資料(専)7-1
原子力バックエンド対策専門部会(第6回)議事要旨
(案)
  1. 日 時  平成8年9月16日(木)10:00−12:00

  2. 場 所  各省庁共用826会議室(通商産業省別館8階)

  3. 出席者
     (原子力委員)伊原原子力委員長代理、田畑委員、藤家委員、依田委員
     (構 成 員)熊谷部会長、大桃委員、川人委員、小西委員、佐々木委員、鈴木(篤)委員
            鈴木(進)委員、須田委員、田中委員、徳山委員、永倉委員、松浦委員、
            松田委員、森委員
     (説 明 員)増田 動力炉・核燃料開発事業団環境技術本部副本部長
     (事 務 局)科学技術庁及び通商産業省

  4. 議 題  (1)報告書案の取りまとめについて
         (2)その他

  5. 配布資料
      資料(専)6-1 原子力バックエンド対策専門部会(第5回)議事要旨
      資料(専)6-2 原子力政策円卓会議及び高レベル放射性廃棄物処分懇談会における主な意見
      資料(専)6-3 原子力に関する情報公開及び政策決定過程への国民参加の促進について
            (平成8年9月25日、原子力委員会決定)
      資料(専)6-4 今後の高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発等の進め方について(案)

      参照資料
      高レベル放射性廃棄物処分への取組について  (平成7年9月12日、原子力委員会決定)
      高レベル放射性廃棄物処分懇談会の設置について(平成7年9月12日、原子力委員会決定)
      原子力バックエンド対策専門部会の設置について(平成7年9月12日、原子力委員会決定)
      高レベル放射性廃棄物処分事業に関する検討「中間とりまとめ(平成7年度)」〔基礎的検討〕
                            (平成8年5月、高レベル事業推進準備会)
      原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画 (平成6年6月24日、原子力委員会)
      高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発の重点課題と進め方
                            (平成元年12月19日、放射性廃棄物対策専門部会)
      高レベル放射性廃棄物対策について  (平成4年8月28日、放射性廃棄物対策専門部会)
      高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発の進捗状況について
                        (平成5年7月20日、放射性廃棄物対策専門部会)

  6. 議事概要
    (1)事務局作成の資料(専)6-1/原子力バックエンド対策専門部会(第5回)議事要旨(案)が承認された。

    (2)資料(専)6-2に基づき、事務局より、原子力委員会決定「原子力に関する情報公開及び政策決定過程への国民参加の促進について」(平成8年9月25日)について説明があった。 熊谷部会長より、本専門部会では上記決定に従い、次回より審議の公開を行なうとともに、とりまとめ中の報告書案を公開し、国民の方々に意見を求めることとしたい旨提案があり、了承された。これに関して、本専門部会の下に設置される各分科会については、非公開とすることで了承された。引き続き、資料(専)6-3に基づき、事務局より、今日までの原子力政策円卓会議及び高レベル放射性廃棄物処分懇談会における主な意見について紹介があった。

    (3)資料(専)6-4「今後の高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発等の進め方について(案)」 (以下、報告書案という)に基づき、高レベル放射性廃棄物対策分科会主査(鈴木(篤)委員)より、第2次取りまとめに向けた研究開発等の進め方に関する同分科会での審議の進捗状況について、説明があった。さらに、事務局より補足説明が行なわれた。

    (4)以上を踏まえ、以下のとおり意見交換が行なわれた。

○地層処分システムの長期的な安全性の評価について

1)地層処分システムの安全性の評価において、諸外国の基準等が個人に対する最大線量で0.01〜0.3mSv/年の幅にあることを念頭にすべきとしている点について、これら基準等の内容、背景、考え方がそれぞれ異なるため、一律に論じることは不適切であるとの意見があった。
 また、欧州では、氷河期に過酷な環境になることが予想されるため、ある一定期間より長期の評価を 行なうことが無意味と考えられているが、日本では氷河期による影響が少ないと考えられるため、欧州のような考え方を適用することは出来ないのではないかとの意見があった。さらに、人間環境の予測の困難性に関わらず、非常に長期の評価を行なうことの妥当性について議論すべきとの意見があった。

2)これに対し、約1万年後に予測される氷河期においては、日本では低温・乾燥の極めて厳しい気候条件になることが予想されること、また、人間環境については予測が困難になるが、深部地質環境については、これ以後もさらに長期に亘って安定な地域は存在すると考えられるため、報告書案の考え方を変える必要はないとの意見があった。
日本の地質環境の長期安定性の考え方は重要であり、第2次取りまとめにあたってより 具体的に示すべきとの意見があった。

3)将来の安全規制に関係する内容については、今後の研究開発の進捗を踏まえるべきであり、本報告書で断定的に言及するべきではないとの意見があった。
 また、安全評価のシナリオの仕組みを平易に示した図を、報告書に入れるべきとの意見があった。

○処分場の管理について

1)処分は長期的には制度的管理に依存しないという国際的な基調に沿うのか、また、閉鎖後の管理は、どの程度、どのくらいの期間を想定するのかとの問いがあった。

2)処分予定地の選定に向けて、社会的な受容を得ておくためにも、廃棄物の埋設時の手順、操業終了から閉鎖までの期間の設定等、処分に係る各手順が、今後どのようなプロセスで決められていくのかについて、議論することが重要との意見があった。

3)これらについて、第2次取りまとめは、処分場の管理について技術的事項を提示することとし、管理の方法や期間等の制度面については、処分の社会的な側面を審議する高レベル放射性廃棄物処分懇談会等において議論すべきとの意見があった。

○研究協力及び評価の体制について

1)研究開発は各機関が責任をもって実施するべきであり、また、動燃事業団の報告会等を活用し、各機関の研究の進捗状況を明らかにする場が必要との意見があった。

2)第2次取りまとめに向けて、各機関の研究開発を調整する組織が必要との意見があった。

3)中核機関である動燃事業団が、我が国の研究開発に関し、一元的に情報収集するとともに情報発信する機能をもつべきとの意見があった。

○その他

1)これまでの研究開発の成果、進捗状況とこれからの研究開発の目標を明確に示すべきとの意見があった。

2)安全確保の包括的な概念である地層処分システムの考え方等を、報告書に分かり易く示すべきとの意見があった。また、かなり改善されて来たが、記述についてさらに理解し易くする必要があるとの意見があった。

3)スウェーデンの地下研究施設は、研究開発の役割だけでなく、その公開を通して国民一般に地層処分に対する安心感、信頼感を与える役割を果たしており、日本においても、社会的受容の形成に資するためにも、このような施設の建設が重要である。また、研究開発予算の拡充を図るべきとの意見があった。

(5)熊谷部会長より、今回の委員の意見を踏まえ、高レベル放射性廃棄物対策分科会において報告書案を再度調整し、次回の専門部会に諮りたいとの提案があり、了承された。

(6)次回専門部会を11月15日(金)10:00-12:00に開催することとし、閉会した。

以上