資料(専)15-2


第14回原子力バックエンド対策専門部会議事要旨(案)


1.日  時: 平成10年2月5日(木)10:00-12:00

2.場  所: 科学技術庁第1、2会議室(科学技術庁2階)

3.出 席 者:
  (原子力委員)藤家原子力委員長代理、依田委員、遠藤委員、木元委員
  (専門委員) 熊谷部会長、秋元委員、石榑委員、一政委員、大桃委員、川人委員、
         草間委員、小島委員、小西委員、坂本委員、佐々木委員、
         鈴木(進)委員、竹内委員、田中(知)委員、田中(靖)委員、徳山委員、
         鳥井委員、永倉委員、東委員、松浦委員、松田委員、森山委員、山内委員
  (説明員)  宅間  電気事業連合会原子力開発対策会議委員
  (科学技術庁)有本  廃棄物政策課長
         森山  廃棄物政策課企画官
         岡谷  廃棄物政策課長補佐
         前田  原子力安全局放射性廃棄物規制室長補佐
         八木沼 原子力安全局放射線安全課

4.議  題  (1)RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について
        (2)低レベル放射性廃棄物(現行の政令濃度上限値を超えるもの)処分の検討状況について
        (3)その他

5.配布資料
資料(専)14-1 原子力バックエンド対策専門部会(第13回)議事要旨(案)
資料(専)14-2 RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について(案)
資料(専)14-3 「低レベル放射性廃棄物(現行の政令濃度上限値を超えるもの)処分の検討状況について
資料(専)14ー4 「高レベル放射性廃棄物処分への今後の取組みに関する意見交換会」の開催結果の概要について
資料(専)14-5 第十二回高レベル放射性廃棄物処分懇談会の開催について

参照資料
原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画(平成6年6月24日、原子力委員会)高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発等の今後の進め方について(平成9年4月15日、原子力委員会 原子力バックエンド対策専門部会)
高レベル放射性廃棄物処分に向けての基本的考え方について(案)(平成9年7月18日、原子力委員会 高レベル放射性廃棄物処分懇談会)

6.審議の概要

(1)
RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方について、分科会主査の石榑委員及び事務局から資料(専)14-2に基づき説明があった。

(2)引き続き各委員から出された主な意見は以下のとおり。

  ①
本報告書においては、今後のRI・研究所等廃棄物処理処分の基本方針が明確に示されている。

  ②
実際の処分事業は容易ではない。問題が発生すると立地が長引くことになるので、早めの対応が必要である。

  ③
α核種やTRU核種等の用語が使われているが、用語解説には、その危険度の違いを含めた説明が必要である。

  ④
管理型処分場の構造基準を踏まえることとあるが、処分施設の耐用年数の考え方等について、放射性廃棄物と産業廃棄物の処分場では異なる面があると思う。
現時点では、本報告書の記述で良いと思うが、今後、両者の具体的な基準について整合性の検討が必要である。

  ⑤
廃棄物の「排出者」の範囲、即ち、定義を明確にする必要がある。具体的には、参考資料1のRI廃棄物の流れで、どの事業者が排出事業者となるのかを明示することが考えられる。

(3)
低レベル放射性廃棄物(現行の政令濃度上限値を超えるもの)処分の検討状況について、分科会主査の東委員及び事務局から資料(専)14-3に基づき説明があった。

(4)
引き続き各委員から出された主な意見は以下のとおり。

  ①
当該廃棄物は、現在、埋設が実施されている低レベル放射性廃棄物よりも放射能濃度が高いので、その埋設方法も、より頑丈に、また場所を考えて地下処分する必要があると理解している。説明資料の中では、この点が明確に記述されていない。したがって、当該廃棄物と現行の政令濃度上限値以下の廃棄物の違い及び両者の埋設方法の違いを明確に記述する必要がある。

  ②
今後、TRU廃棄物等も処分方策の検討が行われ、次々と廃棄物の処分方策の報告書が出ることとなる。したがって、予め、これらの廃棄物の処分概念は、何を根拠に決められているのかを明確にする必要性がある。例えば、α核種濃度、βγ核種濃度と処分概念の関係を示すようなことを行ってはどうか。その上で、廃棄物全体の処分方策を示す中で、当該廃棄物処分の位置付けを示すべきである。

  ③
人間侵入シナリオでは、確率論的な評価シナリオが考慮されているが、事象の発生確率と、その事象による影響の程度の関係を勘案する、という基本的な処分の考え方を示すべきである。

  ④
表現の問題として、「地下水流速の低減を図る」とあるが、人工的に地下水流速の低減はできないので、放射性核種の移行速度の低減を図る等とした方が良い。

  ⑤
人間侵入シナリオと地下水シナリオは、必ずしも独立していないのではないか。例えば、人間侵入による施設の破損が生じた場合、前提となる地下水シナリオが変わることが考えられるので、このような場合についても検討しておくべきである。

  ⑥
地下水移行による放射線被ばくの影響については、人間の行動パターンに関係がないので、様々な状況を想定し、これを防がなければならない。人間侵入については、人間の行動パターンに依存し、例えば、危険があるところではそれに対応した行動をとる等するので、そうした対処をしなかった場合等、全てをカバーするシナリオを想定しなくてもいいのではないか。

  ⑦
当該廃棄物は、政令濃度上限値より放射能濃度が1~2桁高い廃棄物とあるが、放射能濃度の違いによる影響の大きさを吸収できるような深さであることを定量的に示すことが必要ではないか。

(5)
高レベル放射性廃棄物処分への今後の取組みに関する意見交換会の開催状況及び第十二回高レベル放射性廃棄物処分懇談会の開催について、科学技術庁より資料(専)14-4、資料(専)14-5に基づき説明があった。

(6)
RI・研究所等廃棄物処理処分の基本的考え方(案)については、部会長から、
・各委員の意見の収束が見られた。
・報告書案の調整は、部会長に一任を得たい。
・報告書案を公表し、国民の意見を聞くこととしたい。
との提案があり、了承された。
低レベル放射性廃棄物(現行の政令濃度上限値を超えるもの)については、専門部会委員の協力も得て分科会で引き続き検討を行い、その結果について次回の専門部会で審議することとなった。

(7)
次回(第15回)専門部会は、平成10年4月3日(金)13:30から開催することとして閉会した。