資料(専)36-3 |
番号 | 意見概要 | 整理項目 |
1-① | 原子力委員会が平成10年5月に取りまとめた「RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について」での放射能以外の有害な物質の扱いに関する主旨は、本ウラン廃棄物に関する報告書案p.14の3段落目に記載された「また、対象廃棄物が、産業廃棄物に対する規制を適用すべき……必要である。」の文章に要約されているものであり、報告書案でのp.18の記述は、p.14と同様な記述に改めるべきである。 | 有害な物質の取扱について |
2-① | プルトニウムを取り出した際に出た廃液はステンレス製の容器に流し込み冷却のため50年程度貯蔵した後、地下数百メートル以深の安定した地層中の岩盤に埋設する。 | その他 |
2-② | 2.の(1)対象廃棄物の特徴の中の作業着、手袋、木材などの可燃性雑固体廃棄物、ゴム靴については、今後の処理研究結果次第では、地下に埋設しなくとも地上で処置が出来るのではないか。 | 報告書案の処分方法に関する賛否 |
2-③ | 第3章の中の3.安全確保に係わる関係法令などの整備について、関係法令の整備、規則、規定等を明文化しても、守らせる安全でなく、守る安全でなければ、安全、安心に結びつかないと考えられる。タテ・ヨコのパイプがいつも風通しの良い状態にしておくことが望まれる。 | 安全確保に係わる事項 |
2-④ | ややもすれば、上意下達になりやすいが、下意上達も大切なので、部下の意見には耳を傾け、良い提案があればほめてあげることが非常に大切なことなので是非実行してほしい。 | 安全確保に係わる事項 |
2-⑤ | 職務に専念するため、健康管理には十分意をそそいで頂きたい。 | 安全確保に係わる事項 |
3-① | 放射性廃棄物処理処分については、安全上支障のないようにすることが基本。低レベル、高レベル放射性廃棄物の処分方法は、はっきりと、処分方法も決まっており、素掘り処分やコンクリートピット処分は、よく考えている。他の方法を研究しているのだろうか。 | 他の放射性廃棄物や海外の事例を参考にすべき |
3-② | 線量目標値や対象廃棄物のシナリオ通りに設定しても、これが完璧ではなく、何が起こるか分からない。処分事業の責任については、廃棄物の発生者等の責任処分は、当然であるが、国が厳正な規制をして、後は知らぬ顔をすることは出来ない。 | 処分事業の責任は国にもある |
3-③ | 発生施設のウラン加工事業者が、多いのには認識不足で驚いた。ウラン廃棄物は、これからも多量の発生が予想される。 | 発生量の抑制について |
3-④ | ウラン廃棄物処理処分について、安全規制、線量目標値の設定、安全基準の基本的な考え方については、よくまとまっており、この後は、廃棄物処理処分して、最終の処分地の選定を急ぐべきである。 | 今後の進め方について |
4-① | 情報公開及びその提供について、「必要」とか「不可欠」等の言葉で簡単に済まされている。もう少し厳しいものが欲しい。 | 理解を得るために積極的な情報公開を行うべき |
4-② | 核燃料のリサイクルは、資源の乏しい我が国に絶対必要である。 | その他 |
4-③ | これまでも識者や専門家の間では数多い安全論が唱えられて来たが、事故は起こっており、その際、極論すれば、国民と立地地域に伝えられる前に、真実が隠されてしまうケースが目立つ。原子力に携わる全ての人々に、是非共積極的な情報公開を周知徹底させて頂きたい。 | 理解を得るために積極的な情報公開を行うべき |
4-④ | 現在の技術の全てを投じても、核施設での無事故は先ずあり得ない。起こり得る事故ならば、全国民が納得できる事故処理が不可欠であり、事故対策さえ完ペキならば、廃棄物処理も間違いないであろう。 | 安全確保に係わる事項 |
5-① | 原子力発電の運転によって廃棄されるウランのリサイクル化は、安全面から考えると今すぐに賛成できるものではない。原子力に対する国民の人的作業による不安というものが、かなり強いものである。しかし、安全が厳守されれば、おおいに賛成できるものであり、むしろ、リサイクル化については大賛成できる。実行までの安全対策方については、二重、三重の部分チェックといった手法をとることが必要なことである。 | クリアランス、再利用について |
5-② | ウラン廃棄物処分の基本的な考えとしての原子力バックエンド対策については、政府の機関で定めた基準をクリアしているから良いという考え方だけでは不十分であり、もっと学識経験者やこの種の専門的な分野にたずさわっている方々の協力を十分にふまえたうえで実行するようにしなければならない。 | 安全確保に係わる事項 |
5-③ | こういった実施までの期間を決して急ぐものではなく、じっくりとした期間をおいて十分に研究をしたうえで実行にうつるというようにしなければならない。 | 今後の進め方について |
6-① | 報告書内で検討された「対象廃棄物」の範囲は明確に示されているが、「ウラン廃棄物」の範囲は不明確ではないか。ウラン廃棄物の範囲を定義する考え方について補足することは可能か。 | ウラン廃棄物の定義、検討の対照範囲を明確にすべき |
7-① | トリウムを含む廃棄物がウラン廃棄物と同様に扱えるかどうかの判断を与えるためには、トリウムを含む廃棄物のおおよその量と濃度を示し、ウラン廃棄物に比べて廃棄物量及び濃度が同等以下であることを示しておくことが必要ではないか。 | トリウム廃棄物の取扱について |
8-① | 「地下利用に余裕を持った深度への処分」について、本文中に多数回用いられていることから、用語解説に取り上げてはどうか。 | 用語解説について |
8-② | 用語解説の「浅地中処分」では、「地下利用に余裕を持った深度への処分」に相当する概念として、「地下数十mの岩洞への処分を含む処分概念」と具体的に示されており、「一般的と考えられる地下利用に対して十分余裕を持った深度(例えば50~100m程度)への処分」の用語解説に関しては、具体的な例を示すなり、「浅地中処分」との整合性を考慮してはどうか。 | 用語解説について |
9-① | 資32ページの参考資料9の添付図について、1つの図に多くの情報を入れるための苦労が感じ取れるが、これをわかりやすくする工夫を期待する。図1の題「ウラン濃縮度等及び評価シナリオによる線量比較と経時変化例(5%濃縮U跡地居住流出なしのみ)」も図の理解を妨げるものとなっているように思う。 | 参考資料について |
10-① | 原子力エネルギーは諸刃の剣である以上ゆりカゴから墓場までの確信がなければ利用してはならない常に経済問題だけでなく人類滅亡につながる大問題である | その他 |
10-② | 原子力エネルギーを利用した残留物に関しては未知の世界に等しい事であり、これを完全に制御出来るようになるには、人類の英知を以ってしても、地球から出て来たものは地球に戻す他ない。もとの地球の土に戻すことを考えて、出来るだけ人類が地球に永く住めることを地球人として望む。 | 報告書案の処分方法に関する賛否 |
10-③ | 私共は無知に等しい人間であり、いくらこうだからとかどうだからとか云われても信頼する訳にはいかない面がある。要は地中深く残滓物を処理しましたということならば納得する。 | 報告書案の処分方法に関する賛否 |
10-④ | ロボットは教えられたことしか出来ないが人間は感情がある。早くしろと云われたとたん教えられたことを間違えて早く処理する可能性が多分にある。それが殆んど初歩的なミスにつながると思う。 | その他 |
11-① | "ウラン廃棄物は2030年時点でドラム缶560,000本にもなると云う。国民が原子力に対し不安を抱く主因ともなっている。早急に処理処分方について決める必要がある。" | 今後の進め方について |
11-② | 高レベル放射性廃棄物の処分についてはガラス固化体にして、地下100m以内に地層処分する。現在検討されている地下数100mの深地層での処分については、地下岩石地下水の調査研究が未定の状態で行うのは危険が多く、安全性を考えると認められない。深地層について調査研究が充分に行なわれた後に、核種濃度に応じた合理的な処分を行うことが必要である。 | 安全確保に係わる事項 |
11-③ | 埋設施設の規模がドラム缶100万本相当となっており、1個所に集中して処分する場合は管理の効率を考慮していると思うが、その個所に何等かの異常事態が発生した場合の危険度は計り知れない。ドラム缶1万本相当に縮小し、広い範囲に分散処理することを安全確保の面から提言する。 | 広い範囲に分散処理すべき |
11-④ | 対象廃棄物でクリアランスレベル以下のものについて放射性廃棄物として扱いを規制外とする点については賛同出来る。 | クリアランス、再利用について |
11-⑤ | 処分後の技術開発を積極的に進める事は勿論、長期間の安全性評価の合理的在り方、管理システムの改善および各時点毎に国際的動向を踏まえて、処分処理の見直しが可能な機能を持たすことが重要である。 | 今後検討すべき技術開発課題 |
11-⑥ | ICRPの勧告を最大限に活用すべきであり、したがって0.3mSv/yを線量目標値にするのが妥当。放射性廃棄物処分に当っての放射線の影響の防止については、ICRP勧告に準拠した数値を採用することは国際的コンセンサスの枠組となり、異論はないが、当勧告は数年毎に改訂されて来た経緯があることを考えに入れ、かつ諸外国の安全基準等も視野に入れ策定願う。 | 報告書案に例示した線量目標値に関する賛否 |
12-① | ウラン廃棄物は放射性廃棄物処分の中でも特に遅れており、必要な措置をもっと早く実行するように取り組むべきである。この際その遅れを取り戻すような取り組みを示すべきである。今回示された案の内容を見ても遅れてしまった具体的な背景とか特別の理由は見当らない。 | 早急に処分方策を確立すべき |
12-② | 放射性廃棄物安全研究年次計画にも至急ウラン廃棄物の安全性に関する研究項目を追加し実行して頂きたい。その他必要な具体的事項の検討もスケジュールを明確にして取り組んで頂きたい。 | 今後の進め方について |
12-③ | 線量目標値についても人口密度の高い日本ではICRPの0.3mSvより低い基準を早期に決定し、それをもとに各種具体的な検討をすべきである。フィンランドや北欧諸国、スイス、米国等が高レベル廃棄物に対して0.1mSvを設定した例を参考にしてもらいたい。 | 報告書案に例示した線量目標値に関する賛否 |
12-④ | 従来ICRPの勧告案の日本での施行が10年以上遅れていたがそういうことはもう許されることではない。 | その他 |
13-① | 放射性廃棄物の処分に係る維持管理等の責任分担や、処分場閉鎖後の安全は、本当に確実的なものか。 | 安全確保に係わる事項 |
13-② | 今、現在の科学的技術で可能な処分方法をとっても、私たちの世代で全て片が付くことではなく、必ず子や孫に受け継がれていきます。 | 検討方針について |
13-③ | 原子力に対する知識や常識は普通知られていないし、まちがったものが多い。 | 理解を得るために積極的な情報公開を行うべき |
13-④ | ウラン廃棄物は、今の技術では確実に私たちの世代で消滅することはなく、そして、それは日本だけでなく世界中で起こっている。と、いうことは、より多くの人間が原子力の知識や廃棄物に対する理解がなければ、正しく次世代までその安全性を受け継ぐことは難しいのではないか。 | 理解を得るために積極的な情報公開を行うべき |
14-① | 基本的考え方についての報告書案に対する意見募集期間がなぜこんなに短かいのか。本当に意見を広く聞く、聞き入れるつもりならば、情報公開の方法をもっとよく考えて、TV等のメディアを利用して、真剣に議論が必要ではないか。 | 意見募集について |
15-① | 処分に関する安全評価において、ウランに限らずどの場合も国際機関の評価パラメータが使用されているケースが多いが、廃棄物処分に関する安全評価パラメータは、国内で可能な限り整備する必要がある。 | 今後検討すべき技術開発課題 |
16-① | これまでに示された「処分の考え方」に比べて多くの項目が検討事項として挙げられているが、基本的考え方のみで国内の現状の具体的な解決策等が不足している。具体化については、p19、責任分担のあり方に発生者責任が唱われているが、国による見方、考え方を具体的に示すことは難しいのか。 | 処分の考え方をもっと具体的に示すべき |
16-② | 国内における加工施設や、人形峠の各施設などに関する国内の問題について、具体的な方策や考え方などはデータもなければ、何が問題になるかも書かれていない。これらの国内の問題部分について一覧表などを作成して公開し、具体的にどう考えるのか、議論が必要である。ウランに関する問題をきちっと情報公開する必要がある。 | ウラン廃棄物に関する具体的な情報を公開すべき |
16-③ | 科技庁でも、通産省等でも多くの特別会計などによる研究が実施されているが、データがなかなか公開されないのは国にとっても損失である。可能な限り速やかに、タイムリーに、まずは国内に広く公開されることが望ましい。 | ウラン廃棄物に関する具体的な情報を公開すべき |
17-① | 放射性廃棄物対策は、一般廃棄物と同様に、発生量の抑制が大前提としながらも、そのための道筋も方法も全く示されていず、この案は無効である。 | 発生量の抑制について |
17-② | ウラン廃棄物は、時間の経過による放射性物質の低減が期待できないこと、及び線量評価に関してシナリオ、モデル、パラメータの不確実性という当たり前のことを認めながらも、何ら根拠も示さずに、適切な処分方策を行なうことにより、安全かつ合理的に処分できると結論を出している。 | 長期評価に伴う不確実性について |
17-③ | この種の案を検討するメンバーは、ほとんど、「お仲間」であり厳しい批判、疑問など出されるはずがない。 | 検討方針について |
17-④ | 「放射線防護の最適化」という考え方にしても、社会的、経済的事項を考慮しつつとあるように要するに原子力産業にとって過大な負担にならないような費用しかかけないということである。 | 他の放射性廃棄物や海外の事例を参考にすべき |
17-⑤ | 参考資料9として示されている線量試算例は、最も安全側のものなのかどうか不明である。参考資料7にあるICRPの文書は、日本語としては最悪に近い文章である。 | 参考資料について |
17-⑥ | 用語解説にある「ウラン濃縮度」の説明も明らかにおかしい。 | 用語解説について |
17-⑦ | 発生量の抑制という大前提に立てば、原子力発電、再処理を含む核燃料サイクルの終止へと向かうしかない。 | その他 |
18-① | 現状のウラン廃棄物の発生による焼却処理は、焼却灰も含めて未処理のまま廃棄物貯蔵施設内に保管されているようだが、増々累積発生量は増えていくので、対策を急がなければならない。 | 早急に処分方策を確立すべき |
18-② | 「廃棄物処分の基本的な考え方」にもあるように、発生量の抑制が第一で、その低減や有効利用を考えることが重要で、廃棄物の特徴、放射性核種の種類及び濃度を考慮し設定することは最もなことと考える。 | 報告書案の処分方法に関する賛否 |
18-③ | 海外での処分の方法は低レベル放射性廃棄物の一種として扱われている例が多く、素堀り処分相当が多く行われている様子ですが、我が国としては国土は狭いものの、やはり安全処理処分を第一に考え、地下利用をしたコンクリートピット処分が最適と思う。又、更に地域や環境の相違はあるものの、海外の新しい考え方、方法等も参考にすべきと思います。 | 他の放射性廃棄物や海外の事例を参考にすべき |
19-① | 「ウラン廃棄物」を特定しての処理処分に関して、安全性を十分検討されている事は当然の話であり、考え方としては理解できるが、その先の課題は未解決の部分が多いと思う。 | 今後の進め方について |
19-② | 生活者の立場で、要は第3章がどこまで実行されるかが問題。これ程重要な原子力利用を、生活者はどう受け止めているかに問題があると思う。現在の暮らしを支えるエネルギー源が、どのような状況か、多くは知らないままに過ぎており、必要なエネルギー源をどう理解してもらうかについての対策が必要。情報公開とか情報提供の具体策を知りたい。 | 理解を得るために積極的な情報公開を行うべき |
19-③ | 表題に直接かかわる部分に問題は無いと思うが、その先の課題は予想以上に多いと思う。安全を認め更に必要性を認識して、計画に賛同できる生活者が多くなるよう周辺整備にも期待する。 | 理解を得るために積極的な情報公開を行うべき |
20-① | 放射性廃棄物処理全体の体系がよく分らないので、簡潔に示すことが望ましい。ウラン廃棄物、対象廃棄物、当該廃棄物等の記述を統一できないか。全体的に、その結論を補足する説明が、蛇足的、繰返しでくどくどと分かりにくい。あいまいな表現はできるだけ避け、明確に規定するだけの権威がほしい。ICRPの引用は、なぜ仮訳なのか、最初の一節は全く意味がつかめない。p3の「有意に含まれていない」の表現もよく分らない。p5の有効利用や、処理の技術開発などは、本文中でもっと力説してほしい。 | 報告書本文の記述について |
21-① | 線量目標値、クリアランスレベルについて、原発反対の政治的な意図により過剰な要求となり、コストアップから結果的に原子力が敬遠されることを避ける。 | 報告書案に例示した線量目標値に関する賛否 |
21-② | 今後の経済活動は持続可能なエネルギー資源の枠組みの中で最適化を追求する必要があり、あらゆるエネルギー資源を最大限有効に活用することが重要である。 | その他 |
21-③ | 放射線の規制値は従来、ガンの発生を増やさないことを中心として設定されていると考えられるが、わが国のガンの予防、治療技術は最近急速に進歩していること、ガンの発生が、放射線以外の要因によるリスクが大きいこと、更に放射線被爆医療技術の進歩から、わが国独自の規制値を設定する必要があり、少なくとも現段階では暫定値とすべきであり、定期的に見直すべきである。 | 報告書案に例示した線量目標値に関する賛否 |
21-④ | 高レベル放射性廃棄物と言えども、エネルギー資源としての有効活用を図るべきで、ガラス固化は冷却が終了する30年乃至50年後に是非を見直すべきである。具体的には、環境改善のための酸化チタン触媒活性エネルギーへの活用、RI電池等が考えられる。 | その他 |
22-① | 線量ピークが数十万年~百万年(p.資32)では、五十年・三百年の管理や管理の少々の継続では追いつかず、管理不能で、処分は必ず汚染の拡散をもたらす。 | 管理の有効性は期待できない |
22-② | ウラン廃棄物はプルトニウムに比べて一見処分が簡単そうに見えて、実はとんでもない難物である。土・水に拡散すればよいというものではない。国土全体のウランとその子孫核種の汚染がうすく広がり、それに合わせて規制がゆるめられる、というような日本にしてほしくない。 | 長期評価に伴う不確実性について |
22-③ | ウラン廃棄物の発生を直ちに止める方向へ進み、しかるのち処分方法を出すべき。もちろん原発も早期に段階的廃止を進めるべきである。政策次第で、日本は自然エネルギーの大国になりうる。 | 検討方針について |
23-① | ウラン廃棄物は、土にばらまいたり、水によって流出移行すれば、どうにかなる、とは考えないでほしい。移行したものは消えるものでないから、あるいは薄く広く拡散し、あるいは、なんらかの契機によって濃縮、偏在するであろう。人、動植物、バクテリア等への影響は平均的ではなく、想定外のことが起こるだろう。今後、温暖化による異常な降雨による洪水、大地動乱の時代ゆえに津波での一挙流出も考慮に入れねばならない。 | 長期評価に伴う不確実性について |
23-② | クリアランスレベル以下のものについて、ウラン廃棄物の特殊性から言って、産廃扱いすべきではない。 | クリアランス、再利用について |
23-③ | 千年ほどは屋内保管をし、生物やさまざまの物質との反応をまず調べあげてから処分を論じるべきである。 | 検討方針について |
24-① | 劣化ウランによる慢性疾患について情報公開・調査研究・障害の予防に十二分の配慮をされたい。 | その他 |
24-② | ウラン産業の出した劣化ウランに対して国内外の懸念事項を精査・対策するとともに、ウラン産業・医療・研究所以外の民間・自衛隊から出てくる劣化ウランのゴミがないか、検討してほしい。 | その他 |
25-① | 過去に行なわれた採掘に伴う鉱滓の扱いについて、この報告ではよくわからない。 | ウラン廃棄物の定義、検討の対照範囲を明確にすべき |
25-② | ラドン気体については、ごく一般的な記述しかない。詳細方針を示されたい。 | ウランの特徴について |
26-① | 「公衆の線量限度の1mSv/年を守ることを基本とし」(p16)とあるが、国際動向の如何にかかわらず、この値あるいはもっと低い価を守り、国民の今後の健康な生活を守ってほしい。 | 報告書案に例示した線量目標値に関する賛否 |
27-① | 「自然放射能」をひとつの基準ないし目安とされているが、人工の核分裂ができるようになり、実験された後の測定値を使用することは不適当と考える。人間の活動に伴う放射能の地表への集積がみられ、これを分けずに「自然放射能」と見ることには、納得できない。 | 自然放射能の考え方が不適当 |
27-② | 阪神・淡路大震災では、工場・研究所・病院などのRIは倒壊、炎上に巻き込まれて行方不明となったはずである。また、人工核分裂ではないが、チタン精練にともなう鉱滓(ウランを含む)が当地近傍では問題にされている。 | その他 |
28-① | ウラン廃棄物の線量測定方法を改善してほしい。計れなければ計る手段を開発する方針を立ててほしい。廃棄物は決して均一ではない。容器の中央にα・β線量の偏って大きなものが入っていたとしても、外からは分るまい。 | 今後検討すべき技術開発課題 |
28-② | 数しれぬ事故かくし・トラブルかくし・ねつ造とそのチェック不全……私たちの疑念は、ふくらみ放しである。 | その他 |
28-③ | 低レベルにせよ、クリアランスレベルにせよ、もっと合理的な計測方法を開発・開示し、かつすべてのロットについて、計測結果を、だれでも、いつでも知りうるようにしてほしい。 | 理解を得るために積極的な情報公開を行うべき |
29-① | 長期間の評価に伴う不確実性については、必ずしも処分の潜在的な影響を増幅するものばかりではなく、処分の影響を低減するようなものも存在する。したがって、不確実性の事例として隆起・浸食だけを表記するのは適切ではなく、長期の不確実性については、総合的に判断を行うように努めることが基本となるべき。 | 長期評価に伴う不確実性について |
30-① | 資料を読めばよむ程に科学の世界が迷路のごとく遠いものになってしまう。使ったものは当然片付けをする。簡単な発想から、原子科学を知り日本の地質学を学ぶことから始める。 | その他 |
30-② | 原子力事業は国家的プロジェクトであり、科学技術庁も科学者、企業者も国民もすべての者が真剣に取組んで行かなければ前に進むことはできない。原子力発電所はウランの力でエネルギーに変えたが、廃棄物処理処分は人間のエネルギーで解決したいと考える。 | 検討方針について |
30-③ | これからは専門家や女性による生活エネルギーの講演会など行ったらどうでしょうか、日本人皆んなで考えるエネルギーとして。 | 理解を得るために積極的な情報公開を行うべき |
31-① | 「対象廃棄物」に人形峠での採掘残土が含まれていないが、「対象」に入れるべきではないか。このウラン鉱石を含む残土がなぜ今回の「ウラン廃棄物」に該当しないのか。 | ウラン廃棄物の定義、検討の対照範囲を明確にすべき |
32-① | 今回の「ウラン廃棄物」には「劣化ウラン」や「減損ウラン」は含まれていないが、これらはいずれ「廃棄物」として再利用か処分されると思われるので、対象とすべき。 | ウラン廃棄物の定義、検討の対照範囲を明確にすべき |
32-② | ウランの放射性毒性とともに、重金属としての毒性が疑われている。L-50が0.23gとされるが、案ではこの毒性について考察していない。 | ウランの特徴について |
32-③ | 米国や英国では劣化ウランが堂々と再利用され、被曝や環境汚染が問題になっている。日本国内での劣化ウランの使用状況を科技庁や通産省、厚生省(医療用)、運輸省(航空機の翼等)などは把握しているのであろうか。劣化ウランや減損ウランを当然「ウラン廃棄物」に加えるべきである。 | その他 |
33-① | 「回収ウラン」は「ウラン廃棄物」か「TRU廃棄物」で取扱える、としているが、さらなる検討が必要である。回収ウランはTRUを含むゆえ、ヨウ素129並の隔離が必要ではないか。又232Uと236Uを含むが、これらの毒性についても検討する必要がある。 | 回収ウランの取扱について |
34-① | 規制除外線量10μSv/年に代る線量としてICRPの0.3mSv/年を想定しているが、きわめて高すぎる。処分時に「拘束値」を導入しても、ピークが数十万年後に来るのであるから、ピークにはその10倍の値となり(資料16ページ)、この「ウラン廃棄物」処分場だけによる被曝線量が上限で3mSv/年となる。これでは後世の人たちに責任はとれない。よって処分時のレベルは10μSv/年にするべきである。 | 報告書案に例示した線量目標値に関する賛否 |
35-① | 「介入」レベルについて、現存年線量10mSv以下を正当化できないレベルとし、100mSv以上を正当化できるレベルとする、ICRPPubli81を参考にしているが、これでは処分場周辺住民に説明はできない。 | 介入について |
35-② | 「介入」は通常、事故時の公衆構成員の防護を目的としている。(Publ60-68)放射性廃棄物処分場における緊急時のレベルにはこの「介入」という概念はなじまない。通常の規制値を超えた時点で行動するのが当然である。 | 介入について |
36-① | 廃棄物発生者の顔が全く見えない。責任の在り方と研究体制、そして処分場建設に向けての制度、そして処分費用の積立てを早急に確立すべきである。 | 今後の進め方について |
37-① | 16頁に「長期間経過後においては、地下水移行などによる濃度低減が有意になる」と記されているが、「長期間」とはどの程度か。又地下水移行をどう評価したのか、モデルを公表されたい。 | ウラン核種の流出シナリオによる評価について |
37-② | 参考資料9でウラン核種の地下水による流出するシナリオを示してあるが、流出した場合、跡地のシナリオの線量評価は1/5になる、としている。これはトレンチ処分の場合であるから、300年後を想定しているのであろうが、流出した4/5のウランはどこへ行ったのか。又300年でウランは4/5流出すると考えているのか。 | ウラン核種の流出シナリオによる評価について |
38-① | 焼却処理した場合、大気中に出てしまったものは考慮されているのか。それとも濃度が低く問題ないと考えているのか。液体廃棄物についても同様に問う。環境中に排出されていると考えられるが、濃度が比較的薄いとしても、持続的に排出され続ける放射能を放置しても良いのだろうか。濃度が薄いとしても全体の放射能量についても問題とすべきである。 | 放出される放射能も考慮されるべき |
39-① | 放射性廃棄物は発生量の抑制が大前提であるのなら、除染による切り下げやクリアランスレベルで放射性ではないと評価するのは許されない。廃棄物の発生量を抑えるのは利用を抑制するしか方法はない筈である。 | 発生量の抑制について |
39-② | 原子力発電所に比べると世間で注目されていない医療機関や研究施設からの廃棄物は監視が甘いと言われ、一般廃棄物への混入や、環境中に捨てられていることが珍しくないと聞いている。 | その他 |
40-① | 除染により廃棄物の低減が可能とあるがそれはおかしい。全体としての放射能の量は変わらない筈だし、むしろ放射能汚染の拡散につながることを懸念する。作ってしまったウラン廃棄物はそのまま閉じ込めることが、拡散を少しでも防ぐ方法なのではないか。 | 除染処理について |
41-① | ウランと子孫核種が外部被ばくの1/3もしめている物質だからこそ、その量を増やすことは重大であると認識すべきだ。気体であるラドンは内部被ばくも心配される。 | 自然放射能の考え方が不適当 |
42-① | 放射平衡に達するまでに数十万年もかかる物質を安全に処分できると考えることは、極めて異常ではないか。 | 長期評価に伴う不確実性について |
43-① | シナリオにより被ばく線量の試算値が低くなる場合が考えられているが、濃度の低下は拡散したことを意味するのではないか。 | ウラン核種の流出シナリオによる評価について |
44-① | 可能性の小さい事象は分けて評価するとあるが、どんな事象が発生するか予想できないことは現在明らかになっており、把握できると安易に考えるのは危険である。 | 長期評価に伴う不確実性について |
45-① | 従来の低レベル放射性廃棄物の処分に適用されていた段階管理の考え方が適用できないとしながら、段階管理を前提とした従来の処分方法を適用するのは矛盾している。 | 従来の処分方法の適用は矛盾している |
46-① | これまで低レベル放射性廃棄物の処分方策の検討に当たっては、線量目標値を10μSv/年としてきたにもかかわらず、ウラン廃棄物では0.3mSv/年とした理由を記載すべき。理由がないのであれば、比較のため、10μSv/年を目安値とした場合の処分可能性の検討結果も併せて記載すべき。 | 報告書案に例示した線量目標値に関する賛否 |
47-① | 潜在的影響が長期間経過後に大きくなることを理由に、制度的管理の維持の重要性を謳うのは、制度的管理の長期にわたる有効性を疑問視する国際的な検討結果に反する。長期間経過後に起こる特定のシナリオの排除を目的として、長期有効性を期待できる制度的管理方法の検討を行うことは適当ではなく、閉鎖後管理についても検討する、という程度の記述にとどめるべきである。 | 管理の有効性は期待できない |
48-① | 「5.技術開発課題への取組」を示す際には、その技術開発主体が誰であるかを明記すべき。 | 技術開発主体を明記すべき |
49-① | クリアランスレベル以下のものを放射性廃棄物として処分しなかったり、再利用することに反対する。 | クリアランス、再利用について |
50-① | 最終処理処分方法が確立できるまで、関連の作業は、一時停止すべきである。 | 検討方針について |
50-② | 試験・探求・研究の段階を乗り越えて、早い時期に確定した処理方法を決めていただく事を切望する。試験研究とを繰り返しながら確かめていく手続きは、文書で公開しても不都合の無い様に、きちんと手順を踏んで遂行願いたい。 | 今後の進め方について |
50-③ | ウラン廃棄物を発生させる事業体及びその監督官庁は、必ずISO9000を導入していただきたい。 | その他 |
51-① | 半減期が45億年もの物質は人間の手におえない事は明らか。発生量の抑制が大前提とかかれてあるがウランをほりだす事使う事をまずやめることこそ最も大切。 | その他 |
51-② | 原子力バックエンド対策専門部会に関わる人が生存中に結果が判明しないような計画はやるべきではない。 | 検討方針について |
51-③ | 原発を推進した人たちの責任はどのように問われるのか。 | その他 |
51-④ | 意見募集をされるだけで少しも考え方に反映されないのでは意見をだす気をなくす。ただ意見募集を形式上やっているにすぎない感を強くうける。 | 意見募集について |
52-① | ウラン廃棄物は、原子力発電の残滓としてどんどん増加しており、ガラス固体化して埋めておく方法では将来心もとない、子孫のことを考えれば、これは良くない行為である。 | 報告書案の処分方法に関する賛否 |
52-② | 基本的には、化石燃料に代わる発電を追求すべきである。クリーンやCO2を考えれば、太陽光や、風力発電、地熱発電をもっと追求すべきである。 | その他 |