資料第10-3号

放射線利用推進専門部会(第9回)議事要旨(案)

1.日時  平成10年6月30日(火)14:00~17:00

2.場所  通商産業省別館第939会議室

3.出席者

(原子力委員)藤家委員長代理、木元委員、遠藤委員
(専門委員)石榑部会長、碧海委員、氏平委員、大森委員、長見委員、坂本委員、佐々木委員、武久委員、内藤委員、中沢委員、中村委員、難波委員、宮本委員、森委員
(科学技術庁)山下研究技術課長

4.傍聴者等
(一般傍聴者) 3名
(報道関係者) なし

5.議題
(1)国立研究所の放射線利用に関する新規課題の事前評価結果について
(2)その他

6.配布資料
  資料第9-1号   「放射線利用推進専門部会専門委員名簿」
  資料第9-2号   「放射線利用推進専門部会(第8回)議事要旨(案)」
  資料第9-3号   「放射線利用推進専門部会における研究評価に関する考え方について」
  資料第9-4-1号 「平成11年度新規課題(環境庁)」
  資料第9-4-2号 「平成11年度新規課題(厚生省)」
  資料第9-4-3号 「平成11年度新規課題(農林水産省)」
  資料第9-4-4号 「平成11年度新規課題(通商産業省)」

  参考資料      「RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について」

7.議事概要
(1)まず、委員の変更について事務局から紹介された。
(2)事務局より、前回議事要旨(案)の説明があり、原案どおり承認された。
(3)国立研究所の放射線利用に関する新規課題の事前評価結果について
①環境庁
 環境庁から、資料第9-4-1に基づき、新規課題2課題の事前評価の結果について、報告があった。これに対し以下のような質疑応答があった。
<1.トランスジェニックマウスを用いた環境発がんにおける酸化的ストレスの関与に関する研究>
・環境放射線は線量が小さすぎて発がんしないから、どれくらい線量を当てるのか。
→モデル実験で感受性を調べたい。できるだけ低い線量で実験したい。

②厚生省
 厚生省から、資料第9-4-2に基づき、新規課題9課題の事前評価の結果について、報告があった。これに対し以下のような質疑応答があった。
<1.超短半減期核種の新規導入反応の開発及びPET用イメージング剤への応用>
・現場の人たちと連絡をとりあがら研究をして欲しい。

<3.γ線照射による穏やかな重合を利用した精密な放出制御機能を有する刺激応答性薬物送達システムの設計>
・グラフト重合については、原研や近大などでいろいろ研究が成されてきたが、それらとの違いは何か。
→生分解性ハイドロゲルを使い、体内に後で残らないものを作ろうとする。

<2.血液脳関門を透過する放射性組み換え抗体の開発>
・標識抗体を臨床で使うことは日本は遅れている。一般のがんの抗体に標識する方が重要であると思う。病院や、厚生省の研究所等の現場のニーズにあった研究をして欲しい。

<8.輸血を目的とした血液への放射線照射の有効性評価法の開発に関する研究>
・放射線による細胞死は全てアポトーシスと書いているが、全てがそうかどうかは未だ議論中である。アポトーシスを指標に使うのはよいが、全てをアポトーシスと決めるのは危険である。
・資料のフォーマットが各課題でばらばらで見にくいが、この資料の書式がわかりやすい。

③農林水産省
 農林水産省から、資料第9-4-3に基づき、新規課題9課題の事前評価の結果について、報告があった。これに対し以下のような質疑応答があった。
<4.野菜・花き種苗における放射線ホルミシスによる高生理機能化技術及びRI利用による生理機能測定法の開発>
・ホルミシスという言葉を植物に使うのは初めて聞いた。「低線量放射線の効果」に変えた方がよい。

<7.蛋白系高分子への放射線照射による有用物質の生産>
・放射線を当てた時は無差別に反応が起こり、狙ったところだけ、狙ったものだけ取り出すには工夫が必要。高分子の一部だけ変わっても取り出しは難しいのではないか。
→照射の時間、エネルギーで励起される電子が変わるのではないかと思うので、それを制御する。光科学ラジカル消去剤なども使う。

④通商産業省
 通商産業省から、資料第9-4-4に基づき、新規課題1課題の事前評価の結果について、報告があった。これに対し以下のような質疑応答があった。
<1.無機金属元素による放射線障害回復機構に関する研究について>
・電子線標準場などについてもやって欲しい。

⑤全体
・資料のフォーマット、内容がばらばらだったので、統一することが必要。
・5分の説明で、資料を読んで理解することは不可能なので、資料はシンプルにすべき。問題点や研究に期待できることについて書くべき。
→フォーマットを統一し、1枚で概要のわかる資料に、添付資料をつけるというように今後はしたい。
・説明者は、必ず質問に対し回答できるようにして欲しい。
・事前評価の意味を考えると、事前評価を受けたものは3年なり5年なり予算が付くことが保障されるのが大事である。
・食品照射への開発補助金制度を作って欲しい。
・結果だけを示すのではなく、研究の過程を国民に示すことが重要。
・食品照射に関する若い研究者を育てていくことが大切。
・食品照射について、ぜひここで議論したい。

(5)その他
 次回会合は部会長と相談して決めることとされた。