資料(専)19-1 |
1.日 時: 平成10年9月2日(水)14:00~16:35
2.場 所: 科学技術庁第1、2会議室(科学技術庁2階)
3.出 席 者:
(原子力委員) | 遠藤委員、依田委員、木元委員 |
(専門委員) | 熊谷部会長、秋元委員、一政委員、大桃委員、岡委員、川人委員、神田委員、草間委員、小島委員、鈴木(篤)、坂本委員、佐々木委員、鷲見委員、藤岡委員、田中(知)委員、田中(靖)委員、徳山委員、鳥井委員、永倉委員、東委員、松浦委員、松田委員 |
(説明員) | 坪谷動力炉・核燃料開発事業団理事、増田動力炉・核燃料開発事業団環境技術開発推進本部副本部長、山川動力炉・核燃料開発事業団環境技術開発推進本部総括主任研究員、梅木動力炉・核燃料開発事業団環境技術開発推進本部主幹 |
(通商産業省) | 佐々木資源エネルギー庁審議官 |
(科学技術庁) | 青江原子力局長、青山廃棄物政策課長、森山廃棄物政策課企画官 |
4.議 題:
(1) | 「現行の政令濃度上限値を超える低レベル放射性廃棄物処分の基本的考え方について(案)」に寄せられた意見について |
(2) | 地層処分研究開発第2次取りまとめ第1ドラフトについて |
(3) | その他 |
5.配布資料:
資料(専)18-1 | 第17回原子力バックエンド対策専門部会議事要旨(案) |
資料(専)18-2 | 「現行の政令濃度上限値を超える低レベル放射性廃棄物処分の基本的考え方について(案)」に寄せられた意見の概要 |
資料(専)18-3 | 「現行の政令濃度上限値を超える低レベル放射性廃棄物処分の基本的考え方について(案)」に寄せられた意見をそのままタイプしたもの |
資料(専)18-4 | 「現行の政令濃度上限値を超える低レベル放射性廃棄物処分の基本的考え方について(案)」に寄せられた意見をそのまま複写したもの |
資料(専)18-5 | 「現行の政令濃度上限値を超える低レベル放射性廃棄物処分の基本的考え方について(案)」の修文案 |
資料(専)18-6 | 地層処分研究開発第2次取りまとめ第1ドラフト要約 |
資料(専)18-7 | 地層処分研究開発第2次取りまとめ第1ドラフトについて(OHP資料) |
資料(専)18-8 | 地層処分研究開発第2次取りまとめ第1ドラフト |
参照資料
原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画
(平成 6年6月24日、原子力委員会)
高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発等の今後の進め方について
(平成 9年4月15日、原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会)
高レベル放射性廃棄物処分に向けての基本的考え方について
(平成10年5月29日、原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会)
6.審議の概要
(1) | 「現行の政令濃度上限値を超える低レベル放射性廃棄物処分の基本的考え方について(案)」に寄せられた意見について、分科会主査の東委員及び事務局より資料(専)18-2、資料(専)18-5に基づき説明があった。 |
(2) | 引き続き各委員から出された主な意見は以下のとおり。 |
① | 公開し意見を反映することで報告書がより分かりやすくなった。公開の成果である。 |
② | 「積極的な情報の公開と提供」について記載したことは評価するが、廃棄物は原子力の中でも一段と分かりにくいので、今後、情報提供の具体的な方法を検討すべき。 |
③ | 情報提供については、高レベル放射性廃棄物処分懇談会の報告書でも詳しく検討されているので、これを踏まえて書いてはどうか。 |
④ | 一般の方から求められる情報は、基本的な、シンプルなものが多い。今後、このようなニーズへの対応についても考えていくべき。 |
⑤ | 国民が知りたい情報の需要を、国や原子力委員会側で決めつけるのではなく、調査しそれに応えるべきである。よく出される質問などに対して、パンフレット、インターネットなどで応えるという組織的な取り組みをすべきである。 |
⑥ | 「おわりに」の最後に、「なお、寄せられた意見には、ここで検討の対象とした廃棄物処分に関してのみならず、原子力全体に対する不安、不信...」と書かれているが、その前の文章とつながりがなく唐突である。「はじめに」で意見募集について記述している部分に続けて書く方が適当である。 |
⑦ | 「はじめに」の最後に要旨を参考資料1.2に示した旨記述されているが、この資料の内容は図表が中心で、期待したものと異なり不親切な印象を与える。 |
⑧ | 「原子力に対する国民の信頼を回復」とあるが、「信頼を獲得」とした方が適当である。 |
(3) | 地層処分研究開発第2次取りまとめ第1ドラフトについて、増田説明員、山川説明員、梅木説明員から資料(専)18-6、資料(専)18-8に基づき説明があった。 |
(4) | 引き続き各委員から出された主な意見は以下のとおり。 |
① | 地下深部を模擬する実験施設では、酸化還元以外にどのような条件を模擬するのか。 |
② | 酸化還元以外では、力学的、水理学的に影響する圧力条件を再現している。 |
③ | 第1ドラフトの概要には、内容の説明の前に結論が先に記述されているが、それが専門的であるので、かえって理解され難い。また、内容の説明の前に安全であることが強調されるため、結論ありきという印象があり、逆に不信感が生まれるのではないか。 |
④ | 第2次取りまとめでは、地層処分の安全性を述べることが重要課題である。結論として書かれている部分は重要なメッセージであり、このような構成になっている。 |
⑤ | いろいろなファクターを安全側にとって評価しているが、現実的な値に対してどれくらい安全側なのか書かれていると、専門家にも一般にも分かりやすい。 |
⑥ | 地層処分研究開発協議会の下で、各機関が協力して研究を進めることができた。この研究者間の連携が今後の研究推進の大きな力になると思う。 |
⑦ | 平成9年4月の専門部会報告書の構成と比べ、工学的技術の評価がクローズアップされているが、これは、成果が顕著になったからか、それとも重要であるということが分かったからか。 |
⑧ | これまで、地下研究施設の必要性、緊急性が強調されており、このドラフトでもその位置付けを明確にしておく必要がある。 |
⑨ | 第1次取りまとめから、今回の第2次取りまとめがどう進展したのか、例えば文献値が実測値になり信頼性が向上した、というようなことを一覧表などで示されると理解しやすい。 |
⑩ | オーバーパックが30~50%薄くなったと記述されているが、それが、どれくらいの意味があるのか分かるように記述して欲しい。また、オーバーパックにかかる圧力の効果は検討されたのか。 |
⑪ | この報告書は地層処分技術について検討したものであるが、事業化の時期も近づいているので、今後、技術、制度、社会などを総合的に検討する必要があるのではないか。 |
⑫ | 2000年の時点で全て解決することはできないので、現時点で何が曖昧で、今後、何をどこまでやる必要があるのか、分かるようにすることが重要である。 |
⑬ | 「評価期間は限定しない」とあるが、これは「現時点では限定せずに検討する」ということではないのか。 |
⑭ | 過去から現在まで調べれば将来が分かるとあるが、その前提条件や根拠も明示すべき。 |
⑮ | 地下水移行シナリオのリファレンスケースの意味を明確にしておく必要がある。 |
⑯ | キチンとまとまりすぎて議論になりにくいように思う。知恵を借りるということをやった方がよい。 |
⑰ | 廃棄物処分に関するリスクとそれを回避するために必要なコストの関係について、一般の人に分かってもらえるような工夫が必要である。 |
⑱ | 1000万年までの線量が示されているが、放射能が減衰することも示すため、もっと先まで示してもよいのではないか。 |
⑲ | 全ての事象を網羅するには、確率的な評価を行う方法もある。 |
⑳ | 使用されているパラメータなどは、独り歩きしがちなので注意が必要。 |
⑳ | これはドラフトであり、広く意見を聞くために、早く公開すべき。今後このドラフトが報告書となったとき、それをどのように評価するのか検討しておくべき。 |
(5) | 次回(第19回)専門部会は、平成10年10月8日(木)10:00から開催することとして閉会した。 |