資料9−1

原子力委員会原子力国際協力専門部会(第8回)議事要旨



1.日 時
平成9年3月26日(水) 15:00〜17:00

2.場 所
科学技術庁第7会議室(通商産業省別館9階)

3.出席者
(原子力委員)
田畑委員、藤家委員、依田委員
(委 員)
植松部会長、安委員、飯田委員、池亀委員、稲葉委員、大山委員、草間委員、國廣委員、下山委員、鈴木委員、手島委員、永井委員、西野委員、松浦委員、真野委員、三石委員、山本委員、黒沢委員
(説明者)
日本原子力研究所国際協力室長 海江田氏
(科学技術庁)
中村原子力局調査国際協力課長、瀬山原子力安全局保障措置課長
(外 務 省)
遠藤総合外交政策局科学原子力課長
(通商産業省)
長谷川資源エネルギー庁国際原子力企画官

4.議 題

(1)アジア地域原子力協力国際会議について
(2)アジアに関する全般的な意見交換
(3)核不拡散・保障措置における我が国の対応に関する意見交換
(4)今後の検討の進め方について
(5)その他

5.配布資料

資料8−1 第7回原子力国際協力専門部会議事要旨
資料8−2 原子力委員会専門委員の任命について
      (第18回原子力委員会資料)
資料8−3 アジア地域原子力協力国際会議について
資料8−4 日本原子力研究所における国際協力について
      〜日本原子力研究所 海江田圭右氏 発表資料〜
資料8−5 核不拡散、保障措置を巡る動向、論点
資料8−6 原子力国際協力専門部会 ワーキング・グループの設置について(案)

6.議事概要

  ○
植松部会長よる開会に引き続き、配布資料の確認、前回議事要旨についての確認が行われた。
  ○
資料8−2に基づき、部会長より、本専門部会委員として新たに黒沢満氏(大阪大学教授)及び栗原弘善氏((財)核物質管理センター専務理事)を追加する旨の説明があった。



(1)アジア地域原子力協力国際会議について

  ○
資料8−3に基づき、事務局より説明があり、これを踏まえて委員より次のような意見が出された。

  ・
はじめに、第12次東南アジア原子力協力代表団((社)日本原子力産業会議、平成9年2月12日〜26日)の団長を務めた安委員からその感想を含めた意見が述べられた。
 1)
アジア地域では、めざましい経済発展に伴い、原子力の研究開発も急速に進展し、5〜6年前頃から具体的な計画が進みつつある。但し、各国の実状・ニーズは異なり、研究開発の取り組み方は国によって異なっている。
 2)
インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピンなどでは、原子力発電の導入は目前の問題として真剣に考えるべき時期に入っている。従来は、RI、放射線利用、研究炉利用分野の協力が中心であったが、原子力発電ではこれまでと違った協力が必要となっている。
 3)
アジアの中の日本がどうあるべきか。アジア各国が異なる宗教、文化、価値観を持つ中で、日本は地域の原子力開発利用について何ができるのか、何をなすべきか考える必要がある。

  ・
後の議題でWGの設置について議論するようだが、その際、次の2点も検討する事が重要。
 1)
日本の核燃料サイクル政策について国民の理解を得るための情報公開が行われているが、国外への公開も重要。アジアとの協力に重心が変わっていく段階で情報公開を進めるべき。特に、中国、韓国との協力の推進にあたっての障壁は何かを整理すべき。中国は、高速炉、再処理、HTGR等、韓国は、廃棄物、使用済燃料管理等が興味対象と考えられる。
 2)
最近議論されているアジアトム構想に関しては、安全確保・核不拡散に対する枠組みのあり方として、ユーラトムのようにはできないとしても、どう進めて行くか議論すべき。アジア地域原子力協力国際会議を発展させるというアイデアやAPECエネルギー作業部会を利用するアイデア等がある。

  ・
アジアの原子力発電に関する議論では、韓国、中国、台湾、インドネシアを含むことになろうが、日中韓の三国がどのように協力していけるかが基本的な問題と考えられる。これらの国との十分な意見交換によって、協力の方向を明確にしておかないと、様々な障壁が出てくるのではないか。

  ・
今年1月の韓国では、台湾の低レベル放射性廃棄物の話題は盛んだったが、使用済燃料の問題に対する切迫感はなかった。中国、韓国も、日本が経験してきたように低レベル廃棄物問題の次に使用済燃料の問題に対する意識が高くなってくるだろうが、その中で日本がどのステップにどうタイミングを合わせて協力してくべきか考えるべき。

  ・
何をなすべきかと何ができるかは分けて考えるべき。タイムスケジュールを考えて、短期、長期目標に応じて、何ができるかを議論していくことが重要



(2)アジアに関する全般的な意見交換

  ○
資料8−4に基づき、松浦委員の発言及び国際協力室長海江田氏からの説明があり、また、松浦委員から、原研の協力は、研究開発のギブ&テイクができることを前提とし、次の世代に貢献するものを目指しており、人材養成に注力している旨補足があった。これらに対して次のような意見交換が行われた。

  ・
原研が中国核工業総公司と行っている放射性廃棄物に関する協力は、浅地中処分に関する研究であり、うまくいっている例だと思うが、原研が長期滞在して指導して研究を進めていることが功を奏している。

  ・
STA交流制度やJICAの人材養成プログラムは継続が重要。また、研修等の人材のフォーローアップに関しては、各国の風習により実践の仕方が異なるため、自国でいかに活用し発展させているかは興味深い。例えば、インドネシアでは、自身の地位を維持するため、研修等で得た成果を他人に教えない雰囲気があり研修の成果が普及しにくい。このため多くの人間を教育するしかない。



(3)核不拡散・保障措置における我が国の対応に関する意見交換

  ○
資料8−5に基づき、事務局より説明があり、これに関して次のような意見交換が行われた。

  ・
原子力基本法との関係で、透明性の確保により国際的安心が得られることが重要。それが分かる説明資料とすべき。また、日本の保障措置に関する資料も用意して欲しい。

  ・
保障措置技術開発に関し、原研では国内の人材確保が悩み。通常の原子力開発と異なり、大卒者がすぐにできる領域でなく、また、他の分野からの人材も十分に確保できない状況であり、今後、WGで議論願いたい。



(4)今後の検討の進め方について

  ○
資料8−6に基づき、事務局より説明があり、これに関して次のような意見交換が行われた。

  ・
医療分野での原子力利用は、人に有益なものとして身近に感じられ、協力的な対応を得やすい。広い観点で、アジアの中での原子力利用の社会的な受入の経路として医療協力を取り上げるべき。

  ・
核不拡散WGにおける「核不拡散に係る主要な原子力政策」については、日本の政策が中心となると考えるが、詳細はWGで議論していきたい。

  ・
WGの議論では、原子力発電が既存の北東アジア、今後の導入が検討されている東南アジア、NPT非加盟のインド・パキスタン、台湾など、分けて考えるのが良い。

  ・
核不拡散は、当該国・地域と日本との関わりだけでなく世界全体の文脈で考えるべき。

  ・
原子力発電導入に関する国際協力については東南アジアとの関係が深いが、メーカーから見た国際協力は、中国は技術や炉型選定、インドネシアはとにかく資金、というように異なる。また、人材の転職や流出を防ぐために現地法人を作り、インセンティブを与えるなど工夫しているが、人材育成のフォローアップは難しい。

  ・
WGで、資金協力についても検討する場合、原子力発電の導入に対してはODAが使えないので難しい議論になるだろう。

  ・
国際協力WGでは、供給サイドとして日本原子力発電(株)のメンバーが入っているが、9電力のメンバーがいないことが良いのかどうかわからない。また、資金面等の裏づけのある議論ができるメンバーは必要ではないか。



(5)その他

 部会長より、2つのWGは、必要な手続きができ次第開催することとされた。次回は旧ソ連、中・東欧地域に対する国際協力について議論を始めることとなった。次回は6月2日(月)15:00〜17:00に開催することとし、閉会した。