資料(専)25-3

地層処分研究開発第2次取りまとめの評価について(案)

 

平成11年9月30日

1.評価の目的及び基本的考え方
核燃料サイクル開発機構が作成している「地層処分研究開発第2次取りまとめ」は、国に提出された後、国による評価を受けることとなっている(参考2,参考3参照)。
当専門部会報告書「高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発等の今後の進め方」(平成9年4月15日)に示された第2次取りまとめの個別目標に対応する研究領域毎に、研究成果の到達度を適切に評価し、さらに、その後の研究課題と進め方を明らかにする。

2.評価体制
第2次取りまとめの評価に当たって、当該分野の専門家からなる分科会を設置して評価を行う。
第2次取りまとめは大きく3つの分野に分けて研究開発が進められており、各分野の成果の詳細がそれぞれ3つの分冊にまとめられていることから、研究分野ごとに詳細な検討を行う次のサブグループを分科会の下に設置する。
①地質環境・評価サブグループ
②処分技術・評価サブグループ
③安全性・評価サブグループ
委員は、評価の客観性を確保するため、原則として第2次取りまとめの執筆に係る地層処分研究開発協議会及び同協議会検討部会の構成員以外から選出する。その際、第2次取りまとめが、地質学、地球化学、溶液化学などの科学的研究領域から、材料、土木などの工学的研究領域まで広範な研究領域をカバーしているため、当該分野の専門家を網羅するよう留意する。
また、審議の参考に資するため、第2次取りまとめの執筆に携わった専門家に随時出席を求める。
さらに、客観性、視点の多様性を確保するため、国内外の専門家を中心に幅広く意見交換を行う国際ワークショップを開催する予定。


(参考1)

原子力バックエンド対策専門部会
第2次取りまとめ評価の全体スケジュール
(案)

11年9月30日 ・評価分科会の設置
11年11月5日 ・核燃料サイクル開発機構から、OECD/NEAによるレビューの結果及び
 第2次取りまとめ作成状況の報告
11年11月末頃 ・核燃料サイクル開発機構から国への第2次取りまとめの提出
12年3月頃 ・中間評価報告書の取りまとめ
12年5月頃 ・国際ワークショップの開催(予定)
12年秋 ・評価報告書の取りまとめ

 

(参考2)

「高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発等の今後の進め方について」
(抜粋)
原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会(平成9年4月15日)

 

第6章第2次取りまとめに対する透明性の確保と評価の考え方

1.研究開発の透明性の確保

 第2次取りまとめに向けて動燃事業団を中核として関係機関により総合的に進める今後の研究開発の推進に当たっては、国民の理解と信頼を得るために、動燃事業団は研究開発について積極的に成果の公表を行い、その内容について広く意見を求めるなど、研究開発の進捗に応じ国民に向けてわかりやすく情報を提供することが肝要である。また、第2次取りまとめは、国際的な専門家によるレビューを受けることとし、レビューの結果は報告書とともに国へ報告し、国の評価を受けるものとする。

2.第2次取りまとめに対する評価
 第2次取りまとめを国が評価する際、研究開発の成果が地層処分の技術的信頼性を示すという目標に対し適切に達成されているか否かを客観的かつ透明性をもって明らかにする必要がある。このため、成果の総合的な評価とともに、第2部に示す第2次取りまとめの個別目標に対応する研究領域毎に、研究成果の到達度を適切に評価し、さらに、その後の研究課題と進め方を明らかにすることが重要である。

(1)国による評価の在り方
 第2次取りまとめに対する国による評価が、国民に信頼をもって受け入れられるためには、客観的に評価が行われる体制を整えるとともに、積極的に成果を公表し、国民に意見を求めるなどプロセスの透明性を確保することが重要である。評価は、動燃事業団による第2次取りまとめの国への報告を受けて、約1年かけて行う。

(2)国による評価の主な項目
 第2次取りまとめに対する国による評価の主な項目を以下に示す。

  ①地質環境条件の調査研究
 地層処分にとって基本的に重要な地質環境上の要件について具体的な情報を得るため、次のような調査項目、調査手法が明らかにされていること
  ②処分技術の研究開発
 人工バリア及び処分施設の設計要件及びこれらを設計する場合の技術的基礎となるの考え方が明らかにされていること

  ③地層処分システムの性能評価研究
 地層処分システムの性能評価において考慮すべきシナリオの範囲、評価モデルやデ-タに関する必要な情報が明示されていること
 また、地層処分研究開発の基盤として位置づけられる深部地質環境の科学的研究については、その成果が上記地層処分研究開発の研究開発分野毎に、その各研究の進展に応じ、適切に反映されていることが必要である。

(参考3)

「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」(抜粋)
原子力委員会(平成6年6月24日)
(案)

 

7.バックエンド対策
(1)放射性廃棄物の処理処分
  ③サイクル廃棄物の処理処分
 再処理施設や燃料加工施設などの核燃料サイクル関連施設から発生する放射性廃棄物(以下「サイクル廃棄物」といいます。)は、再処理施設において使用済燃料から分離される高レベル放射性廃棄物、再処理施設やMOX燃料加工施設から発生する超ウラン(TRU)核種を含む放射性廃棄物、ウラン燃料加工施設やウラン濃縮施設から発生するウラン廃棄物に大別されます。
(イ)高レベル放射性廃棄物の処理処分
 高レベル放射性廃棄物は、安定な形態に固化した後、30年間から50年間程度冷却のための貯蔵を行い、その後、地下の深い地層中に処分すること(以下「地層処分」といいます。)を基本的な方針とします。高レベル放射性廃棄物の処分方策を進めて行くに当たっては、国は、処分が適切かつ確実に行われることに対して責任を負うとともに、処分の円滑な推進のために必要な施策を策定します。また、動力炉・核燃料開発事業団は、当面、研究開発や地質環境調査の着実な推進を図ります。電気事業者は、処分に必要な資金の確保のみならず、研究開発の段階においても、高レベル放射性廃棄物の発生に密接に関連する者としての責任を十分踏まえた役割を果たすこととします。

(中略)

 地層処分の研究開発は、国の重要プロジェクトとして、動力炉・核燃料開発事業団を中核推進機関として関係機関が協力して進めていくこととします。研究開発は、当面、対象とすべき地質環境を幅広く想定し、地層処分を行うシステムの性能評価研究、処分技術の研究開発、地質環境条件の調査研究等の各分野において引き続き進めるほか、地層処分研究開発の基盤となる深部地質環境の科学的研究を着実に進めることとします。

(中略)

 研究開発においては、国民の理解を得ていくためにもその進捗状況や成果を適切な時期に取りまとめ、研究開発の到達度を明確にしていくこととします。このため、動力炉・核燃料開発事業団は、2000年前までに予定している研究開発の成果の取りまとめを行い、これを公表するとともに、国はその報告を受け、我が国における地層処分の技術的信頼性等を評価します。