資料(専)17-5

 

RI・研究所等廃棄物事業推進準備会の業務の進捗状況と今後の計画

RI・研究所等廃棄物事業推進準備会

はじめに

 日本原子力研究所(原研)、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)及び社団法人日本アイソトープ協会(RI協会)(以下、「三者」)は、平成9年10月1日、RI・研究所等廃棄物の処理、処分事業を推進するための準備組織として、「RI・研究所等廃棄物事業推進準備会」(以下、「準備会」)を発足させた。
 原子力バックエンド対策専門部会(平成10年5月28日)で取りまとめられた「RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について」(以下「基本的考え方」)では、準備会を中心に処分事業主体の設立に向けた具体的な検討を行い、2000年頃を目途に設立することとしている。  準備会においては、処分事業主体の設立、実施スケジュール、資金確保対策等の検討、当該事業の必要性や安全確保の考え方に関する広報活動を行うほか、国及び関係機関等との連携を図りつつ、安全基準の策定等への協力等、幅広い活動を行う計画である。

1.組織等について

 準備会の組織の中に「RI・研究所等廃棄物事業推進協議会(以下、「協議会」)を設け、各分野からの幅広い意見が求められるよう、関係機関に参加を呼びかけている(参考1)。準備会では、これまでに3回の協議会を開催し、今後の方針の策定を行うとともに、関係機関との意見交換を行った。
 また、本業務を円滑に運営するため、協議会の中に三者よりなる「運営会議」を設置している。その他、今後の廃棄物の処分に際して必要となる廃棄体の統一的な品質管理等に資するため、三者の廃棄物管理の実務担当者による「三者連絡会」を適宜開催している。

2.廃棄物調査

 RI・研究所等廃棄物の想定される処分形態、廃棄体数量等については「基本的考え方」に示されているように、RI・研究所等廃棄物の大部分は放射能濃度が低いものの、廃棄物に含まれる放射性核種、性状が多種多様という特徴がある。この特徴を踏まえ、処理処分施設の設備容量等の設計に反映するため、試験研究炉を保有する大学等の関係機関に廃棄物調査を行った。  この調査は、平成10年度も継続するとともに、これに加え今後は、主に廃棄物の確認技術調査を中心に進める計画である。

3.施設、設備の設計検討

 廃棄物調査結果を踏まえつつ、平成10年度から処理設備及び処分場の概念設計に着手している。
 処理設備の設計に当たっては、原研が整備中である高減容処理施設及び原研、動燃、RI協会等の減容処理の実績を参考とする(高圧縮処理装置、金属溶融処理装置、雑固体溶融処理装置等:参考2)。
 一方、処分施設については、「基本的考え方」に示されており、コンクリートピットについては、六ケ所村の処分施設、素掘り処分施設については、原研のコンクリート等廃棄物の埋設試験の先行例があり、今後の設計の参考とする。また、放射性物質以外の観点からの対策が必要な廃棄物に対しては、「管理型処分場」の構造基準を踏まえた処分施設を検討する(参考3)。
 今後は、これらの概念設計に基づき施設、設備の積算見積りを行うと共に、資金計画を策定する予定である。

4.広報活動

 廃棄物処理処分事業の推進に当たっては、国民の理解が重要である。
 平成9年度においては当準備会の設置目的と活動について理解を得るためパンフレットを作成した。
 平成10年度には、RI・研究所等廃棄物に対し、より広く理解を得るため、ホームページを開設するとともに、幅広い専門家による委員会等を設置することで、アクションプログラムを策定しながら、広報活動に努めるほか、シンポジウムの開催等も計画中である。このような広報活動を通して、処理処分事業の具体化に向けた環境づくりを推進する。

5.今後の対応

今後は、処理処分施設の概念設計等に基づく積算見積りを行って、資金計画の策定を実施するとともに、立地地域と共生し地域の発展に寄与できるような地域振興策の検討も行い、2000年頃を目途に事業主体設立に向け着実に取り組むこととする(参考4)。