参考(専)9-1


報告書案への意見の反映について


  I. 意見の趣旨を踏まえて本報告書案に反映すべき意見
 II. 意見の趣旨が既に本報告書案に反映されている意見
III. 夲報告書案の取り扱いの範囲内であるが夲報告書には反映されない意見
 IV. 本報告書案の取扱いの範囲外であるので本報告書には反映されない意見


I.意見の趣旨を踏まえて本報告書案に反映すべき意見




○「はじめに」の「その処分は原子力の開発利用を進める上で」の表現は原子力開発利用を前提としたものであり修正すべき   81.
 本報告書案の「はじめに」の「高レベル放射性廃棄物は原子力発電に伴って発生するものであり、その処分は原子力の開発利用を進める上で避けて通れない問題である。」を「高レベル放射性廃棄物は原子力発電に伴って発生するものであり、その処分方策の確立は、原子力開発利用の観点から避けて通れない問題である。」にします。

○1)円卓会議の引用文について趣旨が異なる。2)速やかに処分を進めたいというトーンは誤り。   36.
○円卓会議の記述部分を削除すべき   82.
○円卓会議の引用は不当   115.
 本報告書案の「はじめに」の「原子力委員会原子力政策円卓会議においても、安全を確保した上で国民の理解と信頼を得つつ処分の実施に向けて速やかに計画を進めるよう多くの意見が出され、」を「原子力委員会原子力政策円卓会議のモデレーターによる「原子力委員会への提言」(1996年10月3日)においても、高レベル放射性廃棄物に関わる処分の具体策を出来るだけ速やかに策定し、またその内容を国民にわかりやすく提示することが必要であると指摘されているように、」との記述にします。
 速やかに処分を進めることについては、本報告書案はじめににおいて、国民的な喫緊の課題として極めて重要と記しています。   (36.2))

○1)第1部 第1章の深部の地質環境はすべて安全であると読めるところの表現を修すべき。
 2)第1部第5章1.(1)中「天然バリア性能を定量的に明らかにする」は「定量的に評価しうるようにする」に修正すべき   92.
 第1部第1章の「深部の地質環境は、極めて長期の地質学的時間にわたり安定であると考えられている。」を「深部の地質環境は、一般に地表近くの環境に比べ極めて長期の地質学的時間にわたり安定であると考えられている。」にします。
 第1部第5章1.(1)の「定量的に明らかにする」という表現は研究の目標を示した表現であり、また、第1次取りまとめでは、日本においても地層処分が可能であることが示されていますので、現状のままとします。   (92.2))

○1)第1部第2章1.「日本の地質環境の特性」の項の最初に「日本は・・・いわゆる変動帯に位置してしている」を挿入、2)第1部第2章1.に地層処分の適地を選定することは可能と考えられることを追記、3)第1部第2章2.(3)中、日本は地震・断層 活動等の頻度が高いといった部分を削除べき   53.
 本報告書案第1部第2章「1.日本の地質環境の特性」の項の最初に「日本は、安定大陸に比し、地震・断層活動及び火山・火成活動の頻度が高く、いわゆる変動帯に位置している。」を追記します。
 地層処分の適地を選定することは可能と考えられることを追記することは、第2章は地質環境の長期安定性であり、現状のままとします。   (53.2))
 第2章2.(3)ナチュラルアナログの最初の部分の記述は、なぜ日本でのナチュラルアナログの調査研究が重要かを示すためには必要な文章と考えますので現状のままとします。   (53.3))

○「気候・海水準変動の影響を被らない地質環境が存在し得る」は削除すべき   60.
 本報告書案第1部第2章2.(2)2)中「気候・海水準変動の影響を・・・」を「気候・海水準変動による著しい影響を・・・」にします。

○「意図的な接近シナリオ」との表現を訂正すべき   62.
 本報告書案第1部第3章1.(1)中「処分場の存在を認識した意図的なものと、」を「処分場の存在を認識した上での意図的なものと、」に、「意図的なものについては保安上の問題と考えるべきで安全評価の対象外であるという考え方が示されている。」を「意図的なものについては社会における保安上の問題と考えられ、地層処分の本来の安全性を評価する上では対象外とすべきであるという考え方が示されている。」にします。

○岩盤物性等の用語解説を追加すべき   107.
 第1部第4章処分場の管理の「地下水流動や水質」を「地下水の流動や地球化学特 性」に、「岩盤の特性」を「岩盤の力学特性」にします。

○地殻変動の検討には関連学会等との協調が必要   14.
○地球科学の専門家の意見を十分に取り入れるべき。部会の構成員に地球科学に明るい人が必要   17.
○部会等の構成員の人材をもっと広い分野から採用すべき   27.
○地下水、地質学の専門家を研究メンバーに加えて戴きたい   96.
○多様な立場の研究者を含めて研究を進めるべき   143.
○緩慢かつ広域的現象は不明な部分が多く、意見の異なる地質学者などと長期に、公開で評価を行うことが必要   170.
 本報告書案第2部第4章の「この研究は極めて学際的であることから、関連する広汎な諸分野の人材を活用しつつ、研究成果を有機的に統合することが肝要である。」を「この研究は極めて学際的であることから、学界をはじめ関連する広汎な諸分野の人材を活用しつつ、研究成果を有機的に統合することが肝要である。」にします。
 本報告書案参考1の構成員の記載において、専門が分かり易いように追記します。   (17,27)

○放射性廃棄物安全規制専門部会の関わりを示すべき   103.
 資料1に「安全規制については、原子力安全委員会放射性廃棄物安全規制専門部会等において検討が進められている。」と付記します。

○主要試験研究施設欄の修正   35.
 資料7(4)の「日本原子力研究所」の位置を移動します。

○深層地下水は川や分水嶺で区切られ大きな流れが生じることはないと言えるか疑問   169.
 資料の用語解説の広域地下水流動系の解説中、「水の流入と流出はこの中で起こっており」を「水の流入と流出は主にこの中で起こっており」とします。

○高レベル放射性廃棄物に関する説明が必要   132.
 資料の用語解説の高レベル放射性廃棄物の解説中「再処理の過程において使用済燃料から分離される核分裂生成物とアクチニド(原子番号90番以上の元素。放射性元素である。)を含む高レベル放射性廃液、またはそれをガラス固化したもの。(→ガラス固化)」を「再処理の過程において使用済燃料から分離されるストロンチウム−90、セシウム−137に代表される核分裂生成物とアメリシウム−241、ネプツニウム−237に代表されるアクチニド(原子番号89番以上の元素。放射性元素である。)を含む高レベル放射性廃液、またはそれをガラス固化したもの。(→ガラス 固化)
 発熱量と放射能は時間とともに減衰する。(→図1)
 ガラス固化体の発生量は、100万kWの原子力発電所の1年間の運転に対して現状の技術ではおおよそ30本程度である。」にし、図1ガラス固化体の発熱量と放射能の時間変化を付すようにします。

○性能評価等の用語解説を補足すべき   106.
 資料の用語解説に性能評価及び放射線量を追記します。

○アクチニド等の除去・消滅技術について、その位置づけを明らかにすべき   108.
○群分離・消滅技術についての考え方を示すべき   185.
 位置づけを資料の用語解説の地層処分の解説中に、核種分離・消滅処理技術は、実用性を見極めるための長期的な研究開発が行われているが、種分離・消滅処理を行うことは地層処分の必要性を変えるものではないことを付記します。


II.意見の趣旨が既に本報告書案に反映されている意見




  1.研究項目の提案等について

○モニタリング機器の信頼性の検討が必要   5.
 本報告書案第1部第4章に「第2次取りまとめでは、処分場に関する種々の状態や状況について、それぞれの段階において取得すべき情報の内容、計測の方法、所要の措置などを技術的に検討し、処分場の管理に関する技術的基盤を整える」と記しており、第2次取りまとめの中で検討されます。

○生物圏の評価も重要   6.
 本報告書案第2部第2章1.に人間環境における放射性物質の移行についても解析し、放射線量を算出すること等を記しています。

○地下水の挙動や放射性核種の地球化学についての技術開発、データの蓄積が重要   13.
 本報告書案第2部第2章2.(1)1)(b)(c)において研究項目やデータベースの構築を記しています。

○1)再取り出しの可能性、2)長期保管の検討必要   16.
 再取り出しについては、本報告書案第1部第4章に各段階において取得すべき情報の内容、所要の措置などを第2次取りまとめの中で検討することとしています。
 長期保管については、本報告書の取扱いの範囲外です。 (16.2))

○安全評価のシナリオに事故時の対処法を考慮すべき   29.
 本報告書第1部第3章1.に安全評価方法としては、種々の可能性を想定することなどを記しています。

○廃棄物が地下環境に与える熱的な影響等の評価がなされようとしていない   40.
 本報告書案第2部第2章2.(3)2)に熱的影響を評価することを記しています。

○サイト特性調査、処分場の建設等による地層への影響評価を第1部第5章1.
 (1)処分予定地選定の要件の明確化に関する事項 に加えるべき   42.
 処分予定地選定はサイト特性調査等より前の段階。ご意見の影響評価については、第2部第2章2.(2)に坑道の掘削等による地質への影響評価をすることを記しています。

○1)処分候補地が選定された場合のデータ取得、解析等を検討すべき。2)接近シナリオについて最大想定事象の推定方法について検討すべき。   59.
 処分候補地での調査については、本報告書案第1部第5章1.(2)にサイト特性調査技術に関する事項を記しています。
 接近シナリオについての最大想定事象の推定方法については、本報告書案第1部第3章1.(2)に安全性の評価においては、十分な安全裕度を見込んで評価すること ができるよう留意することを記しています。   (59.2))

○長期の空洞安定性等を評価すべき。また、定置方法は地下研究施設で確認すべき   64.
 本報告書案第2部第2章2.(3)2)に空洞安定性や熱的安定性などに関する解析手法を示していくことが肝要であること等を記しています。

○岩盤、支保工の長期特性のデータの取得が必要   67.
 本報告書案第2部第2章2.(1)1)に「深部岩盤の物性、力学特性、応力分布などに関するデータの整備を進める」と記しています。

○海岸近くの精度の高い地下水流動の解析と実測値との比較が必要   68.
 本報告書案第2部第2章2.(1)1)にニアフィールド特性として重要な地質構造、地下水の流動、…などに焦点を当ててデータの充実を図ることが肝要であると記しており、このための研究の中で対応されることになります。

○オーバーパックの腐食膨張の岩盤及びベントナイトへの影響の把握が必要。堆積岩の場合、クリープ特性及び支保工の影響を考慮することが必要   69.
 本報告書案第2部第2章2.(3)2)に緩衝材とオーバーパックとの力学的相互作用等評価することを記しています。支保工の影響を考慮した解析を行うかどうかについては、今後検討されると考えます。

○堆積岩についてスイスのデータなどの取得を検討すべき   71.
 本報告書案第2部第3章4.で堆積岩及び結晶質岩系の双方を対象に、表層から地下深部までの岩石や地下水に関する包括的なデータの取得に努めるとともに、地球科学の各分野における学術的研究によって蓄積された関連情報についても広く収集・整理し、その活用を図っていくことが重要であるとしており、また、海外の施設についても積極的に研究の場として活用していくことが重要としています。

○放射能漏れの場合の検討が必要   114.
○千メートルを超える地下水利用の現状から埋め戻し後も超長期の管理が必要と予想されるのでそのシステムを研究すべき   137.
○モニターのための経路、アクションのための経路が確保される必要がある   177.
 本報告書案第1部第4章に「処分場の管理に関する技術的基盤を整えるものとする」と記しています。

○サイト特性調査では極めて長い期間特性を保てるかという視点が必要   123.
 本報告書案第1部第5章1.(1)1)に「長期安定性に関連する天然現象についての事例研究成果に基づき、処分予定地選定の要件になると選定される事項を整理し、明らかにする」と記している中に包括されています。

○「地層処分システムの安全評価上の要件」の項目にファーフィールドの評価を加えることが必要   124.
 本報告書案第2部第1章に「ファーフィールドについては放射性物質の移行の遅延効果や希釈・分散機能について、さらに調査・研究を進め、その概括的評価を行うことが重要である」と記しています。

○地球の温暖化現象による海水面上昇を考慮すべき   125.
 本報告書案第2部第3章3.に「気候・海水準変動については、その形態や規模などの研究を行い、これに伴う風化・侵食による地形への影響や地下水の挙動及び地球化学的特性などへの影響について検討していく」と記しており、第2次取りまとめでは人為的な地球温暖化についても考慮されます。但し、氷期・間氷期の気候変動の幅の影響の方が大きいと考えられます。

2.研究方法等について

○探査技術の開発が必要   15.
 本報告書第2部第3章2.に地質環境への擾乱を最小限に抑えつつ信頼性の高いデータを取得する調査方法や機器の開発・改良を進めることを記しています。

○地質環境の長期安定性の研究の進め方に関連して、安全評価はどのような過酷な条件よりも安全側にあるという立場で行うのか特殊条件下の地質のみを調べて評価を行うのかを明確に   25.
 本報告書案第1部第2章1.に地下深部環境への天然現象の影響の程度とその範囲について事例研究を進め、地層処分にとって十分に安定な地質環境が存在し得ることを明らかにすることを記しています。
 ご意見の特殊条件下の地質のみを調べているわけではありません。

○安全評価シナリオ、解析評価の考慮範囲が曖昧   41.
○評価に不確かさ、未知の要素及びその大きさを加えることが必要   43.
○不確実性の解析が必要   63.
 本報告書案第1部第3章1.(2)に地層処分の安全性の評価においては、きわめて長期的な現象及びその影響の可能性を論ずることから種々の不確定要因を含んでおり、シナリオの作成と解析にあたっては、十分な安全裕度を見込んで評価できるよう留意する必要があることを記しています。また、可能性の低いシナリオについては確率を考慮するという考え方の適用性についても検討することが望ましいとしています。

○接近シナリオの安全評価の検討に重点を置くべき   61.
 本報告書案第2部第2章2.(3)1)に「接近シナリオと地下水シナリオについてその詳細化を図り、考慮すべき要因を体系化するとともに、評価の考え方を明確にすることが肝要」と記しています。

○処分予定地の選定に当たっては、適地をイメージしながら地質環境の長期安定性、必要とする地質環境特性について検討すべき   65.
 本報告書案第1部第5章1.に処分予定地の選定にあたって地質環境のどのような特性に着目するのかが明らかにされている必要があると記しています。原子力長計では、当面、地質環境を幅広く想定する考えです。

○コロイド等の実地データ取得等を行う機関、時期を明示する必要がある   66.
 本報告書案第2部第2章2.(3)2)に地下水中でのコロイドの生成・移行についても新たにモデル開発を行うとともに、有機物や微生物の存在が放射性物質の移行に及ぼす影響についても検討を行い、室内などでの試験研究成果に基づきモデルの妥当性を示していくこと、資料7(4)にコロイド輸送モデルの開発を、また、資料7(4)に深部地質環境の特性に関する研究の主要研究施設として釜石鉱山、東濃鉱山等、超深地層研究所、深地層試験場を記しています。このような施設においてデータが取得されることになります。

○ナチュラルアナログの研究として海外の事例も記されているが、日本の地層との相違点の研究も必要   113.
 本報告書案第1部第2章2.(3)に「日本は、安定大陸地域に比し、地震・断層活動及び火山・火成活動の頻度が高く」と記しています。

○独立した指標が安全基準の策定に資する技術的拠り所の項中のどこに位置するか不明確   126.
 本報告書案第1部第5章2.(2)4)に記されている総合的な安全評価に含まれます。

○健全性確認試験は、あらゆる厳しい状態を想定して行うべき。第2次取りまとめまでという制限は設けず行うべき   129.
 本報告書案第2部第2章2.(2)1)に安全確保上より厳しい状態を想定した振動試験などによる人工バリアの健全性確認試験を行うこと、第2次取りまとめ以降も継続して行っていくことを記しています。全ての現象を重複させるのではなく、現象を素過程に分解し、各現象に応じたモデルの開発と妥当性の確認をします。

○閉鎖技術の研究開発と評価には別項目を設けて重点的に行う必要がある   130.
 本報告書案第2部第2章2.(2)2)に閉鎖技術については、材料開発などを行い、工学規模の試験などによって性能を評価することを記しています。

○擾乱による地下水流動の変化の研究が重要   168.
 本報告書案第2部第3章1.に坑道掘削などがもたらす擾乱による地下水流動の変化に関する研究を行うと記しています。掘削による地下水流動への影響に関する研究は重要です。

○他の独立指標による判断を必要としていることに賛成   181.
 本報告書案第1部第3章3.に補完的な解析結果を併せて示すことが適当と記しています。第2次取りまとめの中で検討します。

○地質環境の変化の可能性を考慮してシナリオを整理する点に賛成   186.
 本報告書案第2部第2章2.(3)にシナリオを整理することが重要との考えを記しています。

3.長期的な信頼性、日本の地質学的特性について

○断層を絶対的に避けるのは不可能で、断層による影響評価か確率論的評価を行うことが必要   91.
 本報告書案第1部第3章1.(2)に地層処分の安全性の評価は不確定要因を含んでおり、シナリオの作成と解析にあたっては、十分な安全裕度を見込んで評価することができるよう、モデルの前提のたて方やその入力パラメータの選定に十分に留意する必要があることと可能性の低いシナリオについては、その確率を考慮するという考え方の適用性について検討することを示唆しています。

4.研究体制、実施組織について

○研究調整委員会(仮称)による進捗チェック、研究の進捗状況の定期的公表が必要   10.
 本報告書案第1部第6章1.に成果の公表、透明性の重要性を記しています。

○処分技術の具体的項目ごとに分担機関を明示すべき   72.
 本報告書案第2部第4章に動燃、その他の機関の主に実施するものを記しています。

○研究調整委員会はフルタイムで検討する強力な組織とすべき   73.
 本報告書案第2部第4章に第2次取りまとめに向けた協力を一層強化すべく研究調整委員会(仮称)を発足させることを記しています。実効があがるように運営に配慮することは重要です。

5.処分全般について

○地上からアクセスする沿岸海洋底下地層処分方法を提案   3.
 本報告書案第2部第1章にわが国の地質環境の理解と処分に適切な地層の存在等について信頼性の高いデータによって示していく必要があることや第1部第2章2.(2)2)に気候変動に伴う沿岸地域における塩淡境界や地下水の水質の変化などについても調査研究することを記しています。
 2000年までの地層処分の研究開発は、地域を特定することなく地質環境を広く想定して進めており、沿岸海底下の地層は視野に入っています。

○高レベル放射性廃棄物からの熱による地震等への影響等を明らかにする必要がある   8.
 本報告書案第2部第2章2.(1)で地質構造、地下水の流動、地下水の地球化学、岩盤の力学、岩盤中での物質移動、坑道掘削や人工物の構築などによるこれらの特性への影響などに焦点を当ててデータの充実を図ることが肝要であると記しており、必要に応じて第2次取りまとめにおいて検討されると考えます。

○処分地は地質に問題があったり、地震の危険の高い地域に計画するのは止めるべき   98.
 本報告書案の第1部第5章1.で処分予定地の選定に資する技術的拠り所として第2次取りまとめの中に盛り込まれるべき主な事項を示しています。

6.情報公開について

○1)客観的な評価体制とプロセスの透明性の確保の具体的記述が必要。2)国民特に地元住民の理解不可欠。   7.
 本報告書案第1部第6章2.(1)に,「国民に信頼をもって受け入れられるためには、客観的に評価が行われる体制を整えるとともに、積極的に成果を公表し、国民に意見を求めるなどプロセスの透明性を確保することが重要である」と記しており、この基本的考え方に基づいて具体化が図られます。
 国民特に地元住民の理解が不可欠であることは,本報告書案のはじめにに「早急に、地層処分の技術的事項について具体策を策定し、その内容を国民にわかりやすく提示して理解を得ることが重要との認識の下に、審議を行ってきた」と記しています。

○国民の理解と信頼を得るための基本的考え方を次回取りまとめでは明記が必要   110.
 本報告書案の第1部第6章1.に「国民の理解と信頼を得るために、動燃事業団は研究開発について積極的に成果の公表を行い、その内容について広く意見を求めるなど、研究開発の進捗に応じ国民に向けてわかりやすく情報を提供することが肝要」と記しています。

○地層処分PRの専門組織を整備する必要がある   138.
 本報告書案の第1部第6章1.に「国民の理解と信頼を得るために、動燃事業団は研究開発について積極的に成果の公表を行い、その内容について広く意見を求めるなど、研究開発の進捗に応じ国民に向けてわかりやすく情報を提供することが肝要」と記しています。成果の公表の方法等については、この考え方に基づき、今後より具体的に検討されると考えます。

○1)評価体制を具体的に示してほしい。2)意志決定への国民の参加を広げるための努力を具体的に示してほしい。   139.
 本報告書第1部第6章2.(1)に,「国民に信頼をもって受け入れられるためには、客観的に評価が行われる体制を整えるとともに、積極的に成果を公表し、国民に意見を求めるなどプロセスの透明性を確保することが重要である」と記しており、この基本的考え方に基づいて具体化が図られます。
 また、意思決定への国民の参加については、本報告書の取扱いの範囲外です。   (139.2))

○報告書案は国民にわかりやすく提示されるようになっていない。テレビ等により高レベル廃棄物について解説する、専門用語を避けることなどが必要。   178.
 本報告書の作成にあたっては、できるだけわかりやすくすることに努め、多くの資料や用語解説を添付しました。

7.スケジュール等について

○研究開発の促進、処分の見通しを示してほしい   31.
 原子力委員会は、「当面の核燃料サイクルの具体的な施策について(平成9年1月)」において、「高レベル放射性廃棄物の処分については、原子力バックエンド対策専門部会の報告書が近くまとまる予定であり、その結論をも踏まえて研究開発を推進するとともに、高レベル放射性廃棄物処分懇談会での社会的・経済的側面を含めた幅広い議論を通じて、処分の円滑な実施へ向けた処分対策の全体像をできる限り速やかに明らかにするべく、一層の努力を傾注する。」との決定を行いました。
 また、政府は、「当面の核燃料サイクルの推進について(平成9年2月閣議了解)」において、「高レベル放射性廃棄物の処分について、研究開発を推進するとともに、処分の円滑な実施に向けて処分対策の全体像を明らかにする。」としております。
 このように、政府一体となって研究開発の促進、処分対策の円滑な実施に向けて努めています。
 なお、平成9年度の関係予算は130.7億円と前年の89.8億円に比べて大幅に増加しています。
 資料1に研究開発と処分事業、安全規制の展開を記し、今後の処分の大筋を示しています。

○日本も地下研究施設による研究を進めるべき   141.
 本報告書案第2部第3章4.に地下深部の研究施設を活用していくことを記しており、地下の研究施設は重要と考えています。

8.表記、言い回し、用語等の修正・データ等の記載について

○研究開発の進め方のフィロソフィーが必要   20.
 本報告書案のはじめにに地層処分は、極めて長期にわたって人間環境に有意な影響を及ぼさないようにする有効な方法とされていること、第1次取りまとめはわが国における地層処分の安全確保を図っていく上での技術的可能性を明らかにしたもので、第2次取りまとめはさらに処分の技術的信頼性を示すとともに、処分事業を進める上での処分予定地の選定、安全基準の策定に資する技術的拠り所を与える極めて重要なものと記しています。

○主要施設と処分地選定との関連が不明確    44.
○地下研究施設の意義と役割の明確化が必要   70.
○地下研究施設の位置付け・方向性が不明確   87.
 資料1に研究開発と処分事業、安全規制の展開を記しています。
 資料6に地層処分研究とその基盤となる深部地質環境の科学的研究の構成を、資料7(4)に深部地質環境の科学的研究の実施内容と主要試験研究施設等を記しています。地下研究施設は地層処分研究開発の基盤となる深部地質環境の科学的研究を行う施設であり、原子力長計に記されているとおり処分場の計画とは明確に区別して進めていきます。
 第2部第3章1.に「地質環境の特性に関する研究については、深度1,000m程度までの地質構造、地下水の流動特性及び地下水の地球化学特性、岩盤の力学特性、岩盤中での物質移動、及び坑道掘削や人工物の構築などによるこれらの特性への影響に関する調査研究を行う」と記しており、第2部第3章2.に地質環境への擾乱を最小限に抑えつつ信頼性の高いデータを取得するための調査手法や機器の開発・改良を進めることを記しています。   (70.)

○第1部第1章2.地層処分システムの安全評価 の最初にシナリオを作成し安全性を解析評価すること等を追記すべき   54.
 第3章1.1.1)にまず、安全評価上のシナリオを作成し、といったご意見の趣旨の記載があります。

○1)第2次取りまとめに向けての具体的記述が必要2)一般国民に安心してもらえるとの観点からの検討が必要   56.
 本報告書案第2部第2章、第3章に各研究分野の目標、重点課題が記されています。
 国民に安心して貰うという観点では、本報告書案の第1部第6章1.に国民の理解と信頼を得るために、動燃事業団は研究開発について積極的に成果の公表を行い、その内容について広く意見を求めるなど、研究開発の進捗に応じ国民に向けてわかりやすく情報を提供することが肝要である。また、第2次取りまとめは、国際的な専門家によるレビューを受けることとし、レビューの結果は報告書とともに国へ報告し、国の評価を受けるものとすると記しており国民に安心して貰うという観点からの検討もされると考えます。   (56.2))

○処分予定地の選定と安全基準の策定に資する技術的拠り所を別の章にした方がよい   90.
 処分予定地の選定と安全基準の策定は区別して取り扱うべきものであり、本報告書では、区別しています。


III.本報告書案の取扱いの範囲内であるが本報告書には反映されない意見




1.研究方法等について

○まず、候補地を選び、その地点回りに関する調査を行うべき   12.
○シナリオは処分候補地のモデルとデータが必要         19.
○地質調査の場所は日本全土か処分場周辺いずれなのかが不明確  24.
 2000年までの研究開発は、当面、対象とすべき地質環境を幅広く想定し、進めます。ニアフィールドに焦点をあてて研究を行うことは処分地を特定せずに適切な地質環境の存在と地層処分の安全性を示す上から重要です。

○「〜し得ることを示す」との表現を「可能かどうかを検討する」との表現にすべき   39.
○処分の可能性のPR研究のようにみえる   85.
○「安全に埋設する」、「処分施設を設置することが可能と考えられている」等研究結果を断定的に表現すべきではない   117.
○「存在し得ることを示し・・・」の表現は、存在するか否かは今後明らかになることなので修正が必要   180.
 本報告書は研究の目標を示したものです。
 動燃事業団では平成4年にそれまでの地層処分の研究開発の成果を報告書にまとめており(第1次取りまとめ)、これに対する国による評価も行われています。その中で、わが国においても安全に地層処分を行うことが技術的に十分可能であるとの見通しを得ています。このことを受けて、2000年までの研究開発の目標は、日本における地層処分の技術的信頼性を示すこととされています。
 第1次取りまとめにおいても、従来の地質学等の知見に基づいて、日本における火山や活断層の分布範囲が限定されていることが示されており、安定な地域が存在する見通しが得られたとしています。第2次取りまとめの課題は火山や活断層の影響の少ない安定な地域が存在することをさらに技術的根拠に基づき、高い信頼性をもって示すことであると考えています。

2.長期的な信頼性、日本の地質学的特性について

○人間の生活様式、経済状態の変化から長期将来予測が困難   11.
○将来の人間環境の予測は不可能                77.
 本報告書案第1部第3章3.に安全評価においては、「将来の人間環境の予測の困難さを考慮し、長期については第2次取りまとめにおいて天然の放射能レベルに有為な影響のないことを確認するため補完的な解析結果を併せて示すことが適当」と記しています。
 IAEAの安全原則では、「遠い将来の人間環境や生活様式を予測することはできないため、厳密には、線量やリスクの評価は、数千年以上の長期においては、絶対的な意味があるとはいい難い。それはこのような長期にわたる評価をしない方がよいとするものではないが、時間とともに不確実性が増大するにつれて線量やリスクによる評価の結果を他の独立した指標により補完する必要があることを示唆している」としています。

○遠い将来を過去の履歴で外挿することは不可能   21.
○突発的事象の予測は困難   22.
○「地震、火山活動は、限られた地域で起こっており」という表現は断定的   28.
○日本は地震国であり、地下深部の地質環境が長期安定とは思えない   51.
○地質学的長期安定性の確保は不可能   76.
○地質の安定、安全に疑問   79.
○地質環境の安定性が疑問   95.
○全国に活断層が分布しているので、地層処分の是非の検討が必要   127.
○ある時点である地域が安定であると判断しても覆される可能性が高いので、高レベル放射性廃棄物は場所の移動ができるように地上付近に保管すべき。代替エネルギーを開発し原子力利用を見直すべき。   142.
○処分できる地質環境が見つかると断定できないのではないか   150.
○地下のことは未知のことが多い   167.
○処分に適した地域は見出せず、地層処分を止め、1000年以上中間貯蔵   174.
 本報告書案の資料2として整理しておりますように、わが国における天然現象は過去数十万年程度の時間スケールでみたときには、各現象によってそれが起こる地域や間隔などに規則性があることがわかっています。こうした地球科学の最新の知見に基づいて、天然現象のわが国における活動の履歴を過去数十万年程度まで遡って調べ、規則性をより定量的に、あるいはより詳細に把握していくことによって、その継続として将来の活動についても検討することが可能と考えられます。以上については、第2次取りまとめで検討することとなっています。
 地上保管については本報告書の取扱いの範囲外です。      (142.)
 長期中間貯蔵については、本報告書の取扱いの範囲外です。   (174.)

○地層処分は処分に関する論文等から安全だとは思えない   47.
○安定な地質が存在しない場合の代替案についての研究必要。   112.
○地層処分するという結論ありきである   120.
 動燃事業団では平成4年にそれまでの地層処分の研究開発の成果を報告書にまとめており(第1次取りまとめ)、これに対する国による評価も行われています。その中で、日本における地層処分の可能性が示されたとしており、わが国においても安全に地層処分を行うことが技術的に十分可能であるとの見通しを得ています。このことを受けて、2000年までの研究開発の目標は、日本における地層処分の技術的信頼性を示すこととされています。
 第1次取りまとめにおいても、従来の地質学等の知見に基づいて、日本における火山や活断層の分布範囲が限定されていることが示されており、安定な地域が存在する見通しが得られたとしています。第2次取りまとめの課題は火山や活断層の影響の少ない安定な地域が存在することをさらに新しい研究成果と技術的根拠に基づき、高い信頼性をもって示すことであると考えています。

○具体的な時間スケールを特に限定しないとしていることは問題   134.
 本報告書案第1部第3章2.で評価期間に関する時間スケールについてはとくに限定せず、現在の人々との対比において人間への影響が最大となる時期やその期間などがわかるように評価しておくことが適切と記しています。これにより評価期間をどのように設定すべきかの基盤をつくります。

○固化体の耐久性に問題があった場合の対策の検討が必要   171.
○キャニスター材質の健全性に疑問   172.
○ガラス固化体の長期特性が不明であり、多重バリア機能が期待出来ないと考える。   175.
 地層処分では、キャニスターに入ったガラス固化体をオーバーパック、緩衝材及び天然の地層から成る多重バリアシステムによって封じ込めるものです。このうち、オーバーパックや緩衝材については、深部地質環境下での耐食性、耐圧性あるいは透水性や熱による影響の検討を行ってきており、第2次取りまとめにおいても引き続き検討することとしています。

3.研究体制、実施組織について

○動燃が取りまとめることは透明性を失う恐れがある   26.
○動燃が研究の中核であることに反対   38.
○研究開発の中核機関である動燃は廃棄物の発生者と独立していない   88.
○動燃が研究開発の中核機関であることは国民的支持を得ていない   116.
○動燃が研究の中核ではデータの公開、信頼性疑問。 半永久的に地上で管理すべき。   140.
○動燃が中核機関では国民の理解を得られない   151.
 本報告書案第1部第6章1.に「国民の理解と信頼を得るために、動燃事業団は研究開発について積極的に成果の公表を行い、その内容について広く意見を求めるなど、研究開発の進捗に応じ国民に向けてわかりやすく情報を提供することが肝要である」と記しています。第2部第4章に「日本原子力研究所、地質調査所、・・・などのそれぞれが専門的知見を活かした適切な役割分担の下に、電気事業者などの協力と支援を得て、総力を挙げて研究開発を行う」と記しています。
 半永久的管理ついては本報告書の取り扱いの範囲外です。   (140.)

○国際的なレビューを受ける必要はない   179.
○国際的な専門家によるレビューを受ける必要性が不明確   183.
 本報告書案で記している国際的な専門家によるレビューは、客観的かつ透明性をもたせるためのものであり、総合的な評価は国が行うこととしています。

○第2次取りまとめの評価は科技庁以外の中立的機関がすべき   182.
 本報告書案第1部第6章において、「第2次取りまとめに対する国による評価が、国民に信頼をもって受け入れられるためには、客観的に評価が行われる体制を整えるとともに、積極的に成果を公表し、国民に意見を求めるなどプロセスの透明性を確保することが重要である。」との考えを示しています。

4.処分全般について

○海洋底処分の研究が必要   2.
 海洋底の堆積物あるいはその下の岩盤の中に処分する海洋底下処分については、ロンドン条約(廃棄物その他の投棄による海洋汚染の防止に関する条約)により、放射性廃棄物の海洋投棄が国際的に規制されている状況を考えると、国際的な合意形成は極めて困難であると考えます。

○十分な安全裕度をみるといっても人間の想定できる可能性は限られているのではないか   48.
 本報告書案の第1部第3章に、「シナリオによってすべての可能性を網羅することは不可能であるが、入力パラメータの精度が結果に及ぼす影響の程度を十分に解析することにより、可能性の非常に低いシナリオに対する対応策を把握することが可能になる。」と記しています。
 地層処分は、天災や人間活動の影響のおよび難い安定な深部地質環境中に放射性廃棄物を埋設することにより、人間の管理を要しないようにするものです。ガラス固化体、オーバーパック、緩衝材からなる人工バリアと、地質環境が本来的に備える包蔵性、隔離性とによる多層の防護システムによって安全性をより確かなものとしています。
 以上については、第2次取りまとめで検討することになっています。

○廃棄物の危険度が時間とともに減少するというが、永久的といえるような時間がかかり詭弁である   49.
○地層処分しても廃棄物の存在はなくならないので地層処分に反対   149.
 深部の地質環境は、極めて長期の地質学的時間にわたり安定であると考えられています。したがって、処分場として適切な地点を選べば、放射能レベルが高い期間や、その後の期間においても、埋設された廃棄物が人間環境に有意な影響を及ぼさないようにすることができると考えられます。この際、深地層に存在すると想定される地下水中の中に放射性廃棄物が溶出する可能性について考慮しておくことが重要であり、このために多重の防護系(多重バリアシステム)を設けるのが基本的な考え方です。
 地層処分は、地下深部が有する長期の安定的地質環境中に高レベル放射性廃棄物を埋設することにより、極めて長期にわたってそれが人間環境に有為な影響を及ぼさないようにする有効な方法とされ、わが国のみならず関係各国においてその実現に向けて各般の施策と関連の研究開発が進められています。

○処分施設の設計・施工技術のさらなる向上が近い将来認められるとは思えず施工、建設を中止すべき   136.
 動燃事業団では平成4年にそれまでの地層処分の研究開発の成果についてまとめた報告書(第1次取りまとめ)を作成しており、これに対し国による評価も行われています。その中では、日本においても地層処分が可能であることが示されています。

○国民に理解され信頼が得られるか疑問   153.
○国民に理解され信頼が得られるか疑問   155.
○国民に理解され信頼が得られるか疑問   156.
○国民に理解され信頼が得られるか疑問   157.
○国民に理解され信頼が得られるか疑問   158.
 本報告書案の第1部第6章に「国民の理解と信頼を得るために、動燃事業団は研究開発について積極的に成果の公表を行い、その内容について広く意見を求めるなど、研究開発の進捗に応じ国民に向けてわかりやすく情報を提供することが肝要である。また、第2次取りまとめは、国際的な専門家によるレビューを受けることとし、レビューの結果は報告書とともに国へ報告し、国の評価を受けるものとする。」と記しています。

○高レベル放射性廃棄物は発熱があり埋設疑問。1000年は貯蔵管理すべき   166.
 第1次取りまとめでは、熱的影響については、緩衝材の熱変質に対する制限温度100℃を下回るように廃棄体の占有面積を約100m/本とし、ガラス固化体の中心温度は最大約140℃、周辺岩盤で70℃程度で、1000年後には元の地温約50℃程度まで低下すると評価されています。
 1000年の長期貯蔵については本報告書の取扱いの範囲外です。

5.情報公開について

○これまでの分科会、ワーキンググループの議事録、資料の公開を求める 80.
 分科会における検討結果については、必ず専門部会において検討されることになることから、専門部会を公開することにより、政策決定プロセスの透明性は十分保たれるものと考えます。

○案を正としこれに不満があれば意見を述べよという態度では協力は得られない   100.
○報告書案の公表の周知等の情報公開が不十分   118.
○1)公開の期間を三ヶ月位にすべき2)公開の広報がもっと必要3)経済的な情報がない4)合意のあり方(国民投票など)の検討が必要   164.
○意見募集の方法の改善が必要   165.
 原子力に関する情報公開及び政策決定過程への国民参加の促進について(平成8年9月25日原子力委員会決定)に基づき実施しております。尚、今回の意見募集の経験を踏まえ、今後の募集方法が検討されるよう原子力委員会に報告します。

○1)意見募集の周知が不十分。
 2)動燃事業団が中核の研究開発には理解を示せない   144.
 原子力に関する情報公開及び政策決定過程への国民参加の促進について(平成8年9月25日原子力委員会決定)に基づき実施しております。今回の意見募集の経験を踏まえ、今後の募集方法が検討されるよう原子力委員会に報告します。
 本報告書案第1部第6章1.に国民の理解と信頼を得るために動燃事業団は研究開発について積極的に成果の公表を行い、その内容について広く意見を求めるなど、研究開発の進捗に応じ国民に向けてわかりやすく情報を提供することが肝要であると記しています。第2部第4章に日本原子力研究所、地質調査所、・・・などのそれぞれが専門的知見を活かした適切な役割分担の下に、電気事業者などの協力と支援を得て、総力を挙げて研究開発を行うと記しています。

6.スケジュール等について

○2000年までに十分な地質環境を選定することには無理がある   135.
 本報告書案第1部第5章に、処分予定地の選定に資する技術的拠り所として、第2次取りまとめの中に盛り込まれるべき主な事項を示しています。
 処分予定地の選定は、第2次取りまとめ以降に開始されるものです。また、処分 予定地が選定された後も、そこで地下施設による精密な調査や解析及び処分技術の実証が行われ、その上で安全性についての検討・評価がなされることになります。

7.表記、言い回し、用語等の修正・データ等の記載について

○地層処分という用語の修正が必要   18.
○「地層」という用語は学術用語での使い方が望ましい。「生物圏」の用語解説は、生物が生息する地球の空間をすべて含むものにすべき。   104.
○地層処分の脚注を修正してはどうか   105.
 本報告書案はじめにの脚注に、「高レベル放射性廃棄物処分では、従来より地質学上の堆積岩を示す「地層」と、地質学上は「地層」とみなされない「岩体」を含めて「地層」という語を用いている。」として地層の用語の用い方の注意点を示しています。
 生物圏の用語解説は、IAEA用語集(1993)を踏まえており、現状のままとします。   (104.)

○安定な形態、安全に埋設、安定であると考えるという表現は情緒的で説明が不足   23.
 「安定な形態」は、化学的に変化しにくいということを意味しています。
 「安全に埋設」は、多重バリアシステムの性能が発揮できるように、埋設されることを意味しています。  「安定であると考える」は適切な環境条件を維持することを意味しています。
 なお、「考えられている」という表現は、「地球科学における一般的な知見として認められている」という意味で用いています。

○廃棄物の量的前提が必要    33.
○放射性廃棄物の総量を明らかにすべき   86.
○廃棄物の量などのデータをあきらかにすべき。直接処分のオプションも含めて処分計画の全体像を示すべき。   119.
○処分場の容積と廃棄物の量を示してほしい   148.
○情報を公開し、核のゴミ問題を推進してほしい。廃棄物の貯蔵量、必要な面積、今後の発生量などの具体性にかける。   163.
 第1次取りまとめではガラス固化体の本数を4万本とし、発熱対策から占有面積を100m/本として解析評価が行われています。第2次取りまとめにおいても、評価の前提条件として適切な値を設定し評価を行う計画です。
 地層処分のオプションについては本報告書の範囲外です。   (119.)
 原子力に関する情報公開及び政策決定過程への国民参加の促進について(平成8年9月25日原子力委員会決定)に基づき実施しております。   (163.)

○ナチュラルアナログ研究で東濃鉱床名のみ例示しているのは唐突   34.
○東濃ウラン鉱床のみ記すのはやめてほしい   146.
 東濃ウラン鉱床は、わが国におけるナチュラルアナログ研究の事例として示したものです。
 他にもそれぞれの天然現象に即した例があり、資料の用語解説・概念図の表1にナチュラルアナログ研究の例を記しています。

○国の評価の国とは内閣、原子力委員会、科学技術庁、国会のいずれか責任を明確にすべき。   102.
 第2次取りまとめに対する国による評価にあたっては、国民に信頼をもって受け入れられるよう客観的に評価が行える体制をととのえることとしています。

○影響を受けない地域の地下深部、影響を受けない地下深部の表現を統一すべき   122.
 本報告書案の第1部第1章では「その影響を受けない地域の地下深部に処分施設を設置することが可能と考えられる。」とし、一方、第1部第2章では「その影響の及ばない地下深部の地質環境が存在し得ることを明らかにする。」としています。この違いは文脈上のもので、いずれの表現も意味するところは同じです。前者においては、「地域の」を省略すると、「地下深部はそもそも影響を受けない」との誤解を与える恐れがあります。

○第2次取りまとめに向けた研究開発のあり方の章は既存報告書との比較であって分かりにくい   184.
 本報告書の作成にあたってはわかりやすくなるように努めております。


IV.本報告書案の取扱いの範囲外であるので本報告書には反映されない意見



○1)廃棄物を有効利用する研究を行い、陸地で保管することを検討すべき.
 2)安全基準は処分概念の見直しも有り得、時期尚早   1.
○PR活動が重要   4.
○次世代への教育が重要   9.
○超長期の記録保持は困難であり地層処分に反対   30.
○地層処分の国民的合意はまだ得られていないと考える   32.
○使用済燃料の直接処分などいろいろな処分の選択肢比較の提示が必要   37.
○処分行為という非可逆的行為の正当付けの考察がない   45.
○原発も国民に問うべき   46.
○エネルギー問題は重大な課題で、情報を公開し、選択肢を国民に提示すべき。
 キャニスターの運搬の危険性が重要 。   50.
○1)地層処分以外の方法もリスクとコストを提示し市民を選択決定に参加させるべき
 2)キャニスター材質等の改善が必要3)再処理の必要性、使用済燃料の直接処分を検討してほしい   52.
○地層処分の前提を見直すべき   55.
○TRU廃棄物処分の報告が早く必要   57.
○社会学的、倫理学的検討、原子力安全委員会での検討が必要   58.
○安全性のはっきりしない核エネルギーの拡大は反対   74.
○1)オン・サイトでの小規模発電網を考えるべき2)直接処分は可能
 3)再処理、地層処分は不要   75.
○コストの額、負担者についてがわからないと賛否が言えない   78.
○長計の基本方針の議論が必要   83.
○長計のスケジュールにとらわれるべきではない   84.
○直接処分、地上管理、再処理を国民に問うてほしい。   89.
○今後の地層処分の研究開発の地域選定等について国家プロジェクトとしての権限を法的に与えてよい   93.
○処分予定地の選定では地域の社会的特性、地理的条件等も基準に含めた方がよい   94.
○処分予定地の選定については地域産業や住民感情への影響を充分考慮すべき   97.
○地震・断層活動、火山・火成活動の影響を受けない地域で、地層処分を受け入れるところが地震国日本にあるか疑問。地上管理が安全。   99.
○廃棄物の再利用も可能性があり、掘り返しの可能性も考慮すべき   101.
○本報告書及び研究の成果については、別途社会的アプローチが必要   109.
○複数の代替案の検討と研究を並行実施すべき   111.
○実証が出来ないこと、社会不安倫理性問題などから深地層の研究を進めること、処分推進に反対   121.
○国民レベルの議論を行い、政策の修正もありうることを保証することが必要   128.
○1)基本方針と長計の基本的な方針は意味が異なるのではないか。2)長期保管、例えば100年の保管の可能性もある。 131.
○地層処分が既成の結論であり疑問。再処理の是非の議論が必要。
 長期管理すべき。   133.
○処分の見通しがはっきりしていないから、原子力発電政策の見直しが必要   145.
○廃棄物の輸送のシナリオその他突発的事故のシナリオも必要   147.
○国が関与するのは違法   152.
○国の費用で研究開発、処分することに反対   154.
○国が関与するのは違法    159.
○処分事業に反対   160.
○国は関与しないでほしい   161.
○国が関与するのは違法   162.
○処分までに長期の検討・評価期間が必要。
 長期保管が必要   173.
○人工バリア及び処分施設の設定には経済的合理性だけでなく環境・人心・生業等を含め検討が必要   176.
 ご意見は、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する研究開発計画の策定等処理処分に係る技術的事項について審議を行ってきた原子力バックエンド対策専門部会の本報告書の取扱いの範囲外でありますが、今後、原子力委員会における政策の検討等に当たって参考とすべきと考えられますので、原子力委員会に報告します。