地層処分研究開発第2次取りまとめの進捗
平成11年4月21日
核燃料サイクル開発機構
地層処分研究開発第2次取りまとめについては,平成10年9月2日の第18回原子力バックエンド対策専門部会において第1ドラフトの報告,公表を行った。第1ドラフトへのコメントやそれ以降の研究開発の進捗に基づき,また,原子力安全委員会放射性廃棄物安全規制専門部会における安全規制の基本的考え方などに関する審議,通商産業省総合エネルギー調査会原子力部会における高レベル放射性廃棄物処分事業の制度化のあり方などに関する審議を参考にさせていただきながら,第2ドラフトの作成を進めてきた。
- 1. 第2ドラフトの作成
- (1) 第1ドラフトに対するコメントの反映
- 第1ドラフトの公表後,幅広い領域の専門家や地層処分に関連する様々な関係者の方々からご意見をいただくため,
- 第5回地層処分研究開発報告会(平成10年9月8日,一般公募を含む約820名が参加)において第1ドラフトの内容の紹介
- 核燃料サイクル開発機構ホームページへの第1ドラフト全文の掲載
- 個別課題ごとの研究開発成果の学会等への発表
を行ない,百数十件のコメントが寄せられた。これらについては,地層処分研究開発協議会における検討,意見集約を行って第2ドラフトの作成に反映した。
- (2) 地層処分研究開発協議会における意見集約
- 地層処分研究開発協議会/検討部会(添付-1参照)では,第1ドラフト公表以降,平成10年10月から平成11年3月までに,計7回の会合と研究開発分野ごとのテーマに絞った3回のタスクフォース会合が開催され,第2ドラフトに向けた関係各機関の成果の取り込みと内容の調整,レビューが行われた。作業にあたっては,上記第1ドラフトに寄せられた意見について検討を行うとともに,特に第1ドラフトで取り扱っていなかった課題について議論を進めた。
また,検討部会の下に,新たに第2次取りまとめの情報普及に関するタスクフォースが設置され,情報普及素材や普及活動に関する検討が行われた。
- (3)専門家によるレビュー
- 第2ドラフト作成の過程において,国内外の専門家によるレビューを実施した。
- 【国内の専門家によるレビュー】
- 国内では,重要課題に対応する各学術分野ごとに大学等の専門家が研究を行う制度(コア研究協力)を設け,これによって第2次取りまとめの技術的内容の妥当性を確認した。
- 【海外の専門家によるレビュー】
- 国際共同研究の枠組み等を利用し,第2次取りまとめと同様の技術報告書を作成した経験を有する海外の専門家によるレビューを,ワークショップ形式により行った。
- 安全評価全般(平成10年9月;平成11年1月,3月)
日本と類似の処分概念を検討しているスイスNagraの専門家により,第2次取りまとめの安全評価全般について実施,特にシナリオの分類や天然バリア中の核種移行解析の考え方やデータセットについてコメントを得た。
- 核種移行評価データベース(平成10年11月)
核種移行データに精通している各国の専門家(大学等)により,性能評価用データベースの設定を目的として実施,国際的に妥当なものであることを確認。
- 3つの研究分野(「地質環境条件の調査研究」,「処分技術の研究開発」,「性能評価研究」)に関する第2ドラフトの内容(平成11年4月)
カナダのEISや米国のWIPP及びユッカマウンテンプロジェクトに参画しているカナダと米国の7研究機関(AECL, LANL, LBNL, LLNL, PNNL, SNL, UCB)の専門家により,第2ドラフトの内容に関する技術的な信頼性について確認を行うことを目的に実施,第2ドラフトは技術的に概ね妥当なものであるとの評価を得た。
- 以上(1)・(3)に述べた作業に基づく第2ドラフトへの対応を添付-2にまとめて示す。
- 2. 今後のスケジュール
- 今後のスケジュールは次のとおり(添付-3参照)。
5月11日 | 第6回地層処分研究開発報告会
リーフレット(地層処分研究開発Q&A),CDROM(図解:第2次取りまとめ概要)配布
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5月16日 | OECD/NEA RWMCレビュー開始(・10月15日)
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10月末頃 | 第4回地層処分研究開発協議会
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11月末頃 | - 第2次取りまとめを国に報告
- パンフレット(第2次取りまとめ一般解説用),第2次取りまとめ別冊「地層処分の背景」配布
- 地層処分体験システム公開
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以 上