資料(専)30-1

第29回原子力バックエンド対策専門部会議事要旨(案)

 

1.日時:平成12年3月23日(木)10:00−12:00

2.場所:科学技術庁第1・2会議室(科学技術庁2階)

3.出席者:

(原子力委員)藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員、木元委員
(専門委員)熊谷部会長、阿部委員、石榑委員、川人委員、小島委員、小玉委員、齋藤委員、佐々木委員、関本委員、田中(知)委員、田中(靖)委員、徳山委員、鳥井委員、中神委員、永倉委員、東委員、藤岡委員、前田委員、松田委員、森山委員、山内委員
(説明員)大橋北海道大学教授、鹿園慶應義塾大学教授
(科学技術庁)青山廃棄物政策課長、青木廃棄物政策課企画官

5.議題
(1)超ウラン核種を含む放射性廃棄物処理処分について
(2)長寿命核種の分離変換技術について
(3)「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性 −地層処分研究開発第2次取りまとめ−」の評価について
(4)その他

5.配付資料
資料(専)29-1第28回原子力バックエンド対策専門部会議事要旨(案)
資料(専)29-2「超ウラン核種を含む放射性廃棄物処理処分の基本的考え方について(案)」の修文案
資料(専)29-3「超ウラン核種を含む放射性廃棄物処理処分の基本的考え方について(案)」に対するご意見と回答(案)
資料(専)29-4超ウラン核種を含む放射性廃棄物処理処分の基本的考え方について(案)
資料(専)29-5「長寿命核種の分離変換技術に関する研究開発の現状と今後の進め方(案)」の修文案
資料(専)29-6「長寿命核種の分離変換技術に関する研究開発の現状と今後の進め方(案)」に対するご意見と回答(案)
資料(専)29-7長寿命核種の分離変換技術に関する研究開発の現状と今後の進め方(案)
資料(専)29-8長寿命核種の分離変換技術に関する研究開発の現状と今後の進め方 参考資料(案)
資料(専)29-9わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発について(中間整理)
資料(専)29-10「放射性廃棄物シンポジウム」について

  参考資料
参考(専)29-1 「超ウラン核種を含む放射性廃棄物処理処分の基本的考え方について(案)」に対するご意見(寄せられた意見をそのまま複写したもの)
参考(専)29-2「長寿命核種の分離変換技術に関する研究開発の現状と今後の進め方(案)」に対するご意見(寄せられた意見をそのまま複写したもの)

  参照資料
原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画(平成6年6月24日、原子力委員会)
群分離・消滅処理技術研究開発長期計画(昭和63年10月11日、原子力委員会放射性廃棄物対策専門部会)
高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発等の今後の進め方について(平成9年4月15日、原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会)
わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性−地層処分研究開発第2次取りまとめ−総論レポート、分冊1〜3(平成11年11月26日、核燃料サイクル開発機構)

6.審議の概要

(1)超ウラン核種を含む放射性廃棄物処理処分について

 田中(知)主査及び事務局より資料(専)29-2〜4に基づき説明が行われた。

※報告書案を承認し、原子力委員会へ報告することとなった。

(2)長寿命核種の分離変換技術について
 関本主査及び事務局より資料(専)29-5〜8に基づき説明が行われた後、質疑が行われた。各委員の主な意見等は以下の通り。
 ○資料(専)29-5のp11の修文箇所について、「〜の順に高く」、「〜の順に低く」というのではなく「〜の順となり」とすればよいのではないか。

 ○再処理することによって放射性廃棄物が新たに発生する、というような誤解を持たれないよう、表現に注意する必要がある。今回の修文により、誤解を持たれない表現となった。

 ○目的を達成するためには独創的なアイディアが必要である。本報告書では、実現性の高い取組みとともに独創的なアイディアの必要性を記述することができたと考える。本研究開発の大きな目的として、原子力研究全体の活性化が考えられるが、本報告書を基に研究が進められることを期待する。

 ※報告書案の修文案については、意見を踏まえ修正をすることで承認し、原子力委員会へ報告することとなった。

(3)「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性
   −地層処分研究開発第2次取りまとめ−」の評価について

 小島主査及び事務局より資料(専)29-9に基づき説明が行われた後、質疑が行われた。各委員の主な意見等は以下の通り。

 ○3つの研究分野のうちで地質環境でのみが「ほぼ」到達しているという表現になっているが、記述として誤解を招くのではないか。「ほぼ」の内容は今後の課題として記述されているものが達成されていないということと考えるが、この課題を克服しないと場所を選定できないのか。喫緊の課題なのか、それとも具体的な選定段階での課題なのかなど、課題の重要度の整理を明確にしてもらいたい。

 ○地質環境での「ほぼ」に当たるのは、科学的な観点からの課題としている。処分技術と安全評価の他の2分野では、「場所が特定されない現時点では」との条件付きで目標に到達していると判断されるものである。

 ○技術的には満足するものであっても、国民の方々に説明する場合は押しつけとならないように配慮することが必要である。例えば、人間の過ちなどをどうしたらチェックできるか、より説得できるシステムは何か、などが明示されるようなまとめを期待する。

 ○専門部会報告書の課題に沿った評価のみでは、自己評価にならないか。専門部会報告書で欠落している部分について抜けがでることを危惧する。外部からのチェックが必要かどうか。既に実施している国際評価の結果をうまく使う方法もある。

 ○専門部会報告書を引用し、『「北海道幌延町に計画している貯蔵工学センター内に予定されている深地層試験場」については、新たに深地層研究所(仮称)計画として現在申し入れが行われているところである』としているが、貯蔵工学センター計画は白紙に戻されたものであり、専門部会報告書を引きずった記述は誤解を招く。

 ○貯蔵工学センター計画を白紙に戻すことについては、原子力委員会決定も行われている。貯蔵工学センター計画については、一度明確に否定してから、新たに提案されている深地層研究所について記述すべきではないか。

 ○深地層の研究施設の緊急の必要性が見えない評価となっているが、深地層の研究施設は様々なデータを詰める上で必要なものと理解している。第2次取りまとめをより充実するため、深地層の研究施設が緊急に必要であることを示しても良いのではないか。

 ○安全評価では、10万年以降についての評価の1つの考え方が示されたとしているが、諸外国では、地層処分の将来の不確かさによる不安から、再取り出し性などがオプションとして考えられてきている。これらの課題についても指摘いただいた方が良いのではないか。

 ○評価分科会は、第2次取りまとめの作成に関わってない技術的専門家で主に構成されており、社会科学的な専門家にも入っていただいている。今後も抜けがないように検討していただきたい。

 ○評価においては、第2次取りまとめの記述が妥当かどうかが重要である。妥当であるかどうかを明確に記述した上で、評価の記述があった方が良い。妥当性を示す解説がもう少し必要ではないか。

 ○地下研究施設の必要性については記述しているが、分かりやすく記述する必要がある。再取り出し性などについては、今後の評価分科会での検討課題としている。専門部会報告書に沿った評価を中間整理までに行うとの考えであり、専門部会報告書以外の課題については、外部の意見も考慮しつつ今後検討したい。

 ※本日の意見等を踏まえて、分科会で引き続き検討することとなった。また、意見等がある場合は、分科会主査あるいは事務局へ連絡することとなった。

(4)その他

青山廃棄物政策課長より、資料(専)29-10に基づき、放射性廃棄物シンポジウムについて説明が行われた。

 次回(第30回)専門部会は、平成12年5月〜6月に開催することとし、詳細については事務局より連絡することとして閉会した。