資料(専)25-1

第24回原子力バックエンド対策専門部会議事要旨(案)

 

1.日 時:平成11年7月21日(水)15:00−17:00

2.場 所:科学技術庁第1、2会議室(科学技術庁2階)

3.出席者:
(原子力委員)藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員、木元委員
(専門委員)熊谷部会長、阿部委員、一政委員、大桃委員、川人委員、神田委員、小島委員、小西委員、齋藤委員、佐々木委員、関本委員、田中(知)委員、田中(靖)委員、徳山委員、鳥井委員、中神委員、永倉委員、藤岡委員、前田委員、森山委員
(説明員)北山東京電力(株)原子力技術部サイクル技術センター所長、増田核燃料サイクル開発機構2000年レポートチーム部長
(科学技術庁)興原子力局長、中澤原子力局審議官、青山廃棄物政策課長、青木廃棄物政策課企画官、佐々木廃棄物政策課員

4.議題
(1)海外における超ウラン核種を含む放射性廃棄物の処分の検討状況について
(2)超ウラン核種を含む放射性廃棄物分科会における検討状況について
(3)地層処分研究開発第2次取りまとめの海外専門家によるレビューについて
(4)その他

5.配布資料
資料(専)24-1第23回原子力バックエンド対策専門部会議事要旨(案)
資料(専)24-2海外における超ウラン核種を含む放射性廃棄物の処分の検討状況について
資料(専)24-3超ウラン核種を含む放射性廃棄物分科会における検討状況について
資料(専)24-4北米研究機関による第2次取りまとめ第2ドラフトに関するレビューワークショップの概要
資料(専)24-5第2次取りまとめに関するOECD/NEAの国際レビューについて
資料(専)24-6「放射性廃棄物シンポジウム」について
  参考資料
参考(専)24-1北米レビューワークショップ議事録及び説明用資料
  参照資料
原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画(平成6年6月24日、原子力委員会)
高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発等の今後の進め方について(平成9年4月15日、原子力バックエンド対策専門部会)

6.審議の概要

(1)海外における超ウラン核種を含む放射性廃棄物の処分の検討状況について
 北山説明員より資料(専)24-2に基づき説明が行われた後、議論が行われた。各委員の意見等は以下の通り。

国によって充てん材や躯体を使っている場合と使っていない場合があるが、その判断はどのように行われているのか。

(説明員より回答)充てん材等を使っていないのは、安定な岩塩層の場合である。岩塩層の場合もともと水は存在しないが、その他の地層の場合はセメントを充てんすることによって水の浸入を抑えることが必要である。米国の場合、岩塩層を対象としているため隙間には何も施さず、自然に埋まっていくとの考えである。その他の国では、地質に係わりなく充てん材としてセメント系材料を用いている。

示された安全指標は、高レベル放射性廃棄物の地層処分についても同様か。また、各国の政府や機関で認められたものか。

(説明員より回答)安全指標は高レベル放射性廃棄物と同様なものとなっている。また、安全指標は国などによって認められたものである。

我が国の検討状況を各国の状況をまとめた表と同様にまとめることは可能か。

(説明員より回答)我が国では候補地や地層が決まっていないので、表に示す諸外国の例のように特定の地層を対象とした検討は行っていない。しかし、超ウラン核種を含む放射性廃棄物についても、高レベル放射性廃棄物と同様に、日本に存在している様々な地層環境条件で処分が可能と考える。

(2)超ウラン核種を含む放射性廃棄物分科会における検討状況について
 田中主査及び事務局より資料(専)24-3に基づき説明が行われた後、議論が行われた。各委員の意見等は以下の通り。

本資料では、対象廃棄物の「処理」に対する考え方が明確に示されていない。「処分方法に適した形態に処理する」ためには、前処理、固化処理、廃棄体の製造等の処理対策に関する検討、研究が重要であることの指摘が必要であると思われ、「処理」についての項目を起こすことも考えて良いのではなかろうか。
「はじめに」における処分概念の考え方は高レベル放射性廃棄物と同じ表現と考えるが、平成9年の報告書では、地層処分は高レベル放射性廃棄物に特化したような表現になっているので、用語については統一性を持たせるよう見直しが必要ではないか。
検討の結果、ヨウ素が一番問題とされており、予想通りの結果と考える。超ウラン核種を含む放射性廃棄物は高レベル放射性廃棄物と比べてもう少し緩やかな処分方法が可能と考えるが、緩やかな処分方法でヨウ素も処分できるという結論を出す場合、高レベル放射性廃棄物に比べて何が特別の対処となっているのかについて説明を追加した方が良い。
ヨウ素の問題について、本文中でも「今後検討していく」としているように、処理技術、人工バリアの強化などを今後の課題としてまとめておく必要がある。
(3)地層処分研究開発第2次取りまとめの海外専門家によるレビューについて
 増田説明員より資料(専)24-4及び資料(専)24-5に基づき説明が行われた後、議論が行われた。各委員の意見等は以下の通り。

「第2ドラフトに意見を反映した」とは、説明を追加したのか、それとも書き直したのか。

(説明員より回答)パラメータの過度の保守性等へのコメントに関しては、それに基づき本文を修正した。文献の引用の仕方等についてはコメントに従って追記した。一方、確認作業、データ取得作業が必要なものは今後検討することとしている。いずれにせよ、大幅な変更を要するコメントは無かったものと考えている。

評価の全体的な印象はどうだったか。背景の違う国からの意見は理解できるものだったのか、また評価は役立つものであったか。

(説明員より回答)表現の曖昧さを指摘された部分もあったが、心配していた言葉の問題はあまり問題にはならずほっとしている。処分地の選定を先に行わず、技術的に詰めていく手法には良い評価が得られた。NEAのレビューに先立ち、議論の対象となり得るものであるという自信が得られた。

「微生物影響に関する影響についてのコメント」とはどういうことか。

(説明員より回答)微生物の影響については、カナダでもEIS(環境影響評価書)が指摘したということで、今回検討の必要性が指摘されたと理解している。カナダEISの例を参考に、カナダでの研究成果を取り入れつつ本文の修正を行った。

EISは米国、カナダで重要なものとして位置付けられている。日本の位置付けとの意味合いの違いはあるのかを整理しておいてほしい。
「第2次取りまとめ」に記述されている成果を幅広い地質環境を対象として利用する場合について、米国から今後必要な研究開発の課題は指摘されなかったか。

(説明員より回答)該当する意見は特になかった。

(4)その他
放射性廃棄物処分シンポジウムについて、科学技術庁より資料(専)24-6に基づき報告があった。

 次回(第25回)専門部会は、平成11年9月30日(水)10:00より、科学技術庁第1、第2会議室において開催することとして閉会した。

以上