ・
先進各国の科学技術関係の政府出資の研究費は大凡GDP比1%というところ。我が国は未だこの水準に到達していないものの、1%が到達された場合であっても、ITERを我が国に誘致するとなると、その内の2から3%を長期に亘り投入することになることになり、予めその点について十分な議論と認識が必要。

  ・
核融合開発やITER計画を進めることを前提とした議論を行うのではなく、なぜ核融合開発を進めるのか、また、なぜITER計画を実施することが適切であるのかについて誠実な議論が必要。その上で、将来核融合開発に頼るしかないということであるのかについて検討が必要。

  ・
核融合の長所、短所の双方を見極めることが必要であるが、短所については如何に克服できるかを示すことが必要。

  ・
ITER計画については、本懇談会は中間的評価の役割を持っているのではないか。今後の計画に関する適切な助言を与えるという観点からの検討が重要。

  ・
長期の腰を据えた施策の展開が必要。国家的技術開発に当たっての人材育成の重要性を認識し、その育成に如何に取り組んでいくのかについて議論することが必要。

  ・
核融合については、国際的協力により行うことが重要であり、日本のためだけになるような計画の進め方は避けるべきである。

  ・
ITERを国際プロジェクトとして進めていく上で留意すべき点は何かについて議論を進めることが重要。

  ・
国際情勢の中での対日感情がどの様なものかという点も重要な視点ではないか。

  ・
核融合は、学術・文化的にも重要な分野。新しい学問を構築していく上で核融合開発は重要。将来のエネルギー源が核融合しかないという結論でなければITER計画を進められないということではなく、科学としての重要さも認識することが必要。

  ・
核融合による新しいエネルギー開発については科学史あるいは文明の集大成という視点からの捉え方ができるのではないか。

  ・
核融合についてはこれまでの核分裂とは本質的に異なった組織論が、研究体制・業務の実施体制に必要。情報の取り扱いを含め民主的な考え方を達成しなければならないのではないか。

  ・
核融合に対する科学的探求の観点からの議論と、エネルギー源としての観点からの議論を並行させることが適当であろうか。

  ・
新しい技術を導入する際の事故、安全の問題に関し十分な議論が不可欠。

  ・
大型プロジェクトについては財政的に厳しい状況であるようであるが、国際競争力をつけるべくメリハリをつけた財政構造改革が必要ではないか。

  ・
専門家の判断の独立性と市民社会との関わりをどう考えるかについて検討することが新しい技術を導入する際に必要なのではないか。

(4)
座長より、人材についての論点を項目として設けること等、今回委員より指摘された事項を加え、事務局にて論点を整理し、次回会合に提出するよう要請がなされた。また、論点については、議論を進めていく過程で必要に応じて追加・修正を行うこととした。

(5)
資料2−3号に基づき、事務局より今後の検討の進め方について説明がなされた。座長より、今後の検討の進め方については、次回以降改めて議論していく旨発言があった。

(6)
資料2−4号に基づき、日本原子力研究所鹿園理事よりITERの技術的課題と現状に関する説明が行われた。その後質疑が行われ、ITERにおいて達成すべき技術的課題の内、特に日本が貢献している部分に関する質問がなされ、超伝導コイルの試験、遠隔操作方式等について説明が行われた。

(7)
次回は、5月9日(金)に開催し、引き続き核融合、ITERの意義について議論を進めることとされた。