資料第7-2号
放射線利用推進専門部会(第6回)議事要旨(案)

1.日時  平成9年9月4日(木)10:00~12:00

2.場所  科学技術庁第7会議室(通産省別館9階)

3.出席者
(原子力委員)田畑委員
(専門委員) 石榑部会長、氏平委員、木元委員、坂本委員、佐々木委員、武久委員、内藤委員、中澤委員、中村委員、難波委員、森委員、山口委員
(科学技術庁)中村原子力局研究技術課長

4.傍聴者等
(一般傍聴者) 1名
(報道関係者) 3名

5.議題
(1)国立研究所の放射線利用に関する新規課題について
(2)放射線の医療・ライフサイエンス分野への利用について
(3)その他

6.配布資料
 資料第6-1号  「放射線利用推進専門部会専門委員名簿」
 資料第6-2号  「放射線利用推進専門部会(第5回)議事要旨(案)」
 資料第6-3-1号「平成10年度新規課題(厚生省)」
 資料第6-3-2号「    〃     (通商産業省)」
 資料第6-3-3号「    〃     (農林水産省)」
 資料第6-3-4号「    〃     (環境庁)」
 資料第6-4号  「医療・ライフサイエンス分野における放射線利用の現状と課題及び今後の方向性に関する調査について」
 資料第6-5号  「輸血によるGVHD予防のための血液に対する放射線照射の状況(第5回会合資料訂正版)」

 参考資料     「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」

7.議事概要
(1)まず、新委員の紹介が行われた。
(2)事務局より、前回議事要旨(案)の説明があり、原案どおり承認された。
(3)国立研究所の放射線利用に関する新規課題について
1)平成10年度新規課題
①趣旨説明
 事務局より、今回の部会で国立機関原子力試験研究費による国立研究所の平成10年度新規課題の評価を行うことについて趣旨説明があった。
②厚生省
 厚生省から、新規課題11課題について各課題の担当者から説明があった。これに対し以下のような質疑応答があった。
<1.無機金属元素による放射線障害回復機構に関する研究について>
・有害な金属を大量に与える以上の障害回復によるメリットが得られるのか。
→本研究で用いるのは少量であるので毒性はない。
・将来有効な治療法となるか。
→なりうる。
<2.炎症としての、放射線による細胞障害の解析及びそれを鎮静・正常化する栄養因子等に関する研究>
・放射線によるDNA損傷が短期間に修復することがわかったという成果について一般に広く知られるよう努力して欲しい。これは行政の仕事かもしれない。
・これまで放射線による副作用は経験的な知見によるものであったが、この研究により明らかになる。
<4.照射食肉等の検知法に関する研究>
・栄養成分への損傷のみクローズアップされると食品照射のマイナスイメージになる。照射された香辛料は出回っていることから、検知法はもうできているのではないか。
→栄養損傷については、すでにFAO、WHO等で多く研究が行われたので、この研究ではやらない。香辛料検知法が食肉にも使えるかどうかは未確認であり研究する必要がある。
<5.生薬の電子線滅菌ならびに遺伝子解析法を主体とした照射生薬の検知法に関する研究>
・これからの研究は検知法に向かうのか。
→香辛料に対する方法があるのでこれまで検知法は検討していなかったが、新しくDNAを使った方法を研究する。
<6.新規グルココルチコイド受容体の検索及びその臨床応用に関する基礎的研究>
・どのようにして臨床に応用するのか。
→臨床では血液から受容体を見つけることとなるだろう。
<7.低線量放射線による微生物毒素産生能の低減化に関する研究>
・海外でこのような手法の研究をやっているのか。
→次回までに調べ回答する。
<11.てんかん原性形成機序に関する生化学的研究>
・放射線をどのように利用するのか。
→微量物質の定量を行うためRIを使わないと測定できない。

③通商産業省
 通産省から、新規課題3課題について担当者から説明があった。これに対し以下のような質疑応答があった。
<3.超臨界水による使用済みイオン交換樹脂の分解処理技術の開発>
・原子炉自身を超臨界水の中で冷やすという研究もある。

④農林水産省
 農水省から、新規課題5課題について担当者から説明があった。これに対し以下のような質疑応答があった。
<2.タンパク質のリン酸化を介した樹木細胞の増殖・分化機構の解明>
・遺伝子導入は単細胞でなくてもできることを承知しておいて欲しい。

⑤環境庁
 環境庁から、新規課題2課題について担当者から説明があった。これに対し以下のような質疑応答があった。
<1.環境有害物質が雄性生殖機能に及ぼす影響評価に関する研究>
・資料にRIを利用しているということがアピールされるように書いて欲しい。
・マウスの系統による差において遺伝子についてはどう考えるのか。
→ダイオキシンのレセプターへの結合程度、誘導の差。

 また、全体について実際の研究者の名前、過去の論文を資料に載せて欲しいとの発言があった。

 部会長より、このほかに研究に対し意見があれば事務局へ送って、事務局から各研究の実施者に送付するようにすることとされた。

 以上の結果、提出された21課題を平成10年度に実施することを承認した。

②今後の評価の仕方について
 事務局より「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」を踏まえ、今後本専門部会においても評価システムについて議論する必要があることについて説明があった。引き続き議論が行われ、以下のような発言があった。
・目的と方法と重要性を分けて書く。過去の実績、計画の実行可能性についても書く。
・過去の研究実績、当該研究の海外の状況についても書く。
・通産省では二酸化炭素を藻類に固定化する研究を行っているが、環境庁の研究とバッティングするかもしれないので、関連する研究も記載してもらい、それを踏まえた評価を行う。
・書類のフォーマットを作って、そこの項目に書き込むということでどうか。
・説明時間を十分にとるべきである。

 事務局で案を作り、後日改めて議論することとなった。

2)放射線の医療・ライフサイエンス分野への利用について
 事務局より、平成9年度委託調査について説明があった。

3)その他
 事務局より、前回会合の資料第5-5-3号の訂正について説明があり、了承された。

(4)その他
 次回の開催については、部会長と事務局が相談の上決定することとなった。