核密輸問題について

1.概要
ドイツにおける核物質密輸の摘発(94年(平成6年)8月)などが相次いだことから、核物質密輸に関する国際的懸念が拡大。
(注)・350gのプルトニウム239がミュンヘン空港でモスクワ発定期便から押収(94年8月10日)
  ・トルコ警察が12gのウラニウムを所持していた7人のトルコ人を逮捕(94年7月) 他
IAEA総会(94年9月)及びIAEA理事会(95年3月)において取り上げられ、核物質密輸防止策を検討するための会合が設置され、95年8月以来、密輸に関するデータベースを作成。
G7+ロシアの8カ国による不拡散専門家会合においても、94年11月から核物質密輸に関する本格的な協議を実施。
95年6月のハリファックス・サミットの議長声明に、「核密輸の危険性を認識し、核物質管理体制の強化やIAEA、INTERPOL等を通じて核物質の盗難、密輸と戦うための国際社会の能力強化を決意」の旨記述された。
核密輸に対処する努力拡大を目的として、技術専門家間での非公式な連絡や技術的協力を行う核物質密輸国際技術ワーキンググループ(ITWG)を組織。密輸核物質の法分析の能力の現状評価及び法分析能力向上のための諸活動の特定を行っている。
サミット声明を踏まえ、G7+ロシアによる会合を通して核物質密輸防止プログラムを作成、96年4月の原子力安全モスクワサミット時に同プログラム各旨脳のエンドースを受けて発出された。
96年6月リヨン・サミットでの議長声明において、仏がG7+ロシアを代表して他の国に「核物質密輸防止プログラム」への参加要請を行うこと及び同プログラムの実施のための会合を早期に開催することが合意。
97年6月のデンバーサミットにおいては、情報交換のための連絡体制等がエンドースされるとともに、参加国拡大のための会合を開催することが確認された。参加国拡大会合は97年11月に開催された。

2.我が国の対応
我が国は調査団を独に派遣(94年9月)し、情報収集、意見交換を実施。
我が国は国際的な核不拡散体制をより一層強化すべきとの立場を取っており、今後ともIAEA及びG7+ロシアにおける核物質密輸問題に対する取り組みに積極的に協力。

(参考)
(1)IAEAでの検討状況
94年9月、IAEA総会で核物質密輸防止策を検討するための専門家会合を設置。
94年11月、専門家会合の開催。
95年3月、IAEA理事会で、各国の核物質防護要員の研修訓練協力、密輸に関するデータベースの構築等核物質の密輸を防止するための具体策が了承。
95年5月、データベース構築に係わるIAEA会合の開催。
95年8月、核物質密輸データベースの作成開始。
(2)G7+ロシアの8カ国による検討状況
95年5月、8カ国の専門家によるアドホック会合開催。「全体会合」、「税関関係者会合」、「情報関係者会合」で情報交換の枠組み等について検討。
核物質密輸防止プログラムの策定。
96年4月、モスクワ原子力安全サミットにおいて核物質密輸防止プログラムをエンドース。
97年6月、デンバーサミットにおいて情報交換のための連絡体制等プログラムの具体的な実施事項をエンドース。
(3)技術専門家レベルでの検討
95年11月、核物質密輸法分析に係わる国際会議を米国リバモアで開催。
本会合での「国際的な技術協力のための継続的なフォーラムの設立が望ましい」との合意を受け、ITWGを組織。
96年1月、第1回ITWG会合をドイツ・カールスルーエで開催。