資料(専)36-2

「ウラン廃棄物処理処分の基本的考え方について(案)」
(平成12年10月6日 原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会)
に対する意見
(寄せられた意見をそのままタイプしたもの

 


No.1
坂本  義昭   年齢 37歳
(概要)
 RI・研究所等廃棄物のうちウラン廃棄物における有害な物質の取扱に関する記述について

(ご意見)
 報告書案p.18には、「RI・研究所等廃棄物のうちウラン廃棄物に相当するものの処分を具体化するに当たっては、廃棄物に有害な物質が含まれる可能性があることなどの特徴に十分留意する必要がある。」とされている。しかしながら、原子力委員会が平成10年5月に取りまとめた「RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について」での放射能以外の有害な物質の扱いに関する主旨は、本ウラン廃棄物に関する報告書案p.14の3段落目に記載された「また、対象廃棄物が、産業廃棄物に対する規制を適用すべき……必要である。」の文章に要約されているものであり、p.18の記述にあるRI・研究所等廃棄物の「特徴」として有害な物質が含まれる可能性があることではない。したがって、報告書案でのp.18の記述は、p.14と同様な記述に改めるべきである。


No.2
金澤  洋逸   年齢 67歳
(概要)
プルトニウムを取り出した際に出た廃液はステンレス製の容器に流し込み冷却のため50年程度貯蔵した後、地下数百メートル以深の安定した地層中の岩盤に埋設する。

(ご意見)
 第1章ウラン廃棄物処分に関する安全確保の考え方総体的に検討するに疑義はないが、素人が考えるに、2.の(1)対象廃棄物の特徴の中の作業着、手袋、木材などの可燃性雑固体廃棄物、ゴム靴については、今後の処理研究結果次第では、地下に埋設しなくとも地上で処置が出来るのではないか。
 第2章ウラン廃棄物に相当するRI・研究所廃棄物について、上記については、その通りだと思います。
 第3章処分事業の責任分担の在り方、諸制度の整備について、3.安全確保に係わる関係法令などの整備
 ①関係法令の整備、規則、規定等を明文化しても、守らせる安全でなく、守る安全でなければ、安全、安心に結びつかないので、タテ・ヨコのパイプがいつも風通しの良い状態にしておくことが望まれる。
 ②ややもすれば、上意下達になりやすいので、下意上達も大切だので、部下の意見には耳を傾け、良い提案があればほめてあげることが非常に大切なことだので是非実行してほしい。
 ③余裕のあるリフレッシュスタイルで職務に専念しなければ、疲労は翌日までに解消するが、過労・困憊になると苦通が伴ない病的になるので健康管理には十分意をそそいで頂きたい。

No.3
中本  義信   年齢 68歳
(概要)
 ウラン廃棄物処理処分の処理事業の責任分担と、諸制度について考える。

(ご意見)
 放射性廃棄物処理処分については、大変悩みの種である。将来の見通しをしても、廃棄物の発生があり、たまっていくばかりで、減らない現状です。あくまでも、処分には、安全上支障のないようにすることが基本です。
 低レベル、高レベル放射性廃棄物の処分方法は、はっきりと、処分方法も決まっている。素掘り処分やコンクリートピット処分は、よく考えている。他の方法を研究しているのだろうか。海外での処分も、似たりよったりですが、線量基準も国によって差がある。
 線量目標値や対象廃棄物のシナリオ通りに、設定してもこれが、完璧ではなく、何が起こるか分からない。処分事業の責任については、廃棄物の発生者等の責任処分は、当然です。しかし、国が厳正な規制をして、後は知らぬ顔をすることは出来ない。重大事故があれば、関係省庁のトップの責任も覚悟しなければならない。
 原子力安全委員会は、安全と名がついたばかりに、安全基準、安全審査をして、注意深く監視していたとしても、風当りが強く責任を問われても、致し方ない。他の原子力部署も、責任の一端があり逃げられない。
 詳細な参考資料を繰り返して、目を通しました。中でも、発生施設のウラン加工事業者が、多いのには認識不足で驚きました。ウラン廃棄物は、これからも多量の発生が予想されます。廃棄物の種類と内訳が、分かりやすく図表で分析しています。
 想定埋設施設や管理期間終了後のシナリオは、見事な解説です。素掘り処分やコンクリートピット処分も、きちんと決められているのが、よく分かります。
 ウラン廃棄物処理処分について、安全規制、線量目標値の設定、安全基準の基本的な考え方については、よくまとまっています。この後は、廃棄物処理処分して、最終の処分地の選定を急ぐべきです。国が避けているのか、省庁が動けないのか知りたいことである。

No.4
一ノ本  肇   年齢 67歳
(概要)
情報公開及びその提供について、「必要」とか「不可欠」等の言葉で簡単に済まされている。もう少し厳しいものが欲しい。

(ご意見)
1. 始めに……。
 度重なる事故の影響を受けて、<ウラン廃棄物>の再利用(「もんじゅ」や「ふげん」の延期)のメドが立たなくなっている。核燃料のリサイクルは資源乏しい我が国に絶対必要である。当然廃棄物の処理量も相当に減って行くと思われる。
2. 最前線の積極性?
 これまでも識者や専門家の間では数多い安全論が唱えられて来た。しかし事故は起こっている。処理に当たっている現場と中間管理職の人たちは、真実の公開より隠蔽工作の法に走り勝ち(?)になる。
 極論すれば、国民と立地地域に伝えられる前に、真実が隠されて仕舞うケースが目立つ。原子力に携わる全ての人々に、是非共積極的な情報公開を周知徹底させて頂きたいと懇願する。
3. 事故は必ず起こる!
 現在の技術の全てを投じても、核施設での無事故は先ずあり得ない。起こり得る事故ならば、その処理(廃棄物ではない)手段次第と言う事になる筈だ…! 全国民が納得できる事故処理が不可欠だろう! 事故対策さえ完ペキならば、廃棄物処理も間違いないであろう。

No.5
渡辺  一雄   年齢 39歳
(概要)
 原子力発電における新エネルギー源としての再利用方法に期待するとともに、廃棄物の処理場の不安という問題の解消にも期待する。

(ご意見)
 原子力発電の運転によって廃棄されるウランのリサイクル化には、安全面において考えますと今すぐに賛成できるものではありません。まずは、原子力に対する国民の人的作業による不安というものが、かなり強いものであると思います。これは、きちんとした製造行程によるものならば、まったく問題はありませんが、人間はどうしても長い年月もの期間にわたって作業していますと、どうしても合理的な方法というものに憧がれがちになっしまうからです。これが本当の意味での問題点です。結果としては、いつの日かは大なり小なりともなんらかの問題が後になって発生しているのが現状です。こういった問題が発生してから反省しても手遅れです。いつも本当に困るのは国民のみですから、今回のウラン廃棄物処分の基本的な考えとしての原子力バックエンド対策については、政府の機関で定めた基準をクリアしているから良いという考え方だけでは不十分であると思います。もっと学識経験者やこの種の専門的な分野にたずさわっている方々の協力を十分にふまえたうえで実行するようにしなければならないと思います。こういった実施までの期間を決して急ぐものではなく、じっくりとした期間をおいて十分に研究をしたうえで実行にうつるというようにしなければなりません。私くしは、こういった作業時における厳守というものによっては、おおいに賛成できるものであります。むしろ、リサイクル化については大賛成できるものであります。これには本当に安全であるという保証があってからこそなのですが、実行までの安全対策方については、二重、三重の部分チェックといった手法をとることが必要なことであると思います。二十一世紀に向けての原子力発電における再利用可能な新エネルギー源の開発において期待するとともに、今後における最も合理的となるエネルギーとなるのならば、たのもしい夢のようなもののように思えます。

No.6
田中  忠夫   年齢 42歳
(概要)
 ウラン廃棄物の範囲について、より明確な記述を期待。

(ご意見)
 報告書内で検討された「対象廃棄物」の範囲は明確に示されていますが、"ウラン廃棄物"の範囲は不明確ではないでしょうか。例えば、採鉱から製錬の工程で発生するものについて鉱業廃棄物とウラン廃棄物との区分、原子力産業以外での利用における一般産業廃棄物とウラン廃棄物との区分、少量国際規制物質など、ウラン廃棄物の範囲を定義する考え方について補足することは可能でしょうか。

No.7
田中  忠夫   年齢 42歳
(概要)
 トリウムを含む廃棄物についての現状の記述を期待。

(ご意見)
 トリウムを含む廃棄物がウラン廃棄物と同様に扱えるかどうかの判断を与えるためには、トリウムを含む廃棄物のおおよその量と濃度を示し、ウラン廃棄物に比べて廃棄物量及び濃度が同等以下であることを示しておくことが必要ではないでしょうか。

No.8
田中  忠夫   年齢 42歳
(概要)
 「地下利用に余裕を持った深度への処分」について用語解説への追加を期待。

(ご意見)
 「一般的と考えられる地下利用に対して十分余裕を持った深度(例えば50~100m程度)への処分」で説明しているとの判断かと思いますが、本文中に多数回用いられている「地下利用に余裕を持った深度への処分」も用語として取り上げると親切かと思います。例えば、

「地下利用に余裕を持った深度への処分」 → 「一般的と考えられる地下利用に対して十分余裕を持った深度(例えば50~100m程度)への処分」を参照。

などとしては如何でしょうか。
 なお、用語解説の「浅地中処分」では、「地下利用に余裕を持った深度への処分」に相当する概念として、「地下数十mの岩洞への処分を含む処分概念」と具体的に示されています。「一般的と考えられる地下利用に対して十分余裕を持った深度(例えば50~100m程度)への処分」の用語解説に関しては、具体的な例を示すなり、「浅地中処分」との整合性を考慮しては如何でしょうか?

No.9
田中  忠夫   年齢 42歳
(概要)
 参考資料9の添付図をわかりやすくする工夫を期待。

(ご意見)
 資32ページの参考資料9の添付図について、1つの図に多くの情報を入れるためのご苦労が感じ取れますが、以下の点をご再考願います。

資31ページの脚注に添付図の説明がありますが、図の内容と一致してないと思います。

 添付の図1では、同じ形状のシンボルが複数使われており、白黒印刷では各グラフが意味するところを判断し難い図となっております。例えば、
・地下水移行シナリオを○から▲とし、他のシナリオとの色調を合わせる。
・跡地居住経時変化(5%U)は、シンボルなしの点線とし、他のグラフと差別化する。
・経時変化を示すグラフ上端横軸の目盛りを正しく入れる。
などの工夫によって、わかりやすくなると思います。

 また、図1の題「ウラン濃縮度等及び評価シナリオによる線量比較と経時変化例(5%濃縮U跡地居住流出なしのみ)」も図の理解を妨げるものとなっているように思います。例えば、

図1 ウラン濃縮度等及び評価シナリオによる線量の比較
   線量の経時変化の一例として、5%濃縮U跡地居住シナリオについての
   試算結果を点線で示す。

などとしては如何でしょうか。

No.10
本岡   章   年齢 67歳
(概要)
原子力エネルギーは諸刃の剣である以上 ゆりカゴから墓場までの確信がなければ利用してはならない 常に経済問題だけでなく人類滅亡につながる大問題である

(ご意見)
 人類にとって今の世界中の消費エネルギーが絶対的に必要だろうかと考えた場合、決してそうではない 程度の問題があるが 世界中がこれに目覚めてやらねば地球に人類が住めなくなる可能性が大である 原子力エネルギーに限らず 石油エネルギー 石炭etc にしても利用すればその残留物の問題で悩む事は明白である しかし原子力に関しては未知の世界に等しい事であり これを完全に制御出来るようになるには人類の英知を以ってしても末端では地球から出て来たものは地球に戻す他ない 人類が出来ないことをロボット等に託してそれをさそうとしても生物が無の世界にチャレンヂしているに過ぎない 一刻も早くそれに目覚めてもとの地球の土に戻すことを考えて程度の問題こそあれ出来るだけ人類が地球に永く住めることを地球人として望みます。
 神戸の放射性廃棄物シンポジウムにしても学者としては立派であっても かつてのエイズ問題の阿倍博士のような方は一人も居られない 私共は無知に等しい人間ですのでいくらこうだからとかどうだからとか云われても信頼する訳にはいかない面があります。要は地中深く残滓物を処理しましたと云うことならば納得します。ある建設等のサカン屋さんの発云は私は素直に理解出来ます現場に居る人間と貴方達学者のように 自分で現場で働いてロボットのように原子力エネルギーを扱って下さるなら納得出来ますが 単に結果をまとめて、これは何々あれは何々と云う結果論はもうよしましょう。いくら優秀な医者でも初歩的ミスにより人命を落した人は新聞などに報道された人々より多数居られたと思います。要は人間とロボットとのそれ等を扱う機能の違いです。ロボットは教えられたことしか出来ないが 人間は感情があります。早くしろと云われたとたん教えられたことを間違えて早く処理する可能性が多分にあります。それが殆んど初歩的なミスにつながると思います。

No.11
末次  邦雄   年齢 61歳
(概要)
 ウラン廃棄物は2030年時点でドラム缶560,000本にもなると云う。国民が原子力に対し不安を抱く主因ともなっている。早急に処理処分方について決める必要がある。

(ご意見)
 低レベル放射性廃棄物は浅地中処分で充分と考えるが高レベル放射性廃棄物の処分についてはガラス固化体にし地下100m以内に地層処分する。現在検討されている地下数100mの深地層での処分については地下岩石地下水の調査研究が未定の状態で行うのは危険が多く安全性を考えると認められない。深地層について調査研究が充分に行なわれた後に核種濃度に応じた合理的な処分を行うこと。又処分処理に当り埋設施設の規模が2×105m3ドラム缶100萬本相当となっているが1個所に集中して処分するのは管理の効率を考慮して思うがその個所に何等かの異状事態が発生した場合の危険度は計り知れない ドラム缶1萬本相当に縮少し広い範囲に分散処理することを安全確保の面から提言する。
 対象廃棄物でクリアランスレベル以下のものについて放射性廃棄物として扱いを規制外とする点については賛同出来る ICRPの勧告を最大限に活用すべきと考えます したがって0.3mSv/yを線量目標値にするのが妥当です。処分后の技術開発を積極的に進める事は勿論長期間の安全性評価の合理的在り方、管理システムの改善および各時点毎に国際的動向を踏えて処分処理の見直しが可能な機能を持たすことが重要である。
 放射性廃棄物処分に当っての放射線の影響の防止についてはICRP勧告(Publ)77,81に準拠した数値を採用することは国際的コンセンサスの枠組となり異論はないが 当勧告は数年毎に改訂されて来た経緯があることを考えに入れ かつ諸外国の安全基準等も視野に入れ策定願います。


No.12
小林  貞治   年齢 66歳
(概要)
放射性廃棄物の処分が原子力利用に比べて遅れた中でもウラン廃棄物は特に遅れている。必要な措置をもっと早く実行するように取り組むべきである

(ご意見)
 放射性廃棄物の処分についての対策が全体として遅れている中で特にウラン廃棄物の処分についての対策が遅れてしまった。この際その遅れを取り戻すような取り組みを示すべきである。
 今回示された案の内容を見ても遅れてしまった具体的な背景とか特別の理由は見当らない。
 放射性廃棄物安全研究年次計画にも至急ウラン廃棄物の安全性に関する研究項目を追加し実行して頂きたい。
 その他必要な具体的事項の検討もスケジュールを明確にして取り組んで頂きたい。
 線量目標値についても人口密度の高い日本ではICRPの0.3mSvより低い基準を早期に決定し、それをもとに各種具体的な検討をすべきである。
 フィンランドや北欧諸国、スイス、米国等が高レベル廃棄物に対して0.1mSvを設定した例を参考にしてもらいたい。
 尚従来ICRPの勧告案の日本での施行が10年以上遅れていたがそういうことはもう許されることではない。


No.13
阿部  陽子   年齢 37歳
(概要)
 国内のみならず海外での処分事例も含めて、放射性廃棄物の処分に係る維持管理等の責任分担や、処分場閉鎖後の安全は、本当に確実的なものでしょうか。

(ご意見)
 ウラン廃棄物はその半減期だけを考えても、私のような素人から見れば、とてつもなく長いものです。今、現在の科学的技術で可能な処分方法をとっても、私たちの世代で全て片が付くことではなく、必ず子や孫に受け継がれていきます。
 原子力モニターになって、私が学んだことの一つに火力発電はCO2を出すことにより大気を破壊し、水力発電は森林を破壊するだけではなく、原子力や火力によるエネルギーなしでは単独でエネルギーを生産することはできない、ということがあります。もし、モニターにならなければ知ることがなかったかもしれないことです。それ程原子力に対する知識や常識は普通知られていないし、まちがったものが多いです。
 しかしウラン廃棄物は、今の技術では確実に私たちの世代で消滅することはない、そして、それは日本だけでなく世界中で起こっています。と、いうことは、より多くの人間が原子力の知識や廃棄物に対する理解がなければ、正しく次世代までその安全性を受け継ぐことは難しいのではないでしょうか。


No.14
武部  慎一   年齢 47歳
(概要)
 基本的考え方についての案に対する意見募集期間がなぜこんなに短いのか?情報公開の方法をもっとよく考えて、TV等のメディアを利用し、真剣に議論が必要ではないか?

(ご意見) 
・2000年という区切りの為か、ここ数年でバタバタと放射性廃棄物毎に「処分に関する考え方(案)」が公開され意見募集されているが、募集期間が短過ぎないか?。今回の期間も1ヶ月と短い。関係者ですら知らない間に募集期間が過ぎてしまう。インターネット時代でもあり、電子情報として広く公開しているつもりでいると思われるが、これを利用している人はどの程度いるのか?。関係機関にも文書情報を配付していると思われるが、これまで意見募集して寄せられた意見数はどれほどなのか?、意見数をまとめて処分に関する関心度はどの程度なのか?、把握、評価する必要がある。意見も関係者の意見が多く、一般市民の意見は非常に少ないものと思う。本当に意見を広く聞く、聞き入れるつもりならば、多くのメディア(TV等)を利用して、討論、議論が必要と思われる。


No.15
武部  慎一   年齢 47歳
(概要)
 廃棄物処分に関する安全評価パラメータは国内で可能な限り整備する必要がある。

(ご意見)
・処分に関する安全評価において、ウランに限らずどの場合も国際機関の評価パラメータが使用されているケースが多い。国内における安全評価を国際的なデータに基づいて評価しているという、一見良さそうに見えるが大きな矛盾である。これを矛盾と考えるか考えないのか?問題意識の違いはある。安全評価に国内のデータが使われないのは、この分野での国内データが非常に少ないことも原因である。これらの評価パラメータを自力で整備しようという積極性がほしい。多くの研究機関が並行して評価パラメータの収集、整備を進めるならば、データ収集に関する期間も短縮でき、国内の地層に対応した評価が可能となり、国内地層を考慮した処分システムの構築に大きく寄与することが可能である。自分のことは自分で評価できるデータを国内に蓄積、整備することが重要な課題ではないだろうか?


No.16
武部  慎一   年齢 47歳
(概要)
 これまでに示された「処分の考え方」に比べて多くの項目が検討事項として挙げられているが、基本的考え方のみで国内の現状の具体的な解決策等が不足しているのでは。

(ご意見)
・ここ数年の間に多くの放射性廃棄物の処分に関する考え方(案)が示されている。最後になって出てきたウラン廃棄物についての考え方案であり、これまでの考え方について指摘のあった項目などが、抜けが無く文章化されているように思われる。ただ、国内のにおける加工施設や、人形峠の各施設などに関する国内の問題について、具体的な方策や考え方などはデータもなければ、何が問題になるかも書かれていない。これらの国内の問題部分について一覧表などを作成して公開し、具体的にどう考えるのか、議論が必要である。ウランに関する問題をきっちっと情報公開する必要がある。
 この資料は、まだ、形だけの考え方が示されたに過ぎない。基本的な考え方は紙の上として理解できるが、具体的な解決策についても検討しているのであれば、ある程度明示しても良いのではないか。この具体化については、p19、責任分担のあり方に発生者責任が唱われているが、国による見方、考え方を具体的に示すことは難しいのか?
・また、6章では積極的な情報公開が記載されているが実際に国内の状況が公開されているようには思われない。ウランに関する国内施設の現状と処分の問題点などまとめて、公開してはどうか?
 その他、科技庁でも、通産省等でも多くの特別会計などによる研究が実施されているが、データがなかなか公開されないのは国にとっても損失である。可能な限り速やかに、タイムリーに、まずは国内に広く公開されることが望ましい。得てして、議論などがあまり行われない外国でのポスターセッションなどで公開しているという例が目につく。 まずは、国内の議論をきっちりを進めるべきではないだろうか?


No.17
栗原   哲   年齢 50歳
(概要)
放射性廃棄物対策は、一般廃棄物と同様に、発生量の抑制が大前提としながらも、そのための道筋も方法も全く示されていず、この案は無効である。

(ご意見)
 ウラン廃棄物は、時間の経過による放射性物質の低減が期待できないこと、及び線量評価に関してシナリオ、モデル、パラメータの不確実性という当たり前のことを認めながらも、何ら根拠も示さずに、適切な処分方策を行なうことにより、安全かつ合理的に処分できると結論を出している。参考資料9として示されている線量試算例は、最も安全側のものなのかどうかさえも不明である。この案が、これまでの原子力政策と同様に公認のものとなった時は、既に出されているところの「安全かつ合理的に処分できる」という結論に向けてもっともらしい「シナリオ」が作られるのは目に見えている。それはこの種の案を検討するメンバーが、ほとんど、「お仲間」であり厳しい批判、疑問など出されるはずがないからである。「放射線防護の最適化」という考え方にしても、社会的、経済的事項を考慮しつつとあるように要するに原子力産業にとって過大な負担にならないような費用しかかけないということである。将来にわたる不確実性を一応考えたと一言入れておけば、未来の世代に対する責任を果たせるとでも、この案を作り、そのまま実行しようとしている人たちは考えているのだろうか。
 参考資料7にあるICRPの文書は、日本語としては最悪に近い文章であり、こういうものを提示しても情報公開したことにはならない。又用語解説にある「ウラン濃縮度」の説明も明らかにおかしい。
 発生量の抑制という大前提に立てば、原子力発電、再処理を含む核燃料サイクルの終止へと向かうしかない。できるだけ早くそのための行動をはじめるべきである。


No.18
御園   深   年齢 64歳
(概要)
ウラン廃棄物処理処分の難しさ

(ご意見) 
 ウランは、半減期が長く時間の経過による放射性物質の低減が期待できないこと、又、それ以前に対象廃棄物の放射性核種濃度は減少せず、千年位経過すると、ウランの子孫核種が生成及び累積増加し、数十万年でピークになることを初めて知った。それだけウランの資源としての強さを認識でき、日本全国の自然放射線量が地域によって異なることも知った。気の遠くなるほどの期間(半減期は約45億年)に対して廃棄物の処理処分方法は非常に困難なことだと思う。今の世代の人は総てこの世に生存しないのだから想像できないが、今の時点で後々にその方法を考えなければ仕方ないだろう。
 まず、現状のウラン廃棄物の発生による焼却処理は、焼却灰も含めて未処理のまま廃棄物貯蔵施設内に保管されているようだが、増々累積発生量は増えていくので、対策を急がなければならない。「廃棄物処分の基本的な考え方」にもあるように、発生量の抑制が第一で、その低減や有効利用を考えることが重要で、廃棄物の特徴、放射性核種の種類及び濃度を考慮し設定することは最もなことと考える。
 又、海外での処分の方法は低レベル放射性廃棄物の一種として扱われている例が多く、素堀り処分相当が多く行われている様子ですが、我が国としては国土は狭いものの、やはり安全処理処分を第一に考え、地下利用をしたコンクリートピット処分が最適と思う。
 専門的なことは判らないものの、この「ウラン廃棄物処理処分の基本的考え方について」は完璧なものと思います。又、更に地域や環境の相違はあるものの、海外の新しい考え方、方法等も参考にすべきと思います。


No.19
原沢  佳子   年齢 66歳
(概要)
 「ウラン廃棄物」を特定しての処理処分に関して、安全性を十分検討されている事は当然の話。考え方としては理解できますが、その先の課題は未解決の部分が多いと思います。

(ご意見)
 私たちは放射性廃棄物という大きなくくり方で受け止めていましたが、ウラン廃棄物は要注意なのだ、と感じました。処理処分の方法も複数あって、それぞれに特徴がある……。
 専門家が検討を重ねて第一章の5がまとめられ、技術開発の課題も示されたのでしょうから、その点については特別に何をどうというは無い(本当は何も言えない)のです。唯、生活者の立場で、要は第3章がどこまで実行されるかです。そして、これ程重要な原子力利用を、生活者はどう受け止めているかに問題があると思います。現在の暮らしを支えるエネルギー源が、どのような状況か、多くは知らないままに過ぎていると思います。最近は西の方で原発反対が起きているようですが、必要なエネルギー源をどう理解してもらうかについての対策は?。情報公開とか情報提供の具体策を知りたいものです。
 表題に直接かかわる部分に問題は無いと思いますが、その先の課題は予想以上に多いと思います。安全を認め更に必要性を認識して、計画に賛同できる生活者が多くなるよう周辺整備にも期待しています。

 ※参考資料の中のグラフや表は理解の助けになります。
  特に資4表1、資5図1、資10など話題に供したいと思います。


No.20
田中  宏平   年齢 77歳
(概要)
 放射性廃棄物処理全体の体系がよく分らないので、簡潔に示すことが望ましい。特に一般市民には安全のための細かい配慮と、理解のための大まかさの矛盾が生じるとは思うが

(ご意見)
 大まかに言って、原発関係の高レベル、低ベル廃棄物、RI等のウラン廃棄物、ウラン燃料関係の対象廃棄物の4種があるということか。高レベル廃棄物を除いて、他の3種は一緒に示せないのかというのが、素人眼の第一印象。RI等のウラン廃棄物と、ウラン燃料処理関係の廃棄物双方を含めウラン廃棄物というらしいが、p2に以下「対象廃棄物」というと規定していながら、p17以下にまたウラン廃棄物が出て来て、p19以下には「当該廃棄物」という規定が来るので、混乱する。記述を統一できないか。対象廃棄物の9割までが、素掘りでよいとする結論ならば、それを中心にして、安全のため、コンクリート、余祐深度処理を例外的に扱うというように簡単にできないか。全体的に、その結論を補足する説明が、蛇足的、繰返しでくどくどと分かりにくい。半減期が45億年以上という刺激的表現が2か所もあって驚かされる。もっと全体的に重複を避け、簡潔なのがよいと思う。あいまいな表現の多いことはやむを得ないのか。文末に「考えられる」「必要である」「可能性があると考えられる」「必要になる場合がある」など。中には「不可欠である」「制限する」「すべきである」など断定的な文末もあるので、各文末の表現を再検討し、できるだけ、明確に規定するだけの権威がほしい。ICRPの引用は、なぜ仮訳なのか、最初の一節は全く意味がつかめない。名称を含め定訳で示すべき今回の文書ではないか。p3の「有意に含まれていない」の表現もよく分らない。処理するドラム缶56万本という数、フランスの300年の管理期間というのにも驚かされるので、p5の有効利用や、処理の技術開発などは大いに期待したいところで、本文中でもっと力説してほしい。放射性廃棄物は今後とも次第に世論が厳しくなってくる。一般市民に理解されやすいように、簡潔に、体系化する方が、詳しく、屋上屋(RI関係は他にあるというのにまた2章にある)よりいい。


No.21
飯塚  圭亮   年齢 62歳
(概要)
 原発反対の政治的な意図により過剰な要求となり、コストアップから結果的に原子力が敬遠されることを避ける。放射線規制目標値はわが国独自の目標を設定すべき。

(ご意見)
4.1線量目標値、クリヤランスレベルについて:
 今後の経済活動は持続可能なエネルギー資源の枠組みの中で最適化を追求する必要があり、あらゆるエネルギー資源を最大限有効に活用することが重要である。わが国の原子力に対する国民感情は、唯一の被爆国と言う事情から核兵器のみでなく、原子力発電に対しても危険なものと受け止める面も見られる。
配慮すべき点は、上記国民感情を政治的に利用して、住民活動や環境活動を扇動し、原子力発電や放射性物質が制御できない程危険で有害なものと宣伝して、原子力発電に反対するために、管理を複雑にし、バックエンド対策のコストアップをはかる動きが見られたことである。 ICRP1998(Publ77)についても欧米各国が原子力発電の抑制に動いていることからその影響を受けた妥協の産物と考えられる。温暖化対策は国民の誤解を解く千載一遇のチャンスであり有効に活用したい。放射線の規制値は従来、ガンの発生を増やさないことを中心として設定されていると考えられるが、わが国のガンの予防、治療技術は最近急速に進歩していること、ガンの発生が、放射線以外の要因によるリスクが大きいこと、更に放射線被爆医療技術の進歩から、わが国独自の規制値を設定する必要があり、少なくとも現段階では暫定値とすべきであり、定期的に見直すべきである。

4.2高レベル放射性廃棄物の冷却後の固化は30年後に見直す。
高レベル放射性廃棄物と言えども、エネルギー資源としての有効活用を図るべきで、ガラス固化は冷却が終了する30年乃至50年後に是非を見直すべきである。具体的には、環境改善のための酸化チタン触媒活性エネルギーへの活用、RI電池等が考えられる。

No.22
紅谷  淑子   年齢 69歳
(概要)
 線量ピークが数十万年~百万年(p.資32)では、管理不能で、処分は必ず汚染の拡散をもたらす。ウラン廃棄物の発生を直ちに止める方向へ進み、しかるのち処分方法を出すべき

(ご意見)
1 (放射性廃棄物濃度は)「千年以上経過すると、ウランの子孫核種が生成および累積することから徐々に増加し、数十万年でピークになる」(p.4)とあり、さらに、p.資32によれば劣化ウランの線量ピークは百万年レベルと示されている。
  一方、引用されているシナリオ(pp.資19~20)での管理期間は五十年・三百年が示されている。「管理の継続」の検討がp.9に述べられているが、少々の継続では追いつくまい。両者は著しく不整合である。

 (容器の損壊や水の浸入を防ぐのには室内保管の方がよい。永年のメンテナンスがどんなに大変でも。)

2 要するに、ウラン廃棄物はプルトニウムに比べて一見処分が簡単そうに見えて、実はとんでもない難物である。土・水に拡散すればよいというものではない。国土全体のウランとその子孫核種の汚染がうすく広がり、それに合わせて規制がゆるめられる、というような日本にしてほしくない。この難物は近い将来必ずトラブルを起すだろう。
  せめて新たなウラン廃棄物の発生を止めてほしい。まだ残っているウランに関する事業を止める計画に直ちに着手してほしい。

  もちろん原発も早期に段階的廃止を進めるべきである。
  政策次第で、日本は自然エネルギーの大国になりうる。何も、ほろびの道へ進まなくて良い。

3 その上で上記難物の扱い方を住民に問うべきである。


No.23
紅谷  淑子   年齢 69歳
(概要)
 ウラン廃棄物は、土にばらまいたり、水によって流出移行すれば、どうにかなる、とは考えないでほしい。

(ご意見)
1 水による流出移行について
 p.資31に引用されているシナリオのひとつによれば「地下水による流出過程を考慮した場合、跡地居住・跡地建設のいずれの評価も約1/5に低下する」とあり、移行量がただならぬものであることを示している。
  移行したものは消えるものでないから、あるいは薄く広く拡散し、あるいは、なんらかの契機によって濃縮、偏在するであろう。人、動植物、バクテリア等への影響は平均的ではなく、想定外のことが起こるだろう。次から次へと水への移行が起こることは、怖しいことである。
  さらに今後、温暖化による異常な降雨による洪水、大地動乱の時代ゆえに津波での一挙流出も考慮に入れねばならない。

2 クリヤランスレベル以下のものについて
 ウラン廃棄物の特殊性から言って、産廃扱いすべきではない。現在の産廃業者を信用せよと言ってもムリである。地権者が変ったり記録が失われたりして重複処分もあるし、長期にわたっての住民のチェックも及びがたく、線量や核種についての情報も期しがたい(クリヤランスレベル以上のものが混・偏在していても、非合法なものがまぎれこんでも分らない)

  さらに永年のうちに管理がされなくなり、ウランの微粉末が空中に舞うことにでもなれば、α放射能などによる内部被ばく、特に妊婦や乳幼児のそれが懸念される

3 千年ほどは屋内保管をし、生物やさまざまの物質との反応をまず調べあげてから処分を論じるべきである。


No.24
紅谷  淑子   年齢 69歳
(概要)
 劣化ウランによる慢性疾患について情報公開・調査研究・障害の予防に十二分の配慮をされたい。

(ご意見)
1 劣化ウランについてはU235の混入%や子孫核種の混在、そして本来の重金属としての性質など、素人にも懸念される点が多い。

2 古い機種の航空機のバランスウェイトは有名だが、とんでもないものに広く用いられいる可能性もあり、使っている本人も知らないかもしれない。

3 湾岸戦争症候群・コソボ症候群などが指摘され、NATOの否定にもかかわらず、軍医まで劣化ウラン弾の痕跡のある所では防御用スーツの着用を指示する例もあるとか。これらの症候に対して詳細な情報公開がないということは、かえって非常に心配である。

4 ウラン産業の出した劣化ウランに対して国内外の懸念事項を精査・対策するとともに、ウラン産業・医療・研究所以外の民間・自衛隊から出てくる劣化ウランのゴミがないか、検討してほしい。

No.25
紅谷  淑子   年齢 69歳
(概要)
 過去に行なわれた採掘に伴う鉱滓の扱いについて、この報告ではよくわからない。また随伴するラドン気体については、ごく一般的な記述しかない。詳細方針を示されたい。


No.26
紅谷  淑子   年齢 69歳
(概要)
 「公衆の線量限度の1mSv/年を守ることを基本とし」(p16)とある。国際動向の如何にかかわらず、この値あるいはもっと低い価を守りぬいてほしい。

(ご意見)
  1mSv/年は、広島・長崎・ハンフォードの被ばく者の被害から定められたと聞く。さらに半世紀のフォローから、本当はもっと低くて然るべきとの議論もある。戦争中少女であった私には、多くの痛みのもたらした数字は重いと感じる。
  しかるに最近この数字を大幅にゆるめようとす議論がICRP内部にあると聞く。ぜいたくな電化生活の代償として、この限度を引き上げるなど、とんでもないことである。
  国際的な動向がいかがあれ、日本は、多くの人の痛みと死であがなわれたこの値を守り、国民の今後の健康な生活を守ってほしい。


No.27
紅谷  淑子   年齢 69歳
(概要)
 「自然放射能」をひとつの基準ないし目安とされているが、人工の核分裂ができるようになり、実験されて後の測定値を使用することは不適当と考える。

(ご意見)
1 太古の地表の自然放射能が、長い時間をかけて減りやっと生物や人が住めるようになったのだと思う。

2 太平洋島嶼部の海底のボーリング調査に昔たずさわったことのある人から 長いコアの上の方の、ほんのわずかな部分に、放射能の急増があって、がく然としたことがあると聞いた。コアの他の部分は低い値で、ほとんど変化がなかったという。
  核実験に近い処と日本は違うだろう。しかし、大気は環流しており、チェノブイリ事故の放射能は日本にも流れた。阪神・淡路大震災では、工場・研究所・病院などのRIは倒壊、炎上に巻き込まれて行方不明となったはずである。また、人工核分裂ではないが、チタン精練にともなう鉱滓(ウランを含む)が当地近傍では問題にされている。
  広義で、人間の活動に伴う放射能の地表への集積がみられる。これを分けずに「自然放射能」と見ることには、なっとくできない。


No.28
紅谷  淑子   年齢 69歳
(概要)
 ウラン廃棄物の線量測定方法を改善してほしい。計れなければ計る手段を開発する方針を立ててほしい。

(ご意見)
  廃炉のクリアランスレベルの例では、たしか、10トンを均一と見なす、とか、容器に詰めてから外側から計る、とか書かれていたと記憶する。

  廃棄物は決して均一ではない。容器の中央にα・β線量の偏って大きなものが入っていたとしても、外からは分るまい。γ線ですら、間に詰まっている金属の種類によっては、正しく計測されないかもしれない。

  数しれぬ事故かくし・トラブルかくし・ねつ造とそのチェック不全……私たちの疑念は、ふくらみ放しである。

  低レベルにせよ、クリアランスレベルにせよ、もっと合理的な計測方法を開発・開示し、かつすべてのロットについて、計測結果を、だれでも、いつでも知りうるようにしてほしい。

No.29
山口  耕平   年齢 30歳
(概要)
 長期間の評価に伴う不確実性については、総合的見地から扱われるべきである。

(ご意見)
 ウランは、半減期が長く、長期にわたって潜在的な影響を考慮する必要がある。不確実性の要因としては、長期にわたる気候の変動や地殻の変動などを挙げることができるだろう。これらの不確実性は、必ずしも処分の潜在的な影響を増幅するものばかりではなく、処分の影響を低減するようなものも存在するであろう。
 報告書案の13ページでは、不確実性の事例として地層の隆起・浸食が挙げられており、また、10ページでは文の構成から類推して、評価の長期性に伴う不確かさや不確実性の例として地層の隆起・侵食が挙げられていると思われる。しかし、遠い将来においては、隆起・侵食とは逆の現象である沈下・堆積という事象が起こることも考えられる。これらの事象によって、潜在的な影響は増大することもあり、また減少することもあり得る。古い遺跡の多くが地下に埋もれており、中には海底に沈んだ遺跡の存在も知られている。これらの場合には、潜在的な影響はむしろ小さくなると考えられる。
 したがって、不確実性の事例として隆起・浸食だけを表記するのは適切ではなく、長期の不確実性については、総合的に判断を行うように努めることが基本となるべきであろう。

No.30
麻生  光子   年齢 67歳
(概要)
 資料を読めばよむ程に科学の世界が迷路のごとく遠いものになってしまう。使ったものは当然片付けをする。簡単な発想から、原子科学を知り日本の地質学を学ぶから始める。

(ご意見)
 私は原子力モニターをお引き受けしてから多くのことを教えられました。日本人は特に専門分野と一般国民との格差が大き過ぎる。心して学ぶを持たないかぎり電気の発祥すら疑問を持たず料金の高低に怒る。問題「事故」が起ってから大騒ぎをする。科学者は一流であっても一般住民は発展途上国民と変りはない。ほんとうに認識が低いのである。実態は驚くような話しが出て来る。
 原子力関係の組織の方はあらゆる参考文献の冊子を配り理解を求めてもそれを理解しようとする人が一割いればよい方だ。だからと云って廃棄物を当地に作るといえば猛然と抵抗してくる。人の話しを聞かない。むつかしいことは聞えなかったことにする。原子力発電など厄介なものは我らの身近に造るな、といった様である。
 自分さえよければよい島国根性そのままである。人の意識もすべての面で優れていると云うドイツの話しを聞く民族の違い子供の頃から培われた教育が環境を変え、国を建る。しかし、日本国民も少しづつではあるが国際的視野を持っている人に会える。こんな大分県にもこんな人が居るとほっとすることがある。
 10月27日、大分県での原子力発電廃棄物シンポジューム感心の薄い地だけにどうなるかと心配しながら参加しましたが低調の中にもどうにか時間内に終りました。脱原発のパネリスト、反対がために日本の置かれた国情も考えずに即時撤退、科学者の案とは別に安全方法とか処理法の提案はない声高に批判するだけである。
 原子力事業は国家的プロデクト科学技術庁も科学者、企業者も国民もすべての者が真剣に取組んで行かなければ前に進むことはできない。今だに原子力は「怖い」など言っている日本人、JCOの非常識な事故を起したのも科学者の端くれな日本人、日本人て不思議な浪花節的面が強く出ていると思った。送られて来た又資料や会場で受け取った資料を読んでも、私ども一般国民には、只専門家の意見を素直に受け止めるしかない。すべて教えられることばかりです。科学者を親頼するより方法はありません。しかし、JCOのような事は二度と繰返さないで下さい。私には具体的な方法論など提案はできません。理解し内容を仲間に伝えることは致します。
 原子力発電所はウランの力でエネルギーに変えたが、廃棄物処理処分は人間のエネルギーで解決したいと考える。


No.30(続き)

-原子力モニターについて-

今年いっぱいでモニター制度を中止すると聞いていますが、現状の方法だと止めた方がよいと思います。2年半引き受けて色々と現場見学とか学者の講演など又月1回送って頂く科学雑誌などで、科学を認識することが出来少しは知識も、日常生活のしくみも理解し強くなりました。人様にも受け継ぐことが出来ましたが、モニター、懇話会時の意見は前進がない。出席者がすべて賛成しろとは思はないが、反対ならそれなりの裏付けがあって良いはず只、怖いの、嫌いだの、この程度のことしか云えないモニターだったら意味がありません。これからは専門家や女性による生活エネルギーの講演会など行ったらどうでしょうか、日本人皆んなで考えるエネルギーとして

※朝日新聞金曜日朝刊に日本原子力文化振興財団が出している「エネルギーのはなし」いつも読んでいます。これからもずっと続けて下さい。


No.31
池野  正治   年齢 51歳
(概要)
 「対象廃棄物」に人形峠での採掘残土が含まれていないが、「対象」に入れるべきではないか。

(ご意見)
動燃は1987年に採掘を終了し、残土45万m3を放置したままであるが、その処分が未定である。88年当時で0.1mR/hを越える地点は16ヶ所、最高0.68mR/hであった。元鉱山周辺のRn濃度は数万Bq/m3も観測されている。Rnは空気の7.5倍の重さであり、人間の環境に容易に拡散する。そして残土は河川に流出し、下流域の水、土壌を汚染し続けている。
このウラン鉱石を含む残土がなぜ今回の「ウラン廃棄物」に該当しないのか、説明されたい。0.3mSv/年という線量拘束値を超えているはずである。


No.32
池野  正治   年齢 51歳
(概要)
 今回の「ウラン廃棄物」には「劣化ウラン」や「減損ウラン」は含まれていないが、これらはいずれ「廃棄物」として再利用か処分されると思われるので、対象とすべき。

(ご意見)
劣化ウランは人形峠と六ヶ所ウラン濃縮工場に約1万t保管されている。ところが「高速増殖炉」の実用化は事実上凍結され、又MOX燃料加工工場の建設計画も「絵に描いた餅」であろう。たとえMOX燃料に使用されようとも、再処理工場から抽出されるプルトニウムの量からすれば、必要となる劣化ウランの量はわずかである。(核分裂性Pu5t/年に対し、MOX燃料として90tHM/年)
又案が触れているが、劣化ウランは銃弾に使用され、「湾岸症候群」、「コソボ症候群」として国連環境計画調査団が調査に当っている。ウランの放射性毒性とともに、重金属としての毒性が疑われている。L-50が0.23gとされるが、案ではこの毒性について考察していない。
米国や英国では劣化ウランが堂々と再利用され、被曝や環境汚染が問題になっている。日本国内での劣化ウランの使用状況を科技庁や通産省、厚生省(医療用)、運輸省(航空機の翼等)などは把握しているのであろうか。劣化ウランや減損ウランを当然「ウラン廃棄物」に加えるべきである。米国クライヴ処分場は天燃ウラン、劣化ウランも受入れている。(参考資料8)


No.33
池野  正治   年齢 51歳
(概要)
 「回収ウラン」は「ウラン廃棄物」か「TRU廃棄物」で取扱える、としているが、さらなる検討が必要である。

(ご意見)
8頁に上記の主旨が書かれているが、英仏から返還される回収ウランはイエローケーキで約8千tとされているが、国内で再濃縮・再転換できるプラントは人形峠だけであるが、既に終了している。全容は不明であるのが、返還分の一部はオランダに再濃縮を委託している。六ヶ所再処理工場が稼働すれば、この回収ウランを再濃縮・再転換しなければならず、又燃料加工をしてくれる企業を探さなければならない。問題の多い回収ウランゆえに、これもウラン廃棄物になるのではないか。
回収ウランはTRUを含むゆえ、ヨウ素129並の隔離が必要ではないか。又232Uと236Uを含むが、これらの毒性についても検討する必要がある。


No.34
池野  正治   年齢 51歳
(概要)
 規制除外線量10μSv/年に代る線量としてICRPの0.3mSv/年を想定しているが、きわめて高すぎる。10μSv/年にするべきである。

(ご意見)
自然放射能による被曝線量は、238U系列では約1/3の0.45mSv/年になる。(かつては104mremとされた)これにウラン廃棄物による被曝線量0.3mSv/年と、宇宙線や40K、Th系列からの被曝線量を加えれば、1mSv/年を越えてしまう。そして放射性廃棄物処分は高レベル廃棄物処分や幾種類かの低レベル廃棄物処分場と同じ場所が考えられている。(先に電事連が高β・γ廃棄物処分場の建設を六ヶ所村に打診した)現在策定中の「長計」でも言及されている。
「線量拘束値」を導入したとしても、ピークが数十万年後に来るのであるから、その時点での「拘束値」ではなく、処分時の値であろう。ならばピークにはその10倍の値となる。(資料16ページ)つまりこの「ウラン廃棄物」処分場だけによる被曝線量が上限で3mSv/年となる。これでは後世の人たちに責任はとれない。よって処分時のレベルは10μSv/年にするべきである。


No.35
池野  正治   年齢 51歳
(概要)
 「介入」レベルについて、現存年線量10mSv以下を正当化できないレベルとし、100mSv以上を正当化できるレベルとする、ICRP Publi81を参考にしているが、これでは処分場周辺住民に説明はできない。

(ご意見)
ICRP Publ60で「介入」についての一般原則が提示されたが、これは原子力産業・放射線利用産業の意を体したものである。「正当化」とは「害より益の方が大きいものであるべきである」とされ、「害」とはレベルの引下げによる産業界の経済的損失であり、「益」とは介入しなかった故に被る損失を上回る介入による「益」と理解する。「最適化」とは介入による益を最大にするカタチであり、当然介入の損害=出費は最小限になる、と理解する。「わずかな不利益を排除するために必要なコストが不釣合いに大きい場倍は、そのような介入は正当化されない」(Publ 82)ような廃棄物対策-原子力行政では、国民の合意など得られるはずがない。
「介入」は通常、事故時の公衆構成員の防護を目的としている。(Publ60-68)放射性廃棄物処分場における緊急時のレベルにはこの「介入」という概念はなじまない。通常の規制値を超えた時点で行動するのが当然である。


No.36
池野  正治   年齢 51歳
(概要)
廃棄物発生者の顔が全く見えない。責任の在り方と研究体制、そして処分場建設に向けての制度、そして処分費用の積立てを早急に確立すべきである。

(ご意見)
案の最後に責任の在り方や諸制度の整備について言及されているが、高レベル廃棄物に比べそれ以外の廃棄物について、国や事業者は積極的に広報を行ってこなかった。そして研究も高レベルに比べて無きに等しい。電力会社が生み出した廃棄物に対し、当然電力会社自身が研究開発、処分場建設をするべきであり、国は強力に電力を指導すべきである。莫大な量の放射性廃棄物を発生させる原子力にもし未来があるなら、廃棄物は中央から遠く離れた、目の届かない地方に捨てるのではなく、中央にこそ処分場を作れるはずである。そして電中研が名前通り研究開発をし、「原子力発電等環境整備機構」が中核となって処分事業を行うのが最適と考える。
 今後予想される十電力体制の解体前に急いで諸制度の整備を確立すべきである。
 


No.37
池野  正治   年齢 51歳
(概要)
 長期間の貯蔵-処分によるウランの地下水への移行はどのように検討したのか。

(ご意見)
 16頁に「長期間経過後においては、地下水移行などによる濃度低減が有意になる」と記されているが、「長期間」とはどの程度か。又地下水移行をどう評価したのか、モデルを公表されたい。
 参考資料9でウラン核種の地下水による流出するシナリオを示してあるが、流出した場合、跡地のシナリオの線量評価は1/5になる、としている。これはトレンチ処分の場合であるから、300年後を想定しているのであろうが、流出した4/5のウランはどこへ行ったのか。又300年でウランは4/5流出すると考えているのか、明らかにされたい。


No.38
久保 美恵子   年齢   歳
(概要)
1-2(1) 焼却処理した場合、大気中に出てしまったものは考慮されているのか。それとも濃度が低く問題ないと考えているのか。 液体廃棄物についても同様に問う。

(ご意見)
 液体廃棄物の処理は加熱して蒸発する部分や薄めて廃水とする場合、可燃性のものについては焼却する場合、それぞれ環境中に排出されていると考えられるが、濃度が比較的薄いとしても、持続的に排出され続ける放射能を放置しても良いのだろうか。濃度が薄いとしても全体の放射能量についても問題とすべきである。

No.39
久保 美恵子   年齢   歳
(概要)
1-3 放射性廃棄物は発生量の抑制が大前提であるのなら、除染による切り下げやクリアランスレベルで放射性ではないと評価するのは許されない。RIについても同じ。

(ご意見)
 発生量の抑制が大前提であるのなら、廃棄物の発生量を抑えるのは利用を抑制するしか方法はない筈である。低減といっても除染や希釈をしても廃棄物の形が変わるだけであって、放射能量は少しも低減しないのである。RIについても濃度が低いので余り問題にしなくてもいいと言われているようだが、RI利用が著しく増えていることを考えるとその廃棄物の行方も心配される。原子力発電所に比べると世間で注目されていない医療機関や研究施設からの廃棄物は監視が甘いと言われ、一般廃棄物への混入や、環境中に捨てられていることが珍しくないと聞いている。


No.40
久保 美恵子   年齢   歳
(概要)
1-4(1) 除染により廃棄物の低減が可能とあるがそれはおかしい。全体としての放射能の量は変わらない筈だし、むしろ放射能汚染の拡散につながることを懸念する。

(ご意見)
 除染は放射能汚染を別の物に移し取って汚染物の形が変わるだけで、二次廃棄物その他もウラン廃棄物そのものではないか。汚染物の種類が増える上に、作業被ばくや費用増加があるなど、除染の意義を見出せない。放射性廃棄物の処理に加工を増やすことは汚染の拡大につながると考える。作ってしまったウラン廃棄物はそのまま閉じ込めることが、拡散を少しでも防ぐ方法なのではないか。

No.41
久保 美恵子   年齢   歳
(概要)
1-4(3) ウランと子孫核種が外部被ばくの1/3もしめている物質だからこそ、その量を増やすことは重大であると認識すべきだ。気体であるラドンは内部被ばくも心配される。


No.42
久保 美恵子   年齢   歳
(概要)
1-4(4) 放射平衡に達するまでに数十万年もかかる物質を安全に処分できると考えることは、極めて異常ではないか。

No.43
久保 美恵子   年齢   歳
(概要)
1-4(4) シナリオにより被ばく線量の試算値が低くなる場合が考えられているが、濃度の低下は拡散したことを意味するのではないか。環境全体が広く汚染するのだろう。

No.44
久保 美恵子   年齢   歳
(概要)
1-4(4) 可能性の小さい事象は分けて評価するとあるが、どんな事象が発生するか予想できないことは現在明らかになっており、把握できると安易に考えるのは危険である。

(ご意見)
 いろいろな事象を全て把握し、評価し、管理できるとするならば、放射性物質が金属スクラップなどに混入する事故が続いている事をどう説明するのか。 他の廃棄物問題でも、ダイオキシンや、化学物質や重金属による水質や土壌の汚染、排気ガスなど、環境は既に深刻な汚染を抱え、科学はそれを解決できないのである。

No.45
飯島  和毅   年齢 33歳
(概要)
従来の低レベル放射性廃棄物の処分に適用されていた段階管理の考え方が適用できないとしながら、段階管理を前提とした従来の処分方法を適用するのは矛盾している。

(ご意見)
従来の素掘り処分、コンクリートピット処分及び地下利用に余裕を持った深度への処分は、長期性に伴う不確実性を考慮する必要がないことを前提とした処分概念である。その処分概念を、長期性に伴う不確実性に対する考慮が必要なウラン廃棄物に適用することの可否についての検討をまず行うべきであるが、本報告書ではその検討が行われておらず、検討を行わない理由も明記されていない。基本的考え方を検討する段階とはいえ、長期的不確実性に対する考慮が必要であることがウラン廃棄物の特徴だから、基本的考え方にも不確実性に対する考慮は含まれるべきである。


No.46
飯島  和毅   年齢 33歳
(概要)
これまで低レベル放射性廃棄物の処分方策の検討に当たっては、線量目標値を10μSv/年としてきたにもかかわらず、ウラン廃棄物では0.3mSv/年とした理由を記載すべき。

(ご意見)
線量目標値を10μSv/年とするか、0.3mSv/年とするかといった具体的な線量目標値に関する議論は、原子力安全委員会で決めるべきと考える。しかし、なぜ、今回だけ従来の低レベル放射性廃棄物の処分方策検討で用いていた10μSv/年を用いないのか、ということについての説明が乏しい。以前の処分方策検討時からの国際的な検討状況の変化があった、考慮すべき時間の長さが違うため同じ10μSv/年を適用するのは適当ではない、高レベル放射性廃棄物の第2次取りまとめと同じように一例として海外の基準値を目安値とした、といった理由があるのであれば、それを明記すべきである。理由がないのであれば、比較のため、10μSv/年を目安値とした場合の処分可能性の検討結果も併せて記載すべきである。


No.47
飯島  和毅   年齢 33歳
(概要)
潜在的影響が長期間経過後に大きくなることを理由に、制度的管理の維持の重要性を謳うのは、制度的管理の長期にわたる有効性を疑問視する国際的な検討結果に反する。

(ご意見)
放射性廃棄物処分を行う上で、制度的管理の維持に対し努力が払われるべきであることは当然であり、ウラン廃棄物に限った話ではない。まして、対象廃棄物の処分後長期にわたり安全を確保することが必要であれば、制度的管理に安全確保の一端を担わせることは危険であり、これまで行われてきた国際的な場における検討結果にも反するものである。長期間経過後に起こる特定のシナリオの排除を目的として、長期有効性を期待できる制度的管理方法の検討を行うことは、適当ではない。あくまで、高レベル放射性廃棄物処分と平仄を合わせて閉鎖後管理についても検討する、という程度の記述にとどめるべきである。


No.48
飯島  和毅   年齢 33歳
(概要)
5.技術開発課題への取組を示す際には、その技術開発主体が誰であるかを明記すべき。
(概要のみ)


No.49
滝沢  厚子   年齢   歳
(概要)
クリアランスレベル以下のものを放射性廃棄物として処分しなかったり、再利用することにことに反対する。

(ご意見)
 チェルノブイリの事故でホットスポットという言葉を初めて知った。当時発表されるものは風向きと原発からの距離ばかりで、被曝は距離に比例しているのだと私は思っていた。ところが少し時間がたって市民グループが支援の手を広げていったとき、まるで飛び地のように汚染濃度が高いところがあることが分かってきた。これはとてもショックなことだった。
クリアランスレベル以下の廃棄物を一般廃棄物にしたり再利用するのは反対だ。もしホットスポットのように部分的に放射能濃度が高い箇所があっても見逃される可能性がある。コンクリートのがれきが一般廃棄物に紛れ込んだら後はチェックのしようがない。 鉄骨にしてもそうだ。ゲートに探知器を取り付けている企業は少ない。鉄工所に放射能を帯びた物が持ち込まれたのはまだ記憶に新しい。あのとき発見されたから良かったが、それでもそれまでに何人の人の手を経てきたのだろうか。被曝に気が付かない人もいるだろう。廃炉の後の鉄骨で何故スプーンを作らなければならないのか、何故ベッドを作らなければならないのか。誰だってそんな物は望まない。ゴミを少なくするのは一見良いことのように思われるが、放射能を扱う者はもっと謙虚であって欲しい。原子力発電を進めていくことは多くのゴミを抱えていくことなのだ。原発を推進していくのならゴミは全て放射性のゴミとして管理すべきだ。知らないうちに身の回りに原発グッズがあふれていたなどというのはお断りしたい。


No.50
岡本  芳郎   年齢 64歳
(概要)
最終処理処分方法確立を待たずに、廃棄物が次々と生じてくる現状は、恐ろしい。
確立できるまで、関連の作業は、一時停止すべきである。

(ご意見)
ウラン廃棄物は、原子力発電所の使用済み核燃料と異なり、一般にはその存在が、認知されている度合いが薄い。知ろうとが一読したぐらいでわかる代物ではないので、意見を述べるのもおこがましいとは存じます.
素人の悲しさで、的を射たかどうかわかりませんが、愚考を述べさせて頂きます.
かかる理論は、専門家にして頂いて、試験・探求・研究の段階を乗り越えて、早い時期に確定した処理方法を決めていただく事を切望します.そうはいっても、試験研究とを繰り返しながら確かめていくわけですから、その手続きは、文書で公開しても不都合の無い様に、
きちんと手順を踏んで遂行願いたいものです.

「ウラン廃棄物を発生させる事業体及びその監督官庁は、必ずISO9000(最近では、GEのシックスシグマが有名)を導入していただきたい。」
そして、
2. 社内の事務管理・技術管理をのせることにより、基礎的な事から完成レベルまで、管理の外側に置かないことが不可欠です.
3. 開かれた管理で無ければなりません.きちんと文書化し・ファイルされ何時でも社の内・外に公表できる仕組みを具備して欲しいものです.
4. 管理ばかりでなく・合理化し、高コスト体制を打破する事です.
JCOの事故についても監督官庁・科学技術庁は、古くから行われている作業にもかかわらず、ISO9000のやり方をとりいれて、業種ごとに、起こりうる事故の想定・対策・などシミュレーションをしていたでしょうか。かかることは、起こってはならないことですが、ある種の誤りで起こるうることでした。非常事態宣言の遅い事に驚きました。
小生も通産省の検査を受けなければならない発電所の機械メーカーで働いていた時期がありました.検査官の方は、不具合から生ずる事故について熟知していらっしゃいました.勿論原子力とは技術問題の深さや範囲が異なりますが、取り組み方・考え方は同じように出来ると思えてなりません.
JCOに作業手順書を作成させ、監督官庁にきちんと立会い検査し、提出させていれば。監督官庁には、それを見て勉強できる機会が与えられたはず。 出さねばきちんと責めて出させる努力が監督官庁にあったのでしょうか。


No.50(続き)

もんじゅの事故でもそうです. ナトリュウム配管の温度計のソケット折損事故ですが、火力発電所でも、もしそれが入口蒸気管の温度計のソケットならば、折れたら大変な事故(タービン翼の折損など)につながります。明らかにメーカーの社内技術管理の失点です。ここにISO9000の出番があると思います. 決して原子力委員会の審査の対象ではなかったかと思います.


No.51
牧野  紘子   年齢 55歳
(概要)
半減期が45億年もの物質は人間の手におえない事は明らか。発生量の抑制が大前提とかかれてあるがウランをほりだす事使う事をまずやめることこそ最も大切。

(ご意見)
○サイクル機構のまずやるべき仕事は人形峠のウラン残土の問題を解決すること。入り口の後始末も出来なくて出口はない。
○オーストラリアのレンジャー鉱山の放射能汚染の問題をまず解決すべき。
○原子力バックエンド対策専門部会に関わる人が生存中に結果が判明しないような計画はやるべきではない。人類と核が共存しえない事は明白な事実。20世紀の最大のまちがいはウランを掘りだした事。21世紀に負の遺産として後世に残すのは恥しいかぎりで余りの愚かさに、いう言葉をなくす。
○ウランをほりだすことからその他の人に被曝を強い、原発運転、定期点検に下請労働者に被曝を強い、劣化ウラン弾使用によって湾岸戦争症候群。バルカン症候群と今コソボでの住民の被害が国連環境計画(UNEP)でも問題になっている。環境汚染ははてしなく続いているのは、人類の未来に暗い影をおとしている事実を政治にたずさわる者はもっと真しにうけとめるべき。
○ 原発を推進した人たちの責任はどのように問われるのだろうか。目先のことだけしかみず、大きなみとおしをもたないまま 核のゴミのあとしま つの事も考慮しないで
  がむしゃらに30年もやってきて、今現在核のゴミが処分不可能とわかっているのに、なおかつ処分できそうな幻想をふりまいて考え方をまとめているのは、科学の名に価しない。
○地球の寿命があと100年とかもっと短いとか論議されているが放射性廃棄物の寿命はその比ではない。
○国民の合意が明確にないのにただ一部の政治屋、土建業者電力会社役員によってウラン利用プルトニウム利用が続くのは本当の民主主義ではない。
○クリアランスレベルなど何もかもまさに「総被曝の時代」に入るとただただ恐ろしいという以外ない。


No.51(続き)

※ 意見募集をされるだけで少しも考え方に反映されないのでは意見をだす気をなくします。
 ただ意見募集を形式上やっているにすぎない感を強くうけます。
 全国の人が意見募集にムダな労力と思い、ださなくなっても、現行の政策はそのままとおってゆくのでしょうか。
 意見募集の結果がどのように反映され変ったのかが問われている時とおもいます。

※ もっと普通の市民にもわかるように、テレビや新聞で報道されてはいかがですか。核のゴミの問題はさしせまった問題です。


No.52
前田   翼   年齢 60歳
(概要)
 ウラン廃棄物処理処分の基本的考え方について(案)に対する意見

(ご意見)
 ウラン廃棄物は、原子力発電の残滓としてどんどん増加しており、ガラス固体化して埋めておく方法では将来心もとない、子孫のことを考えれば、これは良くない行為である。
 基本的には、化石燃料に代わる発電を追求すべきである。クリーンやCO2を考えれば、太陽光や、風力発電、地熱発電をもっと追求すべきである。
 ハード面でもソフト面でも原子力の放射線が解決可能でなければ無から有を引き出す方法を追求すべきである
地球やそのまわりの大気を汚ごす行為はつつしむべきである。
 自動車メーカーのガソリン車も誤っており、世の中楽な方法でイージーゴウイングだけでは済まされない、ノーベル賞クラスのアイデアで21世紀を開いて行くべきである。
 あのキウリ婦人も晩年は放射線症害で苦しんだという。危険なものは命がけである。やはり99%の安全を追求するのが 原則である。
 話しは変わるが 中国が リニア新幹線をJRに望んでいるがJRは在来型の新幹線でなければ輸出はできないと研究段階と主張して応じてない。
一部の人の人命にかかわるものは原子力時代とは言え、単純に応じては不可ない。
現在のところ、世界的に見て風力発電が一番近道であるように思われる。原子力はパワーはあるが地雷と同じく危険に満ちている。