資料第5−4号


日本原子力研究所における放射性同位元素の製造頒布事業の合理化




1.概要
 原研における放射性同位元素(RI)製造頒布事業の合理化を目的として、同事業の民間移転を推進する。また、同事業の合理化に合わせて社会のニーズに応じた新しいRIの開発を強化することにより、製造頒布から研究開発への移行を図る。

2.経緯
 原研では、RIの利用促進等を目的として、昭和37年以来RIの製造頒布事業を行ってきた。この結果、近年では、医療、工業、農業等の幅広い分野でRIの利用が定着し、所期の使命は十分達成されたものと考えられる。このような状況を背景に、平成7年2月の「特殊法人の整理合理化」に関する閣議決定において、同事業の合理化を推進することとなった。

3.合理化の進め方
 閣議決定に基づき関係諸機関等と協議の結果、同事業の民間移転等を含む合理化を実施することとなった。このため、従来原研で製造頒布してきたRIについて、今後は以下のとおり合理化を進める。
(1) 海外から輸入可能なRI(P-32、S-35、Cr-51、C-14等、中長寿命RI18核種)については、平成9年度に製造・頒布を中止する。
(2) 需要の大きいRIであり、これまで安定的に大量製造してきた工業用のIr-192及びCo-60線源については、平成10年度から民間移転を図ることとする。
(3) 従来原研で製造してきた研究開発用RI(Na-24、Cu-64等)、特殊仕様の医療用線源(Ir-192、Au-198)については、民間移転等、合理化に向けた具体的方法について引き 続き検討を進める。

4.移転に際し考慮すべき事項等
(1) 合理化により頒布中止あるいは頒布価格の上昇等のおそれがあるRIについては当該 RIの公益性等を十分に踏まえた対応を検討する。
(2) 原研は、本事業の移転先に対し、円滑な事業移転を図るため、技術移転、RI製造に 係わる原子炉の利用等の面で十分な協力を行うこととする。