資料(専)34-1

第33回原子力バックエンド対策専門部会議事要旨(案)

 

1.日  時: 平成12年8月29日(火)14:00〜15:45

2.場  所: 石垣記念ホール(三会堂ビル9階)

3.出席者:

(原子力委員)藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員、木元委員
(専門委員)熊谷部会長、秋元委員、石榑委員、一政委員、大桃委員、川人委員、小島委員、小玉委員、佐々木委員、鈴木委員、関本委員、中神委員、永倉委員、山内委員
(科学技術庁)中澤原子力局長、小中官房審議官、青木廃棄物政策企画官、青木放射性廃棄物規制室長

4.議  題
(1)ウラン廃棄物の処理処分について
(2)国際ワークショップの開催結果について
(3)その他

5.配付資料
資料(専)33-1第32回原子力バックエンド対策専門部会議事要旨(案)
資料(専)33-2ウラン廃棄物処理処分の基本的考え方について(案)
資料(専)33-3国際ワークショップ−我が国における高レベル放射性廃棄物地層処分における技術的信頼性について−の開催結果について
資料(専)33-4「放射性廃棄物シンポジウム」について

 参照資料
原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画(平成6年6月24日、原子力委員会)
RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について(平成10年5月28日、原子力バックエンド対策専門部会)
現行の政令濃度上限値を超える低レベル放射性廃棄物処理処分の基本的考え方について(平成10年10月16日、原子力バックエンド対策専門部会)
超ウラン核種を含む放射性廃棄物処理処分の基本的考え方について(平成12年3月23日、原子力バックエンド対策専門部会)

6.審議の概要

(1)ウラン廃棄物の処理処分について

 分科会主査の石榑委員及び事務局より資料(専)33-2に基づき説明が行われた。各委員の主な意見等は以下の通り。

 ○本資料には、線量目標値として仮に0.3mSv/yといった数値が示されている。この件に関して、低線量長期被ばくについてマウスを用いた実験をしている立場から、妥当な値が示されていると考える。中間的な研究成果では、マウスに対して、照射線量1、20、400、8000mGy/yと20倍ずつのガンマ線を与えた場合、8000mGy/yの線量を与えたマウスでは寿命の短縮がみられたが、それ以外の線量ではみられなかった。病理学的にも、1〜400mGy/yの照射線量では、ほとんど違いがみられなかった。この研究結果を勘案して、0.3mSy/yという数値は十分余裕を持って提案されていると考える。

 ○前回、他の委員からの指摘もあったが、大学などの未臨界実験装置の核燃料についても忘れずに入れてほしい。第三章の記述でも、「日本原子力研究所等の核燃料物質使用者」となっており、大学が発生者等の中に明示されていない。

(事務局より回答)

 未臨界実験装置の燃料は廃棄物ではないと認識している。ただし、将来的にそれが廃棄物となった場合には、本報告書に示した考え方に基づき処分が可能であると考えている。

 ○「合理的に可能な限りクリアランスレベル以下のものとすることが重要であるとともに、それ以外の処分の際には可能な限り長期にわたって管理を継続することについても検討することが重要」と記述されているが、可能な限り管理を行うとしてその後の責任はどうなるのか、という話になるのではないか。濃度の高いものについては、必要に応じて地層処分を行えばよいのではないかと感じる。

(主査より回答)

 前半の記述では、即管理を外すことを言っており、それ以外のものについては、減衰しないなら可能な限り管理を続けていくという考え方が望ましいということを対比して表現している。
 ○直接的に考えると、クリアランスレベル以下のもの以外についても管理を行わないことが望ましいとなり、管理が不必要な方法で処分するという書き方になるのではないか。

(主査より回答)

 管理の位置付けは、被ばくを極力低減させるためということである。処分の安全性は、線量目標値、濃度基準を守ることで担保される。仮に0.3mSv/yの濃度基準値を用いるとした際には、線量をさらに合理的な限り小さくするために管理を行うことを検討すべきであることを述べている。誤解を与えないように分科会において記述を検討したい。
 ○本報告書案での主旨の一つは、適切な線量目標値を設定すべきであるということであり、その意図はICRPのPub.81に基づいていると理解した。ただし、線量拘束値は、従来から示されていた考え方であり、この報告書固有の論拠として考えるのは若干理解しがたい面がある。
 Pub.81では、本資料のp6にあるように、自然プロセスと人間侵入プロセスを2つに分けて考えてはどうかと勧告しており、この報告書でも暗にそれを前提としていると考えられる。これまでは、安全の考え方はシナリオと線量がパッケージになっているというのが自然であり、その点をどのように提案するかが報告書のポイントになるのではないか。跡地居住シナリオと地下水シナリオを等しく取扱うべきかどうかについては原子力安全委員会で議論すべきであると考えるが、本報告書で方向性を指摘しておくことが重要である。
 また、不確実性という言葉は、今までは多様な考えを盛り込むという意味で用いてきたが、今回、そのように使われていないのであれば、表現を再考していただきたい。
 諸外国の処分事例の記述がわかりにくい。α核種濃度などをウラン濃度に換算した結果が108〜109Bq/tということであろうが、もっと丁寧に説明すべきである。

(主査より回答)

 ○最初の点は、その論拠について分科会でも悩んできたところ。論拠としてICRPの他、海外事例も含めて検討してきた。ご指摘のように、ICRPでは自然プロセスについて言及しているが、ここでは、地下水シナリオだけでなく、居住シナリオ、建設シナリオも込みとしての試算である。この点は、分科会で詰める必要があると考えている。
 二つ目の点に関して、確率論的評価についての計算結果は、分科会でも報告していただいたが、今回の報告書案の中にはまだ十分に取り込まれていないところがあると考えている。
 海外の処分事例に関する記述については、海外調査の結果も踏まえて充実したいと考えている。

 ○本報告書は、いろいろな方面に配慮して書かれている。ウラン廃棄物の処分の場合、評価モデルにも難しい面があり、隆起・侵食など地層処分においても立地に当たって考えるものもある。したがって、今後研究開発を行う際には、高レベル放射性廃棄物の地層処分と関連する事項も多いと考える。長期の評価などを一般の人に納得いただけるように考えていくという面は共通の問題。課題への取組についての項に、高レベル廃棄物地層処分の研究開発との関連も記述すべきである。海外調査の話が出たが、海外でウラン鉱山の廃坑への処分などが考え方としてないのか、よく調査してほしい。

(2)国際ワークショップの開催結果について

 分科会主査の小島委員及び事務局より、資料(専)33-3に基づいて、国際ワークショップの開催結果について報告が行われた。
 小島委員より報告のあった主な内容は以下の通り。

(3)その他
 事務局より、資料(専)33-4に基づき、放射性廃棄物シンポジウムについての報告が行われた。

 次回(第34回)専門部会は、平成12年9月26日に開催することとして閉会した。