資料(専)27-1 |
1.日 時:平成11年11月5日(金)10:00~12:00
2.場 所:科学技術庁第7会議室(通商産業省別館9階)
(原子力委員) | 依田委員、遠藤委員 |
(専門委員) | 熊谷部会長、秋元委員、阿部委員、一政委員、大桃委員、岡委員、川人委員、小島委員、小玉委員、齋藤委員、佐々木委員、関本委員、中神委員、永倉委員、東委員、藤岡委員、前田委員、松田委員、森山委員 |
(説 明 員) | 高野日本原子力研究所中性子科学研究センター次長 若林核燃料サイクル開発機構FBRサイクル技術統合化グループ研究主席 井上財団法人電力中央研究所原燃サイクル部長 増田核燃料サイクル開発機構2000年レポートチーム部長 |
(科学技術庁) | 青山廃棄物政策課長、青木廃棄物政策課企画官 桑原放射性廃棄物規制室長 |
資料(専)26-1 | 第25回原子力バックエンド対策専門部会議事要旨(案) |
資料(専)26-2 | 「核種分離・消滅処理」の用語について |
資料(専)26-3 | 核種分離・消滅処理技術の効果及び意義 |
資料(専)26-4 | 今後の研究開発の進め方について |
資料(専)26-5 | 海外における核種分離・消滅処理技術の研究開発状況 |
資料(専)26-6 | 地層処分研究開発第2次取りまとめ評価分科会の構成員 |
資料(専)26-7 | 第2次取りまとめに関すOECD/NEA国際レビュー結果への対応について |
資料(専)26-8 | 「放射性廃棄物シンポジウム」について |
参考(専)26-1 | 核種分離・消滅処理技術の現状 |
参考(専)26-2 | OECD/NEA International Peer Review of the Main Report of JNC's H12 Project to Establish the Technical Basis for HLW Disposal in Japan [NEA/RWM/PEER(99)2] |
参考(専)26-3 | 第2次取りまとめ総論レポート「我が国における地層処分の技術的信頼性」に関するOECD/NEAの専門家による国際レビュー(仮訳:核燃料サイクル開発機構) |
参考(専)26-4 | Exchanged comments and responses as preparation for the workshop between the OECD/NEA international review group and the JNC staff [NEA/RWM/PEER(99)3] |
(1) | 核種分離・消滅処理技術開発について、関本委員及び事務局より資料(専)26-2~26-5に基づき説明が行われた後、議論が行われた。各委員の意見等は以下の通り。 |
○ | 言葉としては平易になった。しかし、本専門部会の中でだけ用いるのならよいが、「分離変換」では一般的すぎるのではないか。特に一般の方がイメージが出てこないのではないか。議論を尽くした結果、最大公約数的な結果となり、分かりにくくなってしまったのではないか。 |
○ | 「分離変換技術」の方が親しみやすく、分かりやすくなったと感じる。一般廃棄物の分野では、処理というより管理をどうするかという言い方をする。 |
○ | 化学的に形を変えても「変換」であるなど連想されるイメージが非常に広い。一般の化学操作などが全て含まれる。本技術は核を短寿命化することであるが、この点が見えてこない。一般のレポートなどで通用しない言葉を作るのは如何なものか。「核種分離・消滅処理」の方が良いというわけではないが、「分離変換技術」でも問題があるのではないか。例えば、「核種分離変換技術」ならどうか。 |
○ | 問題提起されているのは、「消滅処理」の方だが、かえってわかりにくくなったのではないか。「核種分離短寿命化」とするのはどうか。 |
○ | 「消滅処理」については、目的(消滅)と方法(変換)どちらを採るべきかを議論したが、「消滅」は踏み込みすぎた表現であるとのことから、分科会としては変更すべきとの結論になった。「核種分離変換技術」にいったん決まりかけたが、「核種分離」に関しては、現状は元素群への分離技術であるとして「群分離」など対案が多かったため、本専門部会で使用する場合は、誤解を与えることはないと判断して「核種」を取った経緯がある。 |
○ | 用語としては、グローバルスタンダートとして、次の原子力長期計画にも反映させて統一する必要がある。 |
○ | 「変換」は直訳するとTransformationであり、グローバルスタンダードであるTransmutationとするには舌足らずの印象を受ける。 |
○ | 海外の用語との整合性も重要である。 |
○ | 使い方の中で、「長寿命核種の」といった修飾語をつけるつければ、誤解がなく分かりやすくなる。一般の人は「核種」という言葉自体わからないのではないか。 |
○ | 用語の意味するところが十分分かる場合には、略語として「分離変換技術」を用いることとしてはどうか。 |
○ | 場面に応じて修飾語をつけるということであれば「分離変換技術」という用語は分かりやすく使いやすい。 |
* | 正式には「長寿命核種の分離変換技術」とし、略称として「分離変換技術」を用いることとなった。 |
○ | 核種分離・消滅処理研究は、昭和63年に始まった当時は魅力ある技術とみていた。したがって、研究開発を進めていくのは結構であるが、資料中にも記述がある通り、これから法制化が始まる地層処分の代替ではなく将来の核燃料サイクルの一部であると考える。気になる点として、資料中の項目「実用化に向けて」は、記述してある内容が経済性が重要であるということであり、表題と整合していないし、技術自体もまだ実用化を議論できる段階ではないと思う。削除した方が良いのではないか。 |
○ | 本技術は、要素技術の開発段階であり、現段階における経済性評価にはあまり意味はないのではないか。大まかな経済性を念頭において、あまりにもばく大になりそうであったら研究をやめるといったことではないか。実用化を目指せば将来的には経済性が重要となるのは当然であるが、これからは、原子力発電全体のライフサイクルコストを踏まえて進めていく必要がある。 |
○ | 本技術に関連する海外の施設としてCERNを見学したが、その際に研究の内容に圧倒された経験がある。そのCERNの研究者が、日本の技術開発を高く評価していた。分離、変換それぞれの分野に優れた研究成果を挙げているとのことであり、これからも是非研究開発を進めるべきである。 |
○ | 本技術の評価に当たり、経済性の評価が必ず求められるが、研究開発の初期の段階で経済性を求め過ぎると技術開発が進まなくなる。本報告の中に経済性評価の数字があるが、経済性は技術の進歩とともに変化していくものであり、この数字が一人歩きしてしまうのは誤解を与えるのではないか。 |
○ | 項目「実用化に向けて」は、現状では削除すべきと考えるが如何か。他の項目の中で経済性に言及するのは構わないと思うが、分科会でもう一度ご議論頂きたい。 |
○ | 経済性評価は、研究者に任せておいたら経済性を度外視して進めていくのではないかとの観点から求められているものと考える。現在限られた予算の中で研究開発を行って、いるところであるが、今後も本技術の研究開発を国内外の機関と協力して効率よくやっていく。 |
○ | 本件に関しては、年度内には報告書を作成すると聞いているが、それ以後も本専門部会の所管事項として継続されるのか、あるいは先進リサイクルと中性子科学研究に位置づけて、本専門部会からは手を離すということになるのか。研究開発を進めていく上では、国による一元的な評価が重要であると考えるがいかがか。 (事務局より説明) |
○ | 核燃料サイクル全体を視野に入れて核種分離・消滅処理システムの導入シナリオを見直しつつ進めていくべきであるとしており、一元的に関わっていくとのスタンスはこれまでと同様である。 |
○ | レビュー結果の概要について、英語の直訳なのであろうが、一部意味が分かりにくい。 |
○ | OECD/NEAの専門家による国際レビューにより、本レポートが高く評価されたことに敬意を表したい。今後、本レポートはサイト選定等に当たって、技術的拠り所となるものである。したがって、評価分科会では、レビューにおいて指摘があったように、意思決定者とそれを補佐する技術専門家に対して分かりやすくまとめられることを是非お願いしたい。また、本レポートは地質環境条件を特定しないという前提の下、人工バリアを重点的に評価したものであるが、将来、サイト選定が進めば人工バリアの仕様の最適化の観点からの検討も行って頂きたい。 |
次回(第27回)専門部会は、平成11年11月30日(火)に開催することとして閉会した。