9 結論
9.1 中間設計報告書の承認とそれに引き続いて行われた共同中央チーム内の設計レビ
ューの後、ITERトカマクの主な機器の設計は確定された。この結果の「ポイン
ト・デザイン」は、EDA協定の目的を満たすために必要な技術情報をえることを
目指して共同中央チームと産業界の支援を得た各極のホームチームが分担している
詳細設計活動のベースとなった。中核部分であるトカマクを取り囲むITERシス
テム全体を最適化することに重点が置かれた。中間設計報告書パッケージへの各極
のコメントについては、特に物理面の評価、安全性と環境受容性、及び運転シナリ
オの柔軟性、遠隔操作の性能について、進行中の作業に反映されている。中間設計
報告書パッケージの中に示されたサイト設計仮定の別オプションについては、その
技術的可能性とコストへの影響の評価を行っている最中である。
9.2 下記の少数の高度な設計上のオプションが概念段階のままとなっている。
9.3 現在の核融合実験と関連する理論的研究の結果との照合に基づくプラズマ特性と
運転シナリオの評価では、原理的に、ITERが必要な特性を出し目標を達成する
ことを否定する制約を何一つ提示していない。最適なプラズマパラメータの値にお
いては、ITERでの自己点火は高い確率を持って実現される。現在の経験をIT
ERの寸法とパラメータに外挿することには不確実性が伴うことは避けられないが、
要求させる中性子束とフルエンスをむ満たすための約1MW/m2の14MeV中性
子の達成については、最大10万kWの外部加熱を与えることによりある程度の不
確定さはあるものの実現の保証を与えている。各極は自主的貢献の物理R&Dによ
って、不確定性をさらに狭めるための主要物理データを得ることに焦点を絞った物
理研究を実施している。
9.4 統合された設計と計画により、トカマクと周辺施設の配置の最適化や、構成機器
の正確な設置、必要な試験と制御の手順、及び組み建て期間を合理的な長さに納め
るための並行作業からくる制約を満たすトカマク組み立て手順の確立に著しい進展
があった。運転の稼働率を最大にするための遠隔操作の組み立て性能や保守性能に
も著しい進展があった。
9.5 ITERの工学R&DFは現在7つの大きなプロジェクトに集約されている。これ
らにより、適用可能な技術の開発と実証、関係する品質保証を伴った構成機器原型
の製作による産業技術の開発と確証を含めたITER設計の主要な事項を裏付ける
ことができると期待される。これらの原型(試験体)の運転裕度を確かめ、運転の
フレシキビリテイを最適化するために、試験計画は、より長い期間が必要となるだ
ろう。これらのR&D計画は複数極の貢献を行い大きな産業界の内容を含む典型的
な多段階活動である。これらのプロジェクトから得られる成果は、ITER設計の
妥当性に直接的な確証を与えるとともに、コスト評価を具体化することに役立って
いる。同時に、これらのプロジェクトは、複数極にわたる大規模で複雑な事業の実
例として、共同建設活動の先駆けとして、大きな重要性をゆうする。
9.6 ITER設計に対するサイト非依存安全性、及び環境に関する初めて総括的な評
価作業が最近完了した。これはホストとなることが見込まれる極が、安全性と環境
に関してサイトの審査を行うために利用できる統合されたプラント・レベルの安全
性評価である。ITERはどの極にも建設可能であるべきとの一般的な目標にたい
して、この解析は、仮想事故に対する深層防護及び多重防護という十分確立された
概念を適用することにより、ITERの設計が強固な安全性を与えるものであると
をしめしている。仮想的な「最悪事故 」という極端なケースに対しても、サイト外
部の避難不要性という条件は満たされている。詳細設計と関連R&Dの作業がさら
に進展するに伴ってこの評価は強化、詳細化される予定である。最終設計報告書に
記載される予定の新しい解析は、ホスト極の規制手続きに必要な安全性と環境上の
情報を与えるものとなろう。
9.7 ITERのコストとスケジュールの評価は、中間設計報告書の解析を基礎として
更新された。コストの更新は中間設計報告書からの設計変更と中間設計報告書以降
に新しい情報が入手できた機器やシステムが中心である。総計コストには実質的な
変更はない。さらに、設計の進展は、コスト増加のあらゆる原因に対して下方修正
を求める「コストを意識した設計」のアプローチのもとで今後見直さなければなら
ない。こすと見積の完全な評価は、各極の産業界による詳細なコスト調査の結果を
用いて最終設計報告書に向けて行う予定である。これに基づいて建設と調達の方法
についての作業仮定に沿って評価された最終的なITERコスト見積が作成される
ことになる。建設スケジュールは、クリティカルな項目の理解が進んだことを反映
して中間設計報告書から更新した。そのスケジュールでは、依然としてファースト・
プラズマを2008年に予定している。そして、規制の手続きに期間がスケジュー
ルの重要項目であることには変わりがない。全体計画を維持できるか否かは、建設
チームの迅速な立ち上げとEDA後の不必要な空白期間の回避に大きくかかってい
る。また、大量の超伝導素線の生産の早期着手が最も重要であり、十分な能力を保
証するための詳細な調査がひつようである。
9.8 設計及び関連する物理及び工学R&Dにおいて中間設計報告書以降に実施された
作業により、ITERの主要な要素について採用した概念と設計手法が正しいもの
であることが確認された。最近の設計作業は、中核機器の周辺で全体システムレベ
ルでの最適化に集中してきた。ITERの詳細設計作業の関連R&Dは共同中央チ
ームと各極ホームチームにおいて、はっきりと定義された共同作業計画に沿って次
の主要マイルストーンである最終設計報告書に向けて今や全力で進展している。各
極の指示と約束が継続されることにより、ITER・EDAはその残された期間で
建設の参加者に工学設計とパラメータとコスト評価に十分な確信をもっと建設の決
定を行うに必要な技術的情報の確固とした基礎を与えると確信する。効率的な建設
活動を実現するために必要な適切なアクションを早期に取る配慮をすることが必要
である。